JPS58914B2 - トマクノケイセイホウホウ - Google Patents

トマクノケイセイホウホウ

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JPS58914B2
JPS58914B2 JP7871774A JP7871774A JPS58914B2 JP S58914 B2 JPS58914 B2 JP S58914B2 JP 7871774 A JP7871774 A JP 7871774A JP 7871774 A JP7871774 A JP 7871774A JP S58914 B2 JPS58914 B2 JP S58914B2
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coating
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compounds
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砂盛敬
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Description

【発明の詳細な説明】 本発明は水溶性または水分散性ビニルモノマーの水性液
を用いた塗膜の形成方法に関し、特に上記水性液を用い
て酸素の介在下において優れた特性を有する塗膜を形成
せしめる方法に関する。
ラジカル重合性化合物を酸素の介在下に重合する方法と
して従来知られている技術は過酸化物と還元剤とを組合
せた酸化還元重合法、或いはセリウムイオンと還元剤と
を組合せた酸化還元重合法があり天然繊維、デン粉など
のビニルモノマーのグラフト重合による改質手段として
利用されてきたが、これらの酸化還元重合によるビニル
モノマーのグラフト重合は、グラフト基材が極めて限定
され易く、シかもビニルモノマーの三次元架橋体を作る
ことが難しく、しかも、これらビニルモノマーの酸素に
よる重合禁止効果を十分に抑制し得ないため、厳しい特
性が要求される塗膜の形成方法への利用は極めて困難で
あると考えられてきた。
しかし、これらラジカル重合性化合物とくに水溶性もし
くは水分散性ビニル化合物類は従来甲いられてきた被覆
材に比べその分子量が極めて小さく、従来の塗装法によ
っては浸透不可能と考えられていた微細構造、例えば発
錆したサビ構造中にも容易に浸透しうる点を利用し、こ
の微細構造中に浸透したビニル化合物を何等かの手段で
三次元架橋しつるならば、従来法では考えられなかった
塗膜の形成法となるものと考え、このような観点より本
発明者等は検討を加えたところ、重合触媒として第二セ
リウムイオン、分子中に水酸基または水酸基を生じうる
基、アミン基またはアミノ基を生じうる基もしくはその
塩または第4級アンモニウム塩、メルカプト基或いはア
ルデヒド基を有する化合物及び式5xoyn−(式中X
は1〜6の整数、yは1〜7の整数、nは0又は2の整
数を示す)で表わされる0価または2価のイオンを生じ
うる硫黄化合物を組合せた触媒系とすることによって水
溶性または水分散性ビニルモノマーの重合架橋反応を酸
素の介在する雰囲気下においても十分進行せしめうろこ
とを見出し本発明を光成した。
本発明の要旨とするところは、水溶性もしくは水分散性
ビニル化合物の少なくとも1種と、式5xOyn−イオ
ン(式中x、y、nは前記に同じ)を生じうる硫黄化合
物及び水性媒体とよりなる水性組成物Aと第二セリウム
イオンを生じうる第二セリウム化合物を含む水性組成物
Bとを調整し、組成物A又はBの少なくとも一方に、分
子中に少なくとも1個の水酸基もしくは水酸基を生じう
る基、アミン基またはアミ7基を生じうる基もしくはそ
の塩又は第4級アミン塩、メルカプト基或いはアルデヒ
ド基を有する化合物を加え、被覆素材上にまず水性組成
物Aを主体とするものを塗布した後、続いて水性組成物
Bを主体とするものを塗布するか、或いは被覆素材上に
まず水性組成物Bを主体とするものを塗布した後、続い
て水性組成物Aを主体とするものを塗布することによっ
て塗膜を形成せしめることを特徴とする塗膜の形成方法
よりなる第1の発明と第1の発明において分子中に少な
くとも1個の水酸基または水酸基を生じうる基、アミン
基またはアミン基を生じうる基またはその塩、もしくは
第4級アミン塩、メルカプト基又はアルデヒド基を有す
る化合物として、これら官能基の少なくとも1個と重合
性不飽和基を少なくとも1個有する化合物を用いること
を特徴とする塗膜の形成方法よりなる第2の発明とより
なっている。
本発明を実施するに際して用いる水溶性もしくは水分散
性を示す重合可能なビニル化合物としては炭素数1〜4
個のアルキル基、例えば、メチル基、エチル基、プロピ
ル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基などの
アルキル基を有するアルキルアクリレート類またはメタ
クリレート類、アクリルアミド、メタクリルアミド、ア
クリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、α
−メチレングルタル酸、P−ビニルベンゼンスルホン酸
、これら酸類のソーダ塩、カリウム塩、アンモニウム塩
、などの他、上記カルボン酸類とポリオール類、例えば
エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレ
ングリコール、テトラエチレングリコール、グリセリン
、トリメチロールプロパン、ネオペンチルグリコールな
どとを縮合せしめることによって得られるモノエステル
類、ジメチルアミノエチルアクリレートまたはメタクリ
レート、ジエチルアミノエチルアクリレートまたはメタ
クリレートなどのモノエチレン性不飽和カルボン酸類の
アミノアルキルエステル類、2−スルホエチルアクリレ
ートまたはメタクリレート、2−アクリルアミド−2−
メチルプロパンスルホン酸、2−ヌククリルアミド−2
−メチルプロパンスルホン酸およびこれらの塩類などか
ら選ばれたモノビニル化合物類、分子量が1000以下
のポリビニル化合物、例えばメチレンビスアクリルアミ
ドまたはメタクリルアミド、不飽和モノカルボン酸また
はジカルボン酸又はその無水物とヒドロキシエチルアク
リレートまたはメタクリレート、アリルアルコール、メ
タリルアルコールなどのヒドロキシ基含有ビニル化合物
との縮合生成物または付加反応生成物類、Nメチロール
化またはN−アルキロール化ベンゾグアナミン、N−メ
チロール化マたはN−アルキロール化メラミン類と前記
ヒドロキシ基含有ビニル化合物類との縮合生成物類、エ
チレングリコールジアクリレートまたはメタクリレート
、ジエチレングリコールジメタクリレートまたはアクリ
レート、トリエチレングリコールジアクリレートまたは
メタクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレ
ートまたはメタクリレート、グリセリントリアクリレー
トまたはメタクリレート、トリメチロールプロパントリ
アクリレートまたはメタクリレート、トリメチロールプ
ロパンジアクリレートまたはジメタクリレート、ペンタ
エリスリトールジアクリレート、ペンタエリスリトール
ジアクリレート、テトラエチレングリコールテトラアク
リレートまたはメタクリレート、式 で表わされる化合物類を挙げることができる。
また、この際、これらのビニル化合物の水性媒体中への
溶解性ないし分散性を損わない程度の割合の他の重合性
化合物、例えば炭素数が5個以上のアクリレートまたは
メタクリレート類、スチレン、ジビニルベンゼン、α−
メチルスチレンなどを併せて用いることもできる。
本発明を実施するに際して用いる分子中に水酸基を有す
る化合物類の具体例としてはメタノール、エタノール、
イソプロパツール、ブタノール、イソブタノール、第3
級ブタノール、シクロヘキサノール、シクロペンタノー
ル、などの水溶性アルコール類、エチレングリコール、
プロピレングリコール、ジエチレングリコール、グリセ
リン、トリメチロールプロパン、ネオペンチルグリコー
ル、1.3−ブチレングリコール、1.4−ブチレング
リコールなどのポリオール類またはこれらポリオール類
と不飽和モノカルボン酸とのモノエステル類、ポリエス
テル類であり、分子中に少なくとも1個の水酸基を有す
るもの、ジエチレングリコールモノビニルエーテル、ア
リルアルコールグリセリンモノビニルエーテル、クロト
ニルアルコール、ビニルエチニルカルビノール、N−メ
チロールアクリルアミドまたはメタクリルアミド、N−
(1−デオキシ−D−フルロジル)アクリルアミドまた
はメタクリルアミド、ヒドロキシ酢酸ビニルエステル、
ヒドロキシ酢酸アリルエステルなどを挙げることができ
、また、水性媒体中で水酸基を発生しつる基を有する化
合物としてはエチレンオキサイド、プロピレンオキサイ
ドなどの池水溶性のポリエポキシ化合物、アリルグリシ
ジルエーテル、メタクリルグリシジルエーテル、グリシ
ジルアクリレートまたはメタクリレートなどを挙げるこ
とができる。
また、これら化合物類の他にメチロール化メラミン、メ
チロール化ベンゾグアナミン、ポリビニルアルコール、
デン粉、ショ糖、木材、綿などの繊維、微小片の如き親
水性化合物も上記化合物類と同様に用いることができる
アミン基または第4級アンモニウム基を有する化合物類
の具体例としては、アンモニア、ヒドロキシルアミン、
メチルアミン、エチルアミン、イソプロピルアミン、イ
ソ−ブチルアミン、第3級ブチルアミン、シクロペンチ
ルアミン、シクロヘキシルアミン、シクロペンチルアミ
ン、n−ラウリルアミン、アミノアセトン、ステアリル
アミン、ベンジルアミン、アセトアミド、ベンジルヒド
ロキシルアミン、グリシン、アラニン、グルタミン酸、
リジン、チロシン、エチレンジアミン、プロピレンジア
ミン、ヘキサメチレンジアミン、フェニレンジアミン、
尿素、カルバミン酸アンモニウム、ヒドラジン、ジエチ
ルアミン、ジメチルアミン、トリエチルアミン、エチレ
ン尿素などの非重合性の第1級、第2級または第3級ア
ミン基を有する化合物類、ジメチルアミノエチルアクリ
レートまたはメタクリレート、ジエチルアミツナチルア
クリレート、またはメタクリレート、第3級ブチルアミ
ノエチルアクリレートまたはメタクリレート、β−アミ
ノエチルビニルエステル、グリシンアリルエステル 上記アミノ酸類と水酸基含有化合物との縮合物類、ジア
リルメラミン、アリル尿素、ピリジン、アリルチオ尿素
、2−(N、N’−ジメチルアミン)−4−ビニルピリ
ンジ、2.4−ジアミノ−6−ピニルーsートリアミン
、P−ジメチルアミノスチレン、3−(スチレン)−β
−アラニン、2−(スチレン)−グリシン、アリル−ブ
チル−β−ヒドロキシエチルアミン、ビニルアミド、ビ
ニル−ジエチルアミン、ビニル−ジメチルアミン、ジブ
チル−β−ヒドロキシエチルアミン、N−ジエチルアミ
ノメチルマレイミド、ジアリル−ジメチルアンモニウム
プロミド、N、N、N−トリエチル−N−(2−メタク
リロキシエチル)アンモニウムヨーシトなどの重合性化
合物、およびこれらの塩類、第4級アンモニウム塩など
を挙げることができる。
また水の存在下にアミン基を発生しうる基を有する化合
物類の具体例としてはN−ビニルイソシアネート、2−
(1−アリシリニル)エチルアクリレートまたはメタク
リレートなどを挙げることができる。
メルカプト基含有化合物の具体例としては、メチルメル
カプタン、エチルメルカプタン、n−ラウリルメルカプ
タン、n−ブチルメルカプタン、第2級−ブチルメルカ
プタン、第3級ブチルメルカプタン、シクロへキシルメ
ルカプタン、ステアリルメルカプタン、アリルメルカプ
タン、チオフェノール、チオグリコール酸、メルカプト
ピリミジン、ベンジルメルカプタンなどの非重合性化合
物類の他、アリルメルカプタン、N−メルカプトエチル
アクリルアミドまたはメタクリルアミド、2−メルカプ
トエチルチオアクリレートまたはメタクリレートなどの
ジチオール化合物とアクリル酸、メタクリル酸又はその
誘導体類との縮合物などの重合性化合物をその具体例と
して挙げることができる。
アルデヒド基含有化合物の具体例としてはn−ブチルア
ルデヒド、イソ−ブチルアルデヒド、n−バレルアルデ
ヒド、イソバレルアルデヒド、クロトンアルデヒド、ベ
ンズアルデヒド、フルフラール、アクロレイン、メタク
ロレイン、グリオキザール、n−カプロアルデヒドなど
を挙げることができる。
これらの特定官能基を有する化合物は、本発明の実施に
当り極めて重要な役割りをはたしているものである。
その第1は重合触媒として用いる第二セリウム化合物と
まず比較的安定なコンプレックスを形成し、続いて5X
Oyn−イオンを生じうる硫黄化合物と接触することに
よって酸化還元重合触媒系を形成し上述した水溶性もし
くは水分散性ビニル化合物の重合開始剤として作用する
機構をとるため、第二セリウムと前記特定した官能基を
有する化合物との間で形成されたコンプレックスの作用
によって酸素のビニルモノマーの重合禁止効果を抑制す
るばかりか、逆にこのコンプレックスの生成によって、
ビニルモノマーの重合を促進し得た点であり、その第二
は、これら特定官能基が前記ビニルモノマーとの付加反
応拠点となるため、一部架橋構造をとりうる点にある。
それ故、これらの化合物として分子中に、これら特定官
能基を少なくとも1個有すると共に、少なく、とも1個
の重合性不飽和基を有する化合物を用いた場合には、本
発明の方法によって形成された塗膜は極めて密度の高い
架橋塗膜を形成しうるため、塗膜性能の優れたものとす
ることができる。
また上述した化合物類のうち、アミン基含有化合物の塩
又は第4級アンモニウム塩の形成に際し、酸としてα:
β−エチレン性不飽和カルボン酸、特にアクリル酸を用
いて作られたものは、本発明の実施に際しての塗膜の形
成過程での酸素の重合禁止効果の抑制効果を発揮する。
本発明を実施するに際して用いる第二セリウムイオンを
発生しうる化合物の具体例としてはセリウムの硝酸塩、
シュウ酸塩、硫酸塩などの塩類の他、セリウムのヨーシ
ト、ブロマイド、クロライドなどのハロゲン化物類を挙
げることができる。
また5xOyn−なる式で表わされるイオンを放出しう
る硫黄化合物の具体例としては5O2SO2゜S2O、
スルホキシル酸、亜硫酸、亜ニチオン酸、ピロ亜硫酸、
ピロ硫酸、ニチオン酸、三チオン酸、四チオン酸、五チ
オン酸、六チオン酸などのSO22−、SO32−、S
O32−,52O42−。
52O52−,52O62−2S2O72−,53O6
2−。
54O62−,55O62−,56O62−などの2価
イオンを発生しうる基を有する酸およびそれらのソーダ
塩、カリウム塩、アンモニウム塩、酢酸塩、スルフリル
クロライド、ジクロロモノスルフアン、ジクロロジスル
ファン、ジクロロトリー又はテトラ−、ペンクー、ヘキ
サ−、オクタスルフアンなどで表わされるジクロロポリ
スルフアン類、ベンゼンスルフィン酸、ドデカンスルフ
ィン酸等のメサイド類などをその具体例として挙げるこ
とができる。
本発明の水性組成物のビニル化合物の重合硬化機構の理
論的な根拠は明白でないが、まず、セリウムイオンと本
発明へ用いる上記特定の極性基含有化合物との間に一時
的に分子間化合物が形成され、続いて5xOyn−で表
わされる化合物の影響によって前記分子間化合物よりラ
ジカル重合触媒が形成され水性媒体中に存在するビニル
化合物の速かな重合硬化が開始される。
このようなビニル化合物の水性媒体中での重合硬化反応
は、従来知られていたビニル化合物のセリウムイオンと
還元剤例えば、過硫酸カリウムとの酸化還元重合触媒に
よる重合開始反応に比べ、その重合開始反応は極めて容
易であると共に従来事実上不可能と考えられていたもの
を架橋塗膜として利用しうるものとし得た点は本発明の
大きな特徴である。
第二セリウムイオンと本発明で特定した官能基を有する
化合物との間に生成したコンプレックスによるビニルモ
ノマーの重合反応及び、このコンプレックスに対し、式
5xOyn−イオンの攻撃による重合反応によってビニ
ル化合物が重合架橋するものと考えられるが、第二セリ
ウムイオンと特定化合物との間に生成したコンプレック
スの効果によってビニルモノマーの酸素介在下における
酸素の重合禁止効果の抑制を行なうと共に、酸素と該コ
ンプレックスとの相互作用によるビニルモノマーの重合
促進効果によって極めて優れた特性を有する架橋塗膜を
形成することができる。
更に本発明の方法においては第二セリウムイオンと5x
Oyn−イオンとの間に形成された酸化還元重合触媒系
によって被覆素材上に形成された塗膜の架橋密度は一層
向上し優れた性能を有する塗膜を形成することができる
更に本発明の方法によると、従来のセリウムイオンと還
元剤とを組合せた酸化還元重合触媒を用いたビニルモノ
マーの重合法においては、上記重合触媒系に生ずる塩の
塩析効果によってビニル化合物が沈澱し、優れた特性を
有する架橋重合体の生成は極めて困難であったのである
が、上述した如き特定組合せ触媒系とすることによって
塩によるポリマーの塩析効果は実質上なくすることがで
きるため、充分架橋した構造を有する塗膜を形成せしめ
ることができるのである。
また、本発明で用いる特定官能基を有する化合物類はそ
れ自体塗膜の形成過程で架橋開始点をこなっているもの
と考えられ、一度重合が開始する際には塗膜のゲル化が
急速に起り極めて緻密な構造を有する塗膜を形成するこ
とができる。
更にこれらの化合物中に重合性不飽和基を有する化合物
類例えばヒドロキシエチルアクリレート、グリシジルア
クリレート、ジメチルアミノエチルアクリレート、或い
はジメチルアミノエチルアクリレートのアクリル酸塩、
コハク酸とグリシジルアクリレートとの付加反応生成物
などの化合物類を用いる際には得られる塗膜の架橋密度
は更に高くなり耐薬品性、その他機械的特性の優れたも
のとすることができる。
本発明で用いる水溶性もしくは水分散性ビニル化合物は
、その分子量が通常1000以下と従来用いられてきた
被覆材に比べ極めて小さく、微細な構造中にも容易に浸
透する特質を有し、しかも本発明の方法は酸素の介在下
、とくに空気中においても容易に架橋塗膜を形成しうる
点が大きな特徴であり、従来不可能と考えられていたサ
ビを発生した素材に塗装した場合においても、サビの内
部まで十分浸透した塗膜を形成しうるのであり、その利
用用途は極めて広い。
以下実施例により本発明を更に詳細に説明する。
実施例 1 アクリルアミド濃度0.99モル/l、N、N−メチレ
ンビスアクリルアミド濃90.01モル/lなるモノマ
ー混合物の水溶液98m1に第1表に示した114種の
取合物をそれぞれ200mgづつ加え続いて2%亜硫酸
ナトリウム水溶液を加え全体を100m1になるように
調整し、114種の水性被覆材を作成した。
また硝酸第二セリウムイオンを0.1規定の硝酸水溶液
で0.1モル/lなる濃度になるように溶解した。
市販の磨軟鋼板を脱油水洗後乾燥した被覆素材、及び脱
脂水洗した磨軟鋼板を空気中に15日間放置することに
よって全面にわたり赤く発錆した被覆素材を用意した。
清浄化した磨軟鋼板114枚と発錆した軟鋼板114枚
に硝酸第二セリウムイオン溶液を塗布した後乾燥し、続
いて、上述した方法によって作成した水性被覆材を塗装
したところ、塗膜の重合が、ただちに開始し、数分後に
完全に硬化した塗膜が形成されていることを確めた。
これらの塗装板を一昼夜放置し、折曲げ試験をしたとこ
ろ、塗膜ははゞ素材に付着しており塗膜の付着性は良好
であることを確めた。
また、発錆した素材を用いたものの塗膜をナイフで削り
とり、その内部を試べたところ、硬化塗膜はサビの内部
構造中にも十分浸透していることを確めた。
実施例 2 アクリルアミド濃度0.99モル/l、N、N−メチレ
ンビスアクリルアミド濃度0.01モル/lなるモノマ
ー混合物の水溶液98m1に対し200mgのメタノー
ルを加え、第2表に示した硫黄化合物の2係水溶液を加
え全体を100m1となし水性被覆材13種を作成した
実施例1で作成した脱油洗浄した磨軟鋼板と、発錆せし
めた軟鋼板を硝酸第二セリウムアンモン溶液を塗装し乾
燥した後、上記方法によって作成した13種の水性被覆
材を塗装したところ、塗膜はただちにゲル化を開始し、
数分後に塗膜は完全に硬化していることを確めた。
また、塗膜の素材に対する付着性及びサビの内部構造中
への浸透性を実施例1と同様にして試べたところ、共に
良好なところを認めた。
実施例 3 アクリルアミド濃度0.89モル/l、N、N′−メチ
レンビスアクリルアミド濃度0.01モル/l及び第3
表に示したコモノマー濃度0.1モル/lなるモノマー
混合物の水溶液98m1に対し、メタノール200mg
を加え亜硫酸ナトリウムの2%水溶液を加え全体を10
0m1になるようにし12種の水性被覆材を調整した。
実施例1と同様の方法により発錆処理した鋼板上に第二
セリウムアンモン層を塗布した後、上記水性組成物を塗
装し、その塗膜の硬化性、基材に対する塗膜の付着性を
試験した結果を第3表に示した。
HEA:ヒドロキシエチルアクリレート HEMA:ヒドロキシエチルメタクリレートAAニアク
リル酸 AEMAニジメチルメチンエチルメタクリレートIMA
:2(1−アジリジニル)エチルメタクリレートIAg
:イタコン酸 IA−Na2:イタコン酸−ナトリウム塩硬化性、基材
に対する付着性の項で極めて良好なものを◎、良好なも
のを○で表示した。
上記方法において第3表に示したコモノマーの代りにテ
トラエチレングリコールジメタクリレート又はフタル酸
ジ(ジエチレングリコールメタクリレート)を用いた2
種の被覆材を作り上記方法と全く同様の方法によって塗
膜を形成したところ完全に硬化した塗膜が形成されてい
ることを確めた。
実施例 4 実施例1と同様の方法で発錆処理した軟鋼板上に実施例
1で作成した。
114種の水性被覆材を流し塗り法によって塗装した后
、2%の硝酸第二セリウムアンモン水溶液をスプレーで
吹付けたところ、塗膜はただちにゲル化を開始し数分后
に完全に硬化した塗膜が形成されており、またサビの内
部構造にもゲル化した塗膜が形成されていることを確め
た。
また、上記方法において硝酸第二セリウムアンモンの2
%溶液の溶媒としてイソプロピルアルコール30%水溶
液を用いた場合も全く同様の結果が得られた。
実施例 5 ドデシルメタクリレート37部、スチレン26、部、2
−ヒドロキシエチルヌククリレート12部、N−ブトキ
シメチルアクリルアミド15部、イタコン酸4部をイン
プロパツール79部中で重合することによって得られた
共重合体溶液100部にβ−ジメチルアミノエタノール
15部を加えて中和した。
上述の如くして得られた中和した樹脂溶液3000部に
対し、ベンガラ750部を加え、ボールミル中で24時
間混合し、水で5倍量に希釈した。
上記方法で得たベンガラ含有水性樹脂に対し、アクリル
アミド濃度0.99モル/l、N、N′−メチレンビス
アクリルアミド濃度が0.01モル/lになるようにア
クリルアミド及びN 、 N′−メチレンビスアクリル
アミドを加え、このもの98m1に2%亜硫酸ナトリウ
ム水溶液2mlを加えて被覆材組成物を調整した。
上記被覆材組成物を実施例1と同様にして、第二セリウ
ム塩水溶液で表面処理した発錆した軟鋼板上に流し塗り
したところ、即座にゲル化が始まり、数分で塗膜は硬化
した。
いずれも塗膜の硬化性は良好であり、塗膜を乾燥後、ナ
イフで削りとってみるとよく鎖中に塗膜が浸透している
ことが確認できた。
また得られた塗膜の耐衝撃性などの塗膜特性が同上して
いることを確めた。
実施例 6 アクリルアミド濃度0.99モル/lでかつ、N。
N′−メチレンビスアクリルアミド濃度0,01モル/
lなるモノマー混合物の水溶液96m1に下記一覧表に
示すような再重合モノマーの一種を1.0g撹拌しなが
ら加えた。
一方、別途に1規定の硝酸溶液を用いて0.1mole
/lの濃度になるように硝酸第二セリウムアンモン溶液
を調整した。
この第二セリウムイオン溶液の1mlを上記のモノマー
水溶液に加え、全体を脱イオン水で98m1にし、18
種の被覆材組成物を調整した。
この時大部分のものは第二セリウムイオンの錯体を形成
するため溶液が褐色に着色したり、白濁したりするが観
察される。
一方、市販の磨軟鋼板に付着した油分を洗浄除去し、水
洗した後、2週間空気中に放置することによって一様な
赤褐色のサビを有する鋼板を調整した。
上記した18種の被覆材組成物を上記した方法で調整し
た発錆した鋼板上に流し塗りにより塗布し、次いで二酸
化イオウの気体を数秒にわたって全体に一様に吹付ける
と即座にゲル化が始まり、数分で塗膜は硬化した。
いずれも塗膜の硬化性は良好であり、塗膜を乾燥後ナイ
フで削りとってみるとよく鎖中に塗膜が浸透しているこ
とが確認できた。
実施例 7 実施例6において第4表に示した再重合モノマーよりヒ
ドロキシエチルアクリレートを使用し、選び出すことに
よって作られた被覆材を用い、硫黄化合物として二酸化
イオウの代りに下記第5表に示される化合物の約2%水
溶液の2mlを霧状にして吹付ける方法を用いる以外は
実施例6と全く同様にして塗膜を形成せしめたところ塗
膜は即座にゲル化が始まり、数分で塗膜は硬化した。
いずれも塗膜の硬化性は良好であり、塗膜を乾燥した後
、ナイフで削りとってみるとよく鎖中にも塗膜が浸透し
ていることが確認できた。
実施例 8 アクリルアミド濃度0.89モル/l、N、N’−メチ
レンビスアクリルアミド濃度0.01モル/l下記一覧
表に示したコモノマー濃度0.1モル/lなる水溶液を
98m1調整し、これにジメチルアミノエチルメタクリ
レート少量(約500mg)添加し、次いで実施例6に
おいて用いた第二セリウム塩溶液を2ml加えることに
よって5種の被覆材を調整した。
上記被覆材を実施例7と同様にして調整した錆びた鋼板
上に流し塗りし、次いでその表面上に2%亜硫酸ナトリ
ウム溶液の少量を霧状にして吹付けたときの塗膜の硬化
性及び乾燥後の基材に対する付着性について検討した結
果を同じく下記−賢人に示した。
上記表中用いたコモノマーの略称は、 以下の通りである HEMA:ヒドロキシエチルメタク リレート EA:エチルアクリレート AAニアクリル酸 ■A:イタコン酸 IA−Na2:イタコン酸ナトリウム塩 また、硬化性の良好であったもの に◎印を付し、接着性については極 めて良好なものを◎、良好なものを ○で示した。
また、上記表中のコモノマーに代え、テトラエチレング
リコールジメタクリレート、フクル酸ジ(ジエチレング
リコールメタクリレート)エステルを同モル量用いたと
ころ塗膜は完全に硬化した。
実施例 9 実施例1において調整した発錆鋼板上に2%の亜硫酸ナ
トリウム水溶液を流し塗りにより塗布し、次いで乾燥せ
しめて鋼板上に亜硫酸ナトリウムのうすい層を形成せし
ゆた。
これに実施例6で作成した18種の被覆材組成物を塗布
したところ、いずれも実施例6の場合と同様に即座にゲ
ル化が始まり数分で塗膜は硬化した。
硬化した塗膜の状態は実施例6の場合と本質的に変りな
いことを確認した。
実施例 10 ドデシルメタクリレート37部、スチレン26部、2−
ヒドロキシエチル−メタクリレート12部、N−ブトキ
シメチルアクリルアミド15部、イタコン酸4部をイン
プロパツール79部中で重合することによって得られた
共重合体溶液100部にβ−ジメチルアミノエタノール
3部を加えて中和した。
上述の如くして得られた中和した樹脂溶液3000部に
対し、ベンガラ750部を加え、ボールミル中で24時
間混合し、水で5倍量に希釈した。
上記方法で得たベンガラ含有水性樹脂中にアクリルアミ
ド濃度が0.99モル/l、N、N’−メチレンビスア
クリルアミド濃度が0.01モル/lになるように上記
モノマーを溶解し、このもの98m1に実施例6におい
て調整した第二セリウム塩溶液2mlにヒドロキシエチ
ルアクリレート1mlを加えたものを添加して被覆材組
成物を調整した。
このものを実施例1において調整した錆を生成した鋼板
上に流し塗りし、次いで二酸化イオウの気体を吹付けた
ところ即座にゲル化が始まり数分で塗膜は硬化した。
これをさらに空気中常温で放置したところ、赤色の架橋
塗膜を有する塗装板が得られた。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 水溶性もしくは水分散性ビニル化合物の少なくとも
    1種と式5xOyn−(式中Xは1〜6の整数。 yは1〜7の整数、nは0又は2を示す)イオンを生じ
    うる硫黄化合物及び水性媒体とよりなる水性組成物Aと
    、第二セリウムイオンを生じうる第二セリウムイオンを
    含む水性組成物Bとを調整し、組成A又はBの少なくと
    も一方に、分子中に少なくとも1個の水酸基もしくは水
    酸基を生じうる基、アミノ基またはアミン基を生じうる
    基もしくはその塩又は第4級アミン塩、メルカプト基或
    いはアルデヒド基を有する化合物を加え、被覆素材上に
    まず水性組成物Aを主体とするものを塗布した後、続い
    て水性組成物Bを主体とするものを塗布するか或いは被
    覆素材上にまず水性組成物Bを主体とするものを塗布し
    た後、続いて水性組成物Aを主体とするものを塗布する
    ことによって塗膜を形成せしめることを特徴とする塗膜
    の形成方法。 2、特許請求の範囲1において分子中に少なくとも1個
    の水酸基または水酸基を生じうる基、アミノ基またはア
    ミン基を生じうる基またはその塩もしくは第4級アミン
    塩、メルカプト基又はアルデヒド基を有する化合物とし
    て、これら官能基の少なくとも1個と重合性不飽和基を
    少なくとも1個有する化合物を用いることを特徴とする
    塗膜の形成方法。
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NL7507934A NL7507934A (nl) 1974-07-05 1975-07-03 Werkwijze voor de bereiding van een gelpolymeer.
DE19752529905 DE2529905A1 (de) 1974-07-05 1975-07-04 Verfahren zur herstellung von gel- polymeren

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