JPS5829715Y2 - 自動車ドアロックの操作連結装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、自動車ドアのロック装置とインサイドハンド
ルやセイフテイロック操作ノブ等の操作部材を連繋する
操作連結装置の改良に関するもので、特に組立を簡潔に
して作業性を向上させると共に使用時における脱落の防
止、騒音の発生防止等に優れた自動車ドアロックの操作
連結装置を提供することにある。

一般に知られる様に多くの自動車ドアのロック装置はイ
ンサイトノヘンドルやセイフテイロツク操作ノブ等の操
作部材と離れて設けられ、その間をロッドで繋ぎ開閉操
作するようにしであるが、この連繋の途中には作用方向
を変換したり、障害物を避けたり或はロッドのストロー
クを調整したりするために揺動レバーが設けられている
のが普通である。

揺動レバーは一端にロック装置から延設するロッドを接
続し、他端に前記操作部材から延設するロッドを連結す
るようにしてあり、その長さの途中をドア本体のパネル
（インナーパネル等）に植設する軸部材によって回動自
在に枢支して上記操作部材の操作を軸部材を中心にして
揺動することによってロッドに伝えロック装置を作動さ
せるようにしである。

従来この揺動レバーを枢支する手段、つまり上記軸部材
には金属製の軸材が使用され、ナツトとかしめによって
パネルに枢支する方法が採られている。

第１図はこれを具体的に図示したもので、枢支手段とし
ての長さの途中にスペーサ２を備えた金属製の軸体１と
、２つのナイロンワッシャ３，３と金属製の平ワッシャ
４，４、ナツト５を用意して軸体１の一方の軸部分１ａ
には雄ネジを予しめ設けておき、揺動レバー６をドア本
体のノ々ネル７に枢支するに当っては、まず他方の軸部
分１ｂにナイロンワッシャ３を嵌め、次に揺動レバー６
の途中に設ける透孔６ａを通してナイロンワッシャ３と
平ワツシヤ４を嵌め、その軸端をがしめて抜は出しを阻
止したのち、雄ネジを設けた軸部分１ａをパネル７に穿
つ透孔７ａに挿通し、ワッシャ４を介挿してナツト５を
締付けることによってパネルに対す揺動レバーの取付け
を行っていたのである。

この従来のものは上述の様に部品点数が多いこともさる
ことながら、組立が厄介であり、作業性が頻る悪い欠点
がある。

ことに揺動レバーを止め付けるため軸端をかしめる作業
と、ドア内部の狭小な空間でナツト締めする作業は容易
ではなく生産ラインにおける大きな障害となっていた。

また上記従来のものは金属を主体に組立られていること
からドアの開閉振動や走行振動で騒音を発する虞れと、
軸体はパネルに対してナツト締めによって固定されるこ
とがら、車体の振動等によって緩み、ガタを生じて騒音
を高めたり更には脱落することもありロック装置の開閉
が不能になる危険があった。

本考案は、この様な従来装置の不具合に鑑み、取付パネ
ルに対する揺動レバーの枢支を単純化し、作業性の向上
を計ると共に、部品数を最少限に抑えてその製造を容易
にし、合せて従来問題となった騒音発生、脱落の危険等
を有効に回避したことに主な特徴がある。

以下、本考案を第２〜５図に示す一実施例につき詳述す
ると、符号１０はドア本体のパネル、１１は図示しない
ロック装置に一端を連結するロッド、１２はロッド１１
の他端を一方の端部に穿つ透孔１２ ａにロッドホルダ
ー１３を使って連結し、他端の透孔１２ｂに図示しない
インサイドハンドルを連結するようにしたＬ字形に形成
してなる揺動レバーで、１４はこの揺動レバー１２を上
記パネル１０に回動自在に枢支する枢支手段たるファス
ナーを示す。

ファスナー１４はナイロン等適当な剛性と柔軟性を有す
る熱可塑性合成樹脂で一体に底形されるもので、内部を
中空にした軸体の外周面中央部に鍔状のスペーサ１５を
設け、このスペーサの形成によって軸体の長さを部分し
、その一方を第１軸部分１６ａ、他方を第２軸部分１６
ｂとしている。

そして、この両軸部分１６ ａ 、１６ ｂの外周面に
周面をコ字形に切欠いて各々一対の係止爪片１７，１８
を設けるようにしである。

上記係止爪片１７．１８は爪の先端を外周面がら突き出
させて前記スペーサ１５に対向させると共に爪の先端と
スペーサとの間に第１軸部分１６ ａ側ではパネル１０
の板厚より広い間隔１９を、又第２軸部分１６ｂ側では
揺動レバー１２の板厚より広い間隔２０が設けられるよ
うにしである。

そして、更に一方の第１軸部分１６ ａには上記間隔１
９内に傘形の弾性鍔２１を一体に設け、その凹面と上記
係止爪片１７とを対向させ、この間にパネル１０の板厚
より広い間隔を確保する一方、鍔の突き出した周縁と係
止爪片１７との間隔をパネル１０の板厚より狭くしであ
る。

尚、上記形成されるファスナー１４は合成樹脂素材並び
に成型を考慮してスペーサ１５を境に第１軸部分１６
ａを他方より大径にして強度を付与し、第２軸部分１６
ｂは軸端を盲に塞いで軸体としての強度を高めるように
しである。

この様に構成してなる本考案装置はその組立に当り、ま
ずファスナー１４の第２軸部分１６ｂを揺動レバー１２
の長さの途中に穿っておく透孔１２ Ｃに臨ませて押入
し、その周面に設ける係止爪片１８を通過させて該透孔
の反対側に係止し、レバーに対し回動自由に軸装し、次
にこのファスナーの第１軸部分１６ ａをパネルの適所
に穿つ透孔１０ ａに同じく押入して周面に設ける係止
爪片１７をパネルの背面に係止しその留め付けを行う。

この場合、第２軸部分の係止爪片１８はスペーサ１５と
の間に揺動レバー１２の板厚より広い間隔２０を設けで
あることから該揺動レバー１２は第２軸部分に対して回
動自由に取付くのに対して、他方の第１軸部分１６ ａ
は間隔１９内に弾性鍔２１が存在し、その周縁と係止爪
片１７との間がパネル１０の板厚より狭くしであること
から、第１軸部分１６ａの挿入は弾性鍔２１を押広げる
如くして行われ、係止爪片１７がパネルの背面に係止し
たとき、広げられた該弾性鍔２１と係止爪片１７とでパ
ネル１０を挟着、回動できないように固着される。

従って、ファスナー１４はパネル１０に対して一体的に
取付き、揺動レバー１２はこの固着されたファスナーに
対して自由に回動するように取付けられることになる。

尚、上記説明ではファスナーに対して揺動レバー１２を
、次にこのファスナーをパネル１０に取付ける作業順序
で説明したが、逆の順序であっても全く変るものではな
く、その作業は第１軸部分１６ａをノ々ネルの透孔１０
ａに、第２軸部分１６ｂを揺動レノく−の透孔１２
Ｃに押入することによって満足される。

以上の様に本考案によれば、取付パネルと揺動レバーの
それぞれに穿つ透孔にファスナーの両軸部分を単に押入
し、各係止爪片を係止させるだけの作業でパネルに対す
る揺動レバーの枢支を完了することができるため、前記
従来のものと比較したとき作業性において遥かに優れる
と共に、揺動レバーを支持するファスナーは合成樹脂に
係るため従来の金属同志によって生ずる不快な騒音がな
く、またパネル、揺動レバーに対してこのファスナーは
係止爪片の係止によって取付くことから、ナツトの緩み
等の原因によって脱落したり或はガタを生じて騒音を高
めたりすることがなく極めて好都合である。

勿論、上記ファスナーはノ々ネルに対して弾性鍔の介在
によって弾性的に圧着し、回動不能に固着されるため、
透孔のパリ等によって損傷されることもなくその目的を
充分に果すことができる。

また更に、上記ファスナーはインジェクション成形によ
って両軸部分、スペーサ、係止爪片ともども一体に成形
が可能であり、廉価に製造できると共に本考案において
は従来必要であったワッシャ、ナツト類が全く不要であ
り且つ作業用の工具類も不要となることから、管理面に
おいて有利であると同時に全体の製造コストを大幅に軽
減できる利点がある。

尚、前記実施例の説明においてファスナーの各軸部分に
一対宛の係止爪片１７及び１８を設けることとしたが、
この数に限定されるものではなく、また周面を切起して
形成されるものに限定されない。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来例を示す分解斜面図で第２図は本考案にお
ける分解斜面図、第３図は使用状態の断面図、第４図は
枢支手段たるファスナーの平面図、第５図はファスナー
の片手を断面とした正面図である。 １０はドア本体のパネル、１０ ａは透孔、１１はロッ
ド、１２は揺動レバー、１２ ａ 、１２ ｂ 、１２
Ｃは透孔、１４はファスナー、１５はスペーサ、１６
ａは第１軸部分、１６ｂは第２軸部分、１７．１８は
係止爪片、１９．２０はスペーサと係止爪片との間隔、
２１は弾性鍔である。

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. （１）ロック装置から延設されるロッドを一端に接続し
   、他端を操作部材に連結する揺動レノく−と、該揺動レ
   バーを取付パネルに対して回動自在に枢支する枢支手段
   とからなる自動車用ドアロックの操作連結装置において
   、 上記枢支手段はスペーサを間に第１軸部分と第２軸部分
   を有し、該両輪部分に上記スペーサに向けて爪を立ち上
   げる弾性を有する係止爪片を、そして一方の第１軸部分
   にはスペーサと上記係止爪片との間に該係止爪片に対向
   する弾性鍔を備えた合成樹脂で一体に成形されるファス
   ナーにして、該ファスナーの上記第１軸部分を前記取付
   ノ々ネルに穿つ透孔に挿入し、その係止爪片と弾性鍔と
   でパネルを挟持し固着する一方、第２軸部分を前記揺動
   レバーの長さの途中に穿つ透孔に押入してその係止爪片
   を掛は止め回動自在に枢支するようにした自動車用ドア
   ロックの操作連結装置。
2. （２）ファスナーの第１軸部分の第２軸部分は中空軸に
   してその各周面をコ字形に切欠き前記係止爪片を切起す
   るようにしたことを特徴とする実用新案登録請求の範囲
   第１項記載の自動車用ドアロックの操作連結装置。