JPS5927979A - 冷媒用添加剤及び冷媒組成物 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 〔発明の技術分野〕 本発明は冷媒用添加剤及び冷媒組成物に係り、冷凍装置
用圧縮機の潤滑剤に代って冷媒に添加して用いられるも
の及びこの添加剤を冷媒に添加した組成物に関する。

〔発明の技術的背景とその問題点〕

冷凍装置は、冷媒ガスを圧縮する圧縮機と圧縮されたガ
スを凝縮する凝縮器と液化した冷′媒を蒸発させる蒸発
器を主要部として構成されている。

そして可動部分の多い圧縮機を円滑に運転するために潤
滑油が用いられる。そして従来の冷凍装置やヒートポン
プ装置においては、冷媒としての塩化ぶり化炭素や塩化
ふっ化炭化水素８０〜９０重量部に対して鉱油系潤滑油
１０〜２０重量部が用いられるが冷媒と潤滑油の比率が
ある範囲内においては、これが二層に分離し潤滑油ポン
プ吸入部への環流が不充分になったりクランクケース内
の余剰の潤滑油が多量に冷媒に混入して、熱交換器とし
ての凝縮器や蒸発器の内部に厚い油膜を付着して伝熱を
妨げる等の問題があり、この問題を解決するために圧縮
ガスの吐出部に潤滑油を冷媒から分離する油分離器を設
け、さらにこの油分離器で分離した油を再び圧縮機へ戻
す配管があり、その他潤滑系を形成する油サイクルに、
油ポンプ、油フィルタ、油冷却器等が連設され、これら
が冷媒のサイクルとは別に潤滑油サイクルを構成してい
る。そして潤滑油サイクルを維持するために必要なこれ
らの機器のコストは、冷凍装置やヒートポンプ装置の全
コスト中でかなりの額を占めており、潤滑油サイクルの
改善は、冷凍装置のコストの低減や性能の改良に極めて
重要である。さらに油の供給量も多く、油交換コストも
馬鹿にならない。

〔発明の目的〕

本発明は上述のような潤滑油サイクルの規模を大巾に縮
小させたりあるいは全く不要にするために、ｉ（Ｋ定の
カルボン酸エステルと脂肪酸との混合物よりなり冷媒に
添加することにより、圧縮機の潤滑作用をさせるととも
に熱交換器の伝熱を妨げないようにし、かつ蒸発器の沸
騰作用を促進させようとするものである。

〔発明の概要〕

本発明は、炭素数１６〜６０で粘ＩＩＪ指数８０以上の
カルボン酸エステル９６〜９９．９８ｍＦｔ部と、炭素
数１０〜２０の脂肪酸０．０２〜４止財部との６１合物
を主成分とする＠　ｆ＃　ＭＩＪでイアＨ来の鉱油系潤
滑剤に比べて商い摩耗防止性を有するものである。

さらに本発明は、炭素数１〜５の塩化ぶり化炭素または
塩化ぶり化炭化水素囚を８５〜９９重量部と、炭素数１
６〜６０で粘度指数８０以上のカルボン酸エステル９６
〜９９．９８　重量部と炭素数１０〜２０の脂肪酸０．
０２〜４重量部との混合物（Ｂｌを１〜１５重量部とを
含有し、冷凍装置またはヒートポンプ装置の冷媒として
用いたとき従来の油分離器、油冷却器゛、油フィルタ等
を不要もしくは簡略化するものである。

〔発明の構成及び作用〕

本発明に用いられる冷媒、カルボン酸エステル、脂肪酸
には次のようなものがある。

冷媒としての塩化ぶり化炭素または塩化ふつ化炭化水素
としては、炭素数１〜５のものが使用され、フレオンの
商品名で市販されているＣＩ（ＣＪ、Ｆ２、Ｃ（Ｊ２Ｆ
２．　ＣＣＬ２Ｆ−Ｃ（Ｊ２Ｆ　などの炭素数１〜２の
ものが特に有効である。

カルボン酸エステルとしては、炭素数が１６〜６０であ
り、かつ粘度指数が８０以上のものが使用される。例え
ば、次のようなものである。

（α）炭素数１４〜１８の一価の脂肪酸と炭素数２〜１
８の一価のアルコールとのエステルで具体的にはエチル
エステル、イソプロピルエステル、イソブチルエステル
、オレイルエステル。

ジ （自　アジピン酸イソデシル、セバシン酸ジヘキシル等
炭素数４〜１０のカルボン酸ト炭素数６〜１８の一価ア
ルコールとのジエステル。

（Ｃ）トリメチロールプロパン、２エチルヘキサン酸ト
リエステル等のトリメチロールプロパンと炭素数６〜１
８の一価カルボン識トリエステル。

（ｄ）　　ペンタエリスリトールへブタン酸テトラエス
テル等のペンタエリスリトールと炭素数６〜１２の一価
カルボン酸のテトラエステル。

（−１エチレングリコールジオレイン酸エステル、ジエ
チレングリコールヘキサン酸エステル等炭素数２〜６の
アルキレングリコールまたはジアルキレングリコールと
、炭素数６〜１８の一価カルボン酸とのジエステル。

脂肪酸としては、炭素数１０〜２０のものが用いられる
。

次に本発明の詳細な説明する。冷媒用添加剤は少量の脂
肪酸がカルボン酸エステルに溶解した状態となっている
。そしてこの添加剤を冷媒に添加を圧縮機の摺動各部へ
供給すると、４媒中の脂肪酸が金属の潤滑面に吸着され
てＰ１清作用をし潤滑面の冷媒は軸受等の摺動面の熱に
より蒸発して圧縮機の吸入ガスと合流し残された余分な
エステルと脂肪酸は冷媒と分離して圧縮機ケース内に貯
る。

貯溜したエステルと脂肪酸は吸引装置により吸入ガスに
混入される。そして圧縮機より圧縮された冷媒ガスとと
もに吐出された添加剤は凝縮器に至り冷媒に溶解されて
蒸発器へ送り出される。このとき一部の脂肪酸とエステ
ルは凝縮器や蒸発器内壁に吸着されるが従来の鉱油系潤
滑油のように器壁に厚く附着して熱交換を妨害するよう
なことはない。次に凝縮した冷媒は添加剤とともに蒸発
器へ送られ、ここで冷媒は蒸発しわずかの添加剤の一部
は蒸発器の底部に溜るものもある。蒸発器の底部に溜っ
た添加剤は冷、媒とともに圧力差等によ岐した冷媒液は
再び圧縮機の各給油部へ供給される。また低温の蒸発器
の中で満液式冷媒の中では添加剤より脂肪酸が微結晶と
して析出し、蒸発器内の冷媒の沸騰の核となり、冷媒の
蒸発を促進させる作用もある。

カルボン酸エステルと脂肪酸の配合比は、カルボン酸エ
ステル９６〜９９．９８重量部に対して脂肪酸０．０２
〜４車量部とする必要がある。カルボン酸エステルに対
する脂肪酸の量が前記範囲より多くなると、溶解度の関
係で脂肪酸結晶を含むエステルが蒸発器内部に附着して
熱交換を妨げるとともに蒸発器の底部に析出して溜ると
冷媒中の脂肪酸の量が少くなり、圧縮機へ戻される量が
不足し潤滑不良を来す場合が生じる。

また、脂肪酸の量が前記範囲より少くなると、圧縮機の
潤滑不良をまねくとともに蒸発器において脂肪酸の微結
晶が冷媒流中での核沸騰の促進作用を期し娃くなる。

さらに、冷媒と添加剤との配合比は、塩化ふつ化炭素ま
たは塩化ぶつ化炭化水素囚が８５〜９９重匁二部に対し
て添加剤（カルボン酸エステルと脂肪酸の混合物）（Ｂ
）が１〜１５重量部とすることが必要である。（５）に
対する（Ｉ３）の量が上記の範囲より多いと、溶解性そ
の他に問題を生じ、また逆に少いと圧縮機の潤滑作用、
蒸発器の沸騰促進作用が不足することになる。

なお本発明の冷媒組成物（石油系冷媒機油などを含む場
合もある）に、カルボン酸エステルと脂肪酸よりなる添
加剤を所定の割合になるように添加したものも含まれる
。

〔発明の効果〕 本発明によれば、カルボン酸エステルと脂肪酸よりなる
混合物よりなりカルボン酸エステル９６〜９９．９８　
：Ｕ置部に対し脂肪酸０．０２〜４重量部としたため、
脂肪酸がカルボン酸エステルに溶解し、圧縮機の給油部
分に供給されると脂肪酸が吸着されて４゛司潤用をさせ
ることができる。さらにこの添加剤を塩化ぶり化炭素ま
たは塩化ぶり化炭化水素よりなる冷媒に加えた組成物は
添加剤１〜１５重量部と冷媒８５〜９９重量部とよりな
るため、脂肪酸を溶解したカルボン酸エステルが冷媒に
溶解し、熱交換器の内壁に脂肪酸の結晶が耐着して伝熱
を妨害することがない。しかも蒸発器においては冷媒の
蒸発に伴って脂肪酸の微結晶が冷媒中の核沸騰の核とな
って蒸発を促進させることができる。さらに蒸発器の底
部に溜った脂肪酸を含むカルボン酸エステルは冷媒とと
もに低温で圧′縮機にドレーン回収配管により還流させ
ることができる。したがって従来用いられた油分離器、
油冷却器、油フィルタ、油ポンプ等の一連の油循環サイ
クルを省略或は簡易化することができる。

〔発明の実施例〕

実施例１ ９５＊ａφＸ７６ｍｍ２気筒の圧縮機を有する冷凍装置
（株式会社前川製作所製ＭＹＣＯＭＺＡ型）より油分離
器をとり除き、蒸発器の底部より油を吸い上げ【圧縮機
の各給油部分へ給油するようにした冷凍装置を用いて実
験した。

冷媒組成物としては、カルボン酸エステルがそれぞれ、 （α）　ステアリン酸エチル （４１アジピン酸ジイソデシル （Ｃ）トリメチロールプロパンの２エチルヘキサン酸ト
リエステル （ｄｌ　　ペンタエリスリトールのへブタン酸テトラエ
ステル （ｅ）　　エチレングリコールジオレイン酸エステルで
あるもの４９５重量部にそれぞれ硬化牛脂肪酸０．０５
重量部を加えた混合物をそれぞれ９５重量部の冷媒とし
てフロン２２　（Ｃ）（Ｃ１，Ｆ　）に混合した冷媒組
成物を用いた。実験に際しては、上記各冷媒組成物を各
個に圧縮機のクランクケース内の油だめに注入してそれ
ぞれ運転した。

運転の結果、カルボン酸エステルが（α）〜（ｇｌの全
ての場合に、運転開始後数分以内に冷媒を除く組成物の
約πが蒸発器の底部に溜り、これが圧力差により吸入側
に吸い上げられて土縮機の吸入側に送られ再び圧縮機の
給油部分に供給され潟滑作用を良好に維持した。

比較例１ 実施例１と比較するために、実施例１のカルボン酸エス
テルの代りに、 ０′）　　フタル酸ジノニル （り）トリメリット酸トリブチル を用いて同様に実験を行った。

実験の結果は、何れの場合も大部分が蒸発器内に耐着し
て流下せず、また粘性が等しく高くなり圧力差による吸
い上げが円滑に行われなくなったため、運転を中止しな
ければならなかった。

実施例２ 本発明による添加剤の潤滑性を試験するための摩耗試験
を行った。

摩耗試験機としては「潤滑Ｊ　１９．％６、Ｐ４５９〜
Ｐ４６８（１９７４）所載のものを用い、潤滑油を塗っ
た軟鋼板に黄銅のビンを押しつけながら回転させ、黄銅
ビンの摩耗量を測定した。このときの押しつけ荷重は１
２ｋｇ／ｍ、軟鋼板とビンの相対速度は約２００２７ｇ
　／？ｌＬＬ？Ｌとした。

実験の結果、■滑油として石油系圧縮機用油を用いた場
合３０分間の試験でビンの摩耗量は２゜Ｏ〜２２０ツで
あるが、実施例１の（−１〜（ｇ）に示すカルボン酸エ
ステルにステアリン酸を０．５％含有させた潤滑剤を用
いた場合それぞれビンの“摩耗量は５〜１５ｍＦであり
、良好な耐摩耗性が認められた。

実施例６ カルボン酸エステルとしてアジピン酸ジイソデシルを用
い、これと０．０５％のステアリン酸との混合物２０重
量部に石油系圧縮機油８０重量部を配合した配合剤を用
い、これを潤滑剤として実施例２と同様の試験を行った
結果、ビンの摩耗量は１５７ＸＪＩであり、良好な摩耗
防止性が得られた。

実施例４ 実施例３の配合剤を重量部を９５重量部の冷媒（フロン
２２　；　ＣＨ（Ｊ２Ｆ　）に混合し実施例１と同様に
実験したところ良好な結果が得られた。

以上の実施例１〜４より、本発明の冷媒組成物を用いク
ランクケース内や蒸発器の底部にわずかに溜った添加剤
を圧縮機内の吸入側に戻すことにより従来用いられた油
分離機、油冷却器、油フィルタ等の油循環サイクルが不
要になることがわかる。また本発明の添加剤の摩耗防止
性が従来の鉱油系潤滑剤に比べて優れていること、さら
に従来の鉱油系潤滑剤と本発明の添加剤を併用すること
によっても良い結果を得られることがわかる。

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. （１）炭素数１６〜６０で粘度指数８０以上のカルボン
   酸エステル９６〜９９９８重量部と、炭素数１０〜２０
   の脂肪酸０．０２〜４重量部との混合物を主成分とする
   冷媒用添加剤。
2. （２）　　カルボン酸土ステルが（α）炭素数１４〜１
   ８の一価脂肪酸と炭素数２〜１８の一価アルコールとの
   エステル、（４）炭素数４〜１０のジカルボン酸と炭素
   数６〜１８の一価アルコールとのジエステル、（Ｃ）炭
   素数６〜１８の一価カルボン酸とトリメチロールプロパ
   ンとのトリエステル、（ｄ）炭素数６〜１２の一価カル
   ボン酸とペンタエリスリトールとのテトラエステル、（
   −）炭素数６〜１８の一価カルボン酸と炭素数２〜６の
   フルキレングリコールまたはジアルキレングリコールと
   のジエステルの群から選ばれる１種または２種以上であ
   ることを特徴とする特許ｆｆ（求の範囲牙１項記載の冷
   媒用添加剤。
3. （３）炭素数１〜５の塩化ぶり化炭素または塩化ぶつ化
   炭化水素囚を８５〜９９重量部と、炭素数１６〜６０で
   粘度指数８０以上のカルボン酸エステル９６〜９９．９
   ８乗量部と炭素数１０〜２０の脂肪酸０．０２〜４重量
   部との混合物σ３】を１〜１５１量部とを含有すること
   を特徴とする冷媒組成物。