JPS5933763Y2 - 線材コイルの保護材供給装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は線材コイルの集束装置、特に疵発生の少ない線
材コイルの集束装置に関するものである。

近年、鋼線材の製造方法として線材圧延工程とこれに続
く熱処理工程を直結した効率的な方式が種々採用される
に至っている。

この方式では最終圧延機を出た線材は、水冷装置を経て
レイング式巻取機によってリング状にされて次の搬送コ
ンベア（チェンコンベア、ローラコンベア等）上に落下
され、該コンベア上を各リングが非同心の重合状態で展
開されつつ搬送され、搬送中に所望の冷却速度で冷却さ
れた後、コンベア終端で線材集束装置（集束タブ、集束
キャリア）に集束され、次工程へ移送する各工程から構
成される。

集束された線材コイルは次いで別位置にて検査、秤量等
の工程を経て最終的に結束された後、適宜の輸送手段に
積込まれて出荷される。

しかして、成品として搬出されるコイルはその品質面か
らできるだけ疵の少ないことが当然要求され、このため
線材の製造過程における疵発生については改良が種々な
されているが、線材の疵発生は線材コイル集束後におい
ても各種原因によって起りうる問題であり、従来ではこ
の集束後の疵発生に関してはほとんど効果的な手段が施
されていなかったのが実情であり。

すなわち、コイル集束後の疵発生について詳細に検討し
てみると、流発生原因としては結束フープ材とコイルと
の接触、コイル相互の接触、コイル移送用フックのコイ
ルへの突掛け、集束キャリア接触等が挙げられる。

また、疵発生部位では、第１図に示す結束フープ材１で
直接結束した線材コイル２においては、特にコイル両端
面ａ、ｌ）での疵発生率が全体に半分近くを占めている
ことが明らかとなった。

このコイル両端面の疵は、フープ材とコイルとの接触、
コイル相互の接触（コイル積重ねた時）およびフックに
よる突掛は等の原因で生ずるものと考えられる。

本考案は以上の点に鑑みコイル両端面の疵発生を防止し
これにより線材の品質向上を計ることができる線材コイ
ルの集束装置を提供することを目的とする。

また、本考案の他の目的は、従来の線材め集束工程を何
ら変更することなく容易に流発生防止工程を組み込むこ
とができる極めて能率的な線材コイルの集束設備（工程
）を提供することにある。

しかして、このような目的を遠戚するための本考案の集
束装置は、集束位置において線材集束前および集束後に
それぞれ２枚のコイル端面保護材を装着し、コイル両端
面をこれら保護材にて被覆することを特徴とする。

すなわち本考案の具体的な構成は、非同心の重合リング
状態で線材を搬送するコンベアの終端側下方に該コンベ
アとほぼ平行に設けかつ先端がコンベア終端の線材落下
ガイド筒に設けた保護材供給口位置に取付けたガイドプ
レートと、該ガイドプレートの後端側に該ガイドプレー
ト面上に沿って進退する如く配置した保護林押出板と、
前記ガイドプレートの中間における前記押出板の移動範
囲位置に設けた保護材貯留収容部と、該収容部と前記保
護材供給口間に設置され一方がガイドプレートに形成し
た開口から出没自在にした一対の保護林挟持供給用ロー
ラとからなる線材コイルの保護材供給装置である。

第２図は線材巻取機３の後方に配置した線材搬送コンベ
ア（冷却作用を果たす）４の終端近傍に保護材供給装置
５を設置した例を示す。

前記搬送コンベア４の終端下方には落下してくる線材リ
ングを受ける集束装置（集束タブ）６が設けられ、前記
供給装置５は同じく該集束タブ６に対してコイル端面保
護材を供給するものである。

第３図は保護材供給装置５の詳細を示すもので、搬送コ
ンベア４の終端側、に該コンベアとほぼ平行にガイドプ
レート７を設け、該プレート７の先端は線材リングの落
下を案内するガイド筒８に形成した保護材供給口９位置
に取付けられている。

また、該ガイドプレート、７の後端側には押出シリンダ
１０によって進退する先端弧状にした保護林押出板１１
が設置されており、さらにガイドプレート７の中間には
前記押出板１１によって一枚づつ押出される保護材を貯
留する筒状の収納室１２が設けられ、該収納室１２はガ
イドプレート７と交差する方向に延びる保護材落下シュ
ート１２′と連設されている。

また、前記収納室１２と保護材供給口９との間のガイド
プレート７には一対の保護林挟持用ローラーの、下側の
ローラー１３が出没する開口１４が形成され、該保護林
挟持用ローラー１３は減速機１５を介してモータ１６に
接続され、保護材けり出しのため回動する。

第２図および第３図に示す供給装置を用いた線材コイル
の集束操作について第４図イ〜ホにしたがって説明する
。

まず、落下シュート１２′から保護林１７を収納室１２
内に送給し貯留させると共に、押出シリンダ１０を動作
させて押出板１１によって一枚の保護林１７Ａをガイド
プレート７上の保護林挟持用ローラー１３位置まで押出
す（第４図イ。

口）。

次いで、モータ１６を動作させガイドプレート７下に引
込んでいた一対の下側の保護林挟持用ローラー１３を開
口１４に露出させ、上側の保護林挟持用ローラー１３と
共に回転さ保護材１７Ａをガイド筒８の供給口９から内
方へけり出す（第４図へ）。

けり出された保護材１７Ａはガイド筒８下方に待機して
いた集束タブ６下部にはまり込みセットされ、次に、線
材リング１８の落下が朋始される（第４図二）。

集束タブ６周囲に落下集積された線材コイル１９はその
下端面を保護林１７Ａに接触しており、所定の線材リン
グ１８の集積が終了したなら、次に前記保護林１７Ａの
供給と同様な操作により、二枚目の保護材１７Ｂの供給
が行われ、該保護材１７Ｂは集束された線材コイル１９
の上端面に接する（第４図ホ）。

このようにして両端面に保護林１７Ａ、１７Ｂを当接し
た状態で線材コイル１９の集束が行われた後、適宜検査
、秤量工程に移行し、結束フープ材にて保護材と共に集
束コイルを結束する。

結束後の線材コイルは第５図に示す通りであり、コイル
両端面が保護林１７Ａ、１７Ｂによって防護されている
ため、フープ材との接触疵、コイル相互とこすれによる
疵、フックの突掛は疵等の発生が防止される。

本考案においては上記の如くコイル下端面を被覆するた
めの保護材は、必らず最初の線材リングが集束タブ６に
落下する以前に、該タブ６にセットされていることが必
要であるが、第２図および第３図の如く集束タブ６を所
定の位置に静置してから保護林１７をタブ６に落下せし
めてセットする方法以外に、他の場所で予めタブ６に下
端側保護材をセットしておき、しかる後該タブ６を所定
位置に移行させることもできる。

また、保護林１７のセットはすべて自動供給装置に依存
する方法に限らず、場合によっては自動供給装置と作業
具の人力を組合わせることも可能である。

一方、保護林１７については図では中央に集束タブ６に
入り込むに充分な径の穴を有するドーナツ状の円形板を
示したが、本考案では保護林１７の形状はこれに限らず
他の任意の形状とすることができる。

例えば、第６図イに示すように円形保護板に径方向およ
び周方向液部を交互に付与したもの、第６図口に示す如
く全体をきく形に形成したもの、あるいは第６図へに示
すようにコイル端面のみならず側面までも被覆するに充
分な大きさのものなどが考えられる。

以上説明したように本考案の集束装置によれば、線材集
束時の疵発生を大幅に低減することが可能であり、かつ
コイル荷姿の改善にもつながり、その実用的効果は非常
に大きい。

また、本考案の工程は線材圧延工程、線材熱処理工程お
よび集束工程と続くオンライン線材製造工程に対し、支
障なく容易に組み込むことができ、品質保証の面で寄与
するところ大である。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の線材コイルの結束状態を示す斜視図、第
２図は本考案の装置を備えた線材処理ラインを示す概略
図、第３図は第２図における保護材供給装置を示す詳細
図、第４図イ〜ホは第２図および第３図に示す設備によ
る線材コイル集束操作を順次示す説明図、第５図は本考
案により集束し結束した状態の線材コイルを示す斜視図
、第６図イ９口、ハは本考案において用いる保護材の各
種態様を示す説明図である。 ３・・・・・・線材巻取機、４・・・・・・搬送コンベ
ア、５・・・・・・保護材供給装置、６・・・・・・集
束タブ、７・・・・・・ガイドプレート、８・・・・・
・ガイド筒、９・・・・・・保護材供給口、１０・・・
・・・押出シリンダ、１１・・・・・・保護材押出板、
１２・・・・・・収納室、１３・・・・・・保護材挾持
用ローラ、１４・・・・・・開口、１５・・・・・・減
速機、１６・・・・・・モータ、１７・・・・・・保護
材、１８・・・・・・線材リング、１９・・・・・・線
材コイル。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 非同心の重合リング状態で線材を搬送するコンベアの終
   端側下方に該コンベアとほぼ平行に設けかつ先端がコン
   ベア終端の線材落下ガイド筒に設けた保護材供給口位置
   に取付けたガイドプレートと、該ガイドプレートの後端
   側に該ガイドプレート面上に沿って進退する如く配置し
   た保護林押出板と、前記ガイドプレートの中間における
   前記押出板の移動範囲位置に設けた保護材貯留収容部と
   、該収容部と前記保護材供給口間に設置され一方がガイ
   ドプレートに形成した開口から出没自在にした一対の保
   護林挟持供給用ローラとからなる線材コイルの保護材供
   給装置。