JPS59582B2 - 磁歪が小さく耐摩耗性の大きい磁気ヘツド用非晶質合金およびその製造方法 - Google Patents

磁歪が小さく耐摩耗性の大きい磁気ヘツド用非晶質合金およびその製造方法

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JPS59582B2
JPS59582B2 JP51030805A JP3080576A JPS59582B2 JP S59582 B2 JPS59582 B2 JP S59582B2 JP 51030805 A JP51030805 A JP 51030805A JP 3080576 A JP3080576 A JP 3080576A JP S59582 B2 JPS59582 B2 JP S59582B2
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啓安 藤森
紀雄 菊地
栄一 広田
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TOHOKU DAIGAKU KINZOKU ZAIRYO KENKYU SHOCHO
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Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、磁気ヘツド用合金とその製造方法に関し、特
に本発明は、COを主成分とする磁歪が少なく耐摩耗性
の大きい磁気ヘツド用非晶質合金とその製造方法に関す
るものである。
従来磁気ヘツドとしては、MOパーマロイヤミユメタル
が主として用いられているが、これら合金は長時間使用
すると磁気テープによる摩耗のために録音特性が著しく
劣化する点に問題があり、特にビデオ装置、電算機ある
いはカードリーダーの磁気テープ装置は高い信頼性が要
求されるため、電気的特性の優れていることと共に耐摩
耗性のある磁気ヘツド用材料が要望されていた。
磁気ヘツド用磁性合金としては、前述のパーマロイ系の
ほかにフエライト、アルパームあるいはセンタストのよ
うな高硬度の材料も用いられている。
これらのうちフエライトは高周波において優れた電磁気
特性を示し、かつ硬度は大きく、また摩耗及び変形は小
さいが、一方飽和磁化が低く、記録歪みの問題などがあ
り、また雑音が多く、信号対雑音比(S/N比)を大き
くすることができないことが本質的欠陥となつている。
またアルパームやセンタストは磁気特性の点では優れて
いるが硬度、摩耗性はともに余り高くないという欠点が
ある。一般に高周波記録用金属磁気ヘツドは渦電流損失
による磁性の劣化を防止するため薄板状にすることが必
要であるが、これらの材料は展延性に乏しいため、所要
厚みの薄板とすることが困難で、機械加工性も非常に悪
いという欠点を有している。
以上述べたように従来高密度記録用磁気・\ツドに適す
る磁性材料は未だ得られていない。最近非晶質金属磁性
材料の研究が多くなり、この材料は従来の金属磁性材料
にみられた磁気特性に加えて電気抵抗が高く、さらに製
法上から本質的に薄板状で得られるため高周波磁心とし
て有望なことが報告されている。
すなわちFe,CO,Niとその他にP,C,B,Si
などの硝子化原子を約20原子%含む成分組成の非晶質
金属磁性材料は通常の結晶質磁性材料と異なつて結晶磁
気異方性がないため保磁力が小さく、透磁率が大きい。
また電気抵抗が結晶質に比べて大きく、硬度も高い。こ
のことから非晶質金属磁性材料は磁気ヘツド材として理
想的な材料であると思われる。しかしながら第1表に示
すように非晶質と結晶質合金およびフエライトの硬度と
摩耗率を比較すると従来の非晶質金属磁性材料は比較的
大きな硬度を有するにも拘らず、磁気ヘツドとしての耐
摩耗性は不十分であり、この点の改良が必要であつた。
本発明は、磁歪および保磁力が小さく、良好な角形ヒス
テリシス特性を有し、非晶質化が容易で、結晶化および
磁気変態温度が高く、硬度が高く、耐摩耗性に富み、か
つ成形加工が容易な高密度磁気記録に適する磁気ヘツド
用非晶質合金とその製造方法を提供することを目的とす
るものである。上記の目的を達成するための発明の要旨
とするところは、原子比でFe3〜7%、Si2.5%
以下、B7〜30%を含み残部実質的にCOよりなる非
晶質合金、あるいは前記合金においてCOの1部を下記
(イ)〜(卜)でそれぞれ置換してなる非晶質合金とそ
の製造方法に関するものである。(イ)Ni,Pd,P
tのうちから選ばれる何れか少なくとも1種を原子比率
で20%以下。
(ロ) P,Cの何れか少なくとも1種を原子比率で1
5%以下。
(ハ)Cr,V,MO,W,Ti,Zr,Nbのうちか
ら選ばれる何れか少なくとも1種を原子比率で10%以
下。
(ニ)Ru,Rhの何れか少なくとも1種を原子比率で
7%以下。
(ホ)Mnを原子比率で5%以下。
(へ)Cuを原子比率で5%以下。
(卜)前記(イ)〜(へ)の群のうちから選ばれる何れ
か少なくとも2群を原子比率で20%以下。
次に本発明を詳細に説明する。
本発明者らは、先に発明して特許出願した高透磁率アモ
ルフアス合金(特願昭50−1510号)および高透磁
率アモルフアス合金の磁気特性改質方法(特願昭50−
1509号)につき、磁気特性をさらに向上させると共
に、耐摩耗性を向上させて磁気ヘツドに適する合金とす
るため種々研究を行なつた結果、本発明の成分組成を有
する合金溶湯を超急冷して、非晶質化することにより、
あるいはその後さらに所定の熱処理を施すことにより、
あるいは前記所定の熱処理を磁場中で施すことにより極
めて優れた磁気特性を付与することができると共に、こ
の非晶質合金は磁気テープとの高速接触時の摩耗が極め
て少ないこと、すなわち本発明の成分組成を有する非晶
質磁性材料を用いた磁気ヘツドは優れた磁気特性と共に
、従来の非晶質磁性材料では知られていなかつた優れた
耐摩耗性を示し、これを用いた磁気ヘツドは特に高密度
記録用として優れたものであることを新規に知つた。
本発明の磁気ヘツド用合金は前記特長の他に次のような
特長をも有する。
機械加工によつてその磁性が殆んど劣化しない。例えば
透磁率、保磁力残留磁束密度などは合金に張力を加えて
も殆んど一定で変らず、外部応力に対して不感である。
したがつて本発明の合金が、切断、打ち抜きなどの機械
加工によつて磁性が殆んど劣化しないことは磁気ヘツド
製造上非常に有利である。さらに本発明の合金の他の特
長は、合金の電気抵抗が140μΩ−?以上と高く、し
かも20〜40μm程度の薄板状で製造できるので、高
周波特性の良い磁気ヘツドすなわち高密度記録用磁気ヘ
ツド用として非常に適した合金である点にある。次に本
発明の合金の成分組成範囲を限定する理由を述べる。
Feは3%より少ないとき、および701)より多いと
きは、磁歪が増し、透磁率が減少し、磁気ヘツド用とし
て十分な特性が得られないので、3〜7%の範囲内にす
る必要がある。
Slは合金組織の非晶質化を助成し、かつ耐摩耗性の増
大に寄与する元素であるが25%より多いときには非晶
質合金とすることが困難でかつ合金を脆化するので、2
5%以下にする必要がある。
なおSiを含有しない合金も本発明の磁気ヘツド用非晶
質合金として使用することができる。BはSiと同様合
金組織の非晶質化を助成する元素であり、7%より少な
いとき、あるいは30%より多いときには非晶質合金と
することが困難で、かつ合金を脆化するので、7〜30
%の範囲内とする必要がある。なおSi6〜25%、B
8〜10%の成分範囲内において、磁気テープとの摩耗
がさらに少なく、特にSll5〜25%、B8〜10%
の範囲内において、最も耐摩耗性の優れたしかも飽和磁
束密度が高く保磁力が小さい非晶質合金が得られる。
Nl,Pd,Ptは共に第8族に属する金属であり、透
磁率を高くするが、これらのうちから選ばれる少なくと
も1種が20(Ff)を超える場合には飽和磁束密度を
低下させるので20%以下にする必要がある。P,Cは
合金組織の非晶質化を助成し、かつ多いほど透磁率が高
くなるが、P,Cの何れ力沙なくとも1種が15(f)
より多いと飽和磁束密度を低下させるので、1501)
以下にする必要がある。
Cr,V,MO,W,Ti,Zr,Nbのうちから選ば
れる少なくとも1種を10%より多くすると、硬度およ
び電気抵抗は増すが保磁力ガタ増大し、透磁率が低下す
るため高周波特性が著しく悪くなるから、10(:Ff
)以下にする必要がある。Ru,Rhの何れか少なくと
も1種を7(fl)より多くすると、透磁率は高くなる
が硬度が下るので、701)以下にする必要がある。M
nは電気抵抗を高め、保磁力を減少させる効果がある元
素であるが、5(:F6より多くすると飽和磁束密度を
著しく低下させるので、5(f)以下にする必要がある
Cuは透磁率、保磁力を害せず、耐摩耗性を向上させる
元素であるが、5%より多くすると飽和磁束密度が著し
く低下するので5%以下にする必要がある。
本発明の特許請求の範囲第10項記載の磁気ヘツド用非
晶質合金において(イ)、(口)、(ハ)、(ニ)、(
ホ)、(へ)群のうちから選ばれる何れか少なくとも2
群を20%より多くすると飽和磁束密度が著しく低下す
るので、20%以下にする必要がある。
本発明の磁気ヘツド用非晶質合金の製造方法について説
明する。
本発明の成分組成を有する合金溶湯を溶融状態より少な
くとも104℃/秒の冷却速度で超急冷して非晶化する
ことにより、薄板状の本発明の磁歪が小さく耐摩耗性の
大きい磁気ヘツド用非晶質合金を製造することができる
前記超急冷は104℃/秒未満では完全に非晶質化する
ことができないので、104゜Q/秒以上の冷却速度で
行なう必要がある。
前記溶融状態より超急冷して非晶質化するには例えば第
1図に概略を示す如き装置を用いることができる。
図において、1は下方先端に水平方向に噴出するノズル
2を有する石英管で、その中には原料合金3が装入され
、溶解される。4は原料合金3を加熱するための加熱炉
であり、5はモーター6により高速度、例えば5000
r.p.mで回転される回転ドラムで、これは、ドラム
の回転による遠心力負荷をできるだけ小さくするため、
軽量で熱伝導性の良い金属、例えばアルミニウム合金よ
りなり、内面には更に熱伝導性の良い金属、例えば銅板
7で内張りされている。
8は石英管1を支持して上下に移動するためのエアピス
トンである。
原料合金は、先ず石英管1の送入口1aより流体搬送等
により装入され加熱炉4の位置で加熱溶解され、次いで
エアピストン8により、ノズル2が回転ドラム5の内面
に対向する如く、石英管1が図に示す位置に下降され、
次いで上昇を開始するとほマ同時に溶融合金3にガス圧
が加えられて、合金が回転ドラムの内面に向かつて噴流
される。石英管内部へは合金3の酸化を防ぐため絶えず
不活性ガス、例えばアルゴンガス9を送入し不活性雰囲
気としておくものとする。回転ドラム内面に噴流された
合金は高速回転による遠心力のため、回転ドラム内面に
強く接触せしめられることにより、超高速冷却が与えら
れて非晶質合金とすることができる。なお少なくとも1
04℃/秒の冷却速度で超急冷するには前記遠心急冷す
る手段及び装置のほかに例えば圧延急冷する手段及び装
置を用いても行なうことができる。
このようにして例えば厚さ20μm程度のリボン薄板状
の本発明の非晶質合金を製造することができる。
本発明の溶融状態の合金を超急冷することによつて非晶
質化し、合金の結晶異方性を消失させることができる効
果がある。
さらにまた前記超急冷してなる非晶質合金をその合金の
結晶化温度未満の温度で焼鈍した後、急冷あるいは徐冷
して本発明の磁気ヘツド用非晶質合金を得ることができ
る。この場合焼鈍雰囲気は非酸化性あるいは真空中で行
うことは有利である。前記本発明の合金の結晶化温度は
その成分組成によつて異なるが大体380〜550℃の
範囲内にあり、結晶化温度以上の温度で焼鈍すると再結
晶して異方性を有するようになり磁気ヘツドとして使用
するに必要な磁気特性が劣化するに至る。
前記焼鈍、ならびにそれに続く急冷あるいは徐冷により
加工歪を除去させ、軟磁性を向上させる効果がある。前
記焼鈍は特に150℃乃至結晶化温度未満の温度範囲で
行うと優れた諸特性を有する本発明の合金を得ることが
できる。
なおこの場合の保持時間はおよそ1分乃至500時間で
ある。本発明の合金のさらに他の製造方法として、前記
超急冷して非晶質化した合金を磁場内で焼鈍した後、急
冷あるいは徐冷して本発明の合金を得ることができる。
この場合超急冷により非晶質化する条件ならびに焼鈍す
る条件は既述本発明の他の方法とそれぞれ同様の条件で
行なうことができる。
この方法において磁場内で焼鈍した後急冷、あるいは徐
冷することにより加工歪の除去と共に磁区図形を容易磁
化方向に整列させる効果があり、軟磁性を非磁場内焼鈍
の場合に較べ向上させることができる。前記本発明方法
において磁場の強さは通常5000e以下で充分であり
、5000e以上で磁化が飽和するのでそれ以上強い磁
場で磁化するには及ばない。
このようにして得られたリボン状薄板の磁気特性をGi
Offi型のB−Hループ積分器で測定すると保磁力0
.0060e1最大透磁率950,000の最高値を有
する優秀な高透磁率非晶質合金が得られる。
土述の超急冷は結晶異方性を消失させる効果をもち、ま
た上記の急冷に次いで行なわれる非磁場中あるいは磁場
中の加熱、冷却は加工歪の除去と、特に磁場中加熱、冷
却はさらに磁区図形を容易磁化方向に整列させる効果が
あり、軟磁性を向土させるが、特に150℃以上結晶化
温度未満の加熱においてその効果が大きいことが見出さ
れた。次に本発明の合金において、熱処理と磁気特性と
の関係について説明する。
例えばFe4.7%、Sil5%、BlO%を含み残部
実質的にCOよりなる本発明のFe−CO−Si−B系
非晶質合金(以下合金の成分組成の表示を簡略にするた
めFe4.7cO7O.3si,5BlOの如く記載す
る)のリボン状試料を用いて種々な熱処理を施した後保
磁力、残留磁束密度および最大透磁率を測定した結果、
第2表に示す如き特性値を得た。
同表中特に試料番号2−4は200℃の真空中で400
0eの磁場内で30分加熱後徐冷したものであり、保磁
力0.0060e1最大透磁率950,000μmの優
秀な特性と共にビツカース硬度(H)870という高い
硬度を有するに至り、磁気ヘツド用として好適に使用す
ることができる。第2図はFe4.7cO7O.3Si
l5BlOの成分組成の合金(第3表合金番号1)を超
急冷しつつリボン状とした後、コイルに巻いてヒステリ
シスループを測定した結果を示す図である。
図中急冷状態の場合を1とし、200℃で120分間焼
鈍した場合を2、200℃で4000eの磁場中で30
分間加熱後20『C/Hrの速度で冷却した状態を3で
示す。急冷状態の保磁力は0.0110e1最大透磁率
は130,000であり、これも磁気ヘツド用として充
分使用することができるがこれを焼鈍した場合それぞれ
0.0170e1170,000となつて焼鈍のみによ
つて角形性が増大すると共に磁気ヘツド用として欠くこ
とのできない特性であるビツカース硬度は870、摩耗
量(フエライトを1とした場合)は3であり、第3表最
下段に示すフエライトを除く従来品に較べて摩耗の少な
いことから、さらに磁気ヘツド用として好適であること
が判る。一方前記合金リボンを磁場中で焼鈍後急冷する
と保磁力は0.0060eと減少し最大透磁率は950
,000まで増し、角形性も大きく、かつビツカース硬
度8701摩耗量(フエライトを1とした場合)3とな
り、従来品に比し高透磁性でかつ摩耗量が少ない。すな
わち前記諸特性は本発明の磁気ヘツド用非晶質合金の大
きな特徴である。本発明の合金、例えば第3表合金番号
1を急冷したものについて保磁力および残留磁束密度に
対する張力の影響を研究したところ第3図に示す結果を
得た。
この結果によれば、張力の影響はほとんど認められず、
本発明の合金は切断、打ち抜きなどの機械加工によつて
磁性が殆んど劣化しないことは本発明の他の1つの特徴
である。本発明の合金例えば第2表合金番号2−1につ
いて高周波特性を測定した結果、第4図1に示すように
実効透磁率は周波数100KHz付近までは変化せず、
可聴周波数範囲内で優秀な性質を示すことが判る。
また前記合金は第3表合金番号1の電気比抵抗の欄に示
す如く140μΩ−?と大きく、20〜40μm程度の
薄板の製造が容易なため磁気ヘツドとしての感度をより
優れたものとすることができる。一方第4図には比較の
ために従来品(アルバーム)の実効透磁率を破線で示す
が、本発明品は前記従来品よりこの特性値をはるかに凌
ぐものであることが判る。本発明の合金において、その
耐摩耗性は第5お飼よび6図に示す如く従来品たるセン
タストよりははるかに優れており、フエライトにほマ匹
敵することが判る。
なお第5図に示す測定は厚さ0.07m77!、巾2m
m1長さ3mmの寸法に調整した非晶質合金片を用いV
TR磁気ヘツドを作り、テープと接触するヘツドトラツ
ク面の幅を0.07mへ長さを2mmとして相対速度1
1m/SO)CrO2の磁気テープに擦り合わせ摩耗量
を求めたものである。また第6図にみる如くFe−CO
−Si−B系非晶質合金の耐摩耗性は、非晶質化可能な
領域において摩耗率が3〜5の間で変化しており、Si
およびB量を変えることにより任意の摩耗率をもつ合金
が得られるが、B8〜12%、Sil5〜25%で囲ま
れる領域においてもつともすぐれた耐摩耗性を有する合
金の得られることが判る。以上第3表合金番号1の本発
明の合金についてその特性の研究結果を述べたが、これ
らの特性の傾向は本発明のすべての合金に共通している
次に本発明を第3表記載の他の実施例の数例について説
明する。実施例 1 第3表合金番号7のFe5cO7Osi,5BlO+W
2の成分組成の非晶質合金に種々の熱処理を施して得た
結果を第3表および第4表について説明する。
同表中例えば番号3−4によれば200℃の真空中40
00eの磁場中で30分加熱後徐冷した .1ものは最
大透磁率μ771310,000、ビツカース硬度Hv
86Oであり磁気ヘツド用として極めて優秀であること
が判る。実施例 2 第3表合金番号10のFe5CO7OSil5BlO+
(Ni+M)2の成分組成の非晶質合金に種々の熱処理
を施して得た結果を第3表および第5表により説明する
同表中例えば番号4−5によれば400℃の真空中40
00eの磁場中で30分加熱後徐冷したものは最大透磁
率μM25O,OOOlビツカース硬度Hv85Oであ
り磁気ヘツド用として極めて優秀であることが判る。
以上実施例1および2、ならびに第3表合金番号1のF
e4.7cO7O.3sil5BlOの合金において見
られた優秀な軟磁気特性は非晶質合金が結晶異方性をも
たず、かつ組成的に磁歪が1×1『6以下にあることに
よるものである。
既に説明した本発明の合金と共に、その他の成分組成を
有する本発明の合金の磁気的、機械的特性を従来品と比
較して示す。
第3表より明らかな如く本発明の高透磁率合金は従来品
と同等以上の磁気特性を有し、かつ電気抵抗率が従来品
のほマ2倍以上になると共に摩耗率においてはそれを大
きく上廻つている。本発明の急冷状態の非晶質合金は低
温焼鈍によつて保磁力は減少するが、磁場中焼鈍によつ
てさらに磁気特性を向上させることができることが判る
また磁場中焼鈍により6800Gの飽和磁束密度、50
00の初透磁率、950,000の最大透磁率と0.0
060eの保磁力が得られたが、この特性は比較的低温
の焼鈍により得られ、容易に劣化しない特長がある。さ
らにまた電気抵抗率の高いこと、硬度の高いこと、耐摩
耗性の大きいことに加えて、非晶質本来の性質である薄
板試料を容易に製造することができ、しかも切断、打ち
抜き加工が容易であるという大きな特長を兼ね備えてい
るので、電子計算機、録画用、カードリーダー用などの
磁気ヘツドのコア材として非常に好適に使用することが
できる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の合金を溶融状態から超急冷するに用い
られる装置の1例を示す概略図、第2図はFe−CO−
Si−B非晶質合金のヒステリシスループを示す図、第
3図はFe−CO−Si−B非晶質合金の張力に対する
保磁力と飽和磁束密度との関係を示す図、第4図はFe
−CO−Si−B非晶質合金の周波数と実効透磁率との
関係を示す図、第5図はFe−CO−Si−B非晶質合
金の摩耗量と時間との関係を示す図、第6図はFe−C
O−Si−B非晶質合金の摩耗量と組成との関係を示す
図である。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 原子比率でFe3〜7%、Si25%以下、B7〜
    30%を含み残部実質的にCoよりなる高透磁率で磁歪
    が小さく耐摩耗性の大きい磁気ヘッド用非晶質合金。 2 原子比率でSi6〜25%、B8〜10%である特
    許請求の範囲第1項記載の高透磁率で磁歪が小さく耐摩
    耗性の大きい磁気ヘッド用非晶質合金。 3 原子比率でSi15〜25%である特許請求の範囲
    第2項記載の高透磁率で磁歪が小さく耐摩耗性の大きい
    磁気ヘッド用非晶質合金。 4 原子比率でFe3〜7%、Si25%以下、B7〜
    30%、Ni、Pd、Ptのうちから選ばれる何れか少
    なくとも1種20%以下を含み残部実質的にCoよりな
    る高透磁率で磁歪が小さく耐摩耗の大きい磁気ヘッド用
    非晶質合金。 5 原子比率でFe3〜7%、Si25%以下、B7〜
    30%、P、Cのうちから選ばれる何れか少なくとも1
    種15%以下を含み、残部実質的にCoよりなる高透磁
    率で磁歪が小さく耐摩耗性の大きい磁気ヘッド用非晶質
    合金。 6 原子比率でFe3〜7%、Si25%以下、B7〜
    30%、Cr、V、Mo、W、Ti、Zr、Nbのうち
    から選ばれる何れか少なくとも1種10%以下を含み残
    部実質的にCoよりなる高透磁率で磁歪が小さく耐摩耗
    性の大きい磁気ヘッド用非晶質合金。 7 原子比率でFe3〜7%、Si25%以下、B7〜
    30%、Ru、Rhのうちから選ばれる何れか少なくと
    も1種7%以下を含み残部実質的にCoよりなる高透磁
    率で磁歪が小さく耐摩耗性の大きい磁気ヘッド用非晶質
    合金。 8 原子比率でFe3〜7%、Si25%以下、B7〜
    30%、Mn5%以下を含み残部実質的にCoよりなる
    高透磁率で磁歪が小さく耐摩耗性の大きい磁気ヘッド用
    非晶質合金。 9 原子比率でFe3〜7%、Si25%以下、B7〜
    30%、Cu5%以下を含み残部実質的にCoよりなる
    高透磁率で磁歪が小さ<耐摩耗性の大きい磁気ヘッド用
    非晶質合金。 10 原子比率でFe3〜7%、Si25%以下、B7
    〜30%と下記(イ)、(ロ)、(ハ)、(ニ)、(ホ
    )、(ヘ)の群のうちから選ばれる何れか少なくとも2
    群を原子比率で合計20%以下とを含み残部実質的にC
    oよりなる高透磁率で磁歪が小さく耐摩耗性の大きい磁
    気ヘッド用非晶質合金。 (イ)Ni、Pd、Ptのうちから選ばれる何れか少な
    くとも1種を原子比率で20%以下。 (ロ)P、Cの何れか少なくとも1種を原子比率で15
    %以下。 (ハ)Cr、V、Mo、W、Ti、Zr、Nbのうちか
    ら選ばれる何れか少なくとも1種を原子比率で10%以
    下。 (ニ)Ru、Rhの何れか少なくとも1種を原子比率で
    7%以下。 (ホ)Mnを原子比率で5%以下。 (ヘ)Cuを原子比率で5%以下。 11 原子比率でFe3〜7%、Si25%以下、B7
    〜30%と必要により下記(イ)乃至(ト)の群のうち
    から選ばれる何れか1群とを含み、残部実質的にCoよ
    りなる合金溶湯を少なくとも10^4℃/秒の冷却速度
    で超急冷することを特徴とする高透磁率で磁歪が小さく
    耐摩耗性の大きい磁気ヘッド用非晶質合金の製造方式(
    イ)Ni、Pd、Ptのうちから選ばれる何れか少なく
    とも1種を原子比率で20%以下。 (ロ)P、Cの何れか少なくとも1種を原子比率で15
    %以下。 (ハ)Cr、V、Mo、W、Ti、Zr、Nbのうちか
    ら選ばれる何れか少なくとも1種を原子比率で10%以
    下。 (ニ)Ru、Rhの何れか少なくとも1種を原子比率で
    7%以下。 (ホ)Mnを原子比率で5%以下。 (ヘ)Cuを原子比率で5%以下。 (ト)前記(イ)〜(ヘ)の群のうちから選ばれる何れ
    か少なくとも2群を原子比率で20%以下。 12 原子比率でFe3〜7%、Si25%以下、B7
    〜30%と必要により下記(イ)乃至(ト)の群のうち
    から選ばれる何れか1群とを含み残部実質的にCoより
    なる合金溶湯を少なくとも10^4℃/秒の冷却速度で
    超急冷して非晶質となし、さらにこの合金の結晶化温度
    未満の温度に加熱した後冷却することを特徴とする高透
    磁率で磁歪が小さく耐摩耗性の大きい磁気ヘッド非晶質
    合金の製造方法。 (イ)Ni、Pd、Ptのうちから選ばれる何れか少な
    くとも1種を原子比率で20%以下。(ロ)P、Cの何
    れか少なくとも1種を原子比率で15%以下。 (ハ)Cr、V、Mo、W、Ti、Zr、Nbのうちか
    ら選ばれる何れか少なくとも1種を原子比率で10%以
    下。 (ニ)Ru、Rhの何れか少なくとも1種を原子比率で
    7%以下。 (ホ)Mnを原子比率で5%以下。 (ヘ)Cuを原子比率で5%以下。 (ト)前記(イ)〜(ヘ)の群のうちから選ばれる何れ
    か少なくとも2群を原子比率で20%以下。 13 原子比率でFe3〜7%、Si25%以下、B7
    〜30%と、必要により下記(イ)乃至(ト)の群のう
    ちから選ばれる何れか1群とを含み、残部実質的にCo
    よりなる合金溶湯を少なくとも10^4℃/秒の冷却速
    度で超急冷して非晶質となし、次いで磁場中でこの合金
    の結晶化温度未満の温度に加熱した後冷却することを特
    徴とする高透磁率で磁歪が小さく耐摩耗性の大きい磁気
    ヘッド用非晶質合金の製造方法。 (イ)Ni、Pd、Ptのうちから選ばれる何れか少な
    くとも1種を原子比率で20%以下。 (ロ)P、Cの何れか少なくとも1種を原子比率で15
    %以下。 (ハ)Cr、V、Mo、W、Ti、Zr、Nbのうちか
    ら選ばれる何れか少なくとも1種を原子比率で10%以
    下。 (ニ)Ru、Rhの何れか少なくとも1種を原子比率で
    7%以下。 (ホ)Mnを原子比率で5%以下。 (ヘ)Cuを原子比率で5%以下。 (ト)前記(イ)〜(ヘ)の群のうちから選ばれる何れ
    か少なくとも2群を原子比率で20%以下。 14 加熱温度が150℃以上合金の結晶化温度未満の
    範囲内であることを特徴とする特許請求の範囲第12ま
    たは13項記載の高透磁率で磁歪が小さく耐摩耗性の大
    きい磁気ヘッド用非晶質合金の製造方法。
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