JPS5927086Y2 - メカニズムシャ−シの構造 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は合成樹脂製で戊るメカニズムシャーシの構造の
改良に関する。

例えば、テープレコーダ等のメカニズムの軸等は、シャ
ーシに対する直角度の精度が大きく要求されるが、その
シャーシが合成樹脂製である場合には、その軸を装着す
べき軸孔を樹脂成型時に同時に形成すれば、その成型時
に発生する歪によってシャーシ平面が変形する場合があ
るので、その軸孔の直角度の精度が落ちるおそれがある
。

すなわち、第１図に示すように、合成樹脂シャーシ１の
平面部分１ａが図示のように変形することによって、そ
こに形成される軸孔２が本来あるべき直角度に対してθ
度だけ狂う。

このようなことから、従来では軸孔を後加工によって形
成したり、また軸孔を形成すべき部分の周囲を一段高く
して予じめ形成し、後加工を行なって精度の維持、向上
を図っていたが、これによれば後加工時に軸孔の絶対精
度が低下するおそれがあると共に、後加工時における機
械加工による応力が加わり、また加工後スプリングバッ
クが生じることもあって、高精度を得ることが困難であ
った。

更に、シャーシに比較的重い物を取り付ける場合には、
やはりシャーシが事後変形して第１図に示すような状態
となり、軸孔の直角度の精度が落ちるおそれがある。

本考案は以上のような点に鑑みたもので、軸孔が平面部
分の影響を受けないようにして、前記したような問題点
を解消したメカニズムシャーシの構造を提供しようとす
るものである。

以下、第２図以降を参照して本考案の一実施例を説明す
ると、軸孔２はシャーシ１のフランジ１ｂの近傍に形成
されており、その軸孔２の周囲部分の内、平面部分１ａ
の側には溝孔３が形成されている。

そして、溝孔３の内側部分の裏面にはフランジ１ｂとの
間に補強リブ１Ｃが形成されている。

このような構成とすることにより、平面部分１ａが第３
図に示すように変形しても、その変形の影響は溝孔３に
よって絶縁されるために、軸孔２の直角形が影響を受け
ることはなくなる。

また、軸孔２の部分はリブ１Ｃによって補強されるので
、変形の防止がより効果的となる。

以上から本考案によれば、軸孔を樹脂成型時に同時に成
形しても、平面部分の歪による変形の影響を受けること
がないため、樹脂成型時に軸孔の直角度を高精度に決定
できるので、量産時に高品質を継続して維持することが
できるようになる。

また、後加工をする必要がないために、低コストで高品
質を維持することができるようにもなる。

更に平面部分が事後変形してもその影響を受けることが
ないため、経年変化による直角度の狂も防止することが
できるようになる。

従って例えばテープレコーダのピンチローラ軸の軸孔と
して利用すればその効果を大いに発揮するようになる。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来例の断面図、第２図は本実施例の平面図、
第３図は第２図のＩＩＩ −ＩＩＩ線断面図である。 １・・・・・・合成樹脂製シャーシ、２・・・・・・軸
孔、３・・・・・・溝孔。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. フランジと平面部分が一体成型される合成樹脂製のシャ
   ーシにおいて、直角度が要求される軸孔を該平面部分に
   設け、該軸孔の周囲の一部に溝孔を形成したことを特徴
   とする、メカニズムシャーシの構造。