JPS5951811B2 - フアスナ−用自動停止装置付スライダ−の検査方法および検査装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明はスライドファスナーの開閉に用いられる自動停
止装置付スライダーの製品検査方法ならびにその検査方
法を実施する検査装置に関するものであり、特に自動停
止装置付スライダーの組立製造工程の最終段階において
組立製造された製品の性能品質の良否判別を機械的に行
うことにより、迅速的確な検査を行い不良製品の検出排
除を効率化することを目的としたものである。

スライドファスナー用の自動停止装置付スライダーは、
スライダー胴体上面に組込まれたスプリングにより、ス
ライダー胴体のファスナーチェーン通過経路に弾圧突出
される係止爪を設けたストッパーを有し、該ストッパー
は引手操作の外力に応じて所定の弾撥力範囲におりて、
円滑なスライダーの係止、開放が行われることが必要で
あり、ストッパーの弾撥力が過大であると、その係止開
放力が増大し入手操作がしにくくなる一方、弾撥力が過
小であるとその係止力が低下し、僅かな外力によってス
ライダーの係止が開放され、ファスナー閉止状態が不安
定となるので上記のストッパー作動用のスプリングは所
定範囲の弾撥力を有しているものでなければならない。

自動停止装置付ス′ライダーは、通常スライダー胴体上
面に係着されるカバー内部に、引手軸部とともに、スプ
リングを装着し、該スプリング自体または屈曲爪片の先
端を曲折して係止爪とし、スライダー胴体のファスナー
チェーン通過面に突出せしめ、□あるいは、カバーの側
縁に係止爪を形成してファスナーチェーン通過面に突出
せしめて、スライダーの係止を行なうなど種々の弾撥係
止構造のものが採用されているが、何れもスライダー胴
部に、引手、スプリング、カバーなどの複数の部品を順
次装置組立てることによって製品となるものであり、各
部品の寸法、形状などの精度ならびに性能、およびこれ
らの組立装着状態が常に維持されて、正常良好な製品が
得られる。

しかしながら、これらの部品の製造条件、材質の変動や
組立工程における部品供給、・組立固定などの加工条件
の変動などにり、不良製品の発生を完全に防止すること
は至難であり、したがって従来は製品をすべて人手作業
により検査を行って不良製品の排除を行っていた。

近時、自動停止装置付スライダーの製造は、連続自動高
速生産が行われるようになり、上述の検査工程も自動効
率化されること特に前記製造工程中の一工程として連続
検査を行うことが生産効率向上のために要求されるに至
り、この要望に満す本発明がなされたものである。

即ち、本発明は、極めて短時間に自動停止装置付スライ
ダーの良否を判別する方法とその装置を提供するもので
ある。

本発明の検査方法は、組立製造工程の最終段階において
、・製造された自動停止装置付スライダーの作動性能を
、引手に対するダイアルゲージの一定ストロークによる
圧接手段によって、係止爪作動弾撥力をダイアルゲージ
指針の回動、により感知し、その許容範囲を画する電気
接点を介して、製品の良、不良判別電気信号として検出
するものであって、特許請求の範囲第１項記載の要旨よ
りなるものである。

以下、本発明検査方法並びに検査装置のそれぞれの実施
例により説明する。

第１図は本発明検査方法を実施する。

装置の一部を断面とした要部の側面図、第２図はその正
面図、第３図・はダイアルゲージのプレッシャーピンと
押圧杆とが、自動停止装置付スライダーの引手上面に当
接した状態を示す要部の斜視図であり、第４図は自動停
止装置付スライダ下の＝例を縦断面図として示したもの
である。

第３図、第４図に示した自動停止装置付スライダーＳは
、ファスナーチェーン通過案内部が左に、ダイアモンド
部が右にあるように示された胴部２の上面に、引手５の
一端に設けられた開口部２５先端の回動軸２６、一端に
おいて係止爪６がファスナーチェーン通過案内部に突出
するようになされた屈曲爪片２７、その上部に接した板
ばね２８を順次装着し胴部２の上面に固着されたカバー
４により、引手５が離脱不能に回動しうるよう保持され
ている。

係止爪６は引手５に力が加わらない場合には第４図示の
ように胴部２に設けられた孔よりファスナーチェーン通
過案内部Ｙに突出し、該スライダーＳがファスナーチェ
ーンに挿着されたときに、スライダーＳを移動不能に係
止するものであるが、その係止爪６の突出圧は板ばね２
８の弾撥力により与えられるものであり、引手５に引張
り、押圧などの外力が与えられると、回動軸２６が屈曲
爪片２７を板ばね２８の弾圧力に坑して上方に引き上げ
、係止爪６は胴部２の孔に没入して、スライダーＳの移
動が可能となる。

上述の各部材が正規の形状性能の下に、正常の組立てが
行われたスライダーＳにおいては、上記の作動は正常良
好に行われるが、時として部材の変形、材質の変動、組
立状態の異常を生ずる場合があり、このような場合には
、係止爪６が所定の操作条件では、不良動作状態となる
不良製品となる。

例えば、板ばね２８が変形したり、斜めに装着され、あ
るいは屈曲爪片２７が変形し、または、該部品自体が欠
除した場合等において、これらの不良製品は排除されな
ければならない。

第１図、第２図は、上記のごとき不良製品を検出するた
めの本発明の検査装置の要部を示すもので、前述のごと
き自動停止装置付スライダーＳは、移動台板１例えば間
歇回転型自動製造機の回転保持盤あるいはエンドレスチ
ェーンにより間歇移動されて部材が組立てられる移動保
持体の収納溝２に胴部３の下面が水平になるよう保持さ
れ、水平方向に間歇停止を行いつつ順次移送される。

組立製造が完了した製品スライダーＳの所定間歇停止位
置の上方には、前記間歇停止に同調して一定ストローク
の下降上昇運動をする昇降盤７に設けられた支持部材８
に、上端にダイアルゲージト１を固設し、下端がスライ
ダーＳのカバー４およびスライダー胴部上面に適合した
凹状押え部９′を有し、かつ支持部材８の上部および下
部側には１．挿通孔２０，２０’を有する突出部２１゜
２１′が固設された押え杆９、その前面に押え杆９の挿
通孔２０，２０’に挿通され、前記ダイアルゲージ１１
の作動杆１２に当接し得るプレッシャーピン１３、さら
にその前面に固着された装着板１５により保持された加
圧棒１６が、それぞれ併立して支持部材８に対し、上下
方向に摺動し得るように嵌着される。

前記の押え杆９、プレッシャーピン１３、加圧棒１６は
それぞれ上部段部９″、固着リング１４、上部段部１７
により、何れも支持部材８に対し下方に離脱不能に係合
されている。

そして、ダイアルゲージ１１の作動杆１２端とプレッシ
ャーピン１３の上端は図示の上昇位置においては、僅か
に離隔し、また、押え杆９の上部と支持部材８との間に
は引張りスプリング１０が係張され、加圧棒１６の上部
と装着板１５の下部との間には、引張りスプリング１８
が係張され、押え杆９、加圧棒１６をそれぞれ下方に弾
撥付勢している。

そして移動台板１の収納溝２に胴部３の下面が水平に係
持されたスライダーＳの引手５は、移動台板１の外方に
位置せしめた状態の下に、昇降盤７が下降し、加圧棒１
６が引手５を最も下方に傾動せしめた位置に達して、昇
降盤７の下降ストロークは停止する。

なお、押え杆９は、他の適宜の開放自在の押圧装置に代
えてスライダーＳを安定的に保持するようにしてもよい
。

上記の昇降盤７の下降ストロークにおけるプレッシャー
ピン１２、加圧棒１６と引手５との接触動作ならびにダ
イアルゲージ１１の指針Ｎの動きの関係を第５図によっ
て説明すれば（１）は昇降盤７が上昇位置にあって、ダ
イアルゲージ１１の指針は０点を指し、昇降盤７が下部
して押え杆９の下端９′がスライダーＳの上面を押圧し
てスライダーＳを安定的に保持すると同時に、プレッシ
ャーピン１３の下端が引手５の上面に接し、昇降盤７が
下降するに従いプレッシャーピン１３の上端がダイアル
ゲージ１１の作動杆１２に当接し、ダイアルゲージ１１
のスプリング圧と引手５の弾撥力とが平衡した状態の下
に、ダイアルゲージ１１の作動杆１２が押し上げられた
状態である一定の下降距離ｌに達した（２）の状態にな
るとプレッシャーピン１２は引手５をその弾撥力に坑し
てや・下方に傾動するとともにその弾撥力に平衡してダ
イアルゲージ１１の指針Ｎは回動し、ダイアルゲージ１
１に設けた下限接点Ａ、上限接点Ｂの間の許容角度範囲
に対し、指針Ｎがその範囲内にあるイの場合は、正常製
品、下限接点Ａに達しない口の場合と上限接点Ｂを超え
たハの場合は、異常製品を示すように各電気接点Ａ、
Ｂを介して電気信号を発するものであり、さらに昇降
盤７が１′の下降した（３）の状態に達すると押え杆９
は前記スライダーＳの上面を押圧した状態を維持してお
り加圧棒１６のみが引手５をより傾動し、これに従って
プレッシャーピン１２の下端は引手５面から離れて、ダ
イアルゲージ１１の指針Ｎは０点に復帰する。

昇降盤７の下降ストロークはｌ＋１’であって（３）の
状態から（２）の状態においてもう一度引手５面にプレ
ツヤ−ピン１２の下端が当接し、ダイアルゲージ１１の
指針Ｎは回動し、前記（２）の状態の説明と同様の電気
信号を発してから急速に（１）の状態に上昇するととも
に、移動台板１は次位のスライダー保持収納溝部を上記
検査位置に移動停止するとともに、検査ずみのスライダ
ー保持収納溝部は後続する検査電気信号による判別動作
により、良、不良製品を分離するものである。

この検査行程において、ダイアルゲージ１１に設ける下
限電気接点Ａ、上限電気接点の設定位置Ｂは調節可能と
して、製品条件に適応せしめるのは勿論であり、また上
記接点Ａ、 Ｂは昇降盤７の下降ストローク間は通電可
能とし、昇降盤７の１下降ストロークにおいて、正常製
品の場合は、Ａ接点において２回の電気信号が生じ、ス
ライダーＳの引手５の弾撥力が強過ぎる場合あるいは引
手５の傾動が不能の場合には、Ａ、 Ｂ両接点におけ
る４回の電気信号、逆に引手５の弾撥力が弱過ぎる場合
、あるいは引手５が取付けられていない場合は、全く電
気信号が生じないので、これらの電気信号の条件により
製品良否が判別されるのである。

なお、加圧棒１６による引手５の最大限度の傾動を与え
るのは、指針Ｎを一組０点復帰し、上昇行程においても
、下降行程と仝様の電気信号によりスライダーＳに設け
られたスプリング力の復帰力を判断するものである。

以上、説明したように本発明の検査方法によれば、自動
停止装置付スライダーの良否検出は機械的に極めて迅速
正確に行うことができ、またその検査装置は、上記検査
方法を円滑確実に実施し得るものであり、スライドファ
スナー製造工業に貢献するところは甚だ大きなものであ
る。

【図面の簡単な説明】

図面は本発明検査方法を実施する場合の検査装置の実施
例を示すものであって、第１図は要部の一部を断面とし
た側面図、第２図はその正面図、第３図はダイアルゲー
ジのプレッシャーピンと押圧杆とが自動停止装置付スラ
イダーの引手上面に当接した状態を示す要部の斜視図、
第４図は自動停止装置付スライダーの一例の拡大縦断面
図、第５図は検査行程の説明図である。 １・・・・・・移動台板、２・・・・・・収納溝、３・
・・・・・胴部、４・・・・・・カバー、５・・・・・
・引手、６・・・・・・係止爪、７・・・・・・昇降盤
、８・・・・・・支持部材、９・・・・・・押え杆、１
０．１８・・・・・・引張スプリング、１１・・・・・
・夕゛イアルゲージ、１２・・・・・・作動杆、１３・
・・・・・プレッシャーピン、１４・・・・・・固着リ
ング、１６・・・・・・加圧棒、２０．２０’・・・・
・・挿通孔、２１．２１’・・・・・・突出部、Ｓ・・
・・・泪動停止装置付スライダー、Ｙ・・・・・・ファ
スナーチェーン通過案内部、Ａ・・・・・・下限接点、
■。 １′・・・・・・下降距離、Ｂ・・・・・・上限接点、
Ｎ・・・・・・指針。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 組立製造工程の最終段階において、製造されたスラ
   イダーの胴体下面を水平に保持し、スライダー胴体上面
   に接して水平に維持された引手の上方から、ダイアルゲ
   ージによる一定ストロークの押圧を与え、ダイアルゲー
   ジのスプリング圧とスライダーの係止爪を弾圧するスプ
   リング圧を受けた引手の弾撥力とが、ダイアルゲージに
   設けた上限ならびに下限点の電気接点により設定された
   限定範囲内において平衡するか否かにより、上記電気接
   点の作動による検出電気信号の状態に従って、製品スラ
   イダーの良否を判別することを特徴とするファスナー用
   自動停止装置付スライダーの検査方法。 ２ 製造されたスライダーを、その胴体下面を水平とし
   、そのスライダーの引手を胴体上面に接して水平として
   、保持するスライダー保持間歇移送部材と、前記スライ
   ダー間歇移送部材が停止している間に前記引手上面の上
   方から一定ストロークの下降、上昇する往復動機構に保
   持されたダイアルゲージ並びにダイアルゲージに隣設し
   た弾圧杆とよりなり、前記ダイアルゲージの検知端が弾
   圧杆の下端よりも下方に位置してそれぞれ前記往復動機
   構に保持されるとともに、ダイアルゲージの指針の回転
   範囲の特定回転角度範囲の限界点にそれぞれ電信接点を
   配設した電気信号回路を有する検知機構を設けたことを
   特徴とするファスナー用自動停止装置付スライダーの検
   査装置。