JPS597448B2 - 魔法瓶における注出口開閉装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は外筒内に収納した内瓶を栓蓋の回動操作による
上下動によって開閉させるようにした魔法瓶において、
注出口に設けた開閉弁を栓蓋の回動操作に連動して開閉
させるようにした魔法瓶の注出口開閉装置に関するもの
である。

従来から、内瓶の開口端を中栓により密閉させた魔法瓶
においては、該中栓を着脱自在に嵌合させた水切金具に
設けられている注出口は通常開放されているため、塵埃
その他の異物が該注出口の内壁に付着して注湯時に湯水
と共に排出される虞れがあり、又、虫類やゴキブリなど
が注出口から浸入して極めて不衛生であった。

これをなくするために、中栓を被覆するようにして外蓋
を開閉自在に取付けた魔法瓶や注出口に注湯時において
魔法瓶を傾倒させた際に自動的に開閉させる弁体を設け
たものも案出されているが、完全な密閉が困難であるば
かりでなく、魔法瓶が不測に倒れた場合には外蓋や弁体
が開放して湯水が漏出する等の欠点があった。

本発明はこのような欠点をなくするために、注出口の開
口端に設けた開閉弁を内瓶の開口端に螺合した栓蓋の回
動操作に連動させるようにし、注湯時に栓蓋を回動して
内瓶の開口端を開くと同時に開閉弁を開放させ、使用後
に栓蓋を閉じると同時に開閉弁も閉止させるように構成
したことを特長とする魔法瓶における注出口開閉装置を
提供するものである。

本発明の実施例を図面について説明すると、１は外筒１
ａ内に内瓶２を装着してなる魔法瓶本体で、その上端に
水切金具３を配設し、公知のように該水切金具３に穿設
した通口４の下面外周縁をパッキング５を介して内瓶２
の上端口縁に圧着すると共に下面に突設した螺筒６に止
環７を螺合させ、該止環７を外筒１ａの上端フランジ部
下面に当接させることにより水切金具３を本体１に固着
しているものである。

８は水切金具３の外側方に突出した部分を凹設して形成
された注出口で、その両側壁８ａ ，８ａの上端間に天
壁８ｂを一体的に設けてなるものである。

９は水切金具３の内周面に突設した一条の傾斜突条で、
注出口８の一方の側壁入口部からの他の側壁入口部に亘
って栓蓋１０の下半部外周面に設けた螺子１１と同一ピ
ッチでもって設けられてある。

栓蓋１０はこの傾斜突条９に螺合し、その下端外周面に
装着したパッキング１２を前述した通口４の口縁に圧着
させて内瓶２の開口端を閉止すると共にその上部外周に
螺合中心線に対して偏心させたカム周面１３を形成し、
瓶口を閉止した状態においてはその最も高い周面が注出
口８の天壁８ｂの後端面に摺接或いは近接するものであ
る。

１４は天壁８ｂの下面に固着したガイドフレームで、そ
の前半部を巾狭いスプリング内装部１４ａに、後半部を
広巾の両側ガイド片１４ｂ，１４ｂに形成すると共にこ
のガイド片１ ４ｂ ， １ ４ｂ間に連通させて天壁
８ｂに長孔１５を穿設してある。

１６は天壁８ｂの上面前端部に巾方向に刻設した係止溝
である。

１７は天壁８ｂの上面に前後摺動自在に設けた摺動杆で
、その下面中央に短柱形状の摺動片１７ａを一体的に突
設して該摺動片１７ａを長孔１５を通してガイド片１４
ｂ，１４ｂの対向面間に摺動自在に嵌合させ、ガイドフ
レーム１４の端面に当接した連結板１８の後部と摺動片
１７ａとを螺子１９により連結してある。

２０はガイドフレーム１４のスプリング内装部１４ａに
圧大したスプリングで、摺動片１７ａの前の前面を常時
後方へ押圧して摺動杆１７の後端面を前述した栓蓋１０
のカム周面に当接させてある。

２１は注出口８の開口端に設けた開閉弁で、その上端部
を後方に弯曲させて天壁８ｂの前端部上面に沿わせ、該
弯曲後端部をやや巾狭く形成すると共にその両側端面に
回動軸２２，２２を一体的に突設してある。

この回動軸２２，２２は摺動杆１７の前端部に形成した
軸受孔２３ ，２３に回動可能に支承されてある。

２４は開閉弁２１の弯曲部後端に斜め下方に向かって突
設した舌片で、前述した係止溝１６に係合してある。

以上のように構成した実施例の使用態様を述べると、内
瓶２内に湯水を入れる場合には、栓蓋１０を反時計方向
に回わして傾斜突条９からその螺子１１を離脱させるこ
とにより取り外せばよく、取り外した状態においてはス
プリング２０の押圧力にも拘らず、摺動片１７ａの後面
が長孔１５の後端或いはガイドフレーム１４のスプリン
グ内装部前端に当接して摺動杆１７はそれ以上後退しな
く、従って湯水充填後の栓蓋１０の嵌合が容易に行える
。

栓蓋１０の下端に装着したパッキング１２が通口４を閉
止している時には、摺動杆１７はスプリング２０の力に
より栓蓋１０のカム周面１３の最も高部位に当接してい
るので、該摺動杆１７は天壁８ｂの前部側に位置して開
閉弁２１の舌片２４の前面が係止溝１６の開口縁前部に
押接し、開閉弁２１は回動軸２２ ，２２を中心として
図において反時計方向に回動力を受け、注出口８の開口
端を閉止している。

次に、栓蓋１０を回動して通口４を開放させ、内瓶２と
注出口８とを連通させると共にカム周面１３の低部を注
出口８側に向ければ、摺動杆１７はスプリング２０の力
によりカム周面１３に摺接しながら後退し、開閉弁２１
の舌片２４先端が係止溝１６の内面に係止した状態で前
方に移動して回動軸２２を時計方向に回動させ、開閉弁
２１が開放するものである。

第３，４図に示す装置は前記実施例の変形例を示すもの
で、前述した摺動杆１７と略々同形状の摺動杆２７の後
端部下面に摺動片２７ａを連設すると共に該摺動片２７
ａの下端に連結板２８を一体的に設け、さらに注出口８
の天壁８ｂの後端中央部から前方に向かって適宜長さの
長孔２５を切設してこの長孔２５に摺動片２７ａを前後
摺動自在に挿入することにより摺動板２７を天壁８ｂの
上面に、連結板２８を天壁８ｂの下面に沿わせ、連結板
２８の前端部に上方に向けて突設した係止爪２９を天壁
８ｂの下面中央に刻設した条溝３０内で前後動させるよ
うにして摺動板２７が栓蓋１０のカム周面１３の最も低
い面に当接した状態においてはその係止爪２９を条溝３
０の後端面３０ａに係止するように構成してある。

さらに、注出口８の天壁８ｂの一側下面にスプリング支
持片３１を突設し、この支持片３１と連結板２８の後端
下面に突設したスプリング連結片２８ａ間にスプリング
３２を張設して摺動板２７を常時後方に張引し、その後
端面を栓蓋１０のカム周面１３に押接させてある。

その他の構成については前述した実施例と同様であり、
従って栓蓋１０を回動させれば、摺動板２７は栓蓋１０
のカム周面１３に摺接しながら前方又は後方に檜動し、
前方に移動した場合には係止溝１６に係合している舌片
２４を介して開閉弁２１は回動軸２２を中心として反時
計方向に回動して注出口８を閉止し、後進した場合には
開閉弁２１は開放するものである。

次に第５，６図に示す装置は本発明の更に別な実施例を
示すもので、後端部を上方に屈曲させて栓蓋１０のカム
周面１３に当接する摺接面３７ａに形成した摺動杆３７
の中央部に長孔３５を設け、この摺動杆３７を注出口８
の天壁８ｂの下面に摺接或いは近接させた状態で支持板
４０に前後摺動自在に支持させてある。

この支持板４０はその後端両側部を螺子により天壁８ｂ
に固着すると共に該固着部から前方に向かって一対の支
持アーム４０ａ ｔ ４０ｂを一体的に突設してあり、
これらの支持アーム４０ａ ，４０ａの先端部間に開閉
弁２１の上端部をピン４１により回動自在に支承−させ
、該ピン４１の中央部に巻回したスプリング４２の一端
部を開閉弁２１の後面に、他端部を支持アーム４０ａ
，４０ａ間に架設した横桟４０ｂの下面に夫々押接させ
て常態においては注出口８を開閉弁２１により閉止させ
てある。

又、横桟４０ｂの上面に突設したスプリング受け４３を
前述した摺動杆３７の長孔前端内に遊嵌させ、該スプリ
ング受け４３と長孔３５の後端面間にスプリング４３を
注入して常時、摺動杆３７の摺接面３７ａを栓蓋１０の
カム周面１３に押接させると共に摺動杆３７の先端面で
開閉弁２１の上端後面を受止させてある。

従って、栓蓋１０を回動させれば、摺動杆３７はカム周
面に摺接しながら前後移動し、前方に移動した場合には
開閉弁２１が開放すると共に後方に移動した場合には開
閉弁２１が閉止するものである。

なお、摺動杆の前後動による開閉弁の開閉手段は、摺動
杆にラックを形成してこのラックを開閉弁の回動軸に設
けたピニオンに噛合させるように構成してもよい。

以上のように本発明は、外筒内に内瓶を収納してなる魔
法瓶本体の上端に一側に注出口を有する水切金具を固着
し、該水切金具に前記内瓶の開口端を開閉する栓蓋を螺
合させてなる魔法瓶において、前記水切金具の注出口の
開口端部に上端部を回動自在に支持した開閉弁を配設す
ると共に注出口の上部に摺動杆を配設し、該摺動杆の一
端を前記開閉弁に接続すると共に他端を注出口の適所に
配設したスプリングの弾発力により前記栓蓋の外壁面に
設けたカム周面に当接させ、−前記栓蓋の回動操作によ
り摺動杆を介して前記開閉弁を開閉させるように構成し
たことを特徴とする魔法瓶における注出口開閉装置に係
るものであるから、栓蓋により魔法瓶本体の開口端を密
閉した状態においては開閉弁も閉止させておくことがで
きるので、塵埃や害虫等が注出口内に入るのを完全に阻
止して常に清潔にして衛生的であり、しかもこの状態で
魔法瓶を不測に倒すことがあっても内部からの湯水の漏
出を防止することができ、又、使用時においては栓蓋を
回動させることによって魔法瓶本体の開口端の開放と開
閉弁の開放とを同時に行うことができると共に栓蓋によ
る開口端の密閉も開閉弁の閉止と同時に行うことができ
るから操作も簡単で極めて便利であり、その上、栓蓋を
回動操作しなければ開閉弁を開くことができないので、
幼児や子供がいる家庭においては特に安全で安心して使
用することができるものである。

又、本発明によれば、栓蓋により内瓶を開閉させるよう
にした魔法瓶の構造を大きく変える必要はなく、魔法瓶
の注出口上部の空間を利用して摺動杆を配設することに
より栓蓋の回動を注出口の開閉弁に伝達できるので構造
が極めて簡単であると共に摺動杆をスプリングカにより
常時栓蓋の外壁面のカム周面に当接させているので、摺
動杆の摺動が円滑且つ確実に行え、さらに、栓蓋に大き
な回動力が作用しても摺動杆に何等破壊的な力が作用し
ないので長期の使用に供することができ、又、このよう
に摺動杆が栓蓋のカム周面に当しているだけであるので
、内瓶に注水、注湯するに際して該栓蓋を簡単に水切金
具から取り外すことができるものである。

【図面の簡単な説明】

図面は本発明の３種Ｑ実施例を示すもので、第１図は例
１の縦断面図、第２図はその要部の分解斜視図、第３図
は例３の縦断面図、第４図はその要部の分解斜視図、第
５図は例３の縦断面図、第６図はその要部の分解斜視図
である。 １は魔法瓶本体、８は注出口、９は傾斜突条、１０は栓
蓋、１１は螺子、１３はカム周面、１７，２７，３７は
摺動杆、２１は開閉弁。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 外筒内に内瓶を収納してなる魔法瓶本体の上端に一
   側に注出口を有する水切金具を固着し、該水切金具に前
   記内瓶の開口端を開閉する栓蓋を螺合させてなる魔法瓶
   において、前記水切金具の注出口の開口端部に上端部を
   回動自在に支持した開閉弁を配設すると共に注出口の上
   部に摺動杆を配設し、該摺動杆の一端を前記開閉弁に接
   続すると共に他端を注出口の適所に配設したスプリング
   の弾発力により前記栓蓋の外壁面に設けたカム周面に当
   接させ、前記栓蓋の回動操作により摺動杆を介して前記
   開閉弁を開閉させるように構成したことを特徴とする魔
   法瓶における注出口開閉装置。