JPS596638B2 - 固定化酵素 - Google Patents

固定化酵素

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JPS596638B2
JPS596638B2 JP5576176A JP5576176A JPS596638B2 JP S596638 B2 JPS596638 B2 JP S596638B2 JP 5576176 A JP5576176 A JP 5576176A JP 5576176 A JP5576176 A JP 5576176A JP S596638 B2 JPS596638 B2 JP S596638B2
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Description

【発明の詳細な説明】 本発明は固定化酵素及びその製造方法に関し、更に詳細
には、コラーゲンー酸性多糖複合体を担体とする固定化
酵素およびその製造方法に関するものである。
本発明の目的はコラーゲンと酸性多糖との複合体生成作
用によって酵素を包括するか、コラーゲンー酸性多糖複
合体の水相性膨潤性を活用して、酵素との複合体を形成
せしめることによって酵素を包括することにより、コラ
ーゲンならびに酸性多糖の具備する諸特性を保有する有
用な固定化酵素を提供することである。
近年、酵素の利用に関する研究や技術が進歩すると共に
生化学の発展による酵素の作用機構の解明に伴って、新
しい酵素源の開発や、新しい酵素作用の応用技術の開発
が進められて来た。
酵素の固定化の技術もその一つで、従来バッチ法によっ
ていた酵素反応の連続花を可能にし、酵素作用の著しい
特異性と反応効率を工業過程に提供するものとして注目
され、活発な研究が行われている。
酵素の固定化方法についてはこれまで多くの方法が提案
されており、固定化によって酵素活性の安定度が増大す
ることや《つかえし使用が可能になるなどの利点が認め
られているが、反面、概して酵素活性が低下する方法が
多く、固定化処理中に失活したり、酵素の離脱や基質の
拡散滲透に影響をうけたり、場合によっては基質特異性
が変化することが知られている、又、調製技術が難しか
ったり、酵素の種類によってそれぞれに適当した方法の
開発が必要であったりして簡便で普遍的な方法は少いよ
うに見られる。
一方、酵素を固定化するのに適当な担体としては、一般
的に言って、結合容量が太き《、担体表面の結合部位の
分布状態が適当であることが重要であって多孔度、電荷
の分布、親水性と疎水性の均衡など担体の組織の状態を
考慮する必要があり、さらに酵素活性におよぼす影響や
化学物、物理的な安定性等にも充分な配慮が必要である
このような観点からすると繊維性の蛋白質であるコラー
ゲンはすぐれた条件を兼ね備えた酵素の固定化材料と考
えられる。
本発明者は永年にわたりコラーゲンと酵素の関係につい
て研究しているものであるが、この研究に従事中、或る
種の酵素がコラーゲン溶液中で安定に保存されることを
観察していたことから、酵素の固定化の担体としてコラ
ーゲン溶液を用いることに着目するに至ったものである
コラーゲンは動物の結合組織の主成分で皮膚、骨、鍵等
に広く分布する蛋白質である。
このいわゆる「不溶性コラーゲン」の繊維を単分子状に
可溶化する方法は酸性領域の水中で蛋白質分解酵素を作
用させる特公昭37〜14426および特公昭37−1
3871号公報記載の方法がある他、糸状菌の酸性蛋白
質分解酵素を使用する特公昭44−11037および特
公昭44−1175号公報記載の方法もある。
また苛性ソーダ、硫酸ソーダおよび少量のアミンの存在
下で処理する特公昭46−15033号公報記載の方法
によっても可溶化される。
以下、本発明においては前者によって可溶化されたコラ
ーゲンを「酵素可溶化コラーゲン」、後者によって可溶
化されたコラーゲンを「アルカリ可溶化コラーゲン」と
呼び、両者を併せて「可溶化コラーゲン」と呼ぶ。
上記の諸方法で得られる可溶化コラーゲン水溶液では、
いづれもコラーゲンが単分子分散の状態で溶解しており
、分子の長さは2800A,直径15A、分子量約30
万であり、3本のポリペプチド鎖が二重へリツクス状に
巻いている剛体棒状の形をとっていることが判明してい
る。
又、この溶液からほg天然のコラーゲン繊維に近い繊維
を再生させることができる。
このような繊維形成能は酵素の固定化に際して極めて有
効に作用して、酵素の包括を強固にし、しかも適当な強
度をもった種々の形態、即ち糸状、膜状等に成型するこ
とを容易にする。
尚、コラーゲンは親水性であって、しかも両性電解質と
しての性質を持っている。
酵素の担体として利用する場合には、とくにこの性質が
重要であってpHによりカチオン、アニオンのいづれの
電荷をも利用することができる。
即ち、酵素可溶化コラーゲンはpH 7〜9付近、アル
カリ可溶化コラーゲンはpH4.6付近で繊維状の沈澱
を生ずるが、さらに両方のコラーゲンを混合する場合に
は、両者の比率に対応して、両者の等電点の間の種々の
pHの等電点を持ちそのpH下で繊維状の沈澱を生せし
めることができる。
又、アンモニア、苛性ソーダ等による中和や界面活性剤
、有機溶媒の添加によっても繊維形成が可能であり、中
性塩を添加しても沈澱を生成する。
さらに濃厚塩類溶液又は有機溶媒中に押出すと可溶化コ
ラーゲンは凝固し、脱水されて任意の形状に成型される
尚、コラーゲンと酵素の結合機構はなお充分明かではな
いが、コラーゲンと酵素とのイオン結合が一つの重要な
因子であると考えられる。
さらに可溶化コラーゲン水溶液はコラーゲンが単分子状
態で溶解しているために酵素との接触が不溶性コラーゲ
ン分散液よりも充分に行われることが、コラーゲンと酵
素の結合を効率よくしている要因であると考えられる。
本発明者は酵素を固定化するに当って、蛋白質が酸性多
糖と複合体を形成することに着目して、コラーゲンと親
和性をもつ多糖との相互作用に検討を加え、両者の特異
な親和力を活用して酵素を効果的に固定化することを企
図するに至った。
多糖は動植物界に広く分布している物質であるが、その
うちでもいわめる酸性ムコ多糖は動物の結合組織におい
て特定の蛋白質と結合してムコ多糖一蛋白複合体として
繊維間ならびに細胞間に存在し、繊維や細胞の配列構成
にあづかっている。
即ちこれらの複合体はそれぞれの組織でコラーゲンと共
に特徴のある高次繊維構造をとって重要な生埋作用を担
っている。
又、体液成分としても、これら複合体の弱い水相力やア
ニオンとしての特異的な親和性によって細胞外液の容量
調節や水分の保持、陽イオンの移動に関与している。
コンドロイチン硫酸は化骨に関与し、デルマタン硫酸一
蛋白複合体は組織におけるトロポコラーゲンの繊維化の
引き金役として、ヒアルロン酸一蛋白複合体は関節の滑
剤として、ヘパIJ 7は抗トロンビン作用に基く血液
凝固の作用物質として、それぞれ重要な役割を果してい
る。
又、キチンは無脊椎動物の骨格構造を形成して生体防護
の役割を果している。
さらに糖蛋白は或る種の酵素の安定度に関係があること
も推定されている。
一方、植物体においては酸性多糖が細胞壁、細胞間多糖
として細胞の構成にあづかり、その支持と防護の役割を
果しているし、細胞のイオンの吸収に相関をもつことも
推定されている。
ペクチン、ヘミセルロースがセルロースを支持体として
その周辺を充填しているし、アルギン酸は褐藻の細胞壁
多糖として存在する。
さらに、天然の多糖のあるものは化学処理され(例えば
カルボキシメチルセルロース、カルボキシメチルアミロ
ース、カルボキシメチル澱粉、デキストラン硫酸)、糊
料、添加剤、懸濁剤として又、医療、薬剤、製紙、繊維
、写真等の工業材料として利用されている。
上記した多糖類のうち、アラビアゴム等のへテログリカ
ン、アルギン酸やペクチン酸等のグリクロナン、ヒアル
ロン酸やコンドロイチン硫酸等のムコ多糖類ならびにカ
ルボキシメチルセルロース等のホモグリカンのカルボキ
シメチル誘導体等は適当な条件の下でコラーゲンと非常
によ《結合して、コラーゲンと多糖の複合体を形成する
本発明では多糖類のうち、コラーゲンと親和性が強《、
コラーゲンと複合体を形成する多糖を以下酸性多糖とよ
ぷ。
本発明で使用される酸性多糖としては次のようなものが
あげられる。
ヘテログリカン:アラビャゴムや植物ゴム及び粘質物等
、クリクロナン:アルギン酸、ペクチン質等、ムコ多糖
:ヒアルロン酸、コンドロイチン硫酸、ヘパリン及び Rhizoblum属の莢膜多糖など微生物の生産する
多糖その他、ホモグリカンの誘導体二カルボキシルメチ
ルセルロース、カルボキシルメチルスターチ、カルボキ
シルメチルアミロース等、その他:デキストラン硫酸、
カラゲナン、高分子酸等である。
上記した酸性多糖は一種でもまた二種以上の組み合わせ
で使用することが可能であるし、これ以外の高分子物質
も添加することができる。
これらの酸性多糖はアニオンとしての特異な親和性を持
っているし、一方、コラーゲンはその両性電解質として
の性質から、その等電点より低い酸性側のpHO下では
正に荷電された状態で存在する。
従って適当なpHを選ぶとコラーゲンと酸性多糖とは極
めてよく結合して凝集沈澱を生ずる。
このコラーゲンと酸性多糖との複合体は上記したような
コラーゲンの特質に加えて、さらに多糖の特質である高
い親水性や粘性、弾性、皮膜形成能、保護コロイド性、
接着性等が加味されるので、担体として極めて有利な特
徴を付与することが可能である。
この場合、目的に応じて条件をかえてその結合量を調節
したり、適当に架橋処理を加えるなどの手段を併用する
ことにより、強度を向上させ、その他の物性を適宜調整
し得るので、酵素の固定化に適した担体を提供すること
ができるのである。
本発明の方法は上記の諸知見に基いて、コラーゲンと酸
性多糖との親和力によって生成される複合体のマトリッ
クスの中に酵素を包括固定させるものである。
即ち、本発明は対象とする酵素液とその活性の安定pH
領域において、陽荷電の状態にある可溶化コラーゲンの
水溶液及び酸性多糖の水溶液の三者を酵素の解離状態を
配慮した適当なpH値の下で混合することにより、酵素
を包括した複合体を形成させる。
次いで得られた複合体を脱水、乾燥させ、成型すること
よりなる酵素の固定化方法、ならびに、あらかじめ陽荷
電の状態にある可溶化コラーゲンの水溶液と酸性多糖の
水溶液を適当したpH値の下で混合することにより、コ
ラーゲン・酸性多糖複合体を形成させた後、この複合体
を必要に応じ硬化処理を行い、脱水、乾燥させ、成型す
る。
この成型物を膨潤せしめ、次いで対象とする酵素液中に
浸漬することによって、酵素をコラーゲン・酸性多糖複
合体のマトリックス中に包括せしめた後、水洗、乾燥す
ることよりなる酵素の固定化方法である。
以下に具体的態様をあげて説明する。
対象とする酵素の安定pH領域のpHに調製した酵素液
に酵素可溶化コラーゲン及び/またはアルカリ可溶化コ
ラーゲンの水溶液及び酸性多糖溶液をその混合液のpH
がそれぞれのコラーゲンの等電点以下のpHあるいは沈
澱pH以下になるように調節しながら攪拌下に除々に添
加する。
添加するコラーゲン量と酵素量の乾燥重量に基く割合は
前者100部に対して後者10〜500部程度でコラー
ゲン濃度は1係以下の水溶液として使用するのが適当で
あるが、目的とする成型方法によって変えることができ
る。
酸性多糖の添加量はコラーゲン100部に対し1〜40
部程度が良好で、その溶液の濃度が2.5係以下の溶液
として使用するのがよい。
混合液は所定のpHに保つように充分注意して調整し、
攪拌をつづけると酵素を包括したコラーゲンー酸性多糖
複合体が凝集生成する。
凝集生成物の析出が完結し、これらが均一に分散した後
、脱水、乾燥、成型すればコラーゲンー酸性多糖のマト
リックスに酵素が包括された固定化酵素が得られる。
この場合、混合液のpHは酵素可溶化コラーゲンではp
H7.0付近以下、アルカリ可溶化コラーゲンではpH
4.6以下両者のコラーゲンの混合液ではその量比によ
ってきまる沈澱pH以下とするのが適当である。
複合体生成に好適なpHは用いる酸性多糖の種類及びそ
の濃度ならびにコラーゲンと酸性多糖の量比によって異
なるし、さらに酵素蛋白質の解離の状態もpHに依存す
るから、混合液のpHはこの点にも配慮して、酵素蛋白
質とコラーゲン、酸性多糖の電荷が当量に存在するよう
に混合比やpHを調整することが好ましい。
従って、あらかじめ好適な凝集沈澱の生成条件を設定し
てから実施すれば三者の親和性、凝集性を高度に発揮さ
せ、効果的に固定することができる。
又、使用するコラーゲンと酸性多糖はその酸性多糖の種
類と濃度によって、種々の割合で用いることが出来るの
で、酸性多糖の種類と量比をかえることによって、それ
ぞれに特有の性質を反映しして種々の特性を有する固定
化酵素を得ることができる。
本発明で、使用される酸性多糖としては次のようなもの
があげられる。
ヘテログリカン:アラビャゴムや植物ゴム及び粘質物等
、グリクロナン:アルギン酸、ペクチン質等、ムコ多糖
:ヒアルロン酸、コンドロイチン硫酸、ヘパリン及びR
hizobium属の莢膜多糖など微生物の生産する多
糖その他、ホモグリカンの誘導体:カルボキシルメチル
セルロース、カルボキシルメチルスターチ、カルボキシ
ルメチルアミロース等、その他:デキストラン硫酸、カ
ラゲナン、高分子酸等である。
上記した酸性多糖は一種でもまた二種以上の組み合わせ
で使用することが可能であるし、これ以外の高分子物質
も添加することができる。
一方、あらかじめ陽荷電の状態にある可溶化コラーゲン
、即ち酵素可溶化コラーゲンではpH7.0付近以下、
アルカリ可溶化コラーゲンではpH4.6以下の水溶液
に酸性多糖の水溶液゜を攪拌下に添加混合し、所定のp
Hに攪拌をつづけてコラーケン−酸性多糖複合体を形成
させ、均一 になってから必要に応じて硬化処理を併用
して脱水、乾燥、成型する。
コラーゲン溶液、酸性多糖溶液の濃度、両者の混合比、
pHは原則的に前記に準じて実施する。
得られたコラーゲンー酸性多糖の成型物を水中の適当な
pHO下で極力膨潤せしめ、次いでその安定pH領域に
ある対象とする酵素液中に浸漬する。
10℃以下で2時間乃至20時間程度浸漬し、酵素を結
合せしめた後、蒸溜水あるいは適当な緩衝液を用いて充
分洗滌するか、さらに乾燥することによっても、コラー
ゲンー多糖複合体のマトリックス中に包括された固定化
酵素が得られる。
以上の操作は酵素可溶化コラーゲンを使用する場合には
25℃、アルカリ可溶化コラーゲンを用いる場合には2
0℃以下で実施する。
次に、上記のようにして得られた固定化酵素を必要に応
じて、さらに強固に固定するためには次の処理を併用す
ることができる。
(I) 酵素とコラーゲンならびに酸性多糖を混合し
て酵素を包括した後に、この混合液中にさらにコラーゲ
ンー酸性多糖複合体に作用する下記の・物質の水溶液を
乾燥重量に基き、コラーゲン100部に対し1〜50部
程度を攪拌しつつ添加してから、脱水、乾燥するか、未
処理の固定化酵素を乾燥後の段階で、これらの0.05
%乃至5.0係の水溶液で処理した後乾燥する。
(1)アルデヒド基を有する架橋剤であるジアルデヒド
澱粉やグルタールアルデヒド等 (2)植物性タンニン
揉剤であるワットル、チェスナット、タンニン酸等、(
3)クロム、鉄、アルミニウム等の3価の金属の塩類、
(4)合成揉剤であるナフタレン、アンスラセン、ベ
ンゼン、フェノール類、リクニンスルホン酸などの縮合
物ニスルホン基を導入したもの、 (5)チオ硫酸塩など、 (6)高分子凝集剤であるポ
リアクリル酸ナトリウムやポリアクリル酸アミドの部分
加水分解物等、 ■ 酵素とコラーゲンならびに酸性多糖の混合液を含氷
状態のま又で、常温以下で紫外線やγ線を照射して、架
橋強化処理を行った後、脱水、乾燥する。
紫外線照射は30Wの紫外線灯の場合、5〜30Crn
の距離から5〜30分間の照射が適当であり、γ線の照
射量は全線量で0.1〜10Mγ(メガレントゲン)が
適肖である。
(ト)脱水乾燥して得られた固定化酵素を40°〜60
℃で加熱処理する。
(自)脱水乾燥して得られた固定化酵素を、さらに水不
溶性高分子物質を溶解させた有機溶媒中、例えばMセル
ローズのメチレンクロライド溶液に分散させた後、乾燥
成型する。
以上の処理方法は相互に併用することができる。
又、コラーゲンー酸性多糖複合体を酵素液に浸漬する方
法をとる場合においては担体として使用するコラーゲン
ー酸性多糖複合体を強化するために、その工程に上記の
処理を併用することもできる。
尚、本発明においてはフイルム状、糸状、スポンヂ状、
粒状、ブロック状等、所望の形状に酵素を固定化できる
ことは言うまでもない。
以上の如く、本発明によって得られる固定化酵素は強い
酵素活性を示すと同時に、コラーゲンの種々の特性に加
えて、使角する酸性の種類、混合量比によって、それぞ
れに特有の性質を併有しているし、各種の酵素を容易に
固定化することができる。
本発明を実施することによって、例えば酵素反応を連続
化することが可能で各種の工業過程に応用される他、連
続自動分析や種々の医療分野などに応用することができ
る。
尚、本発明により二種類以上の酵素を同時に固定化する
ことも勿論可能である。
さらに以下の実施例では一部の酵素の固定化方法につい
て記載したものであるが、グリコアミラーゼ、α−アミ
ラーゼ、β−アミラーゼ、プルラナーゼ、イソアミラー
ゼ、インベルターゼ、セルラーゼ、ガラク1・シダーゼ
、イソメラーゼ、リゾチーム、ペクチナーゼ、ヒアルロ
ニダーゼやトリプシン、キモトリプシンプラスミン等の
グロテアーゼ類の他、ウレアーゼ、リパーゼ、ペニシリ
ンアミダーゼ、アシラーゼ、リボヌクレアーゼ、ウリカ
ーゼ、アスパラギナーゼ、ストレプトキナーゼ、ウロキ
ナーゼ、トロンビン、グルコースオキシダーゼ、カタラ
ーゼ、パーオキシダーゼ、d−アミノ酸オキシダーゼ等
加水分解酵素、異性化酵素、酸化還元酵素、転移酵素、
合成酵素、リアーゼに属する多種類の酵素の固定化も同
様の技術手段によって達成される。
以下の実施例に示す酵素活性の単位は次の通り定義され
る。
即ち、プロテアーゼは30℃、1分間に生成するチロシ
ンμg数;ウレアーゼは30℃、1分間に生成するアン
モニア態窒素のμg数;グルコアミラーゼは40℃、1
分間においてグルコース100μgを生成する活性;β
−アミラーゼ、は3・0℃1分間においてグルコース1
00μgに相当する還元力を生成する活性である。
実施例 1 キモトリプシン、ウレアーゼ各400■を90mlの蒸
溜水に溶解し、それぞれ別の容器に入れて攪拌してpH
を5.0に保ちながら、酵素可溶化コラーゲンの1係水
溶液100mlを加える。
これらの混合液をさらに充分に攪拌してpHを0.5に
保ちながら、カルボキシメチルセルロースの1係水溶液
10mlを除々に添加する。
か《して、各々の酵素を包括したコラーゲン、カルボキ
シメチルセルロース複合体の繊維状の凝集沈澱が液中に
分散する。
引きつづき攪拌して、これらの沈澱を均一化した後、脱
泡を行ってそれぞれの液を深さIcmのアクリル樹脂製
容器に流しこみ、20℃で通風しながら乾燥した。
このようにして得た複合体の膜をホルムアルデヒドの0
.1係水溶液で5分間処理することにより、強化処理を
施した固定化酵素膜が得られる。
これらの膜の1cdの示す酵素活性(単位)はキモトリ
プシン膜28、ウレアーゼ膜6.0であった。
実施例 2 β−アミラーゼ、グルコアミラーゼ各400772@を
90mlの蒸溜水に溶解し、それぞれ別の容器中に入れ
、攪拌してpHを4.5に保ちながらアルカリ可溶化コ
ラーゲンの1係水溶液100mlを加える。
これらの混合液をさらに充分攪拌して均一にしpHを4
.5に保ちながら、ヒアルロン酸の2係水溶液10ml
を除々に添加すると各酵素を包括したコラーゲン、ヒア
ルロン酸複合体の繊維状の凝集沈澱の分散した状態にな
る。
引きつづき攪拌を続けてこれらの沈澱を均一化した後、
ジアルデヒドスターチの1係水溶液10mlを加えて均
一化した後、脱泡を行い、各々の液を深さ1cmのアク
リル樹脂製容器に流しこみ、20℃で通風しながら乾燥
した。
このようにして強化された固定化酵素膜が得られた。
これらの膜1crAの示す酵素活性(単位)はβ−アミ
ラーゼ膜0.8、グルコアミラーゼ膜0.6であった。
実施例 3 酵素可溶化コラーゲンの1係水溶液507111に蒸溜
水45mlを加え、攪拌しつつpHが4.0付近にある
ようにして、カルボキシメチルセルロースの1%水溶液
5mlあるいはヒアルロン酸の2係水溶液5mlを除々
に添加して、コラーゲンとカルボキシメチルセルロース
あるいはコラーゲンとヒアルロン酸の複合体を形成させ
る。
これらの複合体は液中に分散するが、これらの液を脱泡
した後、深さI Cfn.のアクリル樹脂製容器中に入
れ、20℃で通風しながら乾燥させ、コラーゲンとカル
ボキシメチルセルロースあるいはコラーゲンとヒアルロ
ン酸の結合した膜をつくる。
このようにして得た膜をキモトリプシンのトリス緩衝液
(μ−0.05,)pH8.5)の溶液(濃度1 0
mtg/ml )に5℃20時間浸漬した後、上記の緩
衝液で洗滌した。
次いでグルタールアルデヒドの0.05%溶液で硬化処
理を行って固定化キモトリプシン膜を得た。
この膜1cdの示す酵素活性(単位)は3.0であった

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 可溶化コラーゲンー酸性多糖複合体のマトリックス
    と該マトリックス中に分散状態で存在する酵素とからな
    る固定化酵素。 2 乾燥重量に基き可溶化コラーゲン100部に対して
    、酸性多糖1〜40部および酵素10〜500部が存在
    する特許請求の範囲第1項記載の固定化酵素。 3 固定化酵素が、フイルム状、糸状、スポンジ状、粒
    状およびブロック状から選択される形状である特許請求
    の範囲第2記載の固定化酵素。 4 固定化すべき酵素の安定pH領域のpHに調製した
    酵素水溶液に可溶化コラーゲン水溶液と酸性多糖水溶液
    との混合液を前記酵素の安定pH領域内でかつ可溶性コ
    ラーゲンの等電点以下のpHで添加し、混合することに
    より酵素を含有する可溶化コラーゲンー酸性多糖複合体
    を凝集生成し、必要に応じて架橋することからなる固定
    化酵素の製造方法。 5 可溶化コラーゲンが酵素可溶化コラーゲン、アルカ
    リ可溶化コラーゲンおよび両者の混合物から選択される
    特許請求の範囲第4項記載の固定化酵素の製造方法。 6 酸性多糖がホモグリカン、ヘテログリカン、グリク
    ロナン、ムコ多糖、ホモグリカンの誘導体、テキストラ
    ン硫酸、カラゲナンおよび高分子酸およびそれらの混合
    物からなる群から選択される、特許請求の範囲第4項記
    載の固定化酵素の製造方法。 7 乾燥重量に基き、可溶化コラーゲ7100部に対し
    て酸性多糖1〜40部および酵素10〜500部を混合
    する特許請求の範囲第4項記載の固定化酵素製造方法。 8 酵素を含有する可溶化コラーゲンー酸性多糖複合体
    をアルデビド、植物性タンニン、3価の金属塩、合成揉
    剤、チオ硫酸塩、高分子凝集剤および水不溶性高分子物
    質の有機溶媒溶液からなる群から選択される試薬で更に
    処理することからなる特許請求の範囲第4項記載の固定
    化酵素の製造方法。 9 酵素を含有する可溶化コラーゲンー酸性多糖複合体
    に対して紫外線照射、ガンマ線照射および40〜60℃
    の加熱から選択される硬化処理を行うことからなる特許
    請求の範囲第4項記載の固定化酵素の製造方法。 10 可溶性コラーゲン水溶液と酸性多糖水溶液と酸
    性多糖水溶液とを可溶性コラーゲンの等電点以下のpH
    で混合して可溶性コラーゲンー酸性多糖複合体を形成し
    、該複合体を膨潤状態で固定化すべき酵素の活性安定p
    H領域中で酵素水溶液に浸漬し、必要に応じてこの複合
    体を架橋することからなる固定化酵素の製造方法。 11 可溶化コラーゲンが酵素可溶化コラーゲン、ア
    ルカリ可溶化コラーゲンおよび両者の混合物から選択さ
    れる特許請求の範囲第10項記載の固定化酵素の製造方
    法。 12酸性多糖がホモグリカン、ヘテログリカン、グリク
    ロナン、ムコ多糖、ホモグリカンの誘導体、デキストラ
    ン硫酸、カラゲナンおよび高分子酸およびそれらの混合
    物からなる群から選択される、特許請求の範囲第10項
    記載の固定化酵素の製造方法。 13 乾燥重量に基き、可溶化コラーゲン100部に
    対して酸性多糖1〜40部および酵素10〜500部を
    混合する特許請求の範囲第10項記載の固定化酵素製造
    方法。 14 酵素を含有する可溶化コラーゲンー酸性多糖複
    合体をアルデヒド、植物性タンニン、3価の金属塩、合
    成揉剤、チオ硫酸塩、高分子凝集剤および水不溶性高分
    子物質の有機溶媒溶液からなる群から選択される試薬で
    更に処理することからなる特許請求の範囲第10項記載
    の固定化酵素の製造方法。 15 酵素を含有する可溶化コラーゲンー酸性多糖複
    合体に対して紫外線照射、ガンマ線照射および40〜6
    0℃の加熱から選択される硬化処理を行うことからなる
    特許請求の範囲第10項記載の固定化酵素の製造方法。
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