JPS5940626Y2 - ダクト管継手 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案はダクト管継手に関するものである。

（従来技術） 従来、この種継手として特開昭４８−８９４１４号公報
に開示されているものがある。

これはダクト管に内挿される継手管の挿込側端部の外周
面に環状溝を設け、この環状溝内に、溝底面に平行に延
び継手管に止着される止着脚部と、非挿込状態で継手管
から止着脚部と交叉する方向に継手管の外周面より外力
まで突出し、ダクト管による挿込状態で継手管側に折曲
げられてダクト管の内面に弾性圧接する密封脚部とを具
えた断面り字状の環状弾性パツキンを収容したものであ
る。

しかし、前記のものは環状溝の軸方向の長さが前記パツ
キンの止着脚部をよび密封脚部の全長以上となっている
から、パツキンを装着した継手管をダクト管内に挿込む
際、パツキンが環状溝内でずれないように締付ストリッ
プ又は継手管の最外端部を折返すなどの手段を講するこ
とにより止着脚部を止着せねばならず、そのため継手作
業が面倒で手間を要するという問題点がある。

（課題） そこで、この考案は前記のような締付ストリップ等を必
要とすることなく、継手作業を迅速かつ容易に行なうこ
とができるようにすることを技術的課題とする。

（技術的手段） 前記技術的課題を達成するために講じたこの考案の技術
的手段は、ダクト管内に挿される継手管の挿込側端部の
外周面に、所定溝深さの第１環状溝と、この第１環状溝
の前記継手管の挿込側と反対側に連接し、第１環状溝の
溝深さよりも浅い溝深さの第２環状溝とを形成し、第１
環状管内に断面Ｕ字状の環状弾性パツキンを嵌装し、こ
の弾性パツキンは第１環状溝の溝底面に平行に延び、そ
の横巾が第１環状溝の溝巾とほぼ開山に形成された水平
部と、非挿込状態で前記水平部の両端部からほぼ垂直に
継手管の外周面より外方まで突出し、ダクト管への挿込
状態で継手管側に折曲げられてダクト管の内面に弾性圧
接する密封垂直部とを具えていることである。

（作用） 前記技術的手段の作用は次の通りである。

すなわち、第１環状溝に弾性パツキンを嵌装した継手管
をダクト管内に挿込むと、弾性パツキンの両密封垂直部
は順次継手管側に折曲げられ、一方の垂直部が弾性パツ
キンの水平部のある第１環状溝内に、他方の垂直部が第
２環状溝内にそれぞれ収容されて位置するとともに、ダ
クト管の内面に弾性圧接する状態となる。

これにより、継手管とダクト管とは弾性パツキンの両密
封垂直部により完全に密封されて漏風を防止し、この際
、弾性パツキンはその水平部の横巾が第１環状溝の溝巾
とほぼ開山に形成されているため、軸方向にずれたりす
ることがない。

このように前記のものによれば継手管をダクト管内に挿
込む際、従来のような締付ストリップなどでパツキンを
止着する必要がないから、継手作業を迅速かつ容易に行
なうことが可能となる。

（特有の効果） この考案は次の特有の効果がある。

弾性パツキンが水平部と両密封垂直部とからなる断面Ｕ
字状に形成されているので、この両垂直部の密封による
ダブルリーク止め機能により、漏風を著しく少なくする
ことができるとともに、技は出し力に対しても前記両垂
直部により２倍の抵抗力を生じ、技は出し防止が効果的
に発揮することができるのに加え、前記のように継手作
業が迅速かつ容易にできるので、現場における吊り込み
工期を短縮することができる。

（実施例） この考案の実施例を説明する。

この実施例は第１図に示すように管体５の長さ方向中央
部に突記部２が設けられ、かつこの突起部２の両端部外
周面にパツキン３用の環状溝４が対称に形成されている
継手管１を具えている。

パツキン３は、特に第２図さら明らかなように、断面Ｕ
字状の環状弾性体からなり、水平部３ａと、この水平部
３ａの両端部からほぼ垂直に管体５の外周面より外方ま
で突出した密封垂直部３ｂ、３Ｃとで形成されている。

環状溝４は、パツキン嵌装用の第１環状溝４ａと、この
第１環状溝４ａの突起部２側に連接し、しかもこの第１
環状溝４ａの溝深さよりも浅い溝深さの第２環状溝４ｂ
とで形成されている。

第１環状溝４ａの溝巾はパツキン３の水平部３ａの横巾
とほぼ開山に形成され、また溝深さは、継手管１をダク
ト管６に挿込んだ際ダクト管６．（こまって生起される
パツキン３に対する突起部２側の押送力に抗してパツキ
ン３の嵌装位置を変更させない程度の深さに形成されて
いる。

第２環状溝４ｂの溝巾および溝深さは、パツキン３の垂
直部３ｃの折曲げ時にこれを完全に収容するような大き
さに形成されている。

次に前記実施例の作用を説明する。

第３図に示すようにパツキン３を、水平部３ａが第１環
状溝４ａに位置するようにしで嵌装した継手管１をダク
ト管６内に挿込むと、まず、パツキン３の垂直部３ｂが
、続いて垂直部３ｃが順次継手管１側に折曲げられる。

そして、ダクト管６の先端が突起部２に当接するように
なると継手管１のそれ以上の挿込みはできなくなり、こ
の状態でパツキン３の垂直部３ｂは水平部３ａのある第
１環状溝４ａ内に、また垂直部３ｃは第２環状溝４ｂ内
にそれぞれ収容されで位置するとと、もに、ダクト管６
の内面にその先端縁が弾性圧接する状態となり、この状
態でダクト管６と継手管１との継手構造が完了する。

この際パツキン３は第１環状溝４ａ内に完全に嵌装され
ているのでずれたりすることがない。

第４，５図は前記実施例の異なる使用態様を示し、これ
はパツキン３を形成する水平部３ａと両垂直部３ｂ、３
ｃで形成される環状凹部内に所要量のシール剤７を収容
したものである。

このようにシール剤７を有するパツキン３が嵌装された
継手管１′ をダクト管６内に挿込むと、まずパツキン
３の垂直部３ｂが折曲げられ、これによりシール剤７は
圧縮されて突起部２側に流出し、第２環状溝４ｂ内に折
曲げられている他の垂直部３Ｃ上を経てダクト管６と継
手管１′ との隙間に入り込みこの間隙をシールする。

なお管外にあふれ出た前記シール剤７はこれを管内に押
し込むようにして拭きとればよい。

前記においてシール剤７はパツキン３の環状凹部内に収
容されているので、ダクト管６への継手管１′ の挿込
時に両管６，１″ の隙間へのシール剤７の充填が容易
であるとともに、シール剤７がパツキン３の垂直部３ｂ
をのり越えて継手管１′の端縁側に流出することがない
。

なおこの考案のダクト管継手の継手管は上記実施例の継
手管のみならず、他の継手管例えばベンド管、Ｔ管、十
字管あるいは片落管等に適用できるものである。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案の実施例の継手管を一部破断した正面
図、第２図は第１図の要部拡大断面図、第３図は第１図
の作用説明図、第４図はこの考案の実施例の異なる使用
態様を示す要部拡大断面図、第５図は第４図の作用説明
図である。 １・・・・・・継手管、２・・・・・・突起部、３・・
・・・・パツキン、３ａ・・・・・・水平部、３ｂ、３
ｃ・・・・・・垂直部、４ａ・・・・・・第１環状溝、
４ｂ・・・・・・第２環状溝、７・・・・・・シール剤
。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. ダクト管に内挿される継手管の挿入側端部の外周面に、
   所定溝深さの第１環状溝と、この第１環状溝の前記継手
   管の挿込側と反対側に連接し、第１環状溝の溝深さより
   も浅い溝深さの第２環状溝とを形成し、第１環状溝内に
   断面Ｕ字状の環状弾性パツキンを嵌装し、この弾性パツ
   キンは第１環状溝の溝底面に平行に延び、その横巾が第
   １環状溝の溝巾とほぼ開山に形成された水平部と、非挿
   込状態で前記水平部の両端部からほぼ垂直に継手管の外
   周面より外方まで突出し、ダクト管への挿込状態で継手
   管側に折曲げられてダクト管の内面に弾性圧接する密封
   垂直部とを具えていることを特徴とするダクト管継手。