JPS5915248Y2 - フラツトモ−タの冷却装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、フラットモータの冷却装置に関する。

一般に、フラットモータ１は第１図に示すように、カバ
ー２に密着した永久磁石３の磁力によりブラケット４を
引きつけ、このカバー２とブラケット４とにより構成し
たハウジング５内に、偏平円盤状のアーマチュア６を回
転自在に設け、このアーマチュア６に触接するブラシ７
より電流を供給することにより前記アーマチュア６に連
結したロータシャフト８を介してファン９を回転するよ
うにしたものである。

このようなフラットモータ１においては、ブラシ７とア
ーマチュア６、ロータシャフト８と軸受１０等の機械的
な摩擦部分があり、ここにおいて摩擦熱が生じ、またブ
ラシ７でも給電に伴い熱を発する。

したがってこのモータではハウジング５内に籠る熱の処
理がきわめて重要な問題となっている。

従来から行なわれている放熱方法としては前記ファン９
による空気流の一部がこのモータのハウジング５に当る
ようにダクトの構成を変えるかあるいはこのファン９を
シロッコファンのようにファン内部に空気を誘引するも
のを用い、この誘引した空気によりモータ全体を冷却す
るようにしたものがある。

しかしこの方法ではモータの外周面の熱を運び去るのみ
で内部に発生した熱までも引き出し放熱するという積極
的なものではない。

また最近提案されているものには、前記ブラケット又は
カバーに直接ルーバを切り起したものがある。

これは冷却効果は高いが製作時の金型が高くつき、特に
カバー、ブラケットは平面度が要求されるにも拘ず、こ
のルーバのために平面度が損なわれるという欠陥がある
。

そこで本考案は上述の諸欠点に鑑みてなされたもので、
永久磁石を内面に有するカバーをブラケットにより覆い
密閉のハウジングを形成し、このハウジング内に、前記
磁石とわずかな間隙をもつて対設された偏平円盤状のア
ーマチュアを回転自在に設け、このアーマチュアに触接
するブラシより電流を供給することにより前記アーマチ
ュアに連結したロータシャフトを介してファンを回転す
るようにしたフラットモータにおいて、このファンの回
転により冷却風が当たるブラケット若しくはカバーのい
ずれか一方又は両方に取付けた伝熱フィンを、ルーバ付
コルゲートフィンにより構成するとともに、このコルゲ
ートフィンをブラケット等の表面に環状に設け、この伝
熱フィンの内周縁部とフィン押圧片とブラケット等の間
で挾持することにより、組立作業性が良く、コルゲート
フィンによる放熱効果が大きい点を利用した冷却装置を
提供することを目的とする。

以下、本考案に係るフラットモータの冷却装置の一実施
例を図面につき説明する。

第２図は同冷却装置１１の一部断面した正面図、第３図
はこの冷却装置１１に組み込まれる伝熱フィン１２の斜
視図、第４図は第２図の要部縦断面図であり、各図とも
第１図に示す部材と同一部材には同一符号を付しである
。

この冷却装置１１は、フラットモータ１のブラケット４
に伝熱フィン１２を固着し、このフィンにファン１３か
らの空気流を当てフラットモータ１を冷却するようにし
たものである。

このフラットモータ１は第４図に示すようにカバー２及
びブラケット４からなるハウジング５を有し、このハウ
ジング５内にアーマチュア６を回転自在に軸受１４によ
り支持したものであるが、このブラケット４は鉄等の磁
性材料により構威し、カバー２側に固着した永久磁石３
によりこれを引きつけている。

このブラケット４と永久磁石３との間にある偏平円盤状
のアーマチュア６にブラシ７より給電すると、アーマチ
ュア６が回転を開始するようになっている。

特に本考案では、前記軸受１４のケース１５にブラケッ
ト４をカシメ止めしているが、このフ゛ラケット４とと
もにフィン押圧片１６もここに取付け、ブラケット４に
接して設けたフィン１２をこの押圧片１６が挟圧するよ
うにしている。

しかもこのブラケット４にはハウジング５内の熱が外部
に良く逃げるように小さな通孔１７を複数個開設してい
る。

したがってフラットモータ１のハウジング５内において
生じた熱、すなわちブラシ７とアーマチュア６との摩擦
熱、ブラシ７に電気を通すことにより生じる熱はブラケ
ット４を介して伝熱フィン１２から直接放熱されるか又
は通孔１７を通って伝熱フィン１２若しくは外気に伝わ
り、ファン１３による風が運び去ることになる。

ここに伝熱フィン１２は通常の薄板状のものを複数枚ブ
ラケット４から突出させてもよいが、これでは組立て等
に手数を要するため、第３図に示す如き環状に形成した
コルゲートフィンとすることが望ましい。

特にこのコルゲートフィンにルーバ１８を切り起してお
けば放熱効果は一層良いものとなる。

すなわち、第２図に示すように、ファン１３による風は
フラットモータ１のブラケット４に対し垂直に当り、こ
のブラケット４の表面に沿って流れる。

この場合コルゲートフィンの稜線が放射状になるように
環状に形成し、かつこのブラケット４の表面全周にわた
り配置すれば、フィン相互間の間隔が内側より外端に行
くに従って大きくなるため、前記風は放熱面積の広い所
ではフィンに十分当り、放熱面積の小さい内側では少し
当ることになるので、放熱性がブラケット全体にわたり
均一化し、熱による種々の悪影響が生じることがない。

さらに言えば、このコルゲートフィンはほとんど全体が
常にファンからの冷却風を直接受けることになっている
ので、放熱性は著しく高い。

また、このように、コルゲートフィンをブラケット全体
にわたって設ければ、このコルゲートフィンが種々のフ
ィルタの役目を果すので、モータ内部への塵埃等の侵入
を防止することになる。

なお上述の実施例は伝熱フィン１２をブラケット４側に
設ける場合につき説明したが、この伝熱フィン１２をカ
バー２側若しくはブラケット４とカバー２の両方に設け
ても良いことはいうまでもない。

第５〜７図に示すものは前記押圧片１６を前記第４図等
に示すものとは改良したものであり、第５図に示すもの
は押圧片１６の先端部１６ａを延長するとともにこの延
長先端部１６ａに通孔１９を開設し、これによりフィン
１２の保持をより完全なものとしたものである。

第６図に示すものはブラケット４の一部を切り起こすこ
とにより、フィン押圧片１６を形成しフィン１２をブラ
ケット４上に載置した後この押圧片１６を折り曲げフィ
ン１２をブラケット４に取付けるようにしたものである
。

これにより通孔１７，１９を別途形成する必要はなくな
る。

第７図に示すものは、この押圧片１６のハウジング５の
外周端部側のものを第６図のもののように溶接等により
ハウジング５に取付けたものではなく、別途ボルト等の
固着手段２０により取付けたものである。

以上の説明より明らかなように、本考案によれば、モー
タのカバー又はブラケットのいずれか一方又は両方に伝
熱フィンを取付け、これによりハウジングの熱を逃がす
ようにしたため、フラットモータの冷却を速やかに行な
うことができ、またこのブラケット等に通孔を開設した
り、伝熱フィンにルーバを切り起すようにすれば、前記
冷却は一層効率良く行うことができる。

さらに前記モータではダクトの変更を行なうことなしに
冷却効果の高いモータを得ることができ、いわば設置場
所が限定されないモータのためカークーラ等の種々の機
器の設計も容易となる等きわめて優れた効果を奏するこ
とになる。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来のフラットモータの縦断面図、第２図は本
考案に係る冷却装置の一実施例を示す正面図、第３図は
同冷却装置に組み込まれる伝熱フィンの斜視図、第４図
は第２図の要部縦断面図、第５〜７図は本考案の他の実
施例を示す要部縦断面図である。 ２・・・・・・カバー、３・・・・・・永久磁石、４・
・・・・・ブラケット、５・・・・・・ハウジング、６
・・・・・・アーマチュア、７・・・・・・ブラシ、８
・・・・・・ロータシャフト、１１・・・・・・冷却装
置、１２・・・・・・伝熱フィン、１３・・・・・・シ
ロッコファン、１４・・・・・・軸受、１５・・・・・
・ケース、１６・・・・・・押圧片、１７・・・・・・
通孔、１８・・・・・・ルーバ。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 １ 永久磁石を内面に有するカバーをブラケットにより
   覆って密閉のハウジングを形威し、このハウジング内に
   、前記磁石とわずかな隙間をもって対設された偏平円盤
   状のアーマチュアを回転自在に設け、このアーマチュア
   にブラシより電流を供給することにより前記アーマチュ
   アに連結したロータシャフトを介してファンを回転する
   ようにしたフラットモータにおいて、このファンの回転
   により冷却風が当たるブラケット若しくはカバーのいず
   れか一方又は両方に取付けた伝熱フィンを、ルーバ付コ
   ルゲートフィンにより構成するとともに該コルゲートフ
   ィンの稜線が放射状になるように環状に形成しかつ前記
   ブラケット等の表面全周にわたり配置し、この伝熱フィ
   ンの少なくとも内周縁部を、フィン押圧片と前記ブラケ
   ット若しくはカバーとの間で挟持してなるフラットモー
   タの冷却装置。 ２ 前記フィン押圧片は前記ブラケット又はカバーの一
   部を切り起すことにより形成してなる実用新案登録請求
   の範囲第１項に記載のフラットモータの冷却装置。