JPS5934449Y2 - 電子ミシンの送り機構 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は従来の機械的模様発生装置に代えて電気機械駆
動によって針横振れ量と布送り量またはこれらの一方を
制御し縫模様を発生し得るようにした電子３シンの縫目
制御駆動装置に関し、特に布送りに対する制御駆動装置
に関するものであり、その目的とするところは、ボタン
ホール縫等における如く小ピンチ送りを改善しようとす
るものである。

ボタンホール縫においては、一般の模様とは異なり、右
ラインタックと左ラインタックとの布送り量がそれぞれ
布の正送りと逆送りとで縫製するが故に両者が不揃いに
なるのでこれを微調整する必要がある。

しかし小さな送り量に対して微調整するのであるから、
これを電気的に行なうのには電気駆動装置の位置制御精
度が高いことを特徴とする特にパルスモータの如き段階
的な位置に制御される駆動装置を用いたときには、前記
の微調整の精度に限界があって所望の調節は得られず、
よって機械的に例えば伝達リンクｍの長さなどを調節す
ることによってこの微調節がなされていた。

本考案はパルスモータの如き位置制御の分解精度に限界
があるような電気駆動装置を用いた場合においても通常
の模様縫とボタンホール縫の如き小ピンチ布送りの模様
のいずれにも高精度に微調節し得るようにしたものであ
る。

以下本考案の実施例を図面によって説明すると。

第１図において１はＳシン本体、２ば布送り制御用パル
スモータにしてミシン本体１に固定され、その軸３には
送り制御カム４が固定されている。

５ば従動子”Ｃ−４’Ｅ軸穴６でミシン本体１に枢着さ
れ、ばねＴで反時計方向に付勢されていて、従動ピン８
が前記カム４のカム面９に係合するようになっている。

１０は伝達ピンで、伝達リンク１１の穴１２に枢着され
ていて従動子５の回動を５シン本体１に枢着の送り調節
器軸１３の回動として伝達する。

送り調節器軸１３には送り調節器１４が取付けである。

１５は送り二叉でミシン本体１に固定の水平送り軸１６
に枢着され、５シン下軸（図示せず）と同期回転すり送
りカム軸ＩＴに固定の水平送りカム１８によって揺動運
動する。

送り二叉１５の先端には送り二叉リンク１９の一端が枢
着してあり、該送り二叉リンクの他端には前記送り調節
器１４０案内溝２０内を摺動可能にしていル角コマ２１
が枢着されていて送り二叉リンク１５の揺動とともに案
内溝２０内を揺動する。

前記二叉リンク１９には前記角コマ２１の取付けと同軸
にて水平送りリンク２２が枢着され、案内溝２０の垂直
からの傾きの度合により角コマ２１の上下運動を水平運
動量として伝達し、且つ傾き方向が時計方向か反時計方
向かによって水平運動位相を異にして後記する如く布の
正送りと逆送りとを調節可能にしている。

２３は送り合軸で、前記水平送り軸１６に枢着されてい
る送り腕２４に把持され、前記水平送りリンク２２によ
って水平運動するようになっている。

２５は水平送り台で、？シン本体１に固定された送り合
軸２６に枢着の送り台リンク２７にその一端が枢支され
、送り合軸２３を把持して該軸とともに水平運動し、以
下その詳細を図示していないが、前記送り軸１１７の回
転とともに上下送り制御される送り台２８を水平方向に
固定し、且つ上下方向移動可能に案内している。

前記送り台２８には送り歯２９が固定されており、結局
送り調節器１４の傾きを変えるこことによって送り歯２
９の送り量とその正、逆送りの切替も行なわれ、その制
御はパルスモータ２の回転位相制御によってなされる。

３０は模様選択操作ボタンで、電子記憶された模様を適
宜選択し得るようになっている。

３１は送り手動調整ダイヤルで、これを押操作すること
により有効となり、更に回動させて選択された模様の布
送り量を比例的に微調整するようになっている。

これう模様選択、パルスモータの制御、送り量の手動調
整等は１例えばミシンに内蔵のマイクロコンピュータに
よって制御される。

第２図において３２は取付本体でミシン本体１に取付け
られ、パルスモータ２をこれに取付けている。

パルスモータ２の軸３には台板３３が固定されている。

合板には２個所の凸部３３ａ、３３ｂを設けていて、本
体３２が形成する制限部３４によって回動範囲が制限さ
れている。

３５ Ｆｉ、遮光板で台板３３に固定され１本体３２に
固定のホトインタラプタ３６を第２図示の位置で遮光ス
るととによってパルスモータ２の回転位置信号を発生さ
せるようになっている。

前記送り制御カム４は台板３３に固定され、その詳細は
第３図に示す如く通常の縫目模様の送り制御を行なうた
めに比較的大きなリードを持つ制御区間Ａと、主として
ボタンホール縫に用いるために比較的小さなリードを持
つ制御区間Ｂとを有している。

送り制御カムには前記従動子５の従動ピン８が係合して
おり、該従動子５は本体３２に固定の従動子軸３７に枢
着され、取付板３８を用いて取付けられ、第１図示のば
ね７によって第２図においては時計方向に付勢されて従
動ピン８をカム４面に係合させている。

第１図における送り調節器１４ば、従動ピン８が第３図
におけるカム面Ａ１にあるとき布の正送り量最大にすべ
く第１図の時計方向最大に回動される。

またカム面Ａ２にあるとき逆送り量最大にすべく反時計
方向最大に回動される。

カム面Ａ。とＡ２の中間位置は送り量をＯにする。

そしてカム面Ｂ とＢ ば、微少な正送りと逆送りに対
応しており、カム面Ａ１とＡ２ の中間における径よ
りそれぞれ若干小の径とをなしている。

前記遮光板３５の台板３３への取付関係位置は、パルス
モータ２な制御するための制御電源投入時等に際するパ
ルスモータリセント位置な従動ピン８がカム面Ａ１とＡ
２の中間となるように設定するためのものであり、その
リセットは例えば本出願と同一出願人による特願昭５３
−２７９５１号に詳細を示す方法がとられる。

以上の構成において、模様選択操作ボタン３０を操作し
て通常の模様を選択し、ごシンを回転させると送り制御
カム４ば、制御区間Ａにおいてその模様に特有な位置に
縫目毎に可変されて従動ピン８が従動すべく制御される
。

そして送り手動調整ダイヤル３１を押操作するとこれが
有効になり、更に回動操作すると、電子記憶されていて
各縫目の送り量を制御するためのパルスモータ２の回動
量を比例的に減少または増大させる。

つぎに模様選択操作ボタン３０を操作してボタンホール
縫を選択しミシンを回転させると送り制御カム４ば、制
御区間Ｂにおいて従動ピン８が従動すべく制御される。

そして送り調整ダイヤル３１を押操作し、更に回動操作
すると同様にパルスモータ２の回動量を比例的に減少ま
たは増大させる。

そしてその減少または増大の度合は、送り制御カム４の
区間Ａと区間Ｂとが互いにほぼ同一の回動角θアとθ８
をなしていてその回動角の制御による結果であるから、
リード角が小である区間Ｂにおいては区間Ａにおげろよ
りカム径の変化が微少であり、よってボタンホール縫等
の如き小ピッチ送りに関して高精度に調整し得るもので
ある。

上記したような本考案によれば簡単な機構を用いて通常
の模様縫とボタンホール縫の如き微少送りの縫とのそれ
ぞれに適切な布送り量微調整が可能トなり、特に微少送
りにおいては、従来パルスモータの如き位置制御の分解
能に限界があるような電気駆動装置を用いた場合におい
ては、機械的な微調整に頼っていたものを電気制御を可
能にしたものであり、実用上その効果大である。

【図面の簡単な説明】

第１図ば本考案の機構を備えた５シンの概略斜面図、第
２図は送り駆動制御装置の側面図、第３図は送り制御カ
ムの詳細図である。 図中、２はパルスモータ、４は送り制御カムでＡとＩＩ
！それぞれリード大と小の制御区間、５は従動子、送り
調節器１４は送り調節部の主たる要素、２９は送り歯、
模様選択スイッチ３０は模様選択装置、３１は送り手動
調整器である。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 電気機械駆動によって布送り量を制御して縫模様を形成
   可能にしているミシンにおいて、複数ノ縫模様を選択可
   能にしている模様選択装置と、布送り制御用の回動カム
   であって布の正送り最大から逆送り最大までの制御に対
   応したリード大の回動制御区間と布の微小正送りから微
   小逆送りまでの制御に対応したり−ト不の回動制御区間
   とを有し該各回動制御区間の回動角を互いにほぼ等しく
   している送り制御カムと、該送り制御カムに従動する従
   動子と、前記送り制御カムを回動制御するモータであっ
   て前記模様選択装置によってその選択された模様に応じ
   て該モータの回動をもってして前記従動子に対して前記
   各回動制御区間のいずれかに従動すべく選択されて指定
   され当該回動制御区間において回動毒晴するパルスモー
   タと、前記従動子の運動によって調節されＳシン回転と
   同期して水平送りする送り歯の水平送り量を制御する送
   り調節部と、前記パルスモータの回動量を当該模様の各
   縫い目相互に比例的に増減すべく手動操作する送り手動
   調整器とを設けてなる電子ミシンの送り機構。