JPS586403B2 - 同軸共振器を用いたフイルタ - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 この発明は同軸共振器を用いたフィルタに関し、特に製
造上有意義な構造からなる同軸共振器を用いたフィルタ
に関する。

従来、誘電体を存在させた同軸ＴＥＭ共振器を用いたフ
ィルタがあり、小形化等を目的として、たとえば特開昭
５２−９６８４４号公報に記載されたようなフィルタが
発明されているが、本発明はさらに高性能なフィルタを
提供しようとするものである。

すなわち、この発明の一つの目的は、小形のフイルタを
提供することである。

この発明のいま一つの目的は、構造の簡単なフィルタを
提供することである。

この発明のいま一つの目的は、再現性のよい、いいかえ
ると設計に忠実に製品化できるフィルタを提供すること
である。

この発明のいま一つの目的は、低コストのフィルタを提
供することである。

この発明は、要約すれば、誘電性を内．外導体間に存在
させた同軸ＴＥＭ共振器であって、開放端面から突出す
る端子を内導体に設けた同軸ＴＢＭ共振器を少なくとも
一以上用いるとともに、入力端、出力端間を結ぶ誘電体
部材に少なくとも一以上の電極を間隔をおいて設け、こ
の電極に前記端子を接続してなるフィルタである。

この発明の上記の目的およびその他の目的と特徴は図面
を参照して行なう以下の詳細な説明から一層明らかとな
ろう。

第１図は、実施例フィルタに用いる共振器の例を示し、
第１図において、１はＩＡ波長同軸ＴＥＭ共振器で、内
導体２と外導体３との間に、たとえば酸化チタン系のセ
ラミック誘電体等の誘電体４が存在しており、より具体
的には、肉厚の厚いパイプ状の誘電体４の内壁面および
外周面に、高周波導電性に優れ、かつ誘電体と密着性が
よい、たとえば銀ペーストを焼きつげて内導体２および
外導体３とする。

内導体２の内部は空洞であり、そこには同様のセラミッ
ク等からなる同軸長の中心棒５が嵌入、固定してあり、
両端面は内導体２と一体となる電極膜６，７で被覆して
ある。

電極膜６または７に（図示例は電極線６に）端子８を接
着する。

第２図は別のＩＡ波長同軸ＴＥＭ共振器９を示し、前図
と同一部分には同一番号を付しい説明を省略する。

誘電体からなる中心棒１０は誘電体４より長い軸長をも
っており、突出端側には内導体２と一体形成した電極膜
１１で被覆してある。

中心棒１０は全体を金属棒でおきかえてもよい。

第３図はさらに別の１／４波長同軸ＴＥＭ共振器１２を
示し，．前図と同一部分には同一番号を付して説明を省
略する。

１３は金属棒からなる端子電極で、内導体２で囲まれた
孔内に嵌入、固定して内導体２と電気的、機械的に接続
される。

端子電極１３は誘電体に電極膜を形成したものでもよい
。

本発明フィルタでは、前記のような共振器、すなわち誘
電体を、内．外導体間に存在させた同軸ＴＥＭ共振器で
あって、開放端面から突出する端子を内導体に設けた同
端ＴＥＭ共振器を用いている。

第４図は本発明フィルタの一例１５を示す。前図と同一
部分には同一番号を付して説明を省略する。

１６は主ケースで、導体、たとえばジュラルミンからな
る長方体に孔１７，１８，１９，２０をくりぬいたもの
である。

孔１７，１８，１９，２０内には４つの共振器たとえば
共振器１がそれぞれ嵌入され、その外導体３がケース１
６に電気的に導通するように固定されている。

この固定は、たとえば導電性接着剤を用いたり、ネジ止
めによって行なう。

２１は入力用同軸コネクタ、２２は出力用同軸コネクタ
で、主ケース１６に設けられている。

各コネクタ２１．２２の中心導体２３，２４は一本のた
とえばセラミック磁器からなる誘電体棒２５で結合され
ている。

さらにくわしく述べると、誘電体棒２５の両端部にそれ
ぞれ端子電極２６，２７が設けられるとともに結合電極
２８，２９，３０，３１が間隔をおいて設けられている
。

いずれの電極も銀ペーストを焼付けて形成している。

このように電極が設けられた誘電体棒２５は孔１７．１
８間の孔３２、孔１８，１９間の孔３３、孔１９，２０
間の孔３４を挿貫している。

そして、中心導体２３と端子電極２６とが接続され、結
合電極２８と一段目の共振器１の端子８とが接続されて
いる。

結合電極２９と二段目の共振器１の端子８とが接続され
ている。

結合電極３０と三段目の共振器１の端子８とが接続され
ている。

結合電極３１と四段目の共振器１の端子８とが接続され
ている。

そして、端子電極２１と中心導体２４とが接続されてい
る。

具体的な接続構造は、第４図、第５図はもちろん、第６
図、第７図によって一層明確に開示してある。

すなわち、端子８に断面半円状の溝３５を設けるか、孔
３６を設ける。

もちろん、この二例に限定されることはない。結合電極
２８〜３１の各長さ１により共振器１間の結合度が定ま
る。

互に隣接する結合電極ｉとｊ間容量（実効容量）をＣｉ
ｊとすると、 ｇ：原形ローパスフィルタのエレメント、ｆｏは中心周
波数、Δｆは帯域幅である。

この実施例フィルタの等価回路を第８図に示す。

図において点線で示したストレー容量Ｃｓによって前記
実効容量を変化させることができる。

したがってストレー容量Ｏｓによって結合係数を制御す
ることができる。

ストレー容量Ｃｓを変化させるには、孔３２，３３，３
４の孔径をかえたり、誘電体棒２５に電極３７を銀ペー
ストを焼付けるなどして設ける。

なお、３８は上ブタケースである。

主ケース１６、上プタケース３８は金属にかぎらず、た
とえばプラスチックスでシールド効果をもたせたもので
形成してもよい。

以上の実施例からもあきらかなように、この発明による
と、誘電体を内．外導体間に存在させた同軸ＴＥＭ共振
器であって、開放端面から突出する端子を内導体に設け
た同軸ＴＥＭ共振器を少な《とも一以上用いるとともに
、入力端、出力端を結ぶ誘電体部材に少なくとも一以上
の電極を間隔をおいて設け、この電極に前記端子を接続
したので、φ形で構造が簡単、しかも設計どおりの製品
が容易に得られ、コストも安いフィルタが提供できる。

なお、図示実施例は、同軸線路に挿入するフィルタにつ
いて述べたが、もちろん適当な変換回路構成を付加すれ
ば、導波管やストリップ線路においても本発明は適用で
きる。

【図面の簡単な説明】

第１図〜第３図は、本発明で用いる共振器の断面図、第
４図は、本発明フィルタの一実施例断面図、第５図は、
同、上ブタケースをとりのぞいた平面図、第６図と第７
図は、第５図のＡ−Ａ線断面図、第８図は本発明フィル
タの一実施例の等価回路図である。 ４は誘電体、２は内導体、３は外導体、１，９，１２は
１／４波長同軸ＴＥＭ共振器、８は端子、１１は電極膜
、１３は端子電極、２１は入力用同軸コネクタ、２２は
出力用同軸コネクタ、２５は誘電体棒、２８，２９，３
０，３１は結合電極である。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 誘電体を、内・外導体間に存在させた同軸ＴＥＭ共
   振器であって、開放端面から突出する端子を内導体に設
   けた同軸ＴＥＭ共振器を少なくとも一以上用いるとしも
   に、入力端、出力端間を結ぶ誘電体部材に少なくとも一
   以上の電極を間隔をおいて設け、この電極に前記端子を
   接続してなるフィルタ。