JPS5851435Y2 - エンジンレイキヤクヨウスイコミガタサイレントフアン - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案はエンジン冷却用の吸込型サイレントファンに関
するものである。

この種の従来のファンブレンド断面形状においては、フ
ァン後方にあたるエンジンブロックの抵抗による背圧に
より、ブレード後縁部で渦が発生し、騒音の東回あるい
はファン効率が悪くなるという問題があった。

本考案は、騒音低下ファン効率向上のため、ブレード後
縁部を吸込側にそらせることにより、後縁部の渦発生を
防止し、且つ空気の流れは斜流することによりエンジン
冷却性能を向上させるファンを提供する。

以下図面に従って本考案の構成及び作用を説明する。

先ず第１図は本考案によるファンを適用したエンジンの
エンジンルームの一部を示すものであり、ファン１はラ
ジェータ２とエンジン本体３との間に位置しておりエン
ジンにより駆動されラジェータコア２′から冷却風を吸
込みエンジン本体３の周辺部へ送り出す軸流タイプのフ
ァンである。

一般ニファンはエンジン本体３にかなり接近している。

次に第２図乃至第５図を参照して、ファン１を前記エン
ジン本体３の駆動力が伝達されるファンボス６の外周に
あるフランジ１１から半径方向外方（遠心方向）へ延出
して所定数のブレード７が互いに重り合うことなく配設
されている。

このブレード７の翼断面形状は、ファンブレード長さの
略半分からフランジ１１との接合部１での間は第４図に
示す従来のブレードの翼断面形状と同様にブレードそり
線の曲率半径中心ＯＯが一方１．２ 側に位置している。

これを第２図との関係で説明すると、ファン１が時計方
向に回転するとすれば左方が前縁部９となり右方が後縁
部８となり、又背面４側が吸込側となり腹面５側が吐出
側となる為、前記中心０ ０ は吐出側に位置すること
１．２ になリブレードそり線は曲率半径Ｒ−Ｈに従って徐々に
変化している。

ブレード長さの略半分から先端までの間は第３図に示す
如く後縁部８が吸込側に向って凹曲面となるよう彎曲さ
せてファンブレードの翼断面形状をＳ字翼型になるよう
にするとともに、先端（半径方向外方）に向うに従い彎
曲部を廟次広拡させてあり、第２図の７ａが彎曲部の境
界を示す線で凸曲面と凹曲面との変曲点７ｂをむすんだ
ものである。

この翼断面形状を詳しく述べると第５図の如くブレード
そり線９′は前縁部９において吐出側にある点Ｏを中心
にして曲率半径Ｒ０のそり線で中間部１０でＲ１−ｐ＝
＝になり中心Ｏ→Ｏになる。

中間部１０で中心は吸込側になり曲率半径は後縁部８に
なるに従いら→Ｒになる。

因に、従来のエンジン冷却用吸込型のファンのブレード
の多くは、ボス部のフランジ部からブレード先端１での
間が一様に第４図の如くブレードそり線の開路半径中心
ＯＯがそれぞれ吐出１．２ 側に位置しており曲率半径Ｒ→Ｒに従って徐々に変化し
た形状となっている。

次に本考案によるファンと従来のものとの対比に於てそ
の作用を説明する。

先ず従来のファンブレードの場合第６図に示すようにエ
ンジン本体３の抵抗により、背圧が高くなり、ブレード
そり線の後縁における接線の吐出側の延長線と平行に流
れるのではなく、空気の流れは幾分吸込側へそって吐き
出される（後述）、そのため後縁の背面４側で腹面５を
通過した空気流のうち腹面に接近した流れが逆流する現
象が生ずる。

この現象はブレードの速度（周速）が大きい半径方向外
方で著しくなる＝それ故、エンジン本体３周辺の流量が
減少する結果となる。

次に本考案のファンのファンブレードでは、第７図に示
す如くエンジン本体３の抵抗による背圧を考えファンに
より発生する冷却風をスムーズに流すため後縁部を流れ
にそったそり線にする。

すなわちブレードそり線の縁部を吸込側にそらせてファ
ンブレードの翼断面形状をＳ字翼型にしファンブレード
後縁部背面４に逆流は発生せず有効的に流れがエンジン
本体３の周辺に導くことが出来る。

又、特にファンブレード長さの略半分から先端１での間
に先端に向うに従い吸込側に向って凹曲面となる彎曲部
を漸次広拡させである為ブレードの速度に対応した空気
流にさかられない翼断面形状となりより効果がある。

さらにファン外周部の流れを軸方向から吸込み、後縁部
のそりにより遠心送風機の働きをさせ軸成分と遠心成分
に合成により斜方向に吐き出すことにより、エンジン本
体３とファンとの間の静圧分を少くし動圧分を多くしエ
ンジン冷却効率を向上させる。

これを本考案によるファン１のブレード７の翼断面形状
により具体的に説明すると、第３図を参照して、ブレー
ド７は回転方向（図の水平線）に対してθだけ傾いてい
る。

そしてブレード７の背面４と腹面５とが前述したそり線
に従って形成されており、空気の流れが曲げられること
になる。

ブレード７の前縁部９の端部から所定間隔を置いたとこ
ろの入口の流れＷ は前述のブレード傾角θに対してａ
だけ偏傾しており第３図の上下方向に対しての角度をβ
□とすると、空気の翼流入角ａ はβ に一致せず角超
過ｒ が生ずる。

同様にブレード７の後縁部９の端部から所定間隔を置い
たところの出口の流れＷ２の角度β に対し空気の翼流
出角ａ は一致せず角超過ｒ が生ずる。

これを式で表すと ｒ＝ａ −β ｒ ＝β −ａ となる。

而してブレード１の腹面５側の空気の流れはＷｌ−？Ｗ
→Ｗ２となる。

このような第３図示の如き空気の流れに沿ってブレード
そり線を決定すれば渦発生防止が出来る。

以上の如き本考案によるファンと従来のファンの実験結
果を表１に示す。

この表で騒音とはファン正面から１ｍ離れた位置での測
定結果である。

この実験結果から明らかな様に、ファン効率で１５優、
騒音で３．５ｄＢの向上、更にブレード後縁部で渦が発
生することなく且つ流出側の流れを斜流に出来る。

従って、本考案によればエンジンブロックの放熱性を向
上させることにより、ファン騒音の低下、ファン効率の
向上が得られる等の勝れた作用効果を奏する。

【図面の簡単な説明】

第１図はエンジンルーム内のファンの装着状態図、第２
図は本考案のファン正面図、第３図は第２図の線■−■
断面図、第４図は従来のブレード断面形状を示す図、第
５図は本考案のブレード断面形状を示す図、第６図は従
来ブレードの場合の流れ状態図、第７図は本考案のブレ
ードの場合の流れ状態図である。 ｂ・・・・・・ボス部、１１・・・・・・フランジ部、
７・・・・・・フッツブレード ９′・・・・・・ファ
ンブレードソリ線、ＯＯ・・・・・・ファンブレードそ
り線の曲率半径１、 ２ 中心、９・・・・・・前線部、８・・・・・・後縁部、
Ｒ・・・・・・前縁部９に於て吐出側にある中心点Ｏを
基準とする曲率半径、Ｒ・・・・・・後縁部８に於て吸
込側にある中心点Ｏを基準とする曲率半径。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. ボス部外周のフランジ部から延出したファンブレードの
   ファンブレードそり線の曲率半径中心を前縁部では吐出
   側に位置させ、又後縁部ではファンブレード長さの略半
   分から先端１での間について吸込側に位置させてファン
   ブレード断面形状をＳ字翼型にするとともに、先端に向
   うに従い吸込側に向って凹曲面となる彎曲部を漸次広拡
   させたことを特徴とするエンジン冷却用吸込型サイレン
   トファン。