JPS587880B2 - カセツト式ガスコンロにおけるガス制御装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明はカセット式ガスコンロにおけるガス制御装置に
関し、さらに詳しくは逆止弁によりガスボンベ室へのガ
スの逆流を防止するようにされたボンベ受口に対してガ
スボンベセッターによりガスボンベを押圧嵌合せしめ、
ガスボンベから流出するガスをボンベ受口、ガス圧調整
用ガバナーおよびガスコックを経てガスバーナヘ供給す
るようにしたカセット式ガスコンロにおけるガス制御装
置に関するものである。

この種のカセット式ガスコンロにおいてはガスボンベを
ボンベ受口から離脱せしめた際にボンベ受口からガスボ
ンベ室内に残留ガスが流出しないようにするために該ボ
ンベ受口に逆止弁を設けることが必要であるが、その反
面、ガスボンベの離脱と同時に逆止弁が作用すると該逆
止弁とガスコックとの間には高圧ガスが滞留したままと
なって両者の間にあるガス圧調整ガバナー（以下単にガ
バナーという）が負荷状態のままで取り残され、そのた
め該ガバナーの耐久性が低下し、延いてはガス圧調整不
良の原因となるという問題がある。

本発明はカセット式ガスコンロにおける上記の問題を解
決することを目的としてなされたもので次下図示の実施
例に基づいて説明する。

第１図はこの実施例のガスコンロにおけるガスボンベ装
填およびガス供給制御機構を概略的に示しているが、同
図において符号１はガスボンベ受口、２はガス圧調整用
ガバナー、３はガスボンベ室前板、４はガスコック、５
はガスボンベ、７はガスボンベ５のノズル５０をガスボ
ンベ受口１内へ押圧嵌合させるためのガスボンベセッタ
ーを示している。

第１図に示すガスボンベ受口１からガスコツク４に至る
までのガス通路を第２図によってさらに詳細に説明する
と、ガスボンベ受口１のガス入口１１は逆止弁１２を介
してガバナー２のガス入口２１に連通している。

ガバナー２内はダイヤフラム２６によってガス室３０と
空気室３１に区画され、ガス室３０は上記ガス入口２１
と、また空気室３１は防水膜３５の空気穴３６、ガバナ
内キャップ２８の空気穴３２およびガバナ外キャップ２
９の空気穴３３を介して外気と連通している。

ダイヤフラム２６はスプリング２７によってガス室３０
側に付勢されており、ガス室３０内のガス圧力の変化に
応じて軸方向に波動する。

また、ダイヤフラム２６にはロツド２５が取付けられて
おり、該ロツド２５はピン２４によって枢支されている
弁レバー２２にダイヤフラム２６の波動を伝達する。

弁レバー２２の一端にはガバナー２へのガス入口２１を
開閉する弁体２３が取付けられている。

このガバナー２は次のように作用する。

即ち、ガス室３０内のガス圧力が低いときはダイヤフラ
ム２６はスプリング２７に押されて鎖線２６′で示すよ
うにガス室３０側へ膨出し、これに伴ってロッド２５が
弁レバー２２を鎖線２２′で示す如く傾斜させ、それに
よって弁体２３をしてガス入口２１を開口せしめる。

これに対してガス室３０内のガス圧力が高いときはダイ
ヤフラム２６は空気室３１側へ後退し、これに伴ってロ
ツド２５は弁レバー２２に作用して弁体２３をしてガス
入口２１を閉鎖せしめる。

ガス室３０はガスコツク４のガス入口４１に連通してお
り、該ガスコツク４が開弁状態にあるときはガス室３０
内のガスはガスコツク４、ガス導管５１およびノズル５
２を経てガスバーナ（図示省略）へ供給される。

即ち、ガバナー２はガスボンベ受口１に嵌合されたガス
ボンベ５（第１図）から供給されるガスの圧力を調整し
てガスバーナに対して適当な圧力のガスを供給する作用
を行うものである。

ガスコツク４はシリンダ４２とロータリー弁４３からな
っており、シリンダー４２に形成されたガス入口４１と
ロータリー弁４３に形成された主連通穴４７とが重合し
た場合に該ガスコツク４をガスが通過し得るようになっ
ている。

ロータリー弁４３は弁軸４４の先端に取付けられている
操作ツマミ４５を回動させることによって操作される。

続いて第１図におけるガスボンベセッター７の機構を第
３図を併用しつつ説明すると、該ガスボンベセッター７
はガスボンベ５をガスボンベ受口１側に押しつけ、ノズ
ル５０を該ガスボンベ受口１内に気密に嵌合させる作用
をする。

このガスボンベセッター７はガスボンベ５に押圧力を加
える押圧レバー７１をロツド７３によって前後方向に駆
動するようにしている。

押圧ロツド７３はカム溝７６を有し、軸γ５を中心とし
て旋回するカム付レバー７４によって前後方向に進退せ
しめられる。

即ち、押圧ロツド７３の先端７３Ａは直角に折曲せしめ
られてカム溝７６内に係入せしめられており、カム付レ
バー７４を軸１５を中心として旋回せしめるとき、押圧
ロツド先端７３Ａはカム溝７６に沿って進退して押圧ロ
ッド７３および押圧レバー７１を前後方向に駆動せしめ
るものである。

この押圧ロツド７３はスプリング７８によって常に後方
（即ちガスボンベ押圧解除方向）に付勢されているが、
このときカム付レバー７４の回動軸７５が第１図に示す
如く押圧ロツド７３の左側にあるようにしておくと該カ
ム付レバー７４はスプリング７８によって常に左旋回方
向（第１図において矢印Ｙ方向）の力を受ける。

このため、この実施例ではカム付レバー７４の左旋回を
防止するためにフツク６６をもつレバー状のロック部材
（以下、ロックレバーという）６５を使用している。

このロツクレバー６５はガスボンベ室前板３の内側にお
いてピン６７によって上下方向に揺動自在に枢支され、
しかもスプリング６９によって常に下向きに付勢される
一方、ストッパーピン７０によって水平位置より下方に
は傾動しないようにされている。

カム付レバー７４はそのレバー腕部７７がガスボンベ室
前板３に形成されたレバーガイド溝８０を貫通してガス
ボンベ室の外方へ突出しているが、ロツクレバー６５の
フツク６６は、カム付レバー７４がガスボンベセット位
置（第１図において矢印Ｘ方向）に回動せしめられてい
る状態において、そのレバー腕部７７と係合して該カム
付レバー７４をその位置でロックする作用をするもので
ある。

なお、ロツクレバー６５のフツク６６の後面６６Ａは斜
面となっており、カム付レバー７４のレバー腕部７７が
その旋回（矢印Ｙ方向から矢印Ｘ方向へ）途中において
該フック後面６６Ａと衝突すると、該レバー腕部７７は
フツク６６と接触を保ちつつロツクレバー６５を上方へ
持ち上げる作用をし、さらに該レバー腕部７７とフツク
６６との接触が外れるに及んで該ロツクレバー６５はス
プリング６９によって下動せしめられ、それに伴ってフ
ツク６６がレバー腕部７７と係合してカム付レバーＴ４
をロックするようになっている。

このロツクレバー６５によるカム付レバー７４のロック
を所定のタイミングにおいて解除するためにこの実施例
ではガスコツク４のロータリー弁軸４４にロック解除装
置６を設けている。

このロック解除装置６は弁軸４４に固定した円盤６１の
外周部にピン６３の周りで揺動する揺動爪６２を取付け
たものである。

この揺動爪６２の背後にはストッパーピン６４があって
該揺動爪６２を背後から支持している。

即ち、この揺動爪６２はロータリー弁操作ツマミ４５（
即ち弁軸４４）を開方向に回動させるときは、ロツクレ
バー６５の先端６８に対して上方から衝突してもピン６
３を中心として自由に回動して該ロツクレバー先端６８
をのり越え、該ロツクレバー先端６８の下方に移行する
ことが可能である反面、ロータリー弁操作ツマミ４５を
全開位置から閉弁方向に回動させる場合において、揺動
爪６２がロツクレバー先端６８に対して下方から衝突す
るときは該揺動爪６２はストッパーピン６４によって背
後から支持されているために回動することができず、し
たがって弁軸４４の閉方向への回動が進行するのに伴っ
てロツクレバー先端６８を鎖線６８′で示す如く上方に
持ち上げる作用をする。

揺動爪６２は少くともロツクレバー６５のフツク６６が
鎖線６６′で示す如くカム付レバー腕部７７から離脱す
るに至るまで該ロツクレバー６５の先端６８を上方へ持
ち上げ続け、その後の適当な閉方向回動角度（第３図に
おいてｄで示す）まで弁軸４４が回動するに及んで該揺
動爪６２がロツクレバー先端６８から外れ、以ってロッ
クレバ−６５がスプリング６９によって水平位置に復帰
するようになっている。

即ち、ロータリー弁操作ツマミ４５を全開位置から閉弁
方向に回動させると、所定の角度、即ち弁軸角度ｄにお
いてロツクレバー６５によるカム付レバー７４のロック
作用が解除されることとなリ、延いてはガスボンベセッ
ター７によるガスボンベ５への押圧力が解除されて該ガ
スボンベ５はボンベ受口１から離脱することとなる。

次に上記の各機構とロータリー弁４３の開度との関係に
ついて説明すると、図示のガスコンロにおいてはガスコ
ツク４のシリンダ４２には第４図に示すように扇形のガ
ス入口４１が形成されており、これに対してロータリー
弁４３はその主連通穴４Ｔが第４図においてａで示す閉
弁固定位置からＣで示す開弁固定位置まで回動する。

この間、ロータリー弁４３はその主連通穴４７が角度ａ
だけ閉弁固定位置ａから開方向に回動した開弁開始位置
ｂにおいて該主連通穴４７とシリンダ４２側のガス入口
４１との重合が始まり、以後主連通穴４７が開弁固定位
置Ｃへ角度βだけ回動するまでの間、ガスコツク４を開
弁状態とするものである。

図示のガスコンロにおいてはロータリー弁４３にガス抜
穴４８を形成している。

このガス抜穴Ａ８は主連通穴４７を基準として開弁方向
に向って角度ａ＋βより大きい角度をもって形成されて
おり、主連通穴４７がその閉弁固定位置ａにあるときに
はガス抜穴４８は角度位置ａ（ガス入口４１とは非重合
状態にある）、主連通穴４７が角度位置ｂまたはＣにあ
るときはガス抜穴４８は角度位置ｂまたはＣにある。

ロータリー弁４３はその主連通穴４７が閉弁固定位置ａ
をこえて角度位置ｄに達するまでさらに角度θだけ閉弁
方向に回動し得るようになっているが、主連通穴４Ｔが
角度位置ｄにきたときはガス、抜穴４８は角度位置ｄ′
にあってシリンダ４２のガス入口４１と連通するように
なっている。

この実施例のガスコンロにおいてはガスバーナにおける
燃焼、消火を頻繁に繰り返す場合はガスコツク４のロー
タリー弁４３はその主連通穴４１が閉弁固定位置ａと開
弁固定位置Ｃの間にあるようにして開閉操作されるが、
ガスコンロを比較的長期間使用しない場合はガスコツク
４のロータリー弁４３はその閉弁固定位置ａよりさらに
角度位置ｄへ向けて閉弁方向へ回動せしめられる。

図示のガスコンロではロータリー弁４３の主連通穴４７
が角度位置ｄにくるときはガス抜穴４８がガス入口４１
と連通ずると同時に、弁軸４４も第３図においてｄで示
す位置にきて解除装置６の揺動爪６２がロツクレバー６
５のフック６６とカム付レバー７４のレバー腕部７７の
係合を解除してガスボンベセッター７を自由状態とし、
ガスボンベ５をガスボンベ受口１から離脱させるように
なっている。

即ち、ガスボンベ５がガスボンベ受口１から離脱した時
点においてはガスコツク４は一旦閉弁した後、再度開弁
状態に移行せしめられていることになる。

ガスボンベ５がガスボンベ受口１から離脱すると直ちに
逆止弁１２がガス入口１１を閉じてガバナー２のガス室
３０内のガスがガスボンベ室内へ漏洩するのを防止する
ため、この時点ではガバナー２のガス室３０内には比較
的高圧のガスが残留しているが、このときはガスコツク
４はガス抜穴４８によって再度閉弁せしめられているの
でガス室３０内の残留ガスはガスコック４を経てさらに
ガスバーナへ向けて流出し、ダイヤフラム２６に対する
ガス圧力は完全に解除される。

続いて本発明の効果を説明すると、本発明のカセット式
ガスコンロにおけるガス制御装置は、ガスボンベ５をガ
ス受口１から離脱させると同時に逆止弁１２をもってガ
ス受口１１を閉塞してガスボンベ室内へのガス漏洩を防
止する一方、ガスコツク４はガスボンベの離脱に相前後
して開弁状態に移行してガバナー２のガス室３０内の圧
力ガスを抜くようにしているので、従来のようにガバナ
ー２内に圧力ガスが封じ込められるということがなく、
ガバナー２を長期間に亘って正常に機能させ、以ってガ
バナーの耐久性の向上とガスコンロの安全性の向上に顕
著な効果を発揮するものである。

なお、また高圧ガスが逆止弁１２とガスコツク４の間に
封じ込められている状態で誤まってガスコツク４を開弁
すると、封じ込められているガスが、バーナ側へ噴出し
、危険状態を招来するおそれがあるが、この装置によれ
ばそのような危険をも解消することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の実施例のカセット式ガスコンロにおけ
るガスボンベ装填機構の略示図、第２図は第１図におけ
るガスボンベ受口、ガバナーおよびガスコック部分の拡
大横断面図、第３図は第１図におけるＡ矢視図、第４図
は第３図に示すガスコックの作用説明図である。 １・・・・・・ガスボンベ受口、２・・・・・・ガバナ
ー、４・・・・・・ガスコック、５・・・・・・ガスボ
ンベ、６・・・・・・ロック解除装置、７・・・・・・
ガスボンベセッター、１２・・・・・・逆止弁、４２・
・・・・・シリンダ、４３・・・・・・ロータリー弁、
４７・・・・・・主連通穴、４８・・・・・・ガス抜穴
、６５・・・・・・ロック部材、７５・・・・・・カム
付レバー。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 逆止弁１２によりガスボンベ室へのガスの流出を防
   止する如くされたボンベ受口１に対してガスボンベセッ
   ター７によりガスボンベ５を押圧嵌合せしめ、前記ガス
   ボンベ５から流出するガスを前記ボンベ受口１、ガス圧
   力調整用ガバナー２およびガスコツク４を経てガスバー
   ナヘ供給するようにしたカセット式ガスコン例こおいて
   、前記ガスコツク４は開弁状態から閉弁方向へ操作され
   るに際してその閉弁固定位置をこえてさらに同一方向へ
   操作可能とする一方、前記ガスボンベセッター７をガス
   ボンベセット位置に保持するためのロック部材６５を駆
   動して前記ガスボンベセッター７によるガスボンベ押圧
   作用を解除せしめる作用をするロック解除装置６を前記
   ガスコツク４と連動可能な位置に設置するとともに、該
   ロック解除装置６は前記ガスコツク４を開弁状態から前
   記閉弁固定位置をこえてさらに同一方向へ操作する途中
   において前記ロック部材６５を駆動して前記ガスボンベ
   セッター７によるガスボンベ押圧作用を解除する如く前
   記ロック部材６５との相対位置を決定する一方、前記ガ
   スコツク４には前記ロック解除装置６によるガスボンベ
   セット解除状態において前記ガバナー２内を前記ガスバ
   ーナ側へ向けて開放せしめるためのガス抜穴４８を形成
   したことを特徴とするガス制御装置。