JPS5914452Y2 - 枚葉印刷機の給紙装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、枚葉印刷機の給紙装置、特に、最大用紙サイ
ズの約１／１０の小サイズの用紙をも確実に給送するこ
とができるようにした枚葉印刷機の給紙装置に関する。

枚葉印刷機にあっては、第１図に示すように、下降、水
平移動、上昇及び復帰を行ないつつ積み重ねられた用紙
１をバキュームで吸着してテープコンベアー２に送り出
すストリームフィーダー３が用いられており、このスト
リームフィーダー３によって連続的に送り出された用紙
１は、印刷ユニットの駆動力を受けて回転するテープロ
ーラー４と送り出しローラ５との間を通った後、フィー
ダーボード６方向に進む。

そして、用紙１は、紙送りローラー７によって押圧され
て更に進み、横規制装置８及び前規制装置９によって正
しく見当がつけられ、印刷ユニットに送り込まれるので
ある。

このような用紙１の給送状態を詳述すると、当該印刷機
が例えば中型機である場合には、第２図Ａに示すように
機種に応じた標準のサイズＨというものがあり、この標
準サイズの用紙１が給送される時にはそれらの用紙１が
給送される時にはそれらの用紙１の一部分がＷづつ重複
してあたかもうろこ状に連続給送されるのである。

もしこのような重複部分が存在しないか又は過少である
場合には、先行する用紙１の後端に後続の用紙１の前端
が突き当たって先行する用紙１を押し曲げたり、乗り上
げたりして印刷作業にとり致命的な障害となってしまう
。

そこで、当該機種に固有の最小用紙サイズｍｉｎは、前
記事実及び前規制装置９と横規制装置８との位置関係等
を考慮して定められており、通８常−の中型機にあって
は、その機種に固有の最大紙シサイズＨｍａｘと前記Ｈ
ｍｉｎとの比率Ｈｍｉｎ／Ｈｍａｘは１／３〜１〜４に
とどまっている。

ところで、近時にあっては印刷需要が増々高まっており
、通常の中型機によっても葉書や封筒等のいわゆる小サ
イズの用紙を印刷できるようにすることが望まれている
。

言い換えると、当該機種がカバーしうる印刷対象のサイ
ズの範囲をできる限り広くして印刷機が融通性を持つよ
うにすることが望まれているのである。

しかしながら、もし給紙装置に何等の工夫を加えないま
まで小サイズの葉書等をストリームフィーダー３からテ
ープコンベアー４に送り出すと、第２図Ｂに示すように
、小サイズｈの葉書同士の間に隙間ｄが生じてしまう。

すなわち、サイズｈが当該機種のＨｍｉｎよりも一層小
さいため、第２図ＡのようなオーバーラツプＷが生じる
ことがなく、従って前記したような押し曲げ及び乗り上
げ等の不都合が生じ、到底印刷作業を行なうことができ
なくなってしまうのである。

本考案は、上記した問題に鑑みてなされたものであり、
当該機種の最大用紙サイズＨｍａｘと最小用紙サイズＨ
ｍｉｎとの比率Ｈｍｉｎ／Ｈｍａｘを１／１０程度にま
で拡げて融通性を高め、中型機においても小サイズの用
紙の印刷が可能な給紙装置を得ることを目的とし、この
ため、テープコンベアーの移動速度を切り換える手段を
設け、ストリームフィーダーの給送速度に対してテープ
コンベアーの移動速度を遅らせることができるようにし
て、小サイズの用紙を給送する場合にも適正な前記オー
バーラツプが確保されるようにしたものである。

以下、図面を参照して本考案の実施例を説明する。

第３図は、本考案に係る給紙装置を備えた枚葉印刷機の
一例を示す概略説明図、第４図Ａ及びＢは、給紙装置の
速度切換手段を示す断面説明図であり、用紙１は、印刷
ユニット１０の速度と同期した速度で作動されるストリ
ームフィーダー３によってテープコンベアー２に送り込
まれる。

このテープコンベアー２は、印刷ユニット１０の圧胴１
１を駆動する動力を利用するため、駆動チェーン１２に
よって移動されるようになっている。

通常の給紙装置にあっては、このテープコンベアー２の
移動速度は、前記圧胴１１等の回転速度と同じであるが
、本考案にあっては、小サイズの用シ１を印刷する場合
に等にこの移動速度を遅くすることができるように速度
切換手段を設けたものである。

なお、用紙１が版胴１３と圧胴１１との間で印刷された
後徘紙装置１４に送り出されるのは従来の印刷機と同様
であるので、詳細な説明を省略する。

テープコンベアー２の速度切換手段を第４図Ａ、Ｂ及び
第５図を参照して説明する。

機体のフレーム１５には、テープコンベアー２を駆動す
るテープローラー軸１６とは別途に減速軸１７が設けら
れている。

そして、この減速軸１７には、軸受１８を介して回転子
１９が回転自在に取り付けられており、この回転子１９
の両端には、第１のスプロケッ） ２０及び第１のギア
２１が各々ねじ２２，２３によって締結されている。

この第１のスプロケツ） ２０は、前記駆動チェーン１
２によって回転され、従って、この第１のスプロケツ）
２０と一体の第１ギア２１も回転される。

テープローラー軸１６は、軸受２４を介して回転自在に
フレーム１５に取り付けられている。

そして、このテープローラー軸１６の端部には、前記第
１のギア２１と噛合可能な第２のギア２５が設けられて
いる。

この第２のギア２５は、テープローラー軸１６に固定さ
れたキー２６により、テープローラー軸１６に対して回
転することはできず該テープローラー軸１６と一体に回
転するが、軸方向の摺動を行なうためハンドル２７が側
部に取り付けられている。

第２のギア２５の歯数は、第１のギア２１の歯数よりも
多く、例えば５５／３３の比率に設定される。

なお、２８は位置決め用のストッパーを示し、また、こ
の第２のギア２５のフレーム１５側の側面には、クラッ
チ部材２９が設けられている。

フレーム１５の近傍には、軸受３０を介してカム部材３
１が回転自在に取り付けられており、このカム部材３１
は、ストッパーカムアーム３２を作動させる。

カム部材３１の一側には、第２のスプロケット３３及び
クラッチ部材３４がねじ３５によって締結されており、
これらのカム部材３１．第２のスプロケット３３及びク
ラッチ部材３４は、第２のスプロケット３３と連係する
駆動チェーン１２によって常に一定速度で回転され、こ
れに従って、前記ストッパーカムアーム３２及び送り出
しカムアーム３６も一定速度で作動される。

なお、第２のギア２５のクラッチ部材２９と第２のスプ
ロケット３３側のクラッチ部材３４とは、ハンドル２７
によって係合、離脱可能であってクラッチ手段を構成し
ている。

次に、上記実施例の作用を説明する。

当該機種にとって標準的な範囲のサイズの用紙１、言い
換えるとＨｍｉｎ／Ｈｍａｘが１／３〜１／４程度のも
のを印刷する場合には、第４図Ａに示すように、第２の
ギア２５がフレーム１５方向に押されて、この第２のギ
ア２５のクラッチ部材２９と第２のスプロケット３３側
のクラッチ部材３４とが係合している。

従って、駆動チェーン１２が印刷ユニット１０の駆動力
によって駆動されると、第１及び第２のスプロケツ）
２０．３３が共に回転され、このうち第１のスプロケッ
ト２０は単にアイドリングするだけで゛あるが、第２の
スプロケット３３の回転力は、これと一体のカム部材３
１及びクラッチ部材３４を回転させる。

そして、カム部材３１はストッパーカムアーム３２を、
またクラッチ部材３４は送り出しカムアーム３６をそれ
ぞ゛れ作動させるが、このうちクラッチ部材３４は、第
２のギア２５のクラッチ部材２９と係合しているのでこ
の第２のギア２５を回転させる。

そして、この第２のギア２５の回転力は、キー２６が存
在するためテープローラー軸１６に伝えられ、この結果
、テープローラー軸１６も回転されてテープコンベアー
２を移動させる。

すなわち、第４図Ａに示した状態が標準状態なのである
。

ところで、前記したＨｍｉｎ／Ｈｍａｘが１／３〜１／
４の範囲に納まりきれない葉書等の小サイズの用紙を印
刷する場合には、適正なオーバーラツプを確保すること
が困難になる。

そこで゛、ハンドル２７を引いて第２のギアー２５をテ
ープローラー軸１６に沿ってストッパー２８に当接する
まで摺動させ、クラッチ手段を切って第１のギアー２１
と噛合させ、第４図Ｂの状態にセットする。

この状態における駆動チェーン１２の動力伝達を説明す
ると、第１のスプロケット２０が第１のギアー２１と一
体に回転され、また、第２のスフ。

ロケット３３がカム部材３１及びクラッチ部材３４と一
体に回転され、従ってストッパーカムアーム３２等が作
動されるのは前記した標準状態と同じであるが、第２の
スプロケット３３はテープローラー軸１６に対して回転
自在であるので、何等テープローラー軸１６に力を伝え
ることはない。

この時テープローラー軸１６に回転力を伝え、従ってテ
ープコンベアー２を駆動するのは、第１のギア２１と第
２のギア２５とによって減速されたトルクである。

すなわち、駆動チェーン１２によって回転される第１の
スプロケット２０のトルクは、回転子１９を経て第１の
ギアー２１に伝えられる。

この第１のギアー２１は、第２のギアー２５と噛合して
いるが歯数の比が５５／３３であるので第２のギアー２
５の回転速度が減速されることとなる。

減速された第２のギアー２５のトルクは、この第２のギ
アー２５がキー２６によってテープローラー軸１６に係
合されているため、テープローラー軸１６を回転させ、
これによってテープコンベアー２が標準状態と比較して
減速されて移動され、ストリームフィーダー３から小サ
イズの用紙１を受は取る。

ストリームフィーダー３の給送速度は、印刷ユニット１
０の速度と同期して一定であるから、テープコンベアー
２の移動速度が減速されればされる程、第２図Ａに示し
たオーバーラツプＷを取ることが可能になる。

従って、一定分量の小サイズの用紙１が適正なオーバー
ラツプをもって前規制装置９等によって見当を付けられ
て、印刷ユニット１０に送り出され、標準サイズのもの
と変わりなく印刷が行なわれるのである。

なお、ストリームフィーダー３に対するテープコンベア
ー２の移動速度を切り変えるため、他にも例えばストリ
ームフィーダー３の速度を上げたり、また、テープロー
ラー軸１６を径の小さいものに取り換えることも考えつ
るが、これらはいずれも面倒で、多大な費用と段取換え
の手間を要する。

これに比べ、本装置によれば、わずかなコストで設置可
能で、しかもハンドル操作によって、簡単に段取換えが
可能である。

以上述べたように、本考案に係る枚葉印刷機の給紙装置
によれば、テープコンベアーの移動速度を切り換える手
段を設け、ストリームフィーダーの給送速度に対してテ
ープコンベアーの移動速度を遅らせることができるよう
にしたことによりわずかなコストで、しかも簡単に小サ
イズの用紙の印刷を行ない、印刷機の融通性を飛躍的に
高めることができるという効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は、従来の枚葉印刷機の給紙装置を示す概略側面
図、第２図Ａ及びＢは、給紙状態を説明するための概略
側面図、第３図は、本考案に係る給紙装置を備えた枚葉
印刷機の一例を示す概略説明図、第４図Ａ及びＢは、給
紙装置の速度切換手段を示す断面説明図、第５図は、同
側面説明図である。 １：用紙、２：テープコンベアー、３ニスドリームフイ
ーダー、４：テープローラー軸−：送り出しローラー、
８：横規制装置、９：前規制装置、１０：印刷ユニット
、１２：駆動チェーン、１５：フレーム、１６：テープ
ローラー軸、１７：減速軸、１９：回転子、２０：第１
のスプロケット、２１：第１のギア、２５：第２のギア
、２６：キー、２７：ハンドル、２８：ストッパー、２
９：クラッチ部材、３１：カム部材、３３：第２のスプ
ロケット、３４：クラッチ部材。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. １．印刷ユニットの駆動力を利用しつつストリームフィ
   ーダーによってテープコンベアーに枚葉紙を送り込み、
   これを印刷ユニットに給送する給紙装置において、前記
   テープコンベアーの移動速度を切り換える手段を設け、
   ストリームフィーダーの給送速度に対してテープコンベ
   アーの移動速度を遅らせることができるようにしたこと
   を特徴とする枚葉印刷機の給紙装置。 ２、テープコンベアーの移動速度を切り換える手段とし
   て、テープコンベアーのテープローラー軸とは別途に設
   けられた減速軸と、この減速軸に回転自在に取り付けら
   れ印刷ユニットの駆動力を利用した駆動チェーンによっ
   て回転される第１のスプロケットと、この第１のスプロ
   ケットと一体に回転される第１のギアと、前記テープロ
   ーラー軸に摺動のみが可能に取り付けられ、かつ第１の
   ギアよりも多い歯数を有する第２のギアと、この第２の
   ギアをテープローラー軸の軸方向に移動させる手段と、
   前記テープローラー軸に回転自在に取り付けられ前記駆
   動チェーンによって回転される第２のスプロケットと、
   前記第２のギアが第１のギアとの噛合を解除された時に
   これを前記第２のスプロケットと係合させるクラッチ手
   段とを設けたことを特徴とする実用新案登録請求の範囲
   第１項記載の枚葉印刷機の給紙装置。