JPS5838611B2 - 二サイクルデイ−ゼルエンジン - Google Patents

二サイクルデイ−ゼルエンジン

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JPS5838611B2
JPS5838611B2 JP53123728A JP12372878A JPS5838611B2 JP S5838611 B2 JPS5838611 B2 JP S5838611B2 JP 53123728 A JP53123728 A JP 53123728A JP 12372878 A JP12372878 A JP 12372878A JP S5838611 B2 JPS5838611 B2 JP S5838611B2
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scavenging
pump
diesel engine
air
horizontally opposed
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幸保 田中
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Toyota Motor Corp
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Description

【発明の詳細な説明】 本発明はニサイクルディーゼルエンジンに係り、特に自
動車用小型エンジンとして用いられるに適するよう意図
されたニサイクルディーゼルエンジンに係る。
ニサイクルエンジンは四サイクルエンジンに比して二倍
の仕事行程を有し、従ってニサイクルエンジンは四サイ
クルエンジンに比してより小型軽量のエンジンにて比較
的大きい出力を発生することができるはずであるが、従
来小型デーゼルエンジンに関しては、エンジン有効行程
体積当りの発生出力に於てニサイクルエンジンは四サイ
クルエンジンに比して大差を生じていない。
これはニサイクルエンジンに於ては掃気が不充分であり
、このためエンジンの有効行程体積内での動力の発生が
不充分であることに起因している。
実際間サイクルエンジンの体積効率は80%にも達する
のに対し、ニサイクルエンジンのそれは40〜50%に
留まっている。
従来の小型二サイクルエンジンは多くの場合その掃気の
圧縮をクランク室圧縮に頼っているが、クランク室圧縮
ではポンプ行程体積はエンジン行程体積と同じであるが
、クランク室圧縮に於ては間隙体積が大きいため圧縮比
が大きくとれず、そのため新気の吹込みが悪く又吐出量
も少なくなり且つ吐出圧従って掃気圧も低くなり、その
ため充分な量の掃気がパワーシリンダへ送り込まれない
この結果、通常のクランク室圧縮のみのエンジンでは給
気比は0.5〜0.8にすぎず、更に又給気効率は0.
7程度であることから、体積効率は上述の如く40〜5
0%程度の低い値となるものである。
掃気はパワーシリンダ内の残留ガスを新気で押出すこと
であり、残留ガスの圧力及び掃気口から排気口までの長
さが与えられ且つ成層掃気が理想的に行われたとすれば
、掃気圧及び最初の掃気をバックアップする掃気の量即
ち掃気量によって掃気の完了に必要な時間が決まるもの
である。
しかるにクランク室圧縮では掃気圧が低く、掃気に時間
がかかり、特にユニフロー掃1 気の場合にはその時間
がより長くかかり、エンジンの高速回転時には掃気が完
了しないうちに排気口が閉じてしまうため、パワーシリ
ンダ内残留ガスの量が非常に大きく、従って又新気が少
なくそのため、特にユニフロー掃気式のニサイクルエン
ジンは高回転領域では良く回らないという現象を呈して
いた。
ニサイクルエンジンに於る上述の如き掃気不完全に基く
性能不良の問題に対処し1特にニサイクルガソリンエン
ジンについて掃気の圧縮を従来のクランク室圧縮のみに
頼らず、クランク室圧縮に追加して或はこれに代えてパ
ワーシリンダーピストン装置とは別体であり該パワーシ
リンダーピストン装置によってこれと同一の往復動周期
にて駆動されるポンプシリンダーピストン装置を用い、
これによって掃気量及び掃気圧を従来のクランク室圧縮
のみによる場合に比して格段に増大せしめ、しかもこれ
をユニフロー掃気式のパワーシリンダーピストン装置に
於て実施することにより、パワーシリンダーピストン装
置の体積効率を従来のエンジンに於る値に比して格段に
増大せしめることを本発明者等は本件出願人と同一の出
願人の出願に係る先の出願である特願昭53−5210
4号(特公昭57−32725号)及び特願昭53−5
2105号(特公昭57−32726号)に於て提案し
た。
更に上述の如くクランク室圧縮に追加して或はこれに代
えてパワーシリンダーピストン装置とは別体であり該パ
ワーシリンダーピストン装置によってこれと同一の往復
動周期にて駆動されるポンプシリンダーピストン装置を
用い、これによって掃気量及び掃気圧を従来のクランク
室圧縮のみによる場合に比して格段に増大せしめ、これ
をユニフロー掃気式のパワーシリンダーピストン装置に
於て実施することをディーゼルエンジンに適用し、パワ
ーシリンダより排気ガスを押出すという本来の掃気作用
を行うに当っては排気ガスと掃気空気の間に混合が生ず
ることを極力抑制し、両者間に可及的に成層状態を保つ
べく掃気を比較的緩やかな旋回流をなす状態にパワーシ
リンダ内へ供給し、次いで排気ガスと掃気空気間の混合
による実質的な給気効率の低下が生ずる虞れがなくなっ
たところで高い掃気圧と豊富な掃気量に基いてパワーシ
リンダ内に強力な旋回流を形成せしめ、これによって燃
料の着火遅れを短縮すると共に燃料の燃焼速度を増大せ
しめ、ディーゼルノックや発煙を生ぜず且つ高い体積効
率により高出力を発生することのできるニサイクルディ
ーゼルエンジンを構成することを本発明者等は本件出願
人と同一の出願人の出願に係る先の出願である特願昭5
3−94239号0持公昭57−32729号)に於て
提案した。
上述の如くパワーシリンダーピストン装置とは別体のポ
ンプシリンダーピストン装置を用いることにより掃気量
及び掃気圧を従来のクランク室圧縮のみによる場合に比
して格段に増大することを特にユニフロー掃気式パワー
シリンダーピストン装置と組合わせることは、ユニフロ
ー掃気を用いる場合には高い掃気圧によっても掃気と排
気の混合が生ずることは少なく、掃気による排気ガスの
一様な押出しを行うことが可能であり、その際掃気量を
必要充分な程度に増大させ、掃気供給時間を適度に延長
せしめることにより、高い掃気効率による掃気を行うこ
とができ、その結果体積効率を増大させ、エンジン出力
を増大させることが可能であるとの着想及び実験的確認
に基くものである。
これに対し、従来より一般に知られている三種類の掃気
方式即ち横断掃気、ループ掃気及びユニフロー掃気のう
ちの他の二つの掃気方法即ち横断掃気及びループ掃気に
於て掃気圧を高めると、掃気がパワーシリンダ内にある
排気ガスをショートカット式に貫通してしまうか又は掃
気と排気ガスが混合してしまい、掃気が充分に行われな
いばかりか、掃気が混合気である場合には吹抜けによる
燃料の損失を増大させ、体積効率は却って低下してしま
うものである。
更に又上述の先の提案に於てはユニフロー掃気式二サイ
クルガソリンエンジン又はディーゼルエンジンを特にニ
サイクルユニフロー水平対向ピストンガソリンエンジン
として構成することが提案されているが、これは特にエ
ンジンが自動車用エンジンとして用いら、れるに適する
よう意図されていることに関連するものである。
即ち前述の先の提案になる出願の明細書に於ても詳述さ
れているン 如く、現在省エネルギの立場から燃料消費
の少ない自動車の開発が強く要望されており、しかもこ
の場合自動車は大気汚染防止の立場から厳しい大気汚染
防止基準に合格しなければならないものであるが、燃料
消費率の改善のためには単にエンジ1 ンの燃費改善が
必要であるだけでなく、車輛重量の低減及び空気抵抗の
低減が必要であるとの認識がその基礎となっている。
本発明者等は近年盛んになってきた大気汚染防止基準認
定試験のための種々の試走試験に関連して夏と冬とでは
大気密度1 (7)差によって燃費に差がでることに
着目し、改めて車輛の空気抵抗が低速に於ても燃費に実
質的な影響を与えることを認識した。
車輛の空気抵抗を下げるためには車輛の高さをできるだ
け小さくすると共に車輛の外形を流線形にし、特にエン
ジン; フード(ボンネット)を下げることが極めて有
効である。
車輛高さを低減するためには後方駆動のためのドライブ
シャフトを廃し、シャフトトンネルを廃して乗員席の床
面を平らにし、低床低屋根の車体を構成することが効果
的であお。
そのためには謂ゆるFF方式(フロントエンジン−フロ
ントドライブ方式)を採用するのが一つの方法である。
FF方式の自動車のエンジンフードを大幅に下げしかも
フロントシートのレグルームを確保するためには、エン
ジン自体の高さ及び前後長をかなり小さくすることが必
要である。
又自動車の空気抵抗を減らすためには車輛前面面積を減
らさなければならないことは勿論であり、従って車体の
横幅も又大きくはできない。
しかもFF方式の場合にはトランスミッション、ディフ
ァレンシャルギヤ等がエンジンと共にエンジンルーム内
に収められなければならないので、エンジンに許される
スペースは一層小さいものとなる。
又軽トラツクではドライバシートの下にエンジンを置く
ことがしばしば行われるが、エンジンの前後長が太きい
ためにエンジンルームが乗員席後のデツキにまで張出し
てくることが往々にしである。
かかる認識に立って高さが低く前後長が短く且つ横幅も
極端に大きくはならない小型エンジンであってしかもエ
ンジンの占める容積に比して出力の大きいエンジンを得
んとする目的が、上述の如くユニフロー掃気式エンジン
に於てその掃気量及び掃気圧を格段に増大させることに
よりニサイクルエンジンの性能を格段に増大させる着想
と相俟ってエンジンをニサイクルユニフロー水平対向ピ
ストン式パワーシリンダーピストン装置を用いる構造と
することが導き出されているものである。
上述の如く先の提案になる特願昭53−94239号に
係る発明に於ては、パワーシリンダーピストン装置とは
別体のポンプシリンダーピストン装置を用いることによ
ってニサイクルディーゼルエンジンの掃気に於ける体積
効率を格段に増大させ、出力の増大を図ると同時に、掃
気と排気ガスの混合による掃気効率の低下を来たすこと
なくパワーシリンダ内に直接掃気の強力な旋回流を形成
せしめ、これによって燃料の着火及び燃焼を促進させ、
ディーゼルノックや発煙を回避することが図られている
吸入空気に強い旋回流を与えること自身については、従
来自動車用小型高速ディーゼルエンジンに於てエンジン
シリンダ室の一部に渦流室を設け、エンジンシリンダの
主室部から渦流室内へ流入する空気の流れによって渦流
室内に強い旋回流を発生せしめ、かかる渦流室内にて燃
料の噴射を行う如くした渦流室式エンジンが知られ且つ
多く採用されている。
かかる渦流室式エンジンに於ては、エンジン回転速度が
高ければ高いほど押込み渦流が強くなって大きい旋回流
が得られるようになっている。
しかしかかる渦流室式エンジンを含む謂ゆる副室付のエ
ンジンに於ては、絞り損失、渦流損失による有効エネル
ギの損失及び副室によって燃焼室の冷却面積が増大する
ことによる熱損失が大きく、そのため燃料消費率が大き
く又平均有効圧が低くなるという欠点を有する。
従って前述の先の提案になるエンジンに於てもそうであ
ったが、本発明に於ても副室を用いず直接噴射形式のエ
ンジンに於て掃気の体積効率を格段に増大せしめると同
時に燃料の適正な燃焼に必要とされる強い掃気の旋回流
を与えることが意図されている。
この場合、パワーシリンダ内に燃焼用空気の強い旋回流
を与えること自身は、前述の如くパワーシリンダーピス
トン装置とは別体のポンプシリンダーピストン装置を用
いることによって掃気圧及び掃気量を従来のクランク室
圧縮のみによる掃気の場合に比して格段に増大すること
から、渦流室の如き構造を用いずとも、掃気口に適当な
偏向噴射構造を組込むことによって比較的簡単に達成さ
れる。
Lかしニサイクルエンジンに於る掃気に初めからそのよ
うな強力な旋回流を与える場合には、掃気と排気の間に
大きな混合を生じ、たとえディーゼルエンジンの如ぐ掃
気が燃料を3まない単なる空気でありかかる混合によっ
て燃料の吹抜は損失を生ずる虞れがない場合であっても
、給気効率が著しく低下するという問題を生ずる。
この点に関して本発明者等は前述の先の提案になる特願
昭53−94239号に係る発明に於て特別の工夫を行
い、前述の如く掃気の初期に於てはこれを比較的緩やか
な旋回流としてパワーシリンダ内へ供給し、掃気と排気
ガスの間に混合が生ずることを極力回避するようにし、
掃気と排気ガスの間の混合による給気効率の実質的な低
下が生ずる虞れがない程度に掃気が進行したところで掃
気に強力な旋回流を与え、最終的にパワーシリンダ内に
強い旋回流を有する掃気を充填し、燃焼の際要求される
旋回流の強さに対する要求を満たすようにしている。
かかる旋回流は掃気行程に続く掃気の圧縮行程中に幾分
減衰されるが、かなりの部分は圧縮行程後にも残り、燃
焼噴霧から燃焼ガスを追払い新気を供給し、燃料の着火
と燃焼を促進するものである。
かかる特殊な掃気噴射構造がパワーシリンダーピストン
装置とは別体のポンプシリンダーピストン装置を含む強
力な掃気ポンプ装置と組合されることにより、パワーシ
リンダーピストン装置は高い体積効率を得るように掃気
されると同時に、従来の渦流室式エンジンと同じくエン
ジン回転数が高ければ高いほど強制旋回流は強くなり、
このためシリンダ内に残る掃気にはエンジン回転数の増
大に応じて増大する強い旋回流が与えられ、かかる旋回
流が掃気の圧縮行程の終了時に於ても直接噴射方式によ
るパワーシリンダ内に充分保持されていることにより、
かかる掃気の強力な旋回流域は渦流中に燃料ノズルより
直接噴射された燃料が該渦流を形成する空気中に速やか
に且つ良好に拡散されて発火燃焼し、高い回転速度によ
るディーゼルエンジンの運転を可能にするものである。
但しここで先の提案になるニサイクルディーゼルエンジ
ンについて高い回転速度とされている速度は、従来の自
動車用四サイクルガソリンエンジン或は自動車用量サイ
クルディーゼ゛ルエンジンの高回転領域に於る回転速度
よりは低い回転速度であり、最高回転速度にしても嵩々
3800rpm程度が意図されている。
これはエンジン自体に於る摩擦損失を下げ、エンジンが
発生する有効出力の割合を増大させるためである。
従来比較的小型の四サイクル自動車用エンジンはエンジ
ン行程体積に比して高い出力を出すために高回転で運転
されるよう設計されているが、例えば排気量が2を級の
エンジンで500Orpmでブレーキ馬力として92P
Sを出すものは、実はそのエンジンの指示馬力144P
Sのうちの実に52PSがエンジン自体の摩擦損失に費
やされている。
エンジンの出力に対するエンジン自体の摩擦損失の割合
はエンジン回転数を下げることにより大幅に低減される
ものであり、従って先の提案になるエンジンに於てはこ
の点に鑑みニサイクルエンジンが本来四サイクルエンジ
ンに比して二倍の仕事行程を有するという特徴をそのパ
ワーシリンダの体積効率を高い掃気圧と多い掃気量をも
ってユニフロー掃気を行うことにより高めることによっ
て充分有効に利用し且つエンジン回転速度に応じた旋回
流を供給することにより充分馬力を発生させ、これによ
って従来の比較的小型の四サイクル自動車用エンジンは
ど回転数を上げることなくエンジン行程体積に対する有
効出力の高いエンジンを得んとするものである。
尚この場合にピストンヘッドの掃気をヨく行つためには
ピストンヘッドはなるべく平面とされることが好ましい
しかし一方、圧縮行程の終期にパワーシリンダ内の軸線
周りに旋回する主たる渦流に対しスキッシュ作用により
その軸に直交する渦流を追加し、複合渦流を形成し、燃
料の発火及びその後の燃焼を一層促進させるべくある程
度の窪みをピストンヘッドに設けることも又別の観点か
ら好ましいものである。
以上に説明した本発明者等の先の提案になるガソリンエ
ンジン及びディーゼルエンジンに関する主々の構成は、
本発明に係るニサイクルディーゼルエンジンに於てその
基本的構成としてそのまま取入れられている。
ところでディーゼルエンジンに於るディーゼルノック及
び発炎の問題はディーゼルエンジンに於る年来の課題で
あり、ディーゼルエンジンを乗用車に搭載する場合には
特にこのことは大きな問題となる。
この問題は前述の本発明者等の先の提案になるディーゼ
ルエンジンに於ては掃気に特殊な要領による強力な旋回
流を付与するという方法によって解決が図られているも
のである。
そもそもディーゼルエンジンの発明者であるディーゼル
はその基本特許の中で燃料は少しずつ時間をかけて徐々
に供給されなければならないと述べているが、ディーゼ
ルエンジンに関する最近の種々の研究によれば、燃料を
徐々に連続的に供給するよりもむしろ成る少量の燃料を
パイロットチャージとして供給した後明確な中断期間を
置いて主燃料を供給することが、ディーゼルノックや発
煙を回避するのに有効であることが見出されている。
これはパイロットチャージを主燃料の供給より成る時間
先立って供給することにより、主燃料が供給されるとき
にはパイロットチャージが既に燃焼を始めており、これ
によって通常のディーゼルエンジンに於て着火遅れ間に
蒸発した燃料が一時に燃焼を起こす現象が回避されるこ
とによるものであり、これまでのところディーゼルノッ
クや発煙を防ぐ方法としてはこの方法が最も適した方法
であると考えられている。
但しこの方法を実施するためにはエンジン負荷に関係な
く一定のパイロットチャージを供給する燃料噴射系とエ
ンジン負荷に応じて変化する燃料を供給する主燃料噴射
系の二つの独立した燃料噴射系が必要とされる。
ディーゼルノックや発煙を防ぐ他の一つの方法としてフ
ユーミゲイションと称される方法が知られている。
これは掃気の圧縮中に燃焼の圧縮着火を起こさない程度
即ちプレイグニツシヨンを起こさない程度の少量の燃料
を予め吸入空気中にスプレーしておく方法であり、こう
することによって圧縮行程中に燃料が燃焼することなく
加熱による改質を受けてC2,CH,CHO,OOH,
H,OH等の化学的に活性なラジカルを生じ、これによ
って燃料の燃焼開始を促進することを狙ったものである
しかしかかるフユーミゲイションによってディーゼルノ
ックや発煙の防止に関し良好な結果を得るためには、吸
入行程中に吸入空気中ヘスプレーされる燃料は極めて微
細な粒子とされることが必要であり、或はこれtこ代わ
るものとして燃料が気化されることが好ましい。
本発明者等が知る限りの実験結果によれば、スプレ一式
のフユーミゲイションによって良好な結果を得るために
はスプレーされる燃料は平均直径が4μ程度の粒子に微
細化されることが必要である。
そのため従来のフユーミゲイションを行うディーゼルエ
ンジンは微細な燃料粒子を形成する装置(これは通常高
圧装置を必要とする)を必要とするか或は吸入行程時に
吸入空気中に燃料をスプレーすることにより形成された
燃料粒子を含む混合気(フユーム)をそれがパワーシリ
ンダへ導入される前に加熱し燃料粒子を気化させるため
の大損りな加熱装置を必要とする。
このような大損りで特殊な装置によらず単に吸入空気中
へ通常の気化器又は噴射装置を用いて燃料を供給しても
、燃料粒子は大きすぎてフユーミゲイションによりディ
ーゼルノックや発煙を防止する効果は得られない。
本発明は、本発明者等が先に提案した前述の特願昭53
−94239号に係るエンジンに於る特殊な掃気方式に
特殊な態様によるフユーミゲイションを組合せることに
よって、当該光の提案になるエンジンに於る特殊な掃気
方式によって得られるディーゼルノック及び発煙の防止
効果に加えて、極めて簡単なフユーミゲイション装置に
よってフユーミゲイションによるディーゼルノック及び
発煙の防止効果を有効に発揮せしめ、これによって高い
体積効率による高出力を有し且つディーゼルノック及び
発煙を完全に抑制された高性能のニサイクルディーゼル
エンジンを提供するものである。
前述の如く本発明者等が特願昭53−94239号に於
て先に提案したニサイクルナ゛イーゼルエンジンに於て
は、掃気に際して掃気と排気ガスの間の混合により給気
効率が低下する虞れのある間は掃気に比較的緩やかな旋
回流を4乙ることによって掃気と排気ガスの間の境界に
大きな乱れを生じさせることなく両者を可及的に成層状
態に保って掃気を行うことが図られている。
この場合、かかるユニフロー掃気が特に水平対向ピスト
ン式のパワーシリンダに於て行われることと又前述の如
くパワーシリンダの掃気効率を格段に増大させることに
よりエンジンが比較的低い回転速度にて運転されるよう
になっていることから、成層掃気に於る掃気と排気ガス
の境界が掃気口より排気口まで進行する間に経過する時
間がかなり長いことが特徴となっている。
本発明はこの特徴を利用して有効なフユーミゲイション
を行わんとするものであり、即ちかかる成層掃気に於る
排気ガスに隣接する掃気の部分に燃料粒子を含ませてお
くことにより、掃気されつつある排気ガスの塊から得ら
れる熱によって該燃料粒子を微細化乃至気化せしめ、更
にはこれを排気ガスによる加熱と断熱圧縮による加ン
熱によって改質させてC2,CH,CHO,OOH,H
OH等の化学的に活性なラジカルを生成せしめるもので
ある。
この場合、かかるフユーミゲイション燃料粒子の排気ガ
ス塊による微細化、気化及び改質は、掃気が成層掃気に
よって行われることに1 より排気ガスが掃気と入り混
って温度低下を来たすことなく有効な加熱能力を有する
排気ガス塊として保持されることと、その加熱時間がか
なり長くとれることによって有効に行われるものである
更にかかる排気ガス塊による加熱によって進行しつつあ
るフユーミゲイション燃料の加熱は掃気完了によって排
気ガス塊が失われた後は直ちにこれに続いて生ずる掃気
の断熱圧縮による高温によってその加熱が継続且つ促進
されてフユーミゲイション燃料がある臨界温度に達する
と急激に改質され、前述の如きラジカルが多量に発生す
る。
従って圧縮行程の終りに主燃料が噴射されるときには既
に圧縮された燃焼用空気中にはフユーミゲイション燃料
によって生じたラジカルが充分有効な状態に準備されて
おり、ここに噴射された主燃料は着火遅れを生ずること
なく燃焼を開始し、これによってディーゼルノックと発
煙が有効に防止されるものである。
フユーミゲイションによる燃料粒子が上述の如く排気ガ
ス塊によって改質へ向けて有効に加熱さ; れるために
は、該燃料粒子を含む空気即ちフユームの層が排気ガス
の層にできるだけ近く設けられることが必要である。
Lかじ掃気を完全にし体積効率を最大限に増大せしめる
には、掃気完了の際に排気ガス層と接する掃気の一部が
排気口より排気ガスと共に流出するようにせざるを得な
いものであり、そのため排気ガス層と接する部分の掃気
は単なる空気であることが好ましい。
従ってこの点を考慮すれば、フユーム層は排気ガスの層
に直接接する僅かの空気層を於てその次に設けられるの
が好ましい。
この場合、空気の層は断熱層であるから排気ガス塊より
フユーム層への直接的熱伝導がかかる空気層によって妨
げられることが心配されるが、実際には掃気は前述の如
く成る緩やかな旋回流をなして排気ガスの層に接触する
よう供給されるので、掃気と排気ガスの層の接触部には
両者間に生ずる剪断作用によって幾分かの乱れが生じて
いるものであり、従ってかかる排気ガス層とフユーム層
の間に設けられる空気の層が薄い場合には、この空気層
は排気ガスの層からフユーム層へ熱を対流的に伝える有
効な対流伝熱層として作用するものであり、その伝熱作
用を終了したところで排気ガスと共に排気口外へ流出し
完全掃気の作用を果たすものである。
上記の如きフユームの層は排気ガスを成層掃気すべく緩
やかな旋回流にてパワーシリンダ内へ供給される掃気中
に適当な燃料噴射装置を用いて燃料粒子を含ませること
によって形成されるものであり、従ってこの場合装置そ
れ自身としては、本発明者等が先に提案した前述の特願
昭53−94239号に係るエンジンに於て成層掃気段
階に於る掃気を供給する空気通路の途中に適当な燃料噴
射装置を追加するのみでよいものであり、しかもこの場
合の燃料噴射装置は燃料を特に微細な粒子として噴射す
るものでなくて良い。
又この場合、掃気期間の初期からの排気ガス塊による加
熱から始まってこれに掃気の断熱圧縮による加熱が加わ
ることにより掃気期間の全時間に亘る長期間の加熱によ
って圧縮行程の終りに有効なラジカルを発生するフユー
ミゲイション燃料は、排気ガス塊に比較的近接した位置
に置かれるフユームのみであり、即ち掃気層の前衛部に
位置するフユームのみである。
従って有効なフユームを形成するための燃料噴射は掃気
期間の始めの部分に於る極く限られた掃気についてのみ
行われれば充分なものであり、フユーミゲイションのた
めの燃料噴射装置は極く歩容量のものであって良く、又
この時期には掃気圧力も比較的低く且つ前述の如く燃料
粒子はさほど微細化される必要はないので、その噴射圧
力も比較的低いものであって良い。
従って本発明のエンジンに於るパワーシリンダ内の様子
をその掃気期間中について見ると、その掃気の前半の段
階に於ては排気口の側より掃気口の側へ向けて、排気ガ
スの層、空気の薄い層、改質を受けるフユーム層、空気
の主層がこの順に配列されて存在しており、このうち空
気の薄い層、フユーム層、空気の主層は全体として一体
となって緩やかに旋回しており、ただ排気ガス層とフユ
ーム層の中間に位置する空気の薄い層は排気ガス層との
間の剪断によって幾分孔れた層となっている。
又フユーム層はその厚さによってもしそれが比較的厚い
場合にはその後方部即ち空気の主層に近い側は充分な熱
が供給されず改質を受けないフユーム層として残ってい
る。
そしてこの状態から更に掃気過程が進行し、排気ガス層
と掃気層の境界が排気口に近くなった頃になると、掃気
口よりは強力な旋回流を伴った掃気が供給されることに
より、掃気層はその空気よりなる主層の後端部にて最も
強力に旋回し、排気層に接する前端部へ向けて徐々に旋
回が伝播しつつある状態となる。
そして排気ガスの層が排気口より排出されこれに伴って
掃気層の先端にある薄い空気の層の一部又は殆どが排気
ガスに伴って排気口より流出したところで、排気口は排
気側ピストンによって閉じられ、圧縮行程が始まる。
かかる圧縮行程中掃気の後半に於て掃気層に加えられた
強力な旋回流は幾分減衰するが圧縮行程の最後までかな
りの強さに維持される。
一方フニーム層はそれが掃気口を出たところから排気口
の手前に至るまでの間に排気ガスの層より前記薄い空気
層を介して強力に加熱されることによって燃料粒子の微
細化と気化をかなりの程度に進行させているが、更に圧
縮行程に入り掃気の断熱圧縮によって生ずる熱によっで
ある臨界温度に達した後急激に改質し、多量のラジカル
を発生させ、圧縮行程の終り近くになって主燃料が噴射
されるところにはその改質が充分に進行し1その量は主
燃料の着火及び燃焼促進に有効な量に達する。
かくして多量のラジカルを含み且つ強い旋回流状態にあ
る圧縮された高温の燃焼用空気中に主燃料が噴出される
と、燃料は時間遅れを生ずることむく直ちに着火し且つ
良好に燃焼し、ディーゼルノックや発煙を生ずることな
く燃焼行程が行われる。
以下に添付の図を参照して本発明を実施例について詳細
に説明する。
添付の第1図は本発明によるニサイクルユニフロー水平
対向ピストン式ディーゼルエンジンの第一の実施例を示
す解図的平断面図であり、第2図は第1図に於る線■−
■による断面図、第3図及び第4図はそれぞれ第2図に
於る線■−■、■−■による断面図である。
これらの図に於て、10は全体として扁平な形状を有し
、実質的に水平に配置されるシリンダブロックである。
シリンダブロック内にはその両側縁部に近接して一対の
クランクシャフト12及び14が配置されており、シリ
ンダブロック内に形成された軸受部10a〜10c及び
10d〜10fによりそれぞれ回転式に支持されている
この場合、例えばクランクシャフト12はエンジン補機
を駆動する補機駆動軸として作動し、クランクシャフト
14が車輌等を駆動する為のエンジン出力取出軸として
作動するように構成されてよい。
シリンダブロック10内にはパワーシリンダーピストン
装置100と、独立の、この実施例に於ては水平対向ピ
ストン式ポンプシリンダーピストン装置として構成され
た掃気ポンプ装置300とが組込まれている。
先ずパワーシリンダーピストン装置100について説明
する。
パワーシリンダ102はシリンダブロック10により支
持されており、シリンダ102の周りにはジャケット壁
104により冷却ジャケット106が形成されている。
シリンダ102内には掃気側パワーピストン108と排
気側パワーピストン110とが互いに対向した態様に配
置されている。
ピストン108及び110は各々コンロッド112及び
114を経てクランクシャフト12及び14のクランク
ピン116及び118に連結されている。
クランクピン116及び118にそれぞれ接続しこれら
のピンを支持する一対のクランクアーム120及び12
2は円盤状をなしており、かかる一対の円盤状クランク
アームとその間を接続するクランクピンによって構成さ
れたクランク部は、対応するシリンダ形状を有するクラ
ンク室124及び126内に納められており、これによ
ってクランクの回転角の如何にかかわらずクランク室内
の主要空間をクランク装置によって占めるようにし、ク
ランク室内の間隙体積を可及的に小さくしている。
シリンダ102にはその掃気側及び排気側にそれぞれ複
数個の掃気口128及び排気口130が設けられている
掃気口128は第一の群の掃気口128Aと、第二の群
の掃気口128Bと、第三の群の掃気口128Cとを含
んでいる。
掃気口128Aは第3図に示す如くシリンダ102の中
心へ向けて開口する一対の掃気口128Aaと、シリン
ダ102内にあってこれと同心の仮想シリンダCに対し
接線方向に開口する6個の掃気口128Abとを含み、
従って図示の実施例に於ては掃気口128Aは8個設け
られている。
第二の群の掃気口128Bは第3図及び第4図、特に第
4図によりよく示されている如く第一の群の掃気口のう
ちの掃気口128Abと同じく前記仮想シリンダCに対
し接線方向に開口しており、この実施例に於ては第二の
群の掃気口128Bは4個設けられている。
第三の群の掃気口128Cはシリンダ102の中心軸線
へ向けて開口する一対の掃気口128Caと、前記仮想
シリンダCに対し接線方向に開口する6個の掃部口12
8Cbとを含んでいる。
尚これらいづれの掃気口もその中心軸線は排気口130
が設けられている排気側へ向けて傾斜されており、これ
らの掃気口より吹込まれる掃気に排気側へ向う流速成分
を与えるようになっている。
第−及び第三の群の掃気口128A及び128Cはそれ
ぞれ互いに隣接して配置された掃気プレナム132A及
び132Cに接続されており、第二の掃気口128Bは
第4図に示されている如く掃気マニホルド132Bに接
続されている。
一方排気口130は排気プレナム134に接続されてお
り、該排気プレナムは排気管136に接続されている。
掃気プレナム132Aは通路138を経てクランク室1
24に接続されており、一方掃気プレナム132Cは通
路140を経てクランク室126に接続されている。
掃気マニホルド132Bは以下に詳細に示されるポンプ
300より同じく以下に詳細に説明されるフユーミゲイ
ション装置のフユーム形成室154aを途中に含む通路
154を経て直接掃気を供給されるようになっている。
次にポンプ300について説明する。
ポンプシリンダ302はシリンダブロック10により支
持されており、その周りにはジャケット壁304によっ
て冷却ジャケット306が形成されている。
この冷却ジャケットはポンプ302で生ずる空気圧縮熱
を除去し、ポンプの体積効率を上げる作用をなすもので
ある。
この為冷却ジャケット306は図には示されていない経
路を経てパワーシリンダの冷却ジャケット106と接続
されている。
ポンプシリンダ302内には一対のポンプピストン30
8及び310が互いに対向した態様にて納められている
これらのピストン308及び310はそれぞれコンロッ
ド312及び314を経てクランクシャフト12及び1
4のクランクピン316及び318に接続されている。
クランクピン316及び318は図示の実施例に於ては
重量低減の目的でそれぞれ片持ち梁式のクランクアーム
320及び322によって担持されている。
これらのコンロッド、クランクピン及びクランクアーム
よりなるクランク装置はそれぞれクランク室324及び
326内に納められており、これらのクランク室は図に
は示されていないポジティブクランクケースベンチレイ
ションバルブを介して後述のエアクリーナ90の内部へ
接続されている。
クランク軸12及び14はそれぞれに装着されたスプロ
ケットホイール16及び18と、これらの間に掛渡され
た無端チェーン20によって互いに同一回転速度にて同
一方向に駆動されるようになっており、この場合クラン
クシャフト12と14の間の位相の関係はパワーピスト
ン108及び110に対するクランクピン116及び1
18が互いに180゜の位相差を有するように定められ
ている。
またかかるクランクシャフト12及び14の位相関係に
基いてポンプピストン308及び310の各々に対する
クランクピン316及び318も又互いに1800の位
相差をなすように配置されている。
90はエアクリーナであり、内部にエアクリーナエレメ
ント92を有し、その空気取入口94から壜入れた空気
を浄化して空気出口96へ供給するようになっている。
エアクリーナの空気出口96は通路48を経てポンプ3
00の吸入ポート328に接続されていると共に、通路
50及び52を経てそれぞれパワー装置のクランク室1
24及び126に開口するポート144及び146に接
続されている。
ポート328には該ポートへ流入する方向にのみ空気の
流れを許すリードバルブ330が設けられている。
同様にポート144及び146にはそれぞれ該ポートを
経てクランク室へ流入する方向にのみ空気の流れを許す
リードバルブ148及び150が設けられている。
ポンプ300には、ポンプシリンダ302の中央より変
位し、それによってポンプ300がその上死点(TDC
)に至る手前にて一方のポンプピストン、図示の実施例
に於てはポンプピストン308によって閉じられるよう
構成さ、れた第一の出口ポート332とポンプシリンダ
302の中央に開口する第二の出口ポート333が設け
られている。
第一の出口ポート332は通路152を経てクランク室
124に接続されている。
第二の出口ポート333は前述の如く途中にフユーミゲ
イション装置のフユーム形成室154aを含む通路15
4を経て掃気マニホルド132Bに接続されている。
通路152の途中にはクランク室124に近接した位置
に掃気の逆流を防ぐリードバルブ160が設けられてい
る。
パワーシリンダ102の中央部には燃料噴射ノズル50
0が設けられている。
尚燃料噴射ノズル500の取付位置に関しては第1図と
第2図に於て矛盾があるが、実際の取付位置は通常第2
図に示す如き取付位置とされるのが好ましく、第1図は
これを解図的に900変位させて示しているものと理解
されたい。
第1図に於て燃料噴射ノズル500を図示の如く示した
のは、これと関連してパワーピストン108及び110
にそれぞれ形成される窪み182及び184を示すため
である。
これらの窪み182及び184は燃料噴射ノズル500
より約20°の角度をもって噴射される燃料の噴霧に対
しピストンヘッドが直に干渉することを回避させるため
のものである。
ポンプ300の第二の吐出ポート333より第二の掃気
口128Bへ掃気を供給する通路154の途中には前述
の如くフユーム形成室154aが設けられており、これ
は図示の実施例に於てはほぼ円錐形状の室として形成さ
れており、その頂点部に燃料噴射ノズル600が設けら
れている。
かかるフユーム形成室1・54aとその頂点部よりフユ
ーム形成室内へ燃料を噴霧する燃料噴射ノズルとはポン
プ300の第二の吐出ポート333よりパワーシリンダ
の第二の掃気口128Bへ供給される掃気空気中に掃気
規間の成る時期に於て燃料噴霧を含ませるフユーミゲイ
ション装置を構成するものである。
この場合、掃気ポンプ300の体積効率を高める観点か
らは混合気形成室154aの容積は出来るだけ小さい方
が良いが、この容積があまり小さすぎると燃料噴射ノズ
ル600より噴射された燃料が該フユーム形成室の内壁
に付着して良好な噴霧が得られない虞れがあるので、か
かるフユーム形成室のために成る程度の容積を持たせる
ことはやむをえないものである。
しかし本発明に於ては既に説明した如く、掃気のすべて
がフユームとされるのではなく掃気期間の初期の部分、
更に詳細には、好ましくは掃気の極く最初の部分に続く
成る比較的少量の掃気部分についてのみこれをフユーム
とすることが行われるので、フユーム形成用の燃料噴射
ノズル600より噴射される燃料の量はパワーシリンダ
に対する全燃料供給量のうちの極く少量の部分であり、
従って燃料噴射ノズル600は主燃料噴射ノズル500
に比して比較的少容量のものであって良く、又これより
噴射される燃料噴霧を受けるフユーム形成室154aも
比較的少容積のものであって良い。
尚フユーム形成室154aはその内壁に付着した燃料液
滴が速やかに蒸発しその蓄積が生ずることがないよう、
又フユーム形成室り54a内へ噴射された燃料粒子の気
化を促進しそのパワーシリンダ内に於る改質を促進する
ために、第1図に示す如く排気管136の一部に形成さ
れた加熱フード136aによって囲まれその周囲を排気
ガスによって加熱されるように構成されているのが好ま
しい。
尚第1図に於てはエアクリーナ90、通路50及び52
、ポート144及び146、通路152及び154、通
路154の途中に含まれているフユーム形成室154a
、該フユーム形成室り54a内にフユーム形成用の燃料
を噴射する燃料噴射ノズル600、フユーム形成室15
4aの周りに排気ガスを導く加熱フード136a、通路
138及び140は便宜上平面図に展開して示されてい
るが、実際にはこれらの装置或は構造は次の如く立体的
に構成されるのが好ましい。
即ち通路138及び140はクランクアーム120及び
122並びにピストン108及び110によって掃気の
流入を妨げられないよう一対のクランクアーム120又
は122の間に開口するのが好ましい。
又クランク室の下方に流下してくる漏洩潤滑油が通路1
38及び140を経てパワーシリンダ内へ向けて取出さ
れるよう通路138及び140はクランク室の底部に開
口するのが好ましい。
ポート144及び146はそれぞれクランクアーム12
0及び122によって空気の流れを妨げられないようそ
れぞれ一対のクランクアーム120及び122の間の領
域に開口するのが好ましい。
エアクリーナ90は路面から跳上げられた泥や水が侵入
することがないようエンジンの上方に配置されるのが好
ましい。
又第1図に於てパワー装置100とポンプ300とは出
来る限り近接して配置されるのが好ましい。
通路152及び154並びにその途中に設けられるフユ
ーム形成室154a、そのための排気ガスによる加熱フ
ード装置はパワー装置100とポンプ300とが近接し
て配置された後に残る空間を利用して配置されるのが好
ましい。
尚通路152がクランク室124へ開口するポートは、
この場合通路152を通って送給される空気はポンプに
よって圧縮されたものであるから、クランクアーム12
0又はピストン108に対向していても強い絞り作用を
受けるようになっていなければ特に問題はない。
本発明のディーゼルエンジンに於ては、前述の如くクラ
ンク室による掃気の圧縮に加えて或はこれに代えてパワ
ーシリンダーピストン装置とは別体のポンプシリンダー
ピストン装置を用いて高い掃気圧及び多い掃気量による
パワーシリンダの掃気を行うことが一つの基本的な構成
となっている。
そのためには掃気口開時即ち第1図〜第4図に示す実施
例に於ては、第一の群の掃気口128Aが開き始めると
きに成る充分高い掃気圧が得られるようになっていなけ
ればならない。
そのため本発明のエンジンに於ては、ポンプ300の下
死点(BDC)は第5図のクランク角線図に示されてい
る如く第一の掃気口開(So)の位相点より90°@の
位相点よりO〜20°後の位相領域内にあるように設定
される。
(第5図に示す位相の一実施例に於ては、ポンプBDC
は第一掃気口開の位相点より900前の位相点より6°
後の位相点に設定されている。
)又この実施例に於ては、掃気口開点(So)はパワー
ピストンBDCに対し600進んだ位置にある。
ポンプピストン308及び310がBDCよりTDCへ
向かうと、ポンプシリンダ302内の空気は第一の通路
152及び第二の通路154へ向けて押出される。
追加ポンプ300の圧力及びクランク室圧力をパワーピ
ストンの行程に対し示す第6図に示すように、追加ポン
プ300がポンプBDCに近い状態にあるときにはクラ
ンク室圧力の方がポンプ圧力よりも高い。
これより更にクランクが回転すると、ポンプ圧力がクラ
ンク室圧力よりも大きくなり、両者の圧力差がリードバ
ルブ160の抵抗に打勝つと、ポンプからの掃気は該リ
ードバルブ160を押開いて第一のクランク室124へ
流入する。
このとき第6図に示す如く追加ポンプの圧力は一瞬幾分
低下する。
これより第一のクランク室124の圧力はポンプ300
からの掃気の流入によって上昇する。
この場合、第6図に示す如くポンプ圧力はリードバルブ
160を開状態に維持するために第一クランク室圧力よ
りも若干高くなっている。
第6図に示す如く、追加ポンプ300からの掃気の供給
によって第一のクランク室124に於る圧力がより急勾
配に上昇し始めるころ、パワーピストン110は排気口
開の位相点Eoに達し、排気口130を開き始め、パワ
ーシリンダからの排気が開始される。
これより更にクランクシャフトが幾分回転したところで
パワーピストン108は掃気口開の位相点Soに達し、
ここで掃気口は第一掃気口128Aの側から開かれ、ク
ランク室124より通路138を経て供給された空気が
第一掃気口128Aよりパワーシリンダ内へ比較的緩や
かな旋回流を形成するよう噴出される。
かくしてパワーシリンダ内へ噴出された掃気空気はパワ
ーシリンダ内に残留する排気ガスを排気口130の側へ
向けて押しやり、それ自身は次第に厚みを増す空気の層
を形成する。
第1図及び第2図に示す如く第二の掃気口128Bは第
一の掃気口128Aよりクランク室124の側に幾分変
位して開口しているので、第5図に示す如く第一の掃気
口128Aが開き始める掃気口開の位相点(So)より
幾分遅れた第二掃気口開の位相点(S o’)にて開き
始める。
第二掃気口128Bが開き始めると、該掃気口からはポ
ンプ300より途中にフユーム形成室154aを含む通
路154を経て直接送られてくる掃気が噴出される。
この掃気中には特にその初期の成る期間に亘って燃料噴
射ノズル600より燃料が噴霧されるようになっており
、従って第二の掃気ポート128Bが開き始めたときこ
れより噴出される掃気は少なくともその初期の成る期間
に亘っては燃料粒子を含むフユームである。
尚第5図に示す如く、第二掃気口が開いてから第一の通
路152が閉じられるまでには成る位相区間が存在する
が、この区間に於ては追加ポンプ圧力とクランク室圧力
の間には実質的にリードバルブ160の前後に於る圧力
差が存在するのみであり、両圧力の間には実質的な差異
は存在しないので、クランク室124より第一の掃気ポ
ート128Aを経て噴出される空気とポンプ300より
直接第二のポート128Bを経て噴出されるフユームと
はほぼ同一の圧力にて一体となって噴出され、両者間に
成る程度の混合を生ずるが両者間に速度の差に基く剪断
による如き大きな乱れを生ずることはない。
かくして第一の通路152が閉じられるまでは第−及び
第二のポーt−128A及び128Bより緩やかな旋回
流を形成する掃気が噴出され、排気ガスと掃気の間に成
層状態を保ちつつ排気を次第に排気口130へ向けて押
しやる経過が生ずる。
この際パワーシリンダ102内には排気口130の側に
排気ガスの層が存在し、その掃気側にすぐ隣接して第一
の掃気口128Aより最初に噴出された空気のみの比較
的薄い層が存在し、それより掃気口側に第一の掃気口1
28Aより噴出された空気と第二の掃気口128Bより
噴出されたフユームの幾分混り合った層が存在する。
この場合、排気ガスの層に直接接する空気の薄い層は、
それがその後に続く空気とフユームの幾分混り合った層
と共に緩やかに旋回していることから、排気ガスの層と
の間に速度差による剪断を生じ、幾分乱れた層となって
おり、これによって排気ガスの層よりフユームに熱を対
流的に伝える作用を行い、これによってフユームの層は
特にその排気ガスの層に近い部分より排気ガヅの有する
熱によって強い加熱作用を受けるようになっている。
上述の如く排気ガスと掃気の間に成層状態を保った掃気
が成る程度進行し、掃気に強力な旋回流が与えられても
もはや掃気と排挨ガスの間に好ましからざる程度の攪拌
が生ずる虞れがなくなるころに、ポンプピストン308
は第一の吐出ポート332を閉じ、即ち第一の通路15
2を閉じる。
第一の通路152が閉じられると、それ以後はポンプ3
00の吐出する空気はすべて第二の通路154を経て第
二の掃気口128より噴出されることとなり、第二の掃
気口128Bからは掃気は高い速度で噴出され、パワー
シリンダ内に掃気の強い旋回流を形成する。
第5図に例示する如く、第二の掃気口128Bは第一の
掃気口128Aより5〜15°遅れて開かれるように設
定される。
これは前述の如く後になって強い旋回流を生じさせるた
めに掃気の量を節約し、ポンプ300内の残留掃気量を
多くするためである。
但しこの場合、パワーシリンダーピストン装置に於る掃
気口開閉の対称性から、クランク角線図で見てパワーピ
ストンTDCとパワーピストンBDCを結ぶ線に関し第
二掃気口開(So’)の位相点に対し対称の位置に第二
掃気ロ閉(Sc’ )の位相点がくるので、この掃気口
開点Sc’とポンプTDCの間の関係についても考慮さ
れなければならない。
即ち、もし第二掃気ロ閉息Sc’がポンプTDCより速
いと、ポンプ300が掃気を全部吐出し終えないうちに
第二掃気口が閉じてしまうことになるので、第二掃気ロ
閉息Sc’はポンプTDCより進み側にならないよう、
即ち第二掃気ロ開点So’はポンプTDCをパワーピス
トンTDCとパワーピストンBDCを結ぶ線に関して対
称に写した点以前の位置とされる条件が同時に満足され
るように掃気口開の位相点が定められなければならない
尚この場合、ポンプ300から第二掃気口128Bまで
掃気が流れるのに成る時間遅れがあることを考慮すれば
、第二掃気ロ開点So′はポンプTDCをパワーピスト
ンTDCとパワーピストンBDCを結ぶ線に関して対称
に写した位相点より前記時間遅れに相当する位相角以上
手前に設定されているのが好ましい。
但しポンプTDC近辺ではクランク角変位に対するポン
プストローク変位は小さいので、第二掃気ロ閉息とポン
プTDCが重なっても実用上は大きな欠点とはならない
追加ポンプ300の吐出ポート332がポンプピストン
308により閉じられ通路152が遮断される位相点は
、第−掃気口開点SoとパワーピストンBDCの中点(
第5図に於るPci点)を初成とし、ポンプ300に於
てポンプTDCまでにポンプピストンの全ストロークの
1/4が残されているクランク角位相点(第5図に於る
Pce点)を経眼とする位相領域内にあるように設定さ
れる。
尚ここでポート332或は通路152が閉じられる点と
は、ポート332がポンプピストン308により完全に
閉じられ、通路152を通る掃気の供給が完全に停止さ
れる位相点を意味する。
通路152の閉息が上述の如く定められる理由は、方に
於てはポンプ300を一つのブースタとしてクランク室
124内の圧力を上げ第一掃気口128Aより噴出され
る掃気圧を上げるためには、少なくとも上記初成の位相
位置程度までポンプ300よりクランク室124への掃
気の加圧供給を続けることが必要であり、又他方に於て
は前述の如く第一の掃気口128Aからは空気を又第二
の掃気口128Bからは少なくともその初期の成る期間
に亘ってフユームを供給することによりパワーシリンダ
内に残留する排気ガスをパワーシリンダ外へ押出すこと
を主たる目的とする成層掃気を行った後ポンプ300か
らの吐出空気をすべて第二掃気口128Bより噴出せし
めることによってパワーシリンダ内の掃気に強い旋回力
を与えるためには、通路152が遮断されポンプ300
からの圧縮空気がすべて第二掃気口128Bへ供給され
るようになったときポンプ300には尚充分な量の掃気
能力が残されていなければならないことを考慮してのこ
とである。
尚この場合、第−掃気口開点SoとパワーピストンBD
Cの間の角度のとり方及び第−掃気口開点Soに対する
ポンプBDCの進み角のとり力次第では上記の初成と経
眼とは位相が逆になることもある。
この場合には上述の如き初成と経眼を定める条件の間の
妥励を図るべく両限界点の間の適当な一点が通路152
を遮断する位相点として選択されれば良い。
吐出ポート332が閉じられると、それ以後は第一クラ
ンク室圧力は低下し始め、パワーピストンBDC前後で
急激に下降する。
吐出ポート332が閉じられた後もポンプシリンダ30
2の中央に設けられた第二の吐出ポート333より途中
にフユーム形成室154aを含む通路154を経て第二
の掃気口128Bへ至る掃気の供給は続けられる。
この場合、第4図に関連して既に説明した如く、第二掃
気口128Bはその数が4個であり、第一掃気口128
Aの8個に比してその数が少ないと共に、掃気口1個当
りの開口面積についても第二掃気口は第一掃気口に比し
てかなり小さく、従って第二掃気口の総開口面積は第一
掃気口の総開口面積よりかなり小さくされており、その
ため第二掃気口より噴出される掃気は強力なジェット流
としてパワーシリンダ内へ噴出され、パワーシリンダ内
の掃気に強力な旋回流を生ぜしめるようになっている。
−例として第二掃気口128Bの総開口面積は第一の掃
気口128Aの総開口面積の1/3程度とされるのが好
ましい。
尚エンジン回転数が高ければ高いほどポンプピストン速
度は高いので、パワーシリンダ内にはより強い旋回流が
発生する。
ポンプBDCがパワーピストンTDCより遅れる位相差
が本発明のエンジンに於る如く比較的大きい場合には、
比較的広い位相領域に亘ってクランク室圧力がポンプ圧
力より高くなるので、第1図に示す如く第一の通路15
2を経て掃気が逆流することを防ぐためにリードバルブ
160が必要である。
この場合、パワーピストンTDCを過ぎてパワーシリン
ダが膨張行程に入ったときポンプ300は未だ吸入行程
にあるので、第一の通路152が閉じられていないとポ
ンプ300が第一のクランク室124より空気を吸入し
、それだけエアクリーナ90からの空気の吸入が減少す
るので、ポンプ300及びクランク室124全体として
の吸入量が減少する。
リードバルブ160はこれを阻止する作用をなすもので
ある。
第一の通路152が遮断された後、第一のクランク室1
24内の圧力は第6図に示す如くパワーピストンBDC
の付近で急激に低下する。
一方第二通路154を通って第二掃気口128Bへ供給
される掃気の圧力は依然として高いが、しかしこれも追
加ポンプTDCの付近で同じく急激に低下する。
第一通路152が閉じられた後第二通路154を通って
第二掃気口128Bへ供給される掃気の量は、第一通路
152が遮断されたとき追加ポンプ300に残されてい
るポンプストロークの量によって定まり、これは前述の
如くポンプ300の全ストロークの1/4以上とされる
のが好ましい。
尚この場合、通路152が閉じられた後ポンプ300よ
り第二掃気口128Bへ実際に供給される掃気量は通路
154等に含まれる間隙体積によっても左右される。
第一のクランク室124にて圧縮された掃気は通路13
8及び掃気プレナム132Aを経て掃気口128Aより
パワーシリンダ102内へ送り込まれる。
一方第二のクランク室126にて圧縮された混合気は通
路140及び掃気プレナム132Cを経て第三掃気口1
28Cよりパワーシリンダ102内へ送込まれる。
第一のクランク室124は追加ポンプ300にて昇圧さ
れた空気を通路152を経て供給される為、そのクラン
ク室圧力は、掃気口開の位相点Soに於て、追加ポンプ
300の吐出掃気の供給を受けずエアクリーナ90から
直接空気の供給を受けるのみである第二のクランク室1
26尚の圧力よりもかなり高くなっている。
しかし第三掃気口128Cが第一掃気口128Aより遅
れて開口される側に偏位されていることにより、第三掃
気口128Cの開位相は第一掃気口128Aの開位相よ
りパワーピストンBDCにより近くなるので、第6図に
示す如く第三掃気口128Cが開くときの圧力So″は
追加ポンプを用いずクランク室圧縮のみによる掃気の場
合に第5図のSoのクランク角で掃気口が開いたときの
クランク室圧力(第6図に於る一点鎖線による曲線上の
圧力)よりも高くなり、第一クランク室圧力に近付くこ
とができる。
従って第二クランク室からの掃気は、エンジン高回転時
に高い掃気圧を必要とするとき、第一クランク室からの
掃気をバックアップする掃気として有効に作用する。
次に追加ポンプ300の行程体積について説明する。
本発明のディーゼルエンジンの場合には掃気の一部は単
なる空気ではなく燃料粒子を含むフユームであるが、前
述の如くかかるフユームは直接排気ガスに接する層とし
ては供給されず、直接排気ガスに接する層は空気のみの
層である為、掃気の一部に排気口への吹抜けを生じても
ガソリンエンジンの場合に於る如く重大な燃料の損失を
生じることはなく、良好な掃気を行なう為にパワーピス
トンの総行程体積の0.05〜0.25倍程度の掃気の
吹抜けを生ずることは許容される。
この場合、掃気を完全に行うために吹抜けさせる空気層
をあまり大きくすると排気によるフユーム加熱の効果が
減るので、この空気層は小さめにすることが必要である
この点を考慮して、本発明に於ては、第1図〜第4図に
示す如くクランク室圧縮を行なう場合には、追加ポンプ
300の行程体積はパワーピストン総行程体積の0.4
0〜1.10倍の範囲とされる。
この範囲で実際に如何なる値を採用するかは次の如くし
て定められる。
先ずエンジンが全力運転される際に最も高い頻度にて生
ずるエンジン回転数をとり、その回転数にて掃気がその
吹抜けを前述の許容範囲内に保って排気を排気口130
より押出したとき該排気口が排気側ピストン110によ
って閉じられるようにポンプ300の行程体積を決める
ポンプシリンダ302内の圧力は第6図に示す如く変化
し、掃気口開時(So)の第一クランク室圧力は同図中
のSoの値になっている。
この圧力にて掃気は第一掃気口128Aよりシリンダ1
02内へ吹出す。
但しこのとき掃気は掃気口によりやや絞られる。
掃気口128Aより吹出した掃気は螺旋を描きながら排
気口130へ向けて排気を押しつつ流れる。
尚このとき螺旋流を形成するのは掃気口128Abを経
て吹出される掃気であり、掃気口128Aaを経て吹出
される掃気はパワーシリンダの中心軸線に沿って進行す
る。
しかしパワーシリンダ内に於る掃気の進行は掃気口12
8Abより吹出された掃気によって形成される螺旋流が
主体であり、従って掃気が排気口に達するまでの時間は
掃気圧とシリンダ内に残留する排気圧の圧力差及び掃気
が描く掃気口より排気口までの螺旋流路の長さによって
決まり、エンジン回転数には直接関係しない。
従ってこの時間は掃気口及び排気口の配置及び形状が決
まればSoに於る掃気圧及びそれに続く掃気圧の変化に
よって決まる。
本実施例の場合には、第一掃気口128Aより噴出され
る掃気の圧力は第6図に示す如<Soより徐々に上昇し
、同じポートから先に噴出された掃気をバックアップし
、先に噴出された掃気が排気を押出すのを後方より強力
に支持する。
Soよりしばらくたつと、第二掃気口128Bが開き、
第二通路154を経て追加ポンプ300より直接送られ
てくる掃気(始めの成る期間はフユーム)が掃気圧So
′にて噴出される。
尚このときにはクランク室124内の圧力もそれに追従
して上昇しているので掃気口128Aと128Bよりは
ほぼ同じ圧力にて掃気が噴出され、これら両掃気口から
の掃気流は一体となってパワーシリンダ内をゆるやかに
旋回しつつ排気口側へ移動する。
更にこれよりしばらくすると、第三掃気口128Cが開
き、第二のクランク室126より通路140を経て送ら
れてくる掃気がSo“にてパワーシリンダ内へ噴出され
、先に噴出された掃気をバックアップする。
第一通路152が遮断されると、第一クランク室124
からの掃気はやや衰えるが、第一掃気口1°28Aから
の掃気は依然として持続する。
一方第二クランク室126からの掃気も第三掃気口12
8Cを経て続けられる。
これらの掃気はパワーピストンBDCに近付くにつれて
急速におとろえるが、それでもパワーピストンBDC後
にもしばらくは持続する。
一方第二通路154からの掃気は依然として高い圧力で
パワーシリンダ内へ流入り、%に第一通路152が遮断
され、ポンプ300の吐出空気が全て第二通路へ供給さ
れるようになるとパワーシリンダ内に強力な旋回流を形
成する。
その後第二掃気口128Bからの旋回流はポンプIDC
からしばらくたってその流入が終る。
往復動ポンプは、吸入慣性効果を無視すれば、回転数が
低いほどその体積効率がよくなり、又掃気の先端が排気
口に達するまでの時間は掃気圧、排気圧、掃気口及び排
気口の配置等によって決まり、エンジン回転数には直接
関係しないので、ある回転数のとき掃気が排気を排気口
から丁度出し終ったときに排気口が閉じられるようにマ
ツチングを行なうと(この回転数をマツチング回転数と
称する)、マツチング回転数以下では掃気の吹抜けがお
こり或はその量が増大し、マツチング回転数以上では排
気ガスがシリンダ102内に残留する。
従ってエンジン高回転時にトルクを大きくしようとすれ
ば、ポンプ300の行程体積を増し、掃気圧を上げる必
要がある。
このときには低回転高負荷運転に於て掃気の吹抜けが増
大する。
排気管に排気慣性効果があるときには、これも排気が排
気口に達する時間に影響する。
追加ポンプ行程体積が小さ過ぎると、第一クランク室の
間隙体積の影響と掃気口の絞りの影響によって掃気口開
時Soに於る掃気圧は高くならず、掃気口が開いた後掃
気圧は殆んど上昇せず或は急激に降下することもあり得
る。
一方追加ポンプの行程体積が大き過ぎると、Soに続く
掃気圧が高くなり過ぎる。
この場合、高い掃気圧の為に掃気と排気が入り混って掃
気の吹抜けが増大し、掃気効率が悪くなると同時に、追
加ポンプより吐出された掃気のうちシリンダ102内へ
流入せず掃気口が閉じたときにそれ以前の通路内に残っ
てしまう掃気の量が多くなる。
かかる滞留掃気の量が多くなると、その圧縮に要した仕
事の一部はポンプ動力に還元されるが、それでもポンプ
動力が大きくなり、エンジンの有効出力が低下する。
更に第一通路が遮断された後ポンプ300内に残留する
掃気も多いので、絞りの大きい第二通路154を経て多
量の掃気を送るようにすると、当然ポンプ動力が増大し
、エンジンの負担が大きくなり、結局エンジンの有効出
力が低下する。
パワーシリンダーピストン装置100の総行程体積に対
するポンプシリンダーピストン装置300の行程体積の
比に関する上述の下限値及び上限値は、本発明のエンジ
ンに於ける特徴の一つである高い掃気量及び掃気圧を与
える因子の一つであり、それは以下に説明される如き意
味合いを有する。
従来のクランク室圧縮のみに依存するニサイクルエンジ
ンに於ては、その給気比は0.5〜0.8程度である。
全追加ポンプ300の行程体積がパワーシリンダーピス
トン装置100の行程体積の1.10倍であるとし、こ
の追加ポンプの行程体積に対する吐出量の割合とその吐
出量の一部がクランク室内に滞留する割合を考慮し、追
加ポンプの行程体積の70%が実際にパワーシリンダ1
02内へ供給されるとし、又追加ポンプ300がないと
したときのクランク室124及び126によるクランク
室圧縮の給気比を0.5とすると、この場合の給気比t
は次の値となる。
7=1.10X0.7+0.5=1.27この内掃気が
吹抜ける量がパワーピストン総行程体積の0.25倍で
あるとすると、1.27−0.25=1.02(パワー
ピストン総行程体積に対する比)がパワーシリンダ内に
捕捉される掃気の量となる。
掃気口開(Sc)に於るパワーシリンダ102内の掃気
の圧力が1.3ata(絶対圧)近辺であるとし、これ
に掃気が外気より温度上昇した分の補正を加え、このと
きの掃気の密度が外気の1.3倍であるとすると、パワ
ーシリンダーピストン装置100の総行程体積をVsに
て表わせば、パワーシリンダ102内の掃気の体積Vs
cは Vsc=1.02Vs/1.3=0.78Vsとなる。
パワーピストンが排気口を閉じるときのパワーシリンダ
とピストンヘッドに囲まれる部分の体積Vecは0.7
8Vs程度の値である。
従ってこの場合、Vec=Vscとなり、パワーシリン
ダ外へ排気と掃気の一部を丁度押出したところでパワー
シリンダ内は掃気によって満たされることとなる。
尚この場合、クランク室の間隙体積が小さく、クランク
室圧縮のみによる給気化が大きく、追加ポンプから吐出
された掃気がクランク室内に滞留することが少なければ
、同じ掃気量を確保する為に必要な追加ポンプの行程体
積を小さくすることができる。
一方追加ポンプの行程体積がパワーシリンダーピストン
装置の総行程体積の0.4倍である場合について考える
と、この場合追加ポンプの総行程体積に対し実際にパワ
ーシリンダ102内に供給される掃気の割合が70%で
あるとし、又クランク室圧縮の給気比を0.8とすると
、給気比lは、!=0.4X0.7+0.8=1.08
となる。
この内排気口閉のときまでにパワーシリンダを吹抜ける
掃気の量が0.05(パワーシリンダ総行程体積に対す
る比)とすると、パワーシリンダ内に補足される掃気の
量は1.03(同様の比)となる。
この場合にもパワーシリンダ内に於る掃気の密度を外気
の1.3倍であるとすると、パワーシリンダ内に補足さ
れる掃気の体積はパワーシリンダ総行程体積の0.79
倍となる。
これは上述の如くパワーピストンが排気口を閉じるとき
パワーシリンダとピストンヘッドによって囲まれる部分
の体積Vec(:0.78Vs)にほぼ等しい。
従ってこの場合にもパワーシリンダ内よりすべての排気
ガスが一部の掃気と共に排出されたとき丁度排気口が閉
じられることになる。
かくして、要求されるパワーシリンダ内の体積効率をど
の程度にとるか、又クランク室圧縮のみの給気比をクラ
ンク室の設計によっていかなる値にとるかによって、要
求される追加ポンプの行程体積が異なってくる。
この場合、ポンプ体積効率はエンジン回転速度によって
変化するが、ディーゼルエンジンの場合には、ガソリン
エンジンと異なり、上述の如く比較的広い範囲の掃気の
吹抜けが許されるので、エンジン回転速度によるポンプ
体積効率の変化を比較的容易に吸収することができる。
次に掃気圧について考察する。
通常クランク室圧縮のみに於る間隙体積は2〜3Vs(
従って圧縮比は1.5〜1.3)であるが、ピストンの
裏側を詰める等の特殊な設計を行えばそれを1.3Vs
(圧縮比1.75)程度まで縮少することができる。
−例として、第1図〜第4図に示す実施例の如く追加ポ
ンプからの掃気は第一クランク室124のみへ供給され
、第二クランク室126へは供給されず、第一クランク
室の間隙体積は第一クランク室の総行程体積をVs 1
(=1/2Vs)としたとき2Vs1、追加ポンプの行
程体積は1.10 Vs= 2X 1.10 V s
1、追加ポンプ、第一通路152及び第二通路154の
間隙体積はO−15V s r、追加ポンプBDCと掃
気口開点(So)の間のクランク角は800とすると、
追加ポンプ300、第一クランク室124、第一通路1
52及び第二通路154よりなる系の最大体積は、第一
クランク室体積(3Vs1)、追加ポンプ行程体積(2
,2Vs1)及び追加ポンプ、第−及び第二通路の間隙
体積(0,15Vs、 )の和、即ち3 V s 1+
2.2 V s1十0.15vs1=5.35vs1で
ある。
一方掃気口開点(So )に於る上記系の体積は次の如
くなる。
即ち掃気口開点とパワーピストンBDCの間のクランク
角は前述の如く60°であるとすると、第一クランク室
体積は 2Vs、+ n Vs1=2.25 V s 1である
又追加ポンプBDCと掃気口開点(So)の間のクラン
ク角は80°であるから、このとき追加ポンプと第−及
び第二通路とが構成する体積襠=1.44■s1である
従ってこれらの和は2.25Vs +1.44Vs1=
3.69Vstである。
従って掃気口開点(So)に於る圧縮比CRsoは となる。
第一クランク室及び追加ポンプの吸入体積効率はioo
%にはならないので、CRs o=1.45のとき掃気
口開点(So)に於る掃気圧としては1.4ata近辺
の値が得られる。
上記の条件で追加ポンプBDCち掃気口開点(So )
との間のクランク角が90°−0=90゜のときのCR
soは次の値となる。
上記の条件で追加ポンプBDCと掃気口開点(So)と
の間のクランク角が90°−20’=70°**のとき
のCRsoは次の値となる。
更に追加ポンプBDCと掃気口開点(So)との間のク
ランク角が800のときの条件で追加ポンプ300から
の掃気が第−及び第二のクランク室沫米124及び12
6の両者へ等分に分けられた場合のCRsoは次の値と
なる。
次に追加ポンプの行程体積は0.40Vs=2XO,4
0V s t、追加ポンプからの掃気は第一クランク室
124のみへ送られ、第一クランク室の間隙体積は1.
3Vs、、追加ポンプ、第−及び第二通路の間隙体積は
0.15Vs1、追加ポンプBDC!気口開点(So)
の間のクランク角は900、掃気口開点(So)のパワ
ーピストンBDCの間のクランク角は60°であるとし
たときのCRsoは次の値となる。
以上から明らかな如く、クランク室の間隙体積が小さい
ほど、追加ポンプの行程体積が大きいほど、ポンプBD
Cと掃気口開点(So)の間のクランク角が大きいほど
、掃気口開点(So)に於てパワーシリンダに供給され
る掃気圧は高くなり、又かかる掃気圧は追加ポンプより
一方のクランク室へのみ掃気が供給される場合の方が追
加ポンプより両方のクランク室へ掃気が供給される場合
より高くなる。
Lかし追加ポンプの行程体積を増しすぎると、掃気量が
過大となり、掃気の吹抜けが増大し、又追加ポンプの駆
動に大きな動力を必要とり、 Lかもその一部が無益
に失われることになる。
ポンプBDCと掃気口開点(So)の間のクランク角が
大きすぎると、掃気期間後半(パワーピストンBDCよ
り後の期間)に於る掃気の実際の供給時間が短くなると
いう欠点がある。
上述の如き種々の用途或は条件を設計すべきエンジンに
要求される諸条件に合わせて仮に定め、これによりエン
ジンを試作し、その後実験によってエンジン性能及び排
気ガス規制基準に関する要求が満足されるように各種の
条件を修正していく。
かかる試験研究の結果、本発明者等は追加ポンプの行程
体積がそれが掃気を供給するパワーシリンダーピストン
装置の総行程体積の0.40〜1.10倍であり、追加
ポンプBDCが掃気口開点(So)より90°手前の点
よりO〜200後の位相領域内にあり、第一通路閉時期
が掃気口開点(So)とパワーピストンBDCの間の中
点と追加ポンプがそのTDCまでに全ストロークの1/
4を残す位相点の間にあるとき、本発明による基本構成
を有するエンジンはエンジン性能及び排気ガス規制基準
に関する要求を好ましい態様にて満足することができる
ことを見出した。
第7図及び第8図はそれぞれ主燃料噴射ノズル500及
びフユーミゲイション用燃料噴射ノズル600の一つの
実施例を示す幾分解図的縦断面図である。
燃料噴射ノズルとしては任意の公知の構造のものが用い
られてよいが、第7図及び第8図に示すノズルは自動噴
射弁型のノズルとして知られているものであり、図示の
実施例に於ては燃料噴射ノズル500と600とはノズ
ル先端部の孔の構造と容量の相違を除き互いにほぼ同一
の構造を有している。
これらの燃料噴射ノズルはそれぞれハウジング502及
び602を有し、該ハウジング内に形成されたシリンダ
ポア504,604にはニードル506,606が摺動
可能に収められている。
主燃料噴射ノズル500のハウジング502り先端には
二つの噴射口508が設けられており、これに対しフユ
ーミゲイション用燃料噴射ノズル600のハウジング6
02の先端部には単一の噴射口608が形成されている
噴射口508.608への入口部にはそれぞれ弁座部5
10.610が形成されており、これらの弁座部にはそ
れぞれニードル506.606の先端部が各ニードルの
上端部に作用する圧縮コイルばね512 、612の作
用により押付けられている。
弁座部510,610の入口部には圧力室514゜61
4が形成されており、該圧力室には燃料入口ポート51
6 、616へ供給された燃料が通路518.618を
経て供給されるようになっている。
各燃料噴射ノズルの燃料入口ポート516゜616には
以下に詳細に説明される燃料噴射ポンプより燃料導管7
02及び704を経て加圧された液体燃料が供給される
ようになっている。
尚以下の説明に於て明らかにされている如く、主燃料噴
射ノズル500の燃料入口ポート516に供給される燃
料油圧はフユーミゲイション用燃料噴射ノズル600の
燃料供給ポート616に供給される燃料油圧よりかなり
高い値とされており、これに伴って燃料噴射ノズル50
0に於る圧縮コイルばね512の強さは燃料噴射ノズル
600に於る圧縮コイルばね612の強さよりかなり強
くされている。
518及び618はそれぞれ燃料逃しポートであり、又
520及び620は燃料入口ポートに設けられたフィル
タである。
これら各燃料噴射ノズルの圧力室514,614に開弁
圧力以上の燃料油圧が供給されると、ニードル506,
606は圧縮コイルばね512゜612の作用に抗して
図にて上方へ押上げられ、弁座部510,610が開か
れ、燃料は圧力室514.614より噴射口508,6
08を経て噴射される。
第9図は燃料噴射ポンプ700の一つの実施例を示す幾
分解図的縦断面図であり、第10図はその一部の構造に
関する内部を破断して示す斜視図である。
又第11図は第9図及び第10図に示す構造に含まれる
スリーブとプランジャの種々の係合状態を示すためにそ
の内部を破断して示す斜視図であり、第12図及び第1
3図は第9図に於る矢印X[I−XII、XI[l−X
1方向に見た二つのカムの輪郭図である。
これらの図に於て、710は第1図に示す如きエンジン
に於るクランクシャフト12又は14の1/2の回転数
で駆動されるカムシャフトである。
このカムシャフトには第12図及び第13図に示す如き
カム712及び714が設けられている。
カム712はカムフォロア716を圧縮コイルはね71
8の作用に抗して図にて上方へ駆動するようになってい
る。
カムフォロア716のフランジ部716aにはプランジ
ャ720がその下端部に形成されたフランジ部720a
にて軸線の周りに回動可能に係合している。
プランジャ720は該プランジャに対するポンプシリン
ダを形成するスリーブ722内に摺動可能に係合してお
り、その上部にポンプ室724が形成されている。
スリーブ722には第−及び第二のポート726a及び
726bが形成されており、これらのポートには燃料導
管728を経て燃料が供給されるようになっている。
プランジャ720の上端部にはポート726a及び72
6bと共働して燃料の吐出量を制御する溝730が形成
されている。
この溝730は第11図に示す如くプランジャ720が
その軸線の周りに回動されることによりプランジャ72
0の種々のシフト位置にてポンプ室724をポーt−7
26bに逃すようになっており、従ってプランジャ72
0の回動位置によってポンプ吐出量が変えられるように
なっている。
この目的のためにプランジャ720はその下部に設けら
れたプレート732、該プレートに切欠き7734aに
て係合するスリーブ734、該スリーブの上端部に装着
されたピニオン736、該ピニオンを駆動するラック7
38の如き制御機構によってその軸線の周りに適宜回動
されるようになっている。
この場合、ラック738はアクセルペダルの如きアクセ
ル操作機構に連結されている。
第11図のaに示す状態は全負荷に於る吐出行程の開始
時のプランジャ720とスリーブ722の間の関係を示
し、同図のbに示す状態はその吐出行程に於る噴射終了
時の状態を示す。
又同図Cに示す状態は部分負荷で吐出行程が開始される
ときのプランジャとスリーブの関係を示し、同図dは部
分負荷で吐出が行われており噴射終了が間近い状態を示
す。
最後に同図eはエンジンストップの位置にプランジャが
回転されている状態を示す。
プランジャ720の上昇によってポンプ室724より図
にて上方へ向けて押出された燃料油は吸戻弁740をば
ね742のばね力に抗して上方へ押上げて吐出室744
へ流れ、これにより通路746及び燃料導管702を経
て主噴射ノズル500へ送られる。
かかる溝付プランジャ720とポンプシリンダ722を
用い、プランジャ720の回転位置を変えることによっ
て吐出量を変える如くした図示の如きジャークポンプ型
の噴射ポンプの構造は、それ自身ボッシュ型の燃料噴射
ポンプとして公知のものである。
本発明のエンジンに使用する燃料噴射ポンプ700は、
かかる公知のボッシュ型燃料噴射ポンプの構造に加えて
前述のカム714によって作動されるフユーミゲイショ
ン用燃料を制御する弁構造を含んでいる。
即ち、吐出室744からは分岐通路748を経て燃料の
一部が分岐されるようになっており、この燃料はポンプ
ハウジング700aの一部に形成されたポア750の上
部に、郭定されたポンプ室752へ導かれている。
ポア750にはカム714によって作動されるカムフォ
ロア754に接続するロンドア56が係合しており、該
ロッドの上端部は小径部756aとして縮径されており
、その周りに前述の弁室750が形成されている。
ロッド756はそれがカム714によって上方へ駆動さ
れるとその上端部にてスプール状のカットオフバルブ7
58を圧縮コイルばね760の作用に抗して図にて上方
へ押上げ、カットオフバルブ758の下端とそれが座す
る弁座部762の間を開き、ポンプ室750より燃料油
を弁室764とスプール状カットオフバルブ758の間
に郭定された環状の空間764aに流出せしめる。
この環状空間764aに流出した燃料油はスプール状カ
ットオフバルブ758の軸部に形成されたT字型の中空
通路758aを経てスプール状カットオフバルブの上方
へ流出し、弁室764の上方の主部へ入り、これより通
路766及び燃料導管704を経てフユーミゲイション
用燃料噴射ノズル600へ向けて供給されるようになっ
ている。
カムシャフト710の回転に伴って第12図及び第13
図に示す如くプランジャ720がカム712の吸込口締
切リフトに相当する分だけ押上げられると、プランジャ
720はポート726a及び726bを丁度線切る。
これよりプランジャは圧縮を開始する。
これと並行してカム714は第13図に示す如きカムロ
ープによってロッド756を押上げ、カットオフバルブ
758を開いており、従ってプランジャ720が吸込口
締切リフトを越えて駆動されるとき吐出される燃料は分
岐通路748よりカットオフバルブ758を経て燃料導
管704へ流れ、フユーミゲイション用燃料噴射ノズル
600へ供給される。
かかるフユーミゲイション用燃料の供給によって第14
図に示す如くその燃料圧力が燃料噴射ノズル600の開
弁圧力に達したところで、該燃料噴射ノズルはフユーム
形成室り36a内ヘフユーミゲイション用燃料を噴射す
る。
再び第12図について見て、カムリフトがその上昇過程
を経て一定リフト712aに達すると、プランジャ72
0は上昇を停止し1このためポンプ室724からの燃料
の吐出は吸戻弁740によって遮断され、フユーミゲイ
ション用燃料の噴射は停止される。
その後パワーピストンTDC付近までカム712に於る
カムリフトは不変である。
一方カム714に於るカムリフトはフユーミゲイション
用燃料の噴射が停止されたところで零に戻り、カットオ
フバルブ758は圧縮コイルばね760の作用により閉
じられる。
カム712のリフトはパワーピストンTDCの手前で再
び増大を始め、プランジャ720を押上げ始める。
そしてやがて吸戻弁740が開き、ポンプ室724より
押出された燃料は今度はすべて通路746、燃料導管7
02を経て主燃料噴射ノズル500へ向けて送り出され
る。
燃料噴射ノズル500に供給される燃料油圧が該燃料噴
射ノズルの開弁圧力を越えて上昇すると、該燃料噴射ノ
ズルは開かれ、第14図に示す如く主燃料の噴射が行わ
れる。
このときはカットオフバルブ758が閉じられているの
で、フユーミゲイション用燃料噴射ノズル600への燃
料の供給は行われない。
カム712がそのカムリフトの最高点に達すると、これ
より燃料圧 は急激に低下し、吸戻弁740が閉じ、主
燃料噴射ノズルからの燃料の噴射はここで停止される。
その後更にカム712が回転を続けると、カムリフトは
零に戻り、プランジャ720は圧縮コイルはね718の
作用により図にて最も下方へ移動した戻り位置に戻り、
その際ポンプ室724は燃料で満たされ、次の燃料噴射
に備える。
フユーミゲイション用燃料の噴射時期については、第5
図に於て第二掃気ロ開点So’より直ちにフユームが供
給され、第−通路閉初成Pci あたりで主要フユーム
の噴出が終わるようにするのが好ましい。
フユームは上記の如き位相区間にて主要フユームが噴出
した後も幾分かは第二掃気口から噴出されるが、これは
パワーシリンダ内へ噴出されたとき排気ガスの層からか
なり隔った位置にあるので、それが排気ガスより加熱を
受ける機会は少なくなる。
フユーム形成室138aと第二掃気口128Bの間にか
なりの距離がある場合には、最初第二の掃気口128B
からは前のサイクルに於る空気が出てくるので、第二掃
気口が開いた後フユームが出てくるまでには多少の時間
がかかる。
第二掃気口が開いたとき直ちにフユームを噴出させるた
めにはフユーム用燃料噴射ノズル600は第二揺気ロ開
点よりクランク角で15°位前の位相位置にて燃料の噴
射を行うよう設定されていなければならない。
フユーミゲイション用燃料の量はパワーシリンダで消費
される全燃料の8〜20%とされるのが好ましい。
但しフユーミゲイション用燃料の量はエンジンの負荷に
関係なくほぼ一定であるようにする。
従来のディーゼルエンジンに於る燃料噴射期間はクラン
ク角で300位であるから、上記の割合を保つためには
フユーミゲイション用の燃料噴射期間のクランク角は非
常に小さくなる。
フユームを形成する空気の量は全掃気の空気量の10〜
25%とされるのが好ましい。
かかる条件に適合するようにフユーム形成室138aの
容積、通路152,154、第一、第二、第三の掃気口
128A、128B、128Cの断面積を加減する。
第15図は本発明によるエンジンの第二の実施例を示す
平面図であり、第16図は第15図の線X■−XVIに
よる断面図、第17図は第16図の線X■−X■による
断面図である。
この第二の実施例は第1図〜第4図に示す実施例と比較
して掃気口及び掃気プレナムに関する構造が異なるもの
である。
従って第15図〜第17図に於ては第1図〜第4図に示
す部分に対応する部分は第1図〜第4図に於ると同じ符
号により示されて0)る。
この第二の実施例に於ては、第一の実施例に於る第−及
び第三の掃気口128A及び128Cに代えてこれらを
一体にした構成のただ一つの群の掃気口128Aが設け
られている。
又これに対応して掃気プレナムも第一の実施例に於る二
つの掃気プレナムム132A、132Bに代えて単一の
掃気プレナム132として構成されている。
かかる単一の掃気プレナム構造に対する掃気の供給構造
は、第一のクランク室124から掃気を導く通路138
が幾分絞られたジェット部138aを経て掃気プレナム
132に接続され、第二クランク室126より掃気を導
く通路140は前記ジェット部138aの部分にて通路
138に合流するよう接続されている。
この場合、第15図に示す如くジェット部138aに於
る通路138への通路140の合流は両通路間のなす角
度が合流点の上流の部分に於て90’以下の鋭角をなす
よう、即ち通路140よりジェット部138aへ向けて
吹出される掃気が掃気プレナム132へ向かう方向のベ
クトル成分を有するように構成されてl/)る。
第6図に示す如く、追加ポンプ300からの掃気により
第一クランク室124内の圧力が第二クランク室126
内の圧力より実質的に上昇するのは掃気口開(SO)に
近いその手前の位相位置であり、従って通路138と1
40の合流点139(こ於てそれまで互いに同じ値を保
ちつつ昇圧してきた第一クランク室圧力と第二クランク
室圧力の間のバランスがくずれ通路138側の圧力が高
くなるのは掃気口開(So)の手前近くである。
従って通路138内の圧力が通路140内の圧力より上
がっても、その直後に掃気口128が開かれることから
、両通路の合流点139にはジェット部138aを通っ
て掃気プレナム132へ向かう掃気の強い流れが生じ、
通路138側のより高圧の掃気が通路140を経て第二
クランク室126の側へ向かう逆流を生ずる危険はない
又多少の逆流があったとしても殆んど障害とはならない
か・くして追加ポンプ300より供給された掃気により
第一クランク室124内の圧力は有効に高められ、掃気
口128が開くと通路138を経て多量の掃気が掃気口
128へ向けて送られる。
このときジェット部138aにて掃気が幾分絞られこの
絞り部にて通路138内の掃気は全て掃気プレナム13
2へ向うように方向ずけられることにより、掃気プレナ
ム132内には圧力がピルドア゛ンプされ、掃気圧が上
昇する。
その結果、通路140内の掃気は進行を妨げられ、しか
も第二クランク室126内の混合気は更にパワーピスト
ンによって圧縮されるので、第二クランク室圧力は第6
図(こ示す如く上昇する。
かくして第二クランク室圧力が充分に上昇し且つジェッ
ト部138aに於る流速が大きくなったところで、通路
140より掃気プレナム132への掃気の供給が行われ
る。
この時期が第6図に於てSo“にて示されている。
これ以後ジェット部138aの流速が上昇すると共(こ
ジェット部138aに於て通路140に対する吸出し作
用が生じ、通路140を通る掃気の供給が速やかに行わ
れる。
第15図〜第1T図に示す第二の実施例に於るその他の
構成及び作用は第1図〜第4図に示す第一の実施例のそ
れらと同様であるので、説明の重複を避けるためそれら
に関する説明は省略する。
第18図は本発明によるエンジンの第三の実施例を示す
平断面図である。
この実施例は掃気口の構造に関しては第15図〜第17
図に示す第二の実施例と同じ構造を有するが、この第三
の実施例に於ては、追加ポンプ300の第一の吐出ポー
ト332から取出された掃気は通路152及び155を
経てそれぞれ第−及び第二のクランク室124及び12
6へ供給されている。
掃気圧に関する種の試算に関連して前述した如く、追加
ポンプからの掃気が第−及び第二の両クランク室へ供給
される場合には、同じ条件の下に於て追加ポンプからの
掃気が第一クランク室のみへ供給される場合に比して掃
気圧は低下するので、追加ポンプの行程体積に余裕のな
いときは掃気圧を上げる為に第−及び第二の実施例に於
る如く追加ポンプからの掃気は第一クランク室のみへ供
給されるのが好ましいが、追加ポンプ行程体積に余裕が
あるときは、追加ポンプからの掃気を第−及び第二のク
ランク室へ供給し、第二クランク室からの掃気を十分長
い時間に亘ってパワーシリンダ内へ供給するようにする
ことができる。
又この場合には第二クランク室内に掃気が滞留する度合
が低減され、第二クランク室の有効性を増大させること
ができる。
尚この実施例に於る如く追加ポンプからの掃気が第−及
び第二のクランク室へ供給されるときには、第−及び第
二のクランク室からの掃気を導く通路138及び140
が合流する合流点は、特に第15図〜第17図に示す第
二の実施例に於る如くジェット構造を含む特殊な合流構
造とされる必要はなく、第18図に示す如き通常の合流
構造であってよい。
第18図に示す第三の実施例に於るその他の構成及び作
用は第1図〜第4図に示す第一の実施例或は第15図〜
第17図に示す第二の実施例のそれらと同様であるので
、説明の重複を避ける為にそれらに関する説明は省略す
る。
第1図〜第4図に示す第一の実施例及び第15図〜第1
8図に示す第二及び第三の実施例に於て第一通路152
に設けられているリードバルブ160は実際にはかなり
太きいものであり、そのため第一通路の間隙体積が大き
くなるという問題を含んでいる。
かかる問題は特にエンジンが小型の場合に重大である。
そこでかかるリードバルブ160を廃し、第一通路15
2がクランク室124へ開口する部分にクランクアーム
120によって開閉制御されクランク室124より第一
通路152へ向けて混合気の逆流が生ずる虞れのある期
間中両者の連通を遮断する弁装置を組込むことが提案さ
れる。
第19図〜第22図に示す第四の実施例及び第23図〜
第25図に示す第五の実施例はかかるクランクアームに
より制御される弁構造を組込んだ実施例であり、このう
ち第19図〜第22図に示す第四の実施例は第1図〜第
4図に示す第一の実施例に対し上述の如き弁構造の置換
えを行ったものであり、又第23図〜第25図に示す第
五の実施例は第15図〜第17図に示す第二の実施例に
ついて上述の如き弁構造の置換えを行ったものである。
第19図〜第22図及び第23図〜第25図に於て第1
図〜第4図及び第15図〜第17図に於る部分に対応す
る部分はそれらの図に於ると同じ符号により示されてい
る。
これら第四及び第五の実施例を示す第19図〜第25図
に於て、クランクアーム120の一方は第一通路152
が第一クランク室124に開口するポート153に対向
する環状のランド部120aを形成されてむり、該環状
ランド部の一部にクランクアーム120の成る位相領域
に亘ってポート153に対向する円弧状の開口121が
設けられている。
開口121は掃気口開の位相点Soより600程手前の
位相点にて開き始めれば良い。
これはこれら第四及び第五の実施例に関するパワーピス
トン行程と追加ポンプ圧力及びクランク室圧力の関係を
示す第26図より分かる如く、それ以前にポート153
が開いても追加ポンプ圧力は第一クランク室圧力よりも
そう高くなっていないからである。
従って掃気口開点がパワーピストンBDCの手前60°
の位相位置にあるときには、開口121はパワーピスト
ンBCD(7)手@1200ノ の位相位置よりポート
153に重なるように開口されていればよい。
上記の角変は60’以下であっても良いがそれがあまり
小さいとエンジン高回転時に掃気の流動遅れのため掃気
口開時(So)に追加ポンプの掃気によって第一クラン
ク室圧力1 が充分昇圧していないという事態が起こる
虞れがある。
第20図及び第24図に於るxxxx−xxxx及びX
XXXI−XXXXI断面はそれぞれパワーピストンB
DCに於る状態を示しているので、図に於る角度θはポ
ート153がランド部120aによって閉じられる位相
点即ち第一通路閉の位相点とパワーピストンBDCの間
のクランク角度を与えるものであり、従ってこの角度が
第1図に示すクランク角線図で見て第一通路閉の初成(
Pci)と経眼(Pce)の間にて選定される第一通路
閉の位相点とパワーピストンBDCの間の角度とされる
ときは、かかるスライド機構を第一通路の閉位相を制御
する制御機構としても用いることができる。
この場合にはポンプ300の第一吐出ポート332は第
二吐出ポート333と同じ位置に設けられてよい。
この方式に於てはポート153が開口121によって開
かれているときにはリードバルブ160による如き圧力
降下は殆ど生じないので、第26図に示す如くこの位相
区間に於る追加ポンプ圧力と第一クランク室圧力とはほ
ぼ等しくなる。
尚クランクアーム120に於る環状ランド部120aが
開口121以外の部分でポート153を閉じる作用は、
パワービス)/BDC(7)手前数十度の位相にある第
一通路152の遮断がポンプ300に於ける第一の吐出
ポー)332(7)位置によって制御される限り、第2
6図より分かル如くパワーピストンTDC近辺及び追加
ポンプBDC近辺に於てクランク室が圧縮を開始したと
き、追加ポンプが未だ吸入行程にあり、クランク室より
ポンプ室へ混合気の逆流が生ずることを避けるためのも
のであるから、環状ランド部120aが開口121以外
のところでボート153を完全に鎖していなければなら
ないものではなく、上記の如き目的に照らして充分な程
度にその遮断性を与えるものであれば充分である。
第19図〜第22図に示す第四の実施例に於るその他の
部分に関する構成及び機能は第1図〜第4図に示す第一
の実施例に於るそれらと実質的に同じであり、又第23
図〜第25図に示す第五の実施例に於るその他の部分の
構成及び機能は第15図〜第17図に示す第二の実施例
のそれらに実質的に同等であるので、ここでは説明の重
複を避けるためそれらについての説明は省略する。
第27図は更に本発明の第六の実施例を示す第1図に類
似の図である。
この実施例に於ては、ポンプ300は単ピストン式の往
復動型ポンプシリンダーピストン装置として構成されて
訃り、丁度第1図に示す実施例に於るポンプ装置300
の図にて右半分に相当する部分、即ちピストン310、
コンロッド314、クランクビン318、クランクアー
ム322よりなるポンプ構造を欠く構造をなしているも
のである。
第27図に於て第1図に示す部分に対応する部分は第1
図に於ると同じ符号により示されており、それらの機能
は第1図の実施例に於ると同じである。
かかる単ピストン式のポンプを用いる場合には、パワー
ピストンに対するポンプピストンの相対的大きさ及びポ
ンプ装置の動的バランスに関して、水平対向ピストン式
ポンプを用いた場合に比して難点はあるが、製造コスト
は低減され、特にエンジンがより小型である場合には前
記難点を補償するに充分な利益が得られる。
第27図に示す実施例のその他の構成及び作動は第1図
に示す実施例のそれと同じであるので、その説明は重複
を避けるために省略する。
又類似の変更は第15図に示す実施例についても行える
ものである。
第28図は本発明の第七の実施例を示す平断面図であり
、第29図は第28図に於る線XXIX−XXI)(に
よる断面図である。
この第七の実施例に於ては、第15図〜第17図に示す
第二の実施例に於る構造のニサイクルユニフロー水平対
向ピストン式パワーシリンダーピストン装置100にカ
ロえて実質的にこれと同形の他の一つのパワーシリンダ
ーピストン装置200が組込まれている。
この第二のパワーシリンダーピストン装置200の第一
のパワーシリンダーピストン装置100の各部に対応す
る部分は、第一のパワーシリンダーピストン装置の該当
する部分に付されているlOO番台の参照符号を下2桁
が同じの200番台の対応する参照符号とすることによ
って示されている。
但し主及びフユー□ゲイジョン用燃料噴射ノズルはそれ
ぞれ500′及び600′とされている。
第28図より明らかな如く、第−及び第二のパワーシリ
ンダーピストン装置100及び200のパワーピストン
108及び110と208及び210とは互いに180
°の位相差をなすように構成されている。
かかる二つのパワーシリンダーピストン装置を有するエ
ンジンに於て、これら二つのパワーシリンダーピストン
装置に対する追カロの掃気ポンプを寸法的にパワーシリ
ンダーピストン装置によりよく調和し且つ互いに180
0の位相差をもって作動する二つのパワーシリンダーピ
ストン装置に対しそれぞれの位相に適合すべく 180
’の位相差をもって二種類の掃気を与えるものとして構
成するには、第28図に示す如ぐ追加ポンプとして複動
式の水平対向ピストン式ポンプシリンダーピストン装置
400を用いるのが好ましい。
このポンプ400はシリンダブロック10により支持さ
れたポンプシリンダ402を有し、該ポンプシリンダの
周りにはジャケット壁404により冷却ジャケット40
6が設けられている。
ポンプシリンダ402内には一対のポンプピストン40
8及び410が互いに対向して係合してむり、これらの
ポンプピストンはそれぞれブツシュロッド412及び4
14と連結されている。
これらのブツシュロッドは各々ポンプシリンダ402の
両端を閉じるエンドプレート416及び418に設けら
れた孔420及び422を貫通して延びている。
孔420及び422はそれぞれブツシュロッド4141
2及び414を密封スライド式に支持する軸受孔として
構成されている。
かかる構成によりポンプシリンダ402の内部は三つの
ポンプ室424゜426.428に分けられている。
ブツシュロッド412及び414の他端は第29図によ
りよく示されている如く各々Oメンバ430及び432
に連結されている。
この連結部は、第29図に示すブツシュロッド412と
Oメンバ430との結合部について説明すると、Oメン
バ430のねじ孔434にブツシュロッド412の端部
に形成されたねじ部436がねじ込まれ、そのねじ込み
位置にてピン438により廻止めされた構造とされてい
る。
Oメンバ430及び432はそれぞれ溝440及び44
2を有し、これらの溝にクランクビン444及び446
が係合している。
クランクピン444及び446は各各クランクシャフト
12及び14上に設けられた一対のクランクアーム44
8及び450によって担持されている。
これらのクランク装置を収容するクランク室452及び
454は図には示されていないポジティブクランクケー
スベンチレーションバルブヲ介してエアクリーナ90の
内部に連通され圧カッくランスを行うことが図られてい
る。
エアクリーナ90の出口は、通路50及びこれを二つに
分岐した通路50a及び50bを経て第−及び第二のパ
ワーシリンダーピストン装置100及び200のポート
144及び244に、又通路52及びこれを二つに分岐
した通路52a及び52bを経て第−及び第二のパワー
シリンダーピストン装置100及び200のポート14
6及び246へ接続されていると共に、通路60 、6
2 。
64を経てそれぞれポンプ室424.426 。
428に開口するポート456,458,460に接続
されている。
通路60.62.64にはそれぞれポート456,45
8,460に近接してリードバルブ66.68.70が
設けられている。
ポンプ室424は第一の出口ポート462より通路72
を経て第一のパワーシリンダーピストン装置100のク
ランク室124に接続されてトリ、又その第二の出口ボ
ート463は途中にフユーム形成室154aを含む通路
73を経て第一のノ〈ワーシリンダーピストン装置10
0の掃気口128Bに接続されている。
一方、ポンプ室426及び428はそれぞれ第一の出口
ポート466及び468より通路74及び76及びこれ
らが合流する通路79を経て第二のパワーシリンダーピ
ストン装置200のクランク室224へ接続されている
ポンプ室426及び428は更にそれぞれの第二の出口
ポート46T及び469より通路75及び77並びにこ
れらが合流する通路81及びその途中に設けられたフユ
ーム形成室254aを経て第二のパワーシリンダーピス
トン装置200の掃気口228Bに接続されている。
ポンプ400に於る入口ポー)456,458,460
及び第二の出口ポート463,467.469は、いづ
れもピストン408及び410がポンプ室424426
.428に関するBDC及びTDCに来たときにもこれ
らのピストンと干渉することなく各ポンプ室に対し確実
に開口するように配置されている。
これに対しポンプ室424に関する第一の吐出ポート4
62は、ポンプ室424に関するBDCの手前に位置し
第5図のクランク角線図で見て第−通路閉初l5IIP
c iと第−通路閉絡1sIIP c eの間にある
選択された一つの位相点にてポンプピストン408によ
り閉じられるようになっている。
同様にポンプ室426及び428に於る第一の吐出ポー
ト466及び468は、それぞれポンプ室426及び4
28に関するBDCの手前にある前記第一通路閉の初1
sjJ’ c iと結成Pceの間にある選択された一
つの位相点にてそれぞれポンプピストン408及び41
0により閉じられるようになっている。
尚第28図に於る線XVI−XVIによる断面は第16
図に類似の構造を呈する。
ポンプ室424内のポンプ行程体積とパワーシリンダー
ピストン装置100の行程体積の比並びにポンプ室42
6及び428内の各々のポンプ行程体積の和とパワーシ
リンダーピストン装置200の行程体積の比は、先の実
施例について説明されたと同じ要領により0.40〜1
.10とされ、これによってかかる実施例のエンジンに
ついてもそのエンジン性能及び排気ガス規制基準に関す
る要求を好ましい態様にて達成することができる。
更に又この第七の実施例に於ても、先の実施例に於て説
明した如く、ポンプ400の各ポンプ室の作動位相は、
第−又は第二のパワーシリンダーピストン装置100又
は200の作動位相に対し、クランク角線図で見て、各
ポンプ室のBDCが該ポンプ室より掃気の供給を受ける
パワーシリンダーピストン装置の掃気口開の位相点(S
o)より900前の点より0〜20°後の位相領域内に
設定されるのが好ましい。
ポンプ室426及び428の間隙体積はなるべく小さく
されることが好ましいが、そうすることによってブツシ
ュロッド412及び414がポンプ室424についての
BDCにあるとき片持梁的になり構造的耐久性の観点か
ら問題を生ずる。
かかる問題は例えばエンドプレート416及び418の
厚さを増すか箱型にしてポンプ室426及び428の間
隙体積を小さくすることによって解決される。
ポンプ室424に於る間隙体積はポンプ室426及び4
28に於る間隙体積より容易に縮小され得る。
この点を考慮して、第28図に示す実施例に於ては、ポ
ンプ室426及び428は比較的短い通路によってパワ
ーシリンダーピストン装置200に接続されており、一
方ポンプ室424は比較的長い通路を経てパワーシリン
ダーピストン装置100に接続されており、これによっ
て双方の間隙体積の釣合がとられている。
ポンプ400に於ては回転慣性力より往復慣性力の方が
かなり大きいが、往復慣性力は互いに打消し合って外部
に対し影響することがない。
しかし軸受にはそれ相当の角荷が作用する。
第30図は本発明の第への実施例を示す解図的平断面図
であり、第31図は第30図の線xxxt−XXXIに
よる断面図、第32図は第31図の線xxu−XXXI
Iによる断面図である。
この実施例に於ては、パワーシリンダーピストン装置i
o。
のクランク室124及び126は掃気のクランク室圧縮
を行なうようには構成されて釦らず、掃気の圧縮は独立
の水平対向ピストン式ポンプシリンダーピストン装置と
して構成された300のみによって行なわれるようにな
っている。
その為第31図より明らかな如く、クランクアーム12
0及び122は先の実施例に於る如く円板状には形成さ
れて耘らず、ピストン10B及び110、コンロッド1
12及び114、クランクピン116及び118等の質
量に対しよりよいバランスを与える偏心質量系に構成さ
れている。
この場合、クランク室124及び126は先の実施例に
於る如く円板状クランクアームの周りを比較的密に覆う
シリンダ形状には作られてむらず、その周りには任意の
間隙体積が残されてよいようになっている。
この実施例に於ては、ポンプ300の第一の吐出ポート
332は通路152を経て直接掃気プレナム132Aに
接続されている。
この場合にも掃気プレナム132Aより掃気の供給を受
る第一掃気口128Aと、ポンプ300の第二の吐出ポ
ート333より途中にフユーム形成室154aを含む通
路154及び掃気マニホルド132Bを経て掃気の供給
を受る第二掃気口128Bとは、ポンプピストン308
が第一吐出ポート332を閉じ第一通路152が遮断さ
れるまでは、実質的に等しい掃気圧を与えられており、
第一の掃気口128Aが開くとこれより空気がパワーシ
リンダ内へ噴出されて排気ガス層に隣接する比較的薄い
空気層を形成し、次いで第二の掃気口128Bが開くと
これよりフユームが噴出され始め、これより第一の掃気
口128Aからの空気と第二の掃気口128Bからのフ
ユームは互に僅かに混り合う程度でほぼ一体となって緩
かに旋回しつつパワーシリンダ内へ供給され、排気ガス
層を排気口130へ向けて押しやりつつ掃気層の厚みを
増していく。
かかる初期の掃気期間を経てポンプピストン308がそ
のTDCへ向けて近付き、やがて第一吐出ポート332
がポンプピストン308によって閉じられると、それ以
後ポンプ300から吐出される掃気はすべて通路154
を経て第二掃気口128Bへ供給される。
従ってこれ以後は掃気は第二掃気口128Bのみよりパ
ワーシリンダ102内へより高い噴出速度をもって噴出
され、パワーシリンダ内に強い旋回流を生ぜしめる。
この場合エンジン速度が高い程ポンプピストン速度も高
いので強い旋回流が発生する。
かかる第への実施例についてのクランク角線図も第5図
に示すものと同じである。
この実施例に於てもポンプBDCが設定されるべき位相
領域及び第一通路閉の初成及び経眼に関する条件は同じ
である。
又第33図は本実施例に於るポンプ圧力の変化をパワー
ピストン行程に対して示す第6図と同様の線図である。
この第33図に示す線図を第6図に示す線図と比較する
ことにより理解される如く、クランク室圧縮を用いない
構造に於ては間隙体積が低減されるのでより高いポンプ
圧力即ち掃気圧力を得ることができ、又掃気口が開いた
後の掃気行程中にもポンプ圧力を急速に上昇せしめ、第
一通路閉位置にて十分高い掃気圧力を得ることができ、
これによって第二掃気口128Bからの掃気噴射による
強力な掃気渦流の形成を行なうことができる。
又この場合、リードパルプ160は必要とされないので
、かかるリードバルブによる圧力損失の回避によっても
それだけポンプ圧力の増大が得られる。
この実施例に於るポンプ装置300は先のクランク室圧
縮を併用した実施例に於るポンプ装置300に実質的に
等しい構造を有するものであるが、この実施例に於ては
クランク室圧縮が用いられていない為、ポンプ行程体積
はクランク室圧縮に相当する分だけ大きくされなければ
ならない。
先にクランク室圧縮を併用する場合に関して、追加ポン
プの行程体積としてはパワーピストン総行程の0.40
〜1.10倍とされるべきことを述べたが、もしかかる
条件にクランク圧縮の行程体積が単純に加えられれば、
クランク室圧縮を用いない場合のポンプ300の行程体
積はパワーピストン総行程体積の1.40〜2.10倍
とされなければならない○しかしクランク室圧縮を用い
ず独立のポンプのみによって掃気の圧縮を行なう場合に
は、ポンプの体積効率がよいので、掃気の吹抜は量を同
程度(パワーピストン総行程体積の0.05〜0.25
倍)ととっても、ポンプ行動体積をパワーピストン総行
程体積の1.20〜1.90倍程度とすることができる
尚この場合、第30図に示す如くポンプピストンのスト
ロークをパワーピストンのストロークとほぼ同一の値に
すると、ポンプシリンダ302の内径はパワーシリンダ
102の内径の1.20〜1.90の平方根倍になる。
従ってこの場合、ポンプピストン308及び310並び
にコンロッド312及び314も又比較的大きくなり、
その為これらの比較的大きい運動質量系をより安定して
案内し且つそのより良いバランスを得ル為、クランクア
ームとしては一対のクランクアーム320及び322が
用いられている。
この場合、これらのピストン乃至クランクアームよりな
る運動質量系の慣性力は、ポンプシリンダーピストン装
置が水平対向ピストン式に構成されていることによって
、内部にて互いに打消し合い、外部に対し影響しないよ
うにすることができるが、クランクシャフトの軸受部に
は大きな負担がかかる。
従って上述の如くクランクアーム320及び322を一
対のクランクアームによって構成し、その両端部にて確
実に軸受する構造が好ましい。
又このことと関連して、この実施例に於ては補機駆動及
びエンジン出力の取出しの為のクランクシャフト12及
び14の引出部はポンプ装置側に延長されてトリ、かか
る延長部の途中にスプロケットホイール16及び18が
装着されて3す、その間が無端チェーン20によって同
期回転式に連結されている。
尚ポンプ300のクランク室324及び326は各々パ
ワー装置100のクランク室124及び126と連通さ
れており、ピストン308.310の往復動によるクラ
ンク室圧力の脈動がバランスされるようになっている。
更にクランク室124,126は先の実施例に於ると同
じくポジティブクランクケースベンチレーションバルブ
(図示せず)を介してエアクリーナ90の内部に連通し
ている。
第34図は更に本発明の第九の実施例を示す第22図に
類似の図である。
この実施例に於ては、ポンプ30・0は単ピストン式の
往復動型ポンプシリンダーピストン装置として構成され
て耘り、丁度第30図に示す実施例に於るポンプ装置3
00の図にて右半分に相当する部分、即ちピストン31
0、コンロッド314、クランクビン318、クランク
アーム322よりなるポンプ構造を欠く構造をなしてい
るものである。
第34図に於ても第30図に示す部分に対応する部分は
第30図に於ると同じ符号により示されており、それら
の機能は第30図の実施例に於ると同じである。
かかる単ピストン式のポンプを用いる場合には、前述の
如くパワーピストンに対するポンプピストンの相対的大
きさ及びポンプ装置の動的バランスに関して水平対向ピ
ストン式ポンプを用いた場合に比して難点はあるが、製
造コストは低減され、特にエンジンがより小型である場
合には前記難点を補償するに十分な利益が得られる。
第34図に示すその他の構成及び作動は第30図に示す
実施例のそれと同じであるので、その説明は重複を避け
る為に省略する。
以上に於ては本発明を幾つかの実施例について詳細に説
明したが、本発明がこれらの実施例にのみ限られるもの
ではなく、本発明の範囲内にて種種の修正が可能である
ことは当業者にとって明らかであろう。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明によるニサイクルディーゼルエンジンの
第一の実施例を示す解図的平面図、第2図は第3図の線
■−■による断面図、第3図及び第4図はそれぞれ第2
図の線■−■及びIV−IVによる断面図、第5図は第
1図〜第4図に示す実施例に於る如くクランク室圧縮を
併用する本発明によるニサイクルディーゼルエンジンの
作動位相を説明する為のクランク角線図、第6図は同様
にクランク室圧縮を併用する本発明によるニサイクルデ
ィーゼルエンジンに於るノくワーピストン行程に対する
追加ポンプ圧力及びクランク室圧力の変化を従来のクラ
ンク室圧力のみによる場合のクランク室圧力と比較しつ
つ示す線図、第7図は本発明のエンジンに組込まれる主
燃料噴射ノズルの一つの実施例を示す幾分肩囲的縦断面
図、第8図は本発明のエンジンに組込まれるフユー□ゲ
イジョン用燃料噴射ノズルの一つの実施例を示す幾分肩
囲的縦断面図、第9図は本発明のエンジンを運転するた
めに用いられる燃料噴射ポンプの一つの実施例を示す幾
分肩囲的縦断面図、第10図は第9図に示す燃料噴射ポ
ンプの構造の一部を取出し内部を破断して示す斜視図、
第11図は第10図に示す構造の一部を取出しそれを幾
つかの作動状態に於て示す破断斜視図、第12図及び第
13図は第9図に示す燃料噴射ポンプに組込まれている
二つのカムを第9図の矢印補−■及びXlll−■方向
に見たカム輪郭図、第14図は第7図及び第8図に示す
主燃料噴射ノズル及びフユーミゲイション用燃料噴射ノ
ズルの作動を示す燃料噴射系圧力図、第15図は本発明
によるニサイクルディーゼルエンジンの第二の実施例を
示す肩囲的平断面図、第16図は第15図の線xvi−
xv+による断面図、第17図は第16図の線X■−X
■による断面図、第18図は本発明によるニサイクルデ
ィーゼルエンジンの第三の実施例を示す肩囲的平断面図
、第19図は本発明によるニサイクルディーゼルエンジ
ンの第四の実施例を示す肩囲的平断面図、第20図は第
19図の線xx−xxによる断面の一部に第19図の線
xxxx−xxxxによる断面を加えて示す断面図、第
21図及び第22図はそれぞれ第20図の線■l−XX
l7iびXXI)−XXIIによる断面図、第23図は
本発明によるニサイクルディーゼルエンジンの第五の実
施例を示す肩囲的平断面図、第24図は第23図の線X
XIV −XXIVによる断面の一部に第23図の線X
XXXI−XXXXIによる断面を加えて示す断面図、
第25図は第24図の線XXxxv−xxvによる断面
図、第26図は本発明によるディーゼルエンジンに於る
パワーピストン行程に対する追加ポンプ圧力及びクラン
ク室圧力の変化を特に第19図〜第25図に示す第4図
及び第5図の実施例について修正して示す第6図に類似
の線図、第27図は本発明によるニサイクルディーゼル
エンジンの第六の実施例を示す肩囲的平断面図であり特
に第1図に類似の図、第28図は本発明によるニサイク
ルディーゼルエンジンの第七の実施例を示す肩囲的平断
面図、第29図は第28図の線XX■−XXIXによる
断面図、第30図は本発明によるニサイクルディーゼル
エンジンの第への実施例を示す肩囲的平断面図、第31
図は第30図の線XXXI−XXX[ニヨル断面図、第
32図は第31図の線xxxu−xxxuによる断面図
、第33図は本発明によるニサイクルディーゼルエンジ
ンに於るパワーピストン行程に対するポンプ圧力の変化
を特に第30図〜第32図に示す第への実施例について
示す第6図又は第26図に類似の線図、第34図は本発
明によるニサイクルディーゼルエンジンの第九の実施例
を示す肩囲的断面図であり特に第30図に類似の図であ
る。 10・・・・・・シリンダブロック、12,14・・・
・・・クランクシャフト、16,18・・・・・・スプ
ロケットホイール、20・・・・・・無端チェーン、9
0・・・・・・エアクリーナ、100.200・・・・
・・パワーシリンダーピストン装置、102,202・
・・・・・パワーシリンダ、108.208・・・・・
・掃気側パワーピストン、110.210・・・・・・
排気側パワーピストン、112.114,212,21
4・・・・・・コンロッド、116 、118 、21
6 、218・・・・・・クランクピン、120.12
2.220.222・・・・・・クランクアーム、12
4 、126 、224 、226・・・・・・クラン
ク室、128A、128B 、128C。 228A、228B・・・・・・掃気口、130 、2
30・・・・・・排気口、132A、132C,232
A。 232C・・・・・・掃気プレナム、132B、232
B・・・・・・掃気マニホルド、134 、234・・
・・・・排気プレナム、136・・・・・・排気管、1
36a・・・・・・加熱フード、154a・・・・・・
フユーム形成室、300゜400・・・・・・ポンプシ
リンダーピストン装置、302.402・・・・・・ポ
ンプシリンダ、308゜310.408,410・・・
・・・ポンプピストン、312.314・・・・・・コ
ンロッド、412,414・・・・・・ブツシュロッド
、430,432・・・・・・Oメンバ、316 、3
18 、444 、446・・・・・・クランクピン、
320.322.448.450・・・・・・りランク
アーム、soo、soo’−・・・・・主燃料噴射ノズ
ル、600,600’−・・・・・フユーミゲイション
用燃料噴射ノズル、700・・・・・・燃料噴射ポンプ
、710・・・・・・カムシャフト、712,714・
・・・・・カム、712a・・・・・・一定リフト部、
716・・・・・・カムフォロア、718・・・・・・
圧縮コイルばね、720・・・・・・プランジャ、72
2・・・・・・スリーブ、724・・・・・・ポンプ室
、726a 、726b−ポート、728・・・・・・
燃料導管、730・・・・・・溝、732・・・・・・
プレート、734・・・・・・スリーブ、736・・・
・・・ピニオン、738・・・・・・ラック、740・
・・・・・吸戻弁、742・・・・・・圧縮コイルばね
、744・・・・・・吐出室、746・・・・・・通路
、748・・・・・・分岐通路、750・・・・・・ボ
ア、752・・・・・・ポンプ室、754・・・・・・
カムフォロア、756・・・・・・ロッド、758・・
・・・・カットオフパルプ、758a・・・・・・T字
型中空通路、760・・・・・・圧縮コイルばね、76
2・・・・・・弁座、764・・・・・・弁室、766
・・・・・・通路。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 少くとも一組のニサイクルユニフロー水平対向ピス
    トン式パワーシリンダーピストン装置と、前記パワーシ
    リンダーピストン装置とは別体であり該パワーシリンダ
    ーピストン装置によってこれと同一の往復動周期にて駆
    動される少くとも一組の往復動型ポンプシリンダーピス
    トン装置を含む往復動ピストン式掃気ポンプ装置と、前
    記掃気ポンプ装置が供給する掃気を前記パワーシリンダ
    ーピストン装置のパワーシリンダへ導き且該パワーシリ
    ンダ内へ噴射する掃気噴射装置と、前記パワーシリンダ
    に装着され該パワーシリンダ内へ直接燃料を供給する主
    燃料噴射ノズルとを有し、前記掃気噴射装置は前記掃気
    ポンプ装置が供給する掃気の主要部を前記パワーシリン
    ダ内に強制旋回流を発生させる態様に吹込む強制旋回流
    発生手段と、前記掃気ポンプ装置が供給する掃気の一部
    と前記パワーシリンダへ供給すべき燃料の一部であって
    前記主燃料噴射ノズルとは別にフユーム形成用燃料噴射
    ノズルから噴射される燃料とからなるフユームを形成す
    るフユーミゲイション装置とを含んでいることを特徴と
    するニサイクルユニフロー水平方向ピストンディーゼル
    エンジン。 2、特許請求の範囲第1項のニサイクルユニフロー水平
    対向ピストンディーゼルエンジンに於て、前記掃気噴射
    装置は空気による掃気を行う第一の作動過程と、前記フ
    ユーミゲイション装置を作動させてフユームによる掃気
    を行う第二の作動過程と、前記強制旋回流発生手段から
    強制旋回流を発生させる第三の作動過程を前記の順に行
    うよう構成されていることを特徴とするニサイクルユニ
    フロー水平対向ピストンディーゼルエンジン。 3 特許請求の範囲第2項のニサイクルユニフロー水平
    対向ピストンディーゼルエンジンに於て、前記パワーシ
    リンダは掃気期間の最初に開かれる第一の掃気口とこれ
    より遅れた位相点にて開かれる第二の掃気口を有し、@
    記掃気噴射装置は前記掃気ポンプ装置が供給する掃気を
    それぞれ前記第−及び第二の掃気口へ導く第−及び第二
    の通路系装置を有し、前記強制旋回流発生手段は前記第
    二の通路系装置を経て前記パワーシリンダ内へ噴射され
    る掃気に旋回を与える手段と前記ポンプシリンダーピス
    トン装置がその上死点にする以前に前記第一の通路系装
    置を該ポンプシリンダーピストン装置より遮断する手段
    とを含んでおり、前記フユーミゲイション装置は前記第
    二の通路系装置に組込まれており、前記遮断により前記
    強制旋回流発生手段より強い旋回流が発生することを特
    徴とするニサイクルユニフロー水平対向ピストンディー
    ゼルエンジン。 4 特許請求の範囲第3項のニサイクルユニフロー水平
    対向ピストンディーゼルエンジンに於て、前記第二の掃
    気口はクランク角線図で見て前記第一の掃気口より5°
    〜15°遅い位相点であり且前記ポンプシリンダーピス
    トン装置の上死点をクランク角1図に於て前記パワーシ
    リンダーピストン装置の上死点と下死点を結ぶ線に対し
    対称の位置に反転した点より遅くない位相点にて開かれ
    るよう構成されていることを特徴とするニサイクルユニ
    フロー水平対向ピストンディーゼルエンジン。 5 特許請求の範囲第3項のニサイクルユニフロー水平
    対向ピストンディーゼルエンジンに於て、前記ポンプシ
    リンダーピストン装置の下死点はクランク角線図で見て
    前記第一の掃気口が開く位相点より7oO〜90’#J
    の位相領域にあり、前記第一の通路系装置が前記ポンプ
    シリンダーピストン装置より遮断される位相点はクラン
    ク角線図で見て前記第一の掃気口が開く位相点と前記パ
    ワーシリンダーピストン装置の下死点の間の中点と前記
    ポンプシリンダーピストン装置がその上死点まで全スト
    ロークの1/4を残す位相点の間に位置していることを
    特徴とするニサイクルユニフロー水平対向ピストンディ
    ーゼルエンジン。 6 特許請求の範囲第3項のニサイクルユニフロー水平
    対向ピストンディーゼルエンジンに於て、前記ポンプシ
    リンダーピストン装置がその上死点に達する以前に前記
    第一の通路系装置を該ポンプシリンダーピストン装置よ
    り遮断する装置は前記第一の通路系装置を前記ポンプシ
    リンダーピストン装置がその上死点に達する以前にその
    ポンプピストンによって横切られる位置にてそのポンプ
    シリンダの壁面に開口する吐出ポートに接続することに
    よって構成されていることを特徴とするニサイクルユニ
    フロー水平対向ピストンディーゼルエンジン。 7 特許請求の範囲第3項のニサイクルユニフロー水平
    対向ピストンディーゼルエンジンに於て、前記第一の掃
    気口の開口面積に対する前記第二の掃気口の開口面積の
    比はほぼ1/3であることを特徴とするニサイクルユニ
    フロー水平対向ピストンディーゼルエンジン。 8 特許請求の範囲第3項のニサイクルユニフロー水平
    対向ピストンディーゼルエンジンに於て、前記フユーミ
    ゲイション装置は前記第二の通路系装置を通って導かれ
    る掃気空気を通されるフユーム形成室と、前記フユーム
    形成室内に燃料を噴射するフユーム形成用燃料噴射ノズ
    ルとを有しており、ブレイグニションを起こさない程度
    の燃料濃度によるフユームを形成するよう構成されてい
    ることを特徴とするニサイクルユニフロー水平対向ピス
    トンディーゼルエンジン。 9 %許請求の範囲第8項のニサイクルユニフロー水平
    対向ピストンディーゼルエンジンに於て、前記フユーム
    形成室は円錐形状を有し、その頂点部に空気入口をまた
    その末広部にフユーム出口を有し、前記燃料噴射ノズル
    は前記頂点部に設けられていることを特徴とするニサイ
    クルユニフロー水平対向ピストンディーゼルエンジン。 10特許請求の範囲第8項のニサイクルユニフロー水平
    対向ピストンディーゼルエンジンに於て、前記フユーム
    形成室はエンジンの排気ガスによって加熱されるように
    なっていることを特徴とするニサイクルユニフロー水平
    対向ピストンディーゼルエンジン。 11特許請求の範囲第8項のニサイクルユニフロー水平
    対向ピストンディーゼルエンジンに於て、前記主燃料噴
    射ノズルはジャークポンプ式燃料噴射ポンプに接続され
    、前記フユーム形成用燃料噴射ノズルは燃料カットオフ
    バルブを経て前記燃料噴射ポンプに接続されており、前
    記上及びフユーム形成用燃料噴射ノズルは各々自動噴射
    弁であり、前記フユーム形成用燃料噴射ノズルの噴射開
    始圧力は前記主燃料噴射ノズルの噴射開始圧力よりも実
    質的に低く、前記燃料噴射ポンプはポンププランジャと
    それを駆動するカムとを有し、前記カムは前記パワーシ
    リンダーピストン装置の下死点に先立って前記フユーム
    形成用燃料噴射ノズルより所定量の燃料を噴射せしめる
    のに必要にして十分な量だけそのポンププランジャを駆
    動する第一のカム部と前記パワーシリンダーピストン装
    置の上死点に先立って前記主燃料噴射ノズルより所定量
    の燃料を噴射せしめるのに必要にして十分な量だけ前記
    ポンププランジャを駆動する第二のカム部とを有してお
    り、前記カットオフバルブは弁要素と前記燃料噴射ポン
    プの作動に同期して前記弁要素を開方向に駆動するカム
    とを有し前記第一のカム部の作動によって吐出される燃
    料を通過させるが前記燃料噴射ポンプが前記第二のカム
    部の作動によって噴出する燃料の通過を阻止するよう構
    成されていることを物徴とするニサイクルユニフロー水
    平対向ピストンディーゼルエンジン。 12、特許請求の範囲第3項のニサイクルユニフロロー
    水平対向ピストンディーゼルエンジンに於て、前記フユ
    ーミゲイション装置に供給される燃料の量は前記パワー
    シリンダーピストン装置に供給される全燃料の8〜20
    %であり、これとフユームを形成する空気の量は前記パ
    ワーシリンダーピストン装置に供給される全空気量の1
    0〜20%であることを特徴とするニサイクルユニフロ
    ー水平対向ピストンディーゼルエンジン。 13特許請求の範囲第1項〜第12項の倒れかのニサイ
    クルユニフロー水平対向ピストンディーゼルエンジンに
    於て、前記掃気ポンプ装置は前記パワーシリンダーピス
    トン装置のクランク室より得られる往復動ピストン式ポ
    ンプ構造をその一部として含んでおり、前記クランク室
    は前記第一の通路系装置に接続されており、前記ポンプ
    シリンダーピストン装置の上死点は前記パワーシリンダ
    ーピストン装置の下死点より遅れた位相にあることを特
    徴とするニサイクルユニフロー水平対向ピストンディー
    ゼルエンジン。 14特許請求の範囲第13項のニサイクルユニフロー水
    平対向ピストンディーゼルエンジンに於て、前記クラン
    ク室は前記パワーシリンダーピストン装置の一方の側の
    クランク室のみであることを特徴とするニサイクルユニ
    フロー水平対向ピストンディーゼルエンジン。 15特許請求の範囲第13項のニサイクルユニフロー水
    平対向ピストンディーゼルエンジンに於て、前記クラン
    ク室は前記パワーシリンダーピストン装置の両側のクラ
    ンク室を含むことを特徴とするニサイクルユニフロー水
    平対向ピストンディーゼルエンジン。 16 特許請求の範囲第15項のニサイクルユニフロ
    ー水平対向ピストンディーゼルエンジンに於て、前記第
    一の通路系装置は前記ポンプシリンダーピストン装置と
    前記クランク室の一方によって圧縮された掃気を前記パ
    ワーシリンダへ供給する第一の分岐通路系装置と前記ク
    ランク室の他方のみによって圧縮された掃気を前記パワ
    ーシリンダーピストン装置へ供給する第二の分岐通路系
    装置とを含んでいることを特徴とするニサイクルユニフ
    ロー水平対向ピストンディーゼルエンジン。 17 %許請求の範囲第16項のニサイクルユニフロ
    ー水千対向ピストンディーゼルエンジンに於て、前記パ
    ワーシリンダは前記第二の掃気口より更に遅れた位相に
    て開かれる第三の掃気口を有し、前記第一の分岐通路系
    装置は前記第一の掃気ロヘ掃気を供給し、前記第二の分
    岐通路系装置は前記第三の掃気ロヘ掃気を供給するよう
    構成されていることを特徴とするニサイクルユニフロー
    水平対向ピストンディーゼルエンジン。 18 %許請求の範囲第16項のニサイクルユニフロ
    ー水平対向ピストンディーゼルエンジンに於て、前記第
    一の分岐通路系装置は前記第一の掃気口に直接接続され
    、前記第二の分岐通路系装置は前記第一の掃気口の手前
    にて前記第一の分岐通路系装置に接続され、この接続部
    にて両通路系装置がその上流側にてなす角は鋭角である
    ことを特徴とするニサイクルユニフロー水平対向ピスト
    ンディーゼルエンジン。 19 特許請求の範囲第15項のニサイクルユニフロ
    ー水平対向ピストンディーゼルエンジンに於て、前記第
    一の通路系装置は前記パワーシリンダーピストン装置に
    て圧縮された掃気を前記クランク室の両方へ供給する通
    路装置と、前記両クランク室を前記第一の掃気口へ接続
    する通路装置とを含んでいることを特徴とするニサイク
    ルユニフロー水平対向ピストンディーゼルエンジン。 2、特許請求の範囲第13項のニサイクルユニフロー水
    平対向ピストンディーゼルエンジンに於て、前記ポンプ
    シリンダーピストン装置はその上死点に達する以前に前
    記第一の通路系装置を該ポンプシリンダーピストン装置
    より遮断する手段は前記クランク室の壁面に開口するポ
    ートと該クランク室内に回動するクランクアームに組込
    まれ該クランクアームの回動に応じて前記ポートを開閉
    する弁要素とにより構成されていることを特徴とするニ
    サイクルユニフロー水平対向ピストンディーゼルエンジ
    ン。 21 %許請求の範囲第13項のニサイクルユニフロ
    ー水平対向ピストンディーゼルエンジンに於て、前記ポ
    ンプ装置の総行程体積は前記パワーシリンダーピストン
    装置装置の総行程体積の1.40〜2.10倍であるこ
    とを特徴とするニサイクルユニフロー水平対向ピストン
    ディーゼルエンジン。 22、特許請求の範囲第1項〜第12項の倒れかのニサ
    イクルユニフロー水平対向ピストンディーゼルエンジン
    に於て、前記掃気ポンプ装置は前記パワーシリンダーピ
    ストン装置のクランク室をポンプとして使用しない構造
    であり、前記掃気ポンプ装置の総行程体積は前記パワー
    シリンダーピストン装置の総行程体積の1.20〜1.
    90倍であることを特徴とするニサイクルユニフロー水
    平対向ピストンディーゼルエンジン。 2、特許請求の範囲第1項〜第12項の倒れかのニサイ
    クルユニフロー水平対向ピストンディーゼルエンジンに
    於て、前記パワーシリンダーピストン装置として互に1
    80°の位相差をもって作動する二組のパワーシリンダ
    ーピストン装置を有し、前記ポンプシリンダーピストン
    装置は複動式ポンプシリンダーピストン装置であること
    を特徴とするニサイクルユニフロー水平対向ピストンデ
    ィーゼルエンジン。 24 特許請求の範囲第1項〜第12項の伺れかのニ
    サイクルユニフロー水平対向ピストンディーゼルエンジ
    ンに於て、前記ポンプシリンダーピストン装置は水平対
    向ピストン式ポンプシリンダーピストン装置であること
    を特徴とするニサイクルユニフロー水平対向ピストンデ
    ィーゼルエンジン。
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