JPS5852772Y2 - 音響変換器 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、音響変換器に関し、更に詳しくは音響変換器
の防水構造に係るものである。

電磁形もしくは圧電形等の音響変換器においては、音響
変換部に共鳴筐となる放音筒体を装着して音圧レベルを
向上させ、音響変換部を保護する一方、音響変換部と放
音筒体との間に防水板を設け、放音孔から放音筒体の内
部に侵入する水分から音響変換部を保護し、動作の安全
性、耐久性、信頼性等を確保するのが一般的である。

第１図は電磁形の音響変換器の従来例を示し、音響変換
部１を構成する円筒状のケース２の一端部外層に、放音
孔３を有する放音筒体４を嵌着すると共に、前記ケース
２の開口面を板状、シート状等の防水体５によって閉塞
し、該防水体５によって放音筒体４から音響変換部１の
内部への漏水を防止する構造となっている。

前記音響変換部１は、ケース２の底部にコイル６付の鉄
心１を有する座金８を装着すると共に、該座金８上にコ
イル６および鉄心７より成る電磁石を包囲する如く円筒
状の永久磁石９を配置し、さらにケース２の上部開口部
の端面に設けた段部２ａ内に、鉄心７の先端面７ａに対
して空隙Ｇ１を介して対向する円板状の振動板１０を装
架した構造となっている。

１１は振動板１０のほぼ中央部に設けたバラストである
。

上記構造の音響変換器において、コイル６に適当な周波
数の周期性電流を供給すると、その時に電磁石６，７に
発生する交番磁界と、永久磁石９の直流バイアス磁界と
の間の磁気的相互作用および振動板１０のバネ性により
、振動板１０がコイル電流の周波数に依存して空隙Ｇ１
内で振動し、放音筒体４の共鳴作用を受けて、放音孔３
より音圧レベルの高い耳当りの良好な振動音が発せられ
る。

ところが、この従来の音響変換器は、防水体５の周縁を
、ケース２の端面と放音筒体４の開口端面を繰広げて形
成した段部４ａとの間で押え付けて固定する構造であっ
たため、防水体５とケース２および放音筒体４との間の
接合面の密着性が悪く、十分な防水性を得ることができ
なかった。

防水体５と放音筒体４またはケース２との間を接着剤に
よって固着する方法も考えられるが、防水体５、放音筒
体４およびケース２がそれぞれ別々の部品となっていて
、これらを組合せ接着しなげればならないため、組立の
巧拙によって防水性の良否が左右され易く、しかも防水
性のチェックが困難である等々の難点があり、信頼性の
高いものを歩留まり良く製造することが困難であった。

特にｌｌ−ｌ１ｌ、種の音響変換器は、各種の時計、電
子レンジまたは電卓等のアラーム用としての重要な用途
があり、直径がたとえば１０ｍ以下の微小部品となるこ
とが多いため、取扱い難く、組立上の巧拙の差が出やす
い。

このため、上述の欠点が一層出やすいという難点があっ
た。

マタ、最近ハ３に４ｆ ／７〜１０’９ｆ ／、、、の
高（゛防水性が要求されており、従来の構造ではたとえ
防水体５と放音筒体４またはケース２とを接着剤で固着
しても、このような高い防水性を確保することが不可能
である。

本考案は上述する従来の欠点を除去し、防水性が非常に
高く、しかも防水性のチェック、音響変換部のチェック
等が容易で、高信頼性かつ高歩留まりの音響変換器を提
供することを目的とする。

上記目的を達成するため、本考案は、音響変換部と、該
音響変換部に装着される放音筒体と、前記音響変換部に
対する防水機構を構成する防水体とを有する音響変換器
において、前記放音筒体は、放音孔側と前記音響変換部
装着側とに分けられる２つの部材によって構成し、該２
つの部材間に前記放水体を挾み込み装着したことを特徴
とする。

以下実施例たる添付図面を参照し、本考案の内容を具体
的に説明する。

第２図は本考案に係る音響変換器の正面断面図である。

図において第１図と同一の参照符号は機能的に同一性あ
る構成部分を示している。

第１図の従来の音響変換器と異なる特徴部分は、放音筒
体４を放音孔３側の部材４Ａと、音響変換部装着側の部
材４Ｂとに２分割し、前記２つの部材４Ａ−４Ｂ間に放
水体５０周縁を挾み込み接着しである。

部材４Ａ、４Ｂの端部は、互に嵌合し得る段部としてあ
って、その段部の段面間に前記防水体５０周縁を挾み込
み接着しである。

部材４Ａ、４Ｂに防水体５を接着するにあたっては、防
水体５の周縁の両面にホットメルト接着材、粘着材もし
くは通常の有機質接着剤を塗布して接着する方法または
超音波接着法等が採用できる。

また部材４Ａ、４Ｂ及び防水体５が金層材料である場合
はロウ付または拡散接着等が採用できる。

上述のように、部材４Ａ−４Ｂ間に防水体５を挾み込み
接着する構造であると、防水体５が音響変換部１から分
離して放音筒体４に一体化されるので、防水体５による
防水性のチェックを、音響変換部１から独立させた状態
で、放音筒体４側で行なうことができ、また音響変換部
１の組立状態もしくは振動特性等のチェックを放音筒体
４を備えない状態で個別的に行ない、欠陥の有無を確実
にチェックすることができる。

また、防水体５を部材４Ａ−４Ｂ間に挾み込み接着する
構造であるため、防水体５の接着構造が極めて強固にな
ると共に、防水性の非常に優れたものが得られる。

特に実施例に示したように、部材４Ａ、４Ｂを段部によ
って互に嵌合する構造とした場合には、部材４Ａ、４Ｂ
間の嵌合位置、これに対する防水体５の接着位置が、自
動的にかつ精度良く決定されるので、組立が容易になる
と共に、組立の巧拙によって防水性が左右されることが
なくなり、防水性に優れたものを、歩留まり良く得るこ
とができる。

なお、実施例では電磁形の音響変換器を示したが、他の
形式の音響変換器、たとえば圧電形のものにも適用が可
能である。

以上述べたように、本考案は、音響変換部と、該音響変
換部に装着される放音筒体と、前記音響変換部に対する
防水機構を構成する防水体とを有する音響変換器におい
て、前記放音筒体は、放音孔側と前記音響変換部装着側
とに２分割し、該２つの部材間に前記防水体を挾み接着
したことを特徴とするから、防水性、耐圧性が非常に高
く、しかも防水性のチェック、音響変換部のチェック等
が容易で、高信頼性かつ高歩留まりの音響変換器を提供
することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の音響変換器の正面断面図、第２図は本考
案に係る音響変換器の正面部分断面図である。 １・・・音響変換部、３・・・放音孔、４・・・放音筒
体、４Ａ・・・放音孔側の部材、４Ｂ・・・音響変換部
装着側の部材、５・・・防水体。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 音響変換部と、該音響変換部に装着される放音筒体と、
   前記音響変換部に対する防水機構を構成する防水体とを
   備える音響変換器において、前記放音筒体は、放音孔側
   と前記音響変換部装着側とに分けられる２つの部材によ
   って構成し、該２つの部材間に前記防水体を挾み込み装
   着したことを特徴とする音響変換器。