JPS5929790Y2 - 溶融金属排出装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案はタンディツシュ等に設置されるスライディング
ノズル装置の溶融金属排出装置の改良に関する。

従来、この種のスライディングノズル装置では、閉塞時
、ノズル孔内の溶湯が冷却されて凝固しノズル孔全開放
した時に溶鋼が排出できないという欠点がある。

このような場合には、酸素ランスによって凝固金属を溶
解して流出させているが、この作業は危険を伴ない、し
かも品質に悪影響を及ぼす。

この工５なことから、最近、上ノズル會ポーラスレンガ
で構成し、出湯前に該レンガから不活性ガス等を朝顔形
の溶融金属流通孔に吹き込み、該流通孔に停滞する溶湯
を攪拌し、出湯時迄上ノズル孔内の溶湯が凝固しないよ
うにして出湯全円滑修行なうスライディングノズル装置
が提案されている。

しかしながら、上記スライディングノズル装置にあって
は、上ノズルの溶融金属流通孔が逆円錐台形になってい
るため、該流通孔に停滞する溶湯の容量が小さく、しか
も冷却度合の高い流通孔下部付近はど径が小さくなって
いる。

その結果、溶融金属流通孔に停滞した溶湯が冷却し易く
なり、該溶湯に不活性ガス等を吹き込んでも凝固（とく
に流通孔下部付近が凝固）し、出湯に際して溶湯を流出
し得ない不都合さがある。

本考案は上記欠点を解消するためになされたもので、出
湯前溶融金属流通孔での溶湯の凝固を防止し出湯匝際し
て溶湯會下ノズルから円滑に流出し得る溶融金属排出装
置を提供しようとするものである。

以下、本考案の一実施例を図面を参照して説明する。

。図中の１はタンディツシュ底部に設置されタノズル受
煉瓦であり、このノズル受煉瓦１には上ノズル２がモル
タルを介して装着されている。

この上ノズル２には断面がほぼＵ字型の溶鋼流通孔３が
貫通されており、かつ該流通孔３内面のアールが形成さ
れた上ノズル２にはガス吹込用ポーラスレンガ４が装着
されている。

マタ、このホーラスレンガ４の下部には不活性ガスが廻
り込む環状の空隙部５が形成され、かつこの空隙部５に
はガス導通孔６を介してガス吹込管７が連結されている
。

そして、上記上ノズル２の下方には、該上ノズル２下面
に固定された固定盤８、該固定盤８に対して摺動可能な
摺動盤９及び該摺動盤９に固定された下ノズル１０が順
次縦設しており、かつこれら固定盤８、摺動盤９及び下
ノズル１０には上記上ノズル２の溶鋼流通孔３と連通ず
るノズル孔１１が穿設されている。

なお、固定盤８のノズル孔１１周面にはガス吹込用ポー
ラスレンガ１２が装着され、かつ該レンガ１２には上記
ガス吹込管７から分枝した分枝管１３が連結されている
。

このような構成によれば、今、スライディングノズル装
置の摺動盤９を摺動させて上ノズル２の溶鋼流通孔３及
び固定盤８のノズル孔１１を閉じた後、タンディツシュ
内に溶鋼を流入させると同時に、ガス吹込管７からアル
ゴンガス等の不活性ガスを吹込むと、不活性ガスはガス
導入孔６、環状の空洞部５及びポーラスレンガ４を通っ
て溶鋼が停滞する溶鋼流通孔３及びその下方のノズル孔
１１に吹き出される。

こうした溶鋼の出鋼停止匝際し、上ノズル２の溶鋼流通
孔３は断面がほぼＵ字型をなし、ここに停滞する溶鋼の
容量は従来に比して大きく、かつ下部付近の径も太きい
ため、溶鋼の冷却固化會抑制できる。

しかも、既述の如く溶鋼流通孔３内面のアールが形成さ
れた上ノズルにガス吹込用ポーラスレンガ４を装着し、
該ポーラスレンガ４からガスを吹込むことによって、ガ
スがアール部の周面に沿って旋回して溶鋼全効果的に流
動、攪拌できるため、同流通孔３内での溶鋼の玲却固化
會防止できる。

したがって、上ノズル２の溶鋼流通孔３の形状を改良し
、かつガスを吹出させるポーラスレンガ４’ｋＵ字型の
流通孔３内面のアールが形成された特定の上ノズル２部
分に装着する構造にして溶鋼流通孔３内の溶鋼の伶却固
化會効果的に防止することによって、摺動盤９會該摺動
盤９のノズル孔１１が固定盤８のノズル孔１１と合致す
るように摺動すれば、タンディツシュ内の溶鋼を下ノズ
ル１０が常に円滑に流出できる。

また、下ノズル１０から出鋼する際、上ノズル２の溶鋼
流通孔３は断面がほぼＵ字型になっているために、その
アールの領域がプツトスペースとなり、溶鋼の滞留會招
く恐れがある。

しかしながら、本考案は溶鋼流通孔３内面のアールが形
成された上ノズル２にガス吹込用ポーラスレンガ４會装
着しり構造になっているため、前記デッドスペースでの
溶鋼の攪拌が十分になされ、その箇所に溶鋼が滞留する
ことなく円滑に出鋼できる。

更に、固定盤８のノズル孔１１周面にガス吹込用ポーラ
スレンガ１２會装着すれば、該ノズル孔１１に停滞する
溶鋼會更に効果的に攪拌できるため、出鋼時の溶鋼の流
出會ヨり円滑化できろ。

本考案者らの研究によれは、ノズル孔内の溶鋼を凝固さ
せる要因はノズルのノズル孔内容積すなわち溶鋼の滞留
量とノズル孔内表面積との関係による影響が大きく、又
溶鋼の流出速度すなわちノズル孔の最小内径も関係する
ことが明らかとなった。

実験の結果第２図に示すよつにノズル孔の最小内径が３
０〜１２０ｍｍのとき表面積／容積が０．４５ｃｒｒＬ
以下の形状會有するような断面はぼＵ字型のノズ
ルであれば閉塞時間が２０分程度でも凝固することなく
安定に溶鋼全出鋼させることができた。

実際にノズル孔径６０ψ、表面積／容積が０．４ｃｒｎ
−１の断面Ｕ字型の上ノズルを使用したタンディツシュ
ノズルで操業したが、浸漬ノズル會交換する際５分間閉
塞し交換後スライディングノズル會開放したところ何ら
凝固は認められず、継続に鋳造作業を安定に行なうこと
ができた。

本考案に係る溶融金属排出装置は上記実施例の如きスラ
イディングノズル装置に限らず、フローコン方式、ロー
タリ一方式等信のノズル装置にも同様に適用できる。

以上詳述した如く、本考案によれば上ノズルの溶融金属
流通孔での溶湯の凝固を防止し、出湯に際して溶湯上下
ノズルから円滑に流出でき、もって鋳込作業の簡素化、
迅速化並びに品質の向上化を図ることができる溶融金属
排出装置を提供できるものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例を示すスライディングノズル
装置の断面図、第２図はノズル孔の最小内径と該ノズル
孔の表面積／容積との関係全売す特性図である。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 断面がほぼＵ字型の溶融金属流通孔を有し、かつ該溶融
   金属流通孔内面のアール部にガス吹込用ポーラスレンガ
   を装着せしめた構造の上ノズルを備えたことを特徴とす
   る溶融金属排出装置。