JPS5923855Y2 - 自動車用内装部品のクリツプ取付構造 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は、リアコーナ、リアサイド等の自動車用内装
部品におけるクリップの取付構造に関する。

自動車用内装部品としてリアコーナ、リアサイドあるい
はセンタピラー等は、一般に射出成形等による合成樹脂
成形品を芯材として用い、その表面に表皮材を貼着する
とともに、裏面に複数の金属性クリップを取り付けて構
成され、上記クリップをボテ゛イインナパネルの取付孔
に圧入することによって該パネル上に装着される構造と
なっている。

そして、上記金属製クリップをリアコーナ等の内装部品
に取り付けるには、従来第１図に示す如く、略中央にク
リップ部１を切り起し形成してなるばね材からなるクリ
ップ２の平板状の基部３両端部を内装部品の芯材４にリ
ベット５，５止めする構造、あるいは第２図に示す如く
、芯材４裏面に略り字形のクリップ保持部６を形成して
おき、クリップ２の基部３一端をここに挿入して支持せ
しめるとともに、他端部のみをリベット５止めする構造
が採られている。

しかしながら、このような従来のクリップ取付構造にあ
っては、いずれもリベット止めを要するために工数が多
く、作業性が悪い問題があった。

この考案は、上記従来の問題点に鑑みてなされたもので
、内装部品の芯材裏面に、一端が封止された円弧壁を有
する一対のクリップ保持部を互いに回転対称に突出形成
するとともに、上記円弧壁の内側に位置決め用のリブを
形成し、一方、平板状の基部の略中央にクリップ部を突
設してなるクツツブの上記基部両端に、上記リブと係合
する切欠部を形成して、リベット等の取付用部品を要さ
ずに上記クリップをワンタッチで取り付は得る自動車用
内装部品のクリップ取付構造を提供するものである。

以下、この考案の一実施例を図面に基づいて説明する。

第３，４図はリアコーナ等の自動車用内装部品の芯材１
１裏面に形成した一対のクリップ保持部１２、１２を示
し、このクリップ保持部１２．１２は一端１２ ａが封
止された円弧壁１２ｂを有し、互いに回転対称位置に第
４図の如く突出形成されているとともに、上記円弧壁１
２ ｂの内側には位置決め用のノブ１３が突設されてい
る。

一方、クリップ１４は第５図に示す如く、ばね材からな
る平板状の基部１５の略中央にクリップ部１６を切り起
し形成し、かつＲ面取した基部１５両端に上記リブ１３
と係合する切欠部１７，１７を形成し、さらに上記基部
１５は取付時のガタ等を防止するために全体として下方
に向は弓状に湾曲しである。

そして、上記クリップ１４は第６図に示すように、両ク
リップ保持部１２．１２間から矢印方向に回転させるこ
とによって、該クリップ保持部１２．１２内に基部１５
が挿入され、かつ挿入した基部１５が円弧壁１２ ｂの
封止端１２ ａに当接する回転位置において、先端の切
欠部１７．１７が夫々リブ１３，１３に係合し、これに
より堅固に固定されるのである。

従って、上記クリップ取付構造によれば、クリップ１４
を手指等により略９０度程度回転させるだけでワンタッ
チに取り付けることができ、極めて作業性が良く、かつ
取り付けた状態においては、ノブ１３と切欠部１７の係
合によって脱落等が防止でき、湾曲した基部１５の弾性
によってガタ等も無く、実用上十分な強度を得ることが
できる。

また、クリップ保持部１２．１２は第３，４図から明ら
かなように、芯材１１の表面、裏面を形成するコア型、
キャビティ型のみによって通常の型開きが可能な形状と
なっており、これを例えば射出成形するに際して型製作
が容易であり、特別なコストアップを伴わずにクリップ
保持部１２．１２を有した芯材１１の成形が可能である
。

以上の説明で明らかなように、この考案に係る自動車用
内装部品のクリップ取付構造にあっては、内装部品の芯
材裏面に形成したクリップ保持部にビス、リベット等を
用いることなくクリップをワンタッチで取り付けること
ができるので、クリップ取付作業の作業能率が著しく向
上し、かつコストの低減を図ることができる。

また、本願考案にあっては、クリップ保持部は一端が封
止された円弧壁を有するものであるから、これにクリッ
プを係止せしめた場合、クリップの基部両端が円弧壁に
当接し、特にクリップの長手方向に対して規制すること
になるので、取付強度が向上する。

更にまた、クリップはバネ材により下方に向けられて湾
曲して形成されているため、このクリップの基部をクリ
ップ保持部に回転挿入した場合、湾曲した基部の弾性に
よってぐらつきを防止でき、かつガタ音の発生を防止で
きるなどの効果を有するものである。

【図面の簡単な説明】

第１図および第２図は各々従来のクリップ取付構造を示
す側断面図、第３図〜第６図はこの考案の一実施例を示
すもので、第３図はクリップ保持部の斜視図、第４図は
同断面図、第５図はクリップの斜視図、第６図はクリッ
プ取付状態の平面図である。 １１・・・・・・芯材、１２・・・・・・クリップ保持
部、１３・・・・・・リブ、１４・・・・・・クリップ
、１５・・・・・・基部、１６・・・・・・クリップ部
、１７・・・・・・切欠部。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 自動車用内装部品の芯材裏面に、一端が封止された円弧
   壁を有する一対のクリップ保持部を互いに回転対称位置
   に突出形成するとともに、上記円弧壁の内側に位置決め
   用のリブを形成し、一方、バネ材を下方に向は弓状に湾
   曲してなる基部の略中央にクリップ部を突設してなるク
   リップの上記基部両端に、上記リブと係合する切欠部を
   形成し、上記クリップを上記クリップ保持部内に回転さ
   せながら挿入するとともに、上記切欠部を上記リブに係
   合させて固定するようにしたことを特徴とする自動車用
   内装部品のクリップ取付構造。