JPS587523Y2 - 自動車用前照灯 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案はオートバイ及び自動車等の主・副フィラメント
を備えた前照灯に関するものである。

この種の前照灯は、種々の構造のものが知られているが
、その代表的なものを第１図に示しである。

この従来例における前照灯は内部に電球ａを有し、該電
球ａは、その後部すが曲率中心Ｃで画かれる曲面を有し
、電球の内部に走行ビーム用の主フィラメントｄとすれ
違い用の副フィラメントｅとを有し、これら両フィラメ
ントは電球の軸Ｘに対し平行になると共に曲率中心Ｃよ
りも前方で上下に配設されている。

そしてこの電球は前照灯を構成する放物面反射鏡ｆに対
して光源からの直射光が上向きに反射しないように取付
けられており、同時に反射鏡の前面側上部には光源から
の上向きの直射光が直接的に照射されないように遮光板
ｇが設けられている。

このような従来の前照灯において、すれ違い用の副フィ
ラメントｅが点灯した佃、反射鏡ｆによって下向きの有
効な光線りが照射されることはもちろんであるが、副フ
ィラメントからの光が電球ａの壁面で反射し上向きの有
害な光線ｉも同時に生ずることになる。

この上向きの光線ｉがレンズを通して照射されるための
対向車に対し眩惑光となり、前照灯として好ましくない
現象を生じる欠点がある。

本考案はこのような欠点を除去するためになされたもの
であって、その目的は内部に取付けた電球内壁での反射
があってもこれが上向きの有害光とならないように構成
した前照灯を提供しようとするものである。

この目的を達成するためになされた本考案は、電球の後
部面を半球又はこれに近い曲面で構成すると共に全体的
に卵形に形成し、主フィラメントと副フィラメントとを
電球の軸に対して平行に上下に配し、副フィラメントを
その中心が後部の半球面と、この半球面を画く曲率中心
を通り前記軸に直交する平面とで囲まれた空間内の前記
曲率中心より０．３〜５ｍｍ程度後方に位置するように
構成し、前記主フイラメンＩ・を反射鏡の焦点位置に位
置させ、電球の軸線と反射鏡の軸型とが平行になるよう
に配設したことを特徴とする前照灯であって、内部の電
球形状が卵形を呈すると共に、副フィラメントの取付位
置が一定の空間内に特定され、副フィラメントから発せ
られる光線の内、電球の壁面を透過して反射鏡の放物面
に至って有効光線となるものを除き、内壁面で反射され
る反射光も、反射鏡の放物面に至る経路を辿らず、水平
線よりも下方に照射されるか或は反射率の小さな電球前
面に向うため、有害光の照射がなくなると共に、電球の
軸線と反射鏡の軸線とが平行であるため、電球のセット
が容易であり、同時にレンズのプリズム段差を小さくで
きるようになり、電球自体のグレア防止対策と合わせて
上向きの散光がほとんど解消され、前照灯として優れた
ものになるのである。

次に本考案を図示の実施例により更に詳しく説明すると
、第２図において、１は電球であり、該電球の後部２は
曲率中心３を中心として画かれる半球状の曲面又はこれ
に近い曲面で形成され、この曲面につなげて胴部４を前
面に向けてゆるやかな曲面に形成し、全体として略卵形
を呈するように形成する。

そして内部に配設される走行ビームとなる主フィラメン
ト５とすれ違いビームとなる副フィラメント６とが電球
の軸線Ｘを境にして上下に平行に配設され、副フィラメ
ント６は後部の半球面２と曲率中心３を通り軸線Ｘと直
交する線もしくは面とで区画された空間７内の前記曲率
中心３より０．３〜５ｍｍ程度後方の位置に配設されて
いる。

この電球が取付けられる前照灯の反射鏡８は所定の放物
面を有し、軸線Ｙ上に焦点下を有する。

尚９は遮光板である。上記構成を有する本考案の前照灯
にあっては、反射鏡８の軸線Ｙと電球１の軸線Ｘとを平
行にし、且つ反射鏡の焦点Ｆに主フィラメント５が位置
するように配設し、副フィラメント６を点灯した時に、
電球のガラス面即ち壁面を透過して反射鏡８に至り下向
きの有効光線１０が照射される。

この副フィラメント６の点灯で電球の内壁において反射
する反射光１１が生ずるが、この反射光は副フィラメン
ト６の位置が曲率中心３よりも後方にあるためことごと
く下向きの光線になるか或は上向きの光線になったとし
ても遮光板９に至る光線になるため、反射鏡８に至る有
害光は生じなくなり、従って剤照灯からは眩惑光となる
上向きの光線がほとんどでなくなるのである。

そして又、取付けられる電球自体が卵形を呈しているこ
とからして、反射光の大部分は反射率の小さい電球前面
側に集まり、遮光板で遮光されるか或は下向きにしかな
らず、この点からしても上向光線はなくなるのである。

以上説明したように本考案に係る自動車用の前照灯は、
内部に収納する電球形状が全体的に卵形で且つ副フィラ
メントの取付位置が限定された空間内にあり、これによ
って電球内壁での反射光が下向きになるか或は遮光板に
より遮光され、更には反射鏡の軸線と電球の軸線とが平
行で且つ反射鏡の焦点に主フィラメントが来るような位
置関係にあり、上向きの有害光線が全く照射されない良
好な前照灯となるばかりでなく、反射鏡に対する電球の
セットが容易であり、レンズのプリズム段差をも小さく
でき、更には電球自体のグレア防止対策がなされると云
う優れた効果を奏する。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来例の前照灯を示す暗示的側断面図、第２図
は本考案に係る前照灯の暗示的側断面図である。 １・・・・・・電球、２・・・・・・半球面、３・・・
・・・曲率中心、４・・・・・・胴部、５・・・・・・
主フィラメント、６・・・・・・副フィラメント、７・
・・・・・空間部、８・・・・・・反射鏡、９・・・・
・・遮光板、１０・・・・・・有効光線、１１・・・・
・・反射光、Ｘ・・・・・・電球の軸線、Ｙ・・・・・
・反射鏡の軸線。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 電球の後部面を半球又はこれに近い曲面で構成すると共
   に全体的に卵形に形成し、主フィラメントと副フィラメ
   ントとを電球の軸に対して平行に上下に配し、副フィラ
   メントをその中心が後部の半球面と、この半球面を画く
   曲率中心を通り前記軸に直交する平面とで囲まれた空間
   内の前記曲率中心より０．３〜５ｍｍ程度後方に位置す
   るように構成し、前記主フィラメントを反射鏡の焦点位
   置に位置させ、電球の軸線と反射鏡の軸線とが平行にな
   るように配設したことを特徴とする自動車用前照灯。