JPS594182Y2

JPS594182Y2 - ボ−クリング

Info

Publication number: JPS594182Y2
Application number: JP1978164071U
Authority: JP
Inventors: 民雄河元
Original assignee: 日産自動車株式会社
Priority date: 1978-11-28
Filing date: 1978-11-28
Publication date: 1984-02-06
Also published as: JPS5578834U

Description

【考案の詳細な説明】本考案は変速機のシンクロ装置に関し、特にそのボーク
リングの改良に関するものである。

ボークリングは、ワーナ型のシンクロ装置において、シ
ャフトと共に回転するカップリングスリーブと、シャフ
トに遊挿した変速ギヤとの周回転速度が等しくなるよう
作動すると共に周回転速度が等しくなるまでは両者の噛
合を阻止し、等速になったときに噛合を許すように作用
するものである。

このため、ボークリングは変速ギヤのクラッチギヤとカ
ップリングスリーブとの間に介装され、その内面はコー
ン面とされてクラッチギヤの外コーン面に摺接する一方
、外面にはインサートと軸方向に係合する溝およびカッ
プリングスリーブのスプライン歯と衝接してカップリン
グスリーブの軸移動を阻止するスプライン歯を円周方向
に等配した構成となっている。

ところで、この種ボークリングはその内面コーン面に環
状の潤滑油溝や軸方向の油切り溝を設けて、クラッチギ
ヤの外コーン面との摺接による油切りを早急にし動摩擦
係数のバラツキを少なくしシンクロ性能の向上を図って
いるが、前記軸方向の油切り溝はコーン面の円周数箇所
に外径方向に向って切欠き形成したものであるため、該
油切り溝の部分はボークリングの径方向の肉厚が小とな
り、その強度が低下するという問題がある。

特に、近年では軽量化や材料低減を目的として円周数箇
所の肉厚を低減したボークリングが提案されているが、
この種ボークリングに単に油切り溝を円周方向に等配す
るのみでは、その薄肉部と油切り溝とが重なる箇所が生
じ、該箇所の肉厚が極端に減少してボークリングの強度
を著しく低下させるという問題となっている。

本考案は上記に鑑みなされたものでその目的とするとこ
ろは、軽量化や材料の低減を目的として円周数箇所の肉
厚を減少したボークリングにおいて、肉厚を減少させな
い箇所、即ちインサート案内側壁部や補強用のリブ部に
相対する円周位置に油切り溝を形成することにより、油
切り溝部の極端な肉厚減少を防止してその強度の低下を
防ぐようにしたボークリングを提供することにある。

以下、図面に示す実施例により本考案を説明する。

第１図はシンクロ装置の部分断面図であり、１は車輪側
に連結したメインシャフト、２，３はこのメインシャフ
ト１にブツシュ４，５にて遊挿し、夫々が異なる歯数を
有してエンジンにより回転される変速ギヤであり、各ギ
ヤ２，３の対向面側部位には外側コーン面６ａ、７ａを
有するクラッチギヤ６．７を一体に有している。

８はこれら変速ギヤ２，３間においてメインシャフト１
にスプライン結合したシンクロバブ、９はこのシンクロ
バブ８の外周に更にスプライン結合して軸方向両側に移
動でき、移動したときに前記クラッチギヤ６゜７の一方
と噛合して該ギヤ６又は７に一体の変速ギヤ２又は３を
シンクロバブ８、即ちメインシャフト１に一体的に回転
するよう係合するカップリングスリーブである。

ボークリング１０．１１は前記クラッチギヤ６．７とカ
ップリンゲスリーフ゛９との間において、その内側コー
ン面１０ａ、ｌｌａを前記各外側コーン面６ａ、７ａに
臨接した状態でシンクロバブ８内に嵌装している。

また、インサート１３はスプレッドスプリング１２にて
カップリングスリーブ９内面に圧接し、ボークリング１
０．１１の円周方向に配したインサート保合溝１０ｂ、
１１ｂ内に遊びをもたせて係合させている。

そして、前記ボークリング（例えばボークリング１０）
は、変速ギヤ２とカップリングスリーブ９の回転速度に
差があるときにはカップリングスリーブ９を変速ギヤ２
側に移動させればインサート１３によって押されてボー
クリング１０のコーン面１０ａがクラッチギヤ６のコ
ーン面６ａに接するためインサート１３との保合遊び分
だけコーン面６ａ、１０ａにおける摩擦係合によ
って変速ギヤ２に引きずられて回り、このとき径方向に
突設しているスプライン歯１０Ｃがカップリングスリ
ーブ９の内面のスプライン歯９ａと軸方向に衝接し得る
ような円周位置となり、カップリングスリーブ９の軸移
動を阻止してカップリングスリーブ９とクラッチギヤ６
との噛合を阻止するのである。

変速ギヤ２とカップリングスリーブ９との回転速度が等
しくなれば、即ち同期すれば変速ギヤ２によるボークリ
ングの引きずり回転力が減少し、これによりカップリン
グスリーブ９の軸移動阻止力が情夫してカップリングス
リーブの軸移動を許し、クラッチギヤに噛合させるので
ある。

ここで、本考案の前記各ボークリング１０，１１は、第
２，３図にボークリング１０にて代表して示す様な形状
に構成しである。

即ち、このボークリング１０はその外周面に前記インサ
ート１３との係合溝１０ｂ、１０ｂ、１０ｂ
を円周３箇所に等配したボス１４と、このボス１４に隣
設してその外径を前記ボス１４外径よりも大としたフラ
ンジ１５と、このフランジ１５外周に径方向に突設した
複数個のスプライン歯１０Ｃ，１０Ｃ・・・とを備え
ており、前記ボス１４とフランジ１５とを連通ずる内面
は前述した様にコーン面ＩＤａとして形成し、この面に
は外径方向にかつ軸方向に切欠いた複数個の拙句り溝１
６゜１６・・・を円周方向に配設している。

前記ボス１４は、インサート係合溝１０ｂ、１０
ｂ。

１０ｂの夫々の両側に案内壁部１４ａ、１４ａ・・・
を残し、更にこれら各インサート係合溝１０ｂ、１
０ｂ。

１０ｂの中間に補強用リブ１４Ｃ，１４Ｃ，１４Ｃ
を残してそれ以外の円周部位１４ｂ、１４ｂ、
１４ｂの半径方向の肉厚を減少させている。

また、前記フランジ１５は前記ボスの肉厚減少部１４
ｂ、１４ｂ、１４ｂに相対する円周部位１５ｂ
、１５ｂ、１５ｂにのみスプライン歯１０Ｃ
，１０Ｃ・・・を設け、他の円周部分１５ａ、１５
ａ、１５ａはスプライン歯を設けないことに加え
てその肉厚を減少し、或いは第４図のように切欠いて肉
厚を零とする。

そして、前記拙句り溝１６．１６・・・は前述した案内
壁部１４ａ、１４ａ・・・や補強用リブ１４Ｃ
，１４Ｃ，１４Ｃ等のボス肉厚が厚肉に残されている円
周位置に配設しているのである。

従って、このボークリングでは、ボス１４の肉厚減少部
と、フランジ１５に設けたカムとの円周位置を重ねるよ
うに形成することになり、ボークリング円周各部の体積
を低減すると共にこれを全円周において均等化し、軽量
化及び材料の低減を図ると共に剛性を均等化して全体強
度を向上できる。

更に、拙句り溝１６，１６・・・をボス１４の厚肉部に
形成したことにより、ボークリングの円周一部の肉厚を
特に減少するようなことはなく、拙句り溝による剛性の
低下もない。

尚、第４図に示すように補強用リブを有しないボークリ
ングでは案内壁部１４ａ、１４ａ・・・にのみ拙句り溝
を形成することになる。

以上要するに本考案のボークリングは、円周数箇所の肉
厚を減少したボークリングに拙句り溝を形成するに際し
、該拙句り溝をインサート案内溝や補強用リブ部等肉厚
を減少しない厚肉部に相対する円周位置に形成すること
により、油切り溝部における極端な肉厚の減少を防止し
て鉄部゛における強度の低下を防止することができ、こ
れにより軽量かつ低コストでしかも剛性のあるボークリ
ングを得ることができるのである。

【図面の簡単な説明】

第１図はシンクロ装置の要部断面図、第２図は本考案の
ボークリングの斜視図、第３図は正面図、第４図は他の
実施例の斜視図である。１・・・・・・メインシャフト、２，３・・・・・・変
速ギヤ、８・・・・・・シンクロバフ゛、９・・・・・
・カップリングスリーブ、１０，１１・・・・・・ボー
クリング、１０ａ、ｌｌａ・・・・・・コーン面、１０
ｂ・・・・・・インサート嵌合溝、１０Ｃ・・・・
・・スプライン歯、１４・・・・・・ボス、１４ａ・
・・・・・案内壁部、１４ｂ・・・・・・肉厚減少部
、１４Ｃ・・・・・・補強用ボス、１５・・・・・・
フランジ、１６・・・・・・油切り溝。

Claims

【実用新案登録請求の範囲】

（１）変速機のシンクロ装置に使用され、シンクロハブ
に支持したインサートとの保合溝を周面に有するボスと
、カップリングスリーブの内面のスプライン歯に軸方向
に衝接し得る複数個のスプライン歯を周面に突設したフ
ランジとを一体形成し、更に少なくとも前記インサート
保合溝の両側にシンクロハブに嵌合する案内壁部を残し
て前記ボスの肉厚を半径方向に減少したボークリングに
おいて、内面数箇所に軸方向に形成する油切り溝を前記
案内壁部等のボス厚肉部に対応する円周位置に形成した
ことを特徴とするボークリング。
（２）ボス厚肉部は前記案内壁部と、補強用リブとから
なる実用新案登録請求の範囲第１項記載のボークリング
。