JPS583836B2 - ワイヤドツトヘツド - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、前段および後段からなる２段構造の複数本の
印字ワイヤを駆動することにより、ドットパターンをマ
トリックス状に印刷するワイヤドット印字装置のワイヤ
ドットヘッドに関するものである。

従来、この種ワイヤドット印字装置に用いられているワ
イヤドットヘッドは第１図〜第３図に示す如く構成され
ている。

すなわち、それぞれ一端開口部がプレート２によって閉
塞されたヨークを形成する円筒状のハウジング１，１内
に複数個のマグネット３と、これと同数の印字ワイヤア
ツセンブリ４を互いに対向させて周方向に等配すること
により、前段コア６と後段コア７を同形状に形成し、こ
れら両コア６，７を同軸に結合配置して構成されている
。

前記各マグネット３はコア８と，このコア８の外周に巻
回されたマグネットコイル９とで構成され、前記各印字
ワイヤアツセンブリ４は、中間部が前記コア８の先端面
と対向し、外端が、止めねじ１０によって一端が補助ヨ
ーク１１に固定された押え板ぱね１２の自由端に固定さ
れたアーマチュア１３と、このアーマチュア１３の内端
内側面に一端が固定され、他端部が前記前段コア６を構
成するハウジング１の中心に配設された円筒状のガイド
部材１４に挿通されている印字ワイヤ１５と、前記アー
マチュア１３とガイド部材１４の内端面間に配設され常
時前記アーマチュア１３をコア８から離間する方向に付
勢しているコイルスプリング１６とで構成されている。

したがって、所望のマグネットコイル９を励磁すると、
該マグネットコイル９に発生する磁界により、前記マグ
ネットコイル９に対応するアーマチュア１３がコア８に
押え板ばね１２およびコイルスプリング１６に抗して吸
引され、印字ワイヤ１５を駆動する。

このため、印字ワイヤ１５はその先端がガイド部材１４
から突出して所望のドット印刷を行なう。

そして、前記マグネットコイル９の励磁を断つと、前記
アーマチュア１３は押え板ばね１２およびコイルスプリ
ング１６の力によって復帰し、バックストッププレート
１７で係止される。

然るに、斯かる従来のワイヤドットヘッドにあっては、
部品点数が多く、構造が複雑で、組立作業性が悪いばか
りか、後段コア７の印字ワイヤ１５と前段コア６の印字
ワイヤ１５との長さが違うと共に絶対値が長くなり、ワ
イヤ保持に問題があった。

すなわち、小形、低価格化を指向する際，マグネットコ
アを小形化或いは２段構造にして実装密度を高め、印字
ワイヤ１５を出来る限り直線的になるように保持し、印
字ワイヤ１５のガイドを極く短い先端ガイド１９のみで
構成することが理想的とされているが、例えば、印字ワ
イヤ１５の直径が０．３５ｍｍの場合、印字時の印字ワ
イヤ１５の座屈するときの長さは約１４ｍｍであるから
、これより長い場合は後段コア７に中間ガイド部材１４
′を設けるがまたは先端ガイド１９の長さを十分長くす
る必要があり、複雑な加工、組立を要するという欠点を
有していた。

本発明は上述したような従来の欠点に鑑みてなされたも
ので、その目的とするところはドットマトリックス印字
装置において、前段コアにマグネットコイルの励磁によ
ってアーマチュアを吸引し、印字ワイヤを駆動する電磁
マグネット式ワイヤドットヘッドを配置し、後段コアに
永久磁石により板ばねを偏倚し、マグネットコイルの励
磁によって永久磁石の磁界を打消して偏倚状態の板ばね
を解放するかあるいはマグネットコイルの励磁によって
板ばねを吸引偏倚し、非励磁によって偏倚状態の板ばね
を解放し、印字ワイヤを駆動するばね解放式ワイヤドッ
トヘッドを配置し、この両コアを同軸に積層もしくは並
設して構成することにより、小形で部品の加工組立性が
良い安価なワイヤドットヘッドを提供するものである。

以下、本発明を図面に示す実施例に基づいて詳細に説明
する。

第４図は本発明の一実施例を示す縦断面図、第５図はそ
の分解斜視図である。

これらの図において、２０はハウジング（ヨーク）を形
成するリング状の永久磁石２４を備え、後述するばね解
放式ワイヤドットヘッドＡを配置してなる後段コア、２
１は後段コア２０と同様リング状のヨータ２５を備え後
述する電磁マグネット式ワイヤドットヘッドＢを配置し
てなる前段コアで、この前段コア２１は前記後段コア２
０上に同軸配置されかつ複数本（本例では４本用いた場
合を示す）の通しボルト２２およびナット２３により一
体的に結合されている。

前記永久磁石２４の下側開口部には前記ばね解放式ワイ
ヤドットヘッドＡの共通磁路を形成する第１プレート２
８が該開口部を覆う如く前記通しボルト２２およびナッ
ト２３によって固定されており、この第１プレート２６
の内面にはＮ個（Ｎ＝２．３．４・・・）のコア２７が
同一円上に略等分に割振って配設されている。

前記コア２７の周面にはそれぞれ所定の巻数でマグネッ
トコイル２８が巻回されている。

前記永久磁石２４の上端開口部には、前記複数個のコア
２７に対向する位置にそれぞれ孔２９を有し共通磁路を
形成する第２プレート３０の周縁が固定され、この第２
プレート３０の上にスベーサ３１を介して板ばね３２が
配設されている。

前記板ばね３２は一枚の板からなり、中心から外周縁近
傍にまで達する複数本の切欠き溝３３を放射状に形成す
ることにより、前記コア２７と同数で三角形状をした分
割片３４を有し、これら分割片３４にそれぞれ前記第２
プレート３０の孔２９に挿通されるアーマチュア３５が
固定されている。

また、前記分割片３４の先端にはそれぞれ印字ワイヤ３
６の一端が固定されている。

なお、前記永久磁石２４はその磁力によって通常前記ア
ーマチュア３５を吸引することにより、板ばね３２の各
分割片３４を第４図に示す如く下方に吸引偏倚させてお
り、マグネットコイル２８の励磁によって前記磁力が打
消されることに偏倚状態にある板ばね３２０分割片３４
を解放し、これに印字ワイヤ３６を駆動するようにして
いるが、マグネットコイル２８の励磁によってアーマチ
ュア３５を吸引し板ばね３２の各分割片３４を吸引偏倚
させ、非励磁によって分割片３４を解放し印字ワイヤ３
６を駆動するばね解放式の場合には単に共通磁路を形成
するリング状ヨークが用いられる。

前記板ばね３２の上には、スペーサ３７が配置されてい
る。

このスベーサ３７の上には前記板ばね３２と同様、複数
本の切欠溝３８によってＮ個の分割片３９が形成された
板ばね４０の周縁部が固定され、かつ中央にリング状の
バックストップリング４１が固定されている。

前記板ばね３２の各分割片３９の上面には該分割片３９
と同一形状をなすアーマチュア４２がそれぞれ固設され
ており、これらのアーマチュア４２の内側頂部にはそれ
ぞれ印字ワイヤ４３の一端が固設されている。

前記ヨーク２５の上端開口部は共通磁路を形成する第３
のプレート４４によって被われており、この第３のプレ
ート４４の内面には複数個のコア４５が前記Ｎ個のアー
マチュア４２に対応して固設されている。

前記コア４５の周面にはそれぞれマグネットコイル４６
が所定巻数で巻回されている。

前記第３のプレート４４の中心には円筒部４４ａが一体
に垂設されており、この円筒部４４ａに前記後段コア２
０および前段コア２１を構成する複数本の印字ワイヤ３
６．４３が挿入されている。

また前記第３のプレート４４の上面には、その中心に前
記印字ワイヤ３６．４３の先端部が挿通される貫通孔４
７を有する截頭角錐形の突起４８を一体に突設してなる
ガイドフレーム４９が配設され、前記貫通孔４７の外側
開口端には前記印字ワイヤ３６４３をそれぞれ案内する
ビンガイド５０が嵌合固定されている。

なお前記アーマチュア４２は板ばね４０の各分割片３９
の偏倚により、通常前記コア４５から離間しており印字
動作時に前記マグネットコイル４６の励磁にともないコ
ア４５に吸引されるよう構成されている。

したがって、各マグネットコイル４６は通常助磁されて
いない。

次に、上記構成による印字動作について説明する。

先ず、リング状の永久磁石２４を使用したばね解放式ワ
イヤドットヘッドＡによって後段コア２０を構成した場
合について説明する。

マグネットコイル２８を励磁していないときには永久磁
石２４の磁力によって各アーマチュア３５がコア２７に
吸着されるので、板ばね３２の分割片３４は第４図に示
すようにすべて前記コア２７方向へ偏倚されている。

次に、所望のマグネットコイル２８を励磁すると、該マ
グネットコイル２８に発生する磁界により前記励磁した
マグネットコイル２８に対応するコア２７から前記アー
マチュア３５が離れる。

このため、前記板ばね３２の分割片３４のうち、前記励
磁したマグネットコイル２８に対応する分割片３４が解
放されて弾性復帰し、印字ワイヤ３６を駆動する。

この印字ワイヤ３６はその先端がビンガイド５０から突
出し、図示しない紙面上にドット印刷を行なう。

印字動作後前記マグネットコイル２Ｂの励磁を断って、
前記解放された板ばね３２の分割片３４は再び前記永久
磁石２４の磁力によってコア２７方向に偏倚され初期状
態に復旧する。

また、前記永久磁石２４をヨークで形成し、電磁石でば
ね解放式ワイヤドットヘッドを構成した場合は、マグネ
ットコイル２８の励磁によってアーマチュア３５がコア
２７に吸引されるので、板ばね３２０分割片３４はすべ
て前記コア２７方向に偏倚されている。

この状態において、所望のマグネットコイル２８の励磁
を断つと、該マグネットコイル２８に対応するコア２７
から前記板ばね３２の分割片３４に固着されている前記
アーマチュア３５が解放され、上述したと同様印字ワイ
ヤ３６を駆動する。

この後、，前記マグネットコイル２８を再び励磁すると
、前記解放された板ばね３２の分割片３４は再び前記コ
ア２７方向に偏倚されて初期状態に復旧する。

一方、前段コア２１は電磁マグネット式ワイヤドットヘ
ッドＢであるから、初期状態では板ばね４０の各分割片
３９に固着されたアーマチュア４２は該分割片３９の偏
倚によって第４図に示す如くバックストツ，プリング４
１に当接し、コア４５との間に間隙Ｇを保っている。

次に、この状態において、所望のマグネットコイル４６
を励磁するト、該マグネットコイル４６に発生する磁界
の強さにより前記励磁したマグネットコイル４６に対応
するコア４５に前記アーマチュア４２が吸引され、該ア
ーマチュア４２に固着されている印字ワイヤ４３を駆動
する。

したがって、後段コア２０の印字ワイヤ３６と同様ドッ
ト印刷を行なう。

この後、前記マグネットコイル４６の励磁を断つと、前
記板ばね４０の分割片３９は再び前記バックストップリ
ング４１方向へ偏倚し、アーマチュア４２を初期状態に
保持する。

以上説明したように、本発明に係るドットマトリックス
印字装置のワイヤドットヘッドによれば、前段コアに電
磁マグネット式ワイヤドットヘッドを配設し、後段コア
にばね解放式ワイヤドットヘッドを配設し、アーマチュ
アを偏倚する板ばねは中央部または外周部が周方向に１
個に分割された１枚の板ばねで形成されて各分割片に印
字ワイヤとアーマチュアを固設して構成したので、複数
枚の板ばねで構成した従来構造に比べて製造および組立
工数を大幅に削減することができる。

また、前段コアと後段コアの板ばねは両コアの接合部に
て近接配置されるので、後段コアの印字ワイヤを短かく
かつ直線的に保持することができ、このため中間ガイド
または長い先端ガイドを必要とせず簡単な加工組立がで
きるばかりか高信頼性を確保することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来のこの種ワイヤドットヘッドの一例を示す
縦断面図、第２図はプレートを取り外して内部を見た背
面図、第３図は要部の拡大側面図、第４図は本発明に係
るワイヤドットヘッドの一実施例を示す縦断面図、第５
図はその分解斜視図である。 ２０・・・・・・後段コア、２１・・・・・・前段コア
、２４・・・・・永久磁石（ヨーク）、２５・・・・・
・ヨーク、２６・・・・・第１のプレート、２７・・・
・・・コア、２８・・・・・・マグネットコイル、３０
・・・・・・第２のプレート、３２・・・．・・板ばね
、３４・・・・・分割片、３５・・・・・・アーマチュ
ア、３６・・・・・・印字ワイヤ、４０・・・・・・板
ばね、４２・・・・・・コア、４３・・・・・・印字ワ
イヤ、４５・・・・・・コア、４６・・・・・・マグネ
ットコイル、Ａ・・・・・・ばね解放式ワイヤドットヘ
ッド、Ｂ・・・・・・電磁マグネット式ワイヤドットヘ
ッド。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 前段コアおよび後段コアからなる２段構造の複数本
   の印字ワイヤからなるドットマトリックス印字装置にお
   いて、前記前段コアにマグネットコイルの励磁によって
   アーマチュアを吸引し、印字ワイヤを駆動する電磁マグ
   ネット式ワイヤドットヘッドを配置し、前記後端コアに
   永久磁石により板ばねを吸引偏倚し、マグネットコイル
   の励磁によって前記永久磁石の磁界を打消して偏倚状態
   にある前記板ばねを解放するか、もしくはマグネツトコ
   イルの励磁によって板ばねを吸引偏倚し、非励磁によっ
   て偏倚状態にある前記板ばねを解放し印字ワイヤを駆動
   するばね解放式ワイヤドットヘッドを配置し、前記前段
   コアと後段コアを同軸配置したことを特徴とするワイヤ
   ドットヘッド。