JPS5826926Y2 - 固形物の包装体 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は、錠剤・カプセル剤等の固形物を幼児等が誤
飲することを防止する固形物の包装体に関する。

従来、この種の固形物の色形物の包装体としては、たと
えば、特開昭４９−４３７９３号に開示されているもの
がある。

これは第１０図に示すように多数のポケット１８を形成
した担持層１９とこれの裏面に封着した積層体２０とか
らなり、各ポケット１８毎の単位分包体２１を形成する
ミシン目２２を刻設し、各単位分包体１９の担持層部分
毎に丸穴２３を明けて、各丸穴２３の中心線の位置に破
断用のスリット２４を刻設したものである。

この包装体から固形物２５を取り出すには、まず、ミシ
ン目２２を切り裂いて単位分包体２１を切り離し、つぎ
にスリット２４を切り裂いて、丸穴２３を半割状にし、
この半割状丸穴２３に指をあてがい、担持体１９と積層
体２０とを剥離させて、ポケット１８内の固形ｖ０２５
を取り出す。

しかし、この場合、上述のように開封のための手操作と
しては、ミシン目２２およびスリツ１〜２４に沿った直
線状の切り裂き操作および半割丸穴に指をあてがっての
引き剥がし操作と言った幼児等にも比較的容易に判断し
かつ操作し得る単純な手段であるので、幼児等が開封す
る危険性がある。

この考案は上述したような従来欠点を解消するものであ
って、包装体を３層のシートから構成し、しかも、単位
分包体のコーナー周辺部にスリットを刻設し、開封手段
として、切り裂き、折り曲げ、引き剥し、引き裂きの４
段階の手操作を所定の手順を踏んで開封しなければ開封
し得ないようにすることにより、幼児等ではほとんど開
封不可能とした固形物の包装体を提供することを目的と
する。

以下、この考案の実施例を図面に基き説明すると、この
包装体１は包装シート２とこれを補強する補強フィルム
３とからなっている。

包装シート２は成型フィルム４とこれの裏面にヒートシ
ールされる破封防止膜５とから構成されており、成型フ
ィルム４は、錠剤、カプセル剤等の被包装物６をそれぞ
れ収容する多数のポケット７を縦横に整列させた状態で
凹曲形成してあり、また、破封防止膜５は各ポケット７
の開口部８を封緘するようになっている。

補強フィルム３は包装シート２の裏面に易剥離性の接着
剤を介して剥離可能に接合しである。

上述の３層のフィルムはそれぞれ次のような材料から構
成されている。

成型フィルム４はたとえば、ポリ塩化ビニル、ポリエチ
レン、ポリプロピレンの単体またはポリ塩化ビニル、ポ
リカーボネイト、ポリスチレンにポリエチレンあるいは
ポリプロピレン等を貼り合わせた複合フィルムからなっ
ており、厚さは４０〜１５０μが適切である。

破封防止膜５は被包装物６をポケット７に収容し、封緘
後ポケット７を外面から指で圧迫しても破れて被包装物
６を取り出せないだけの強度を保持する必要があり、た
とえば、ポリエチレン、ポリプロピレンの厚さ３０−６
０μの単体あるいは厚さ４０〜６０μのポリ塩化ビニル
に厚さ２０〜４０μのポリエチレンもしくはポリプロピ
レンを貼り合わせたもの、さらにはセロファン＃３００
や厚さ９〜３０μのアルミニウム箔に厚さ２０〜４０μ
のポリエチレンあるいはポリプロピレンを貼り合わせた
複合フィルムが適切である。

補強フィルム３はたとえば厚さ１２〜４０μのボッエス
テル、ナイロン（登録商標）が適切であるが防湿性、接
着剤の塗装性を向上させるために上記の材料にアルミニ
ウム箔を貼り合わせ、このアルミニウム箔側に易剥離性
の接着剤を塗布してもよい 上記構成の包装体１には、各ポケット７毎に単位分包体
９を区画形成する破断線１０が包装シート２および補強
フィルム３にわたって縦横に刻設してあり、この破断線
１０は包装シート２部分にはミシン目状の不連続な線１
１に、また、補強フィルム３部分には不連続な線１１或
いは連続な線１２にそれぞれ形成しである。

なお、包装シート２のミシン目状破断線１１のピッチは
使用するフィルム材に応じて切り裂き易いように決める
。

上記破断線１０の縦横の交叉部近傍には、各単位分包体
９毎に包装シート２のみを貫通したスリット１３が形成
されており、各スリット１３は破断線１０の交叉部に向
かって凹曲した半円形状スリット１４とこのスリットか
らポケットフイ立置に向いた直線状スリット１５とから
なっている。

つぎに上記構成の包装体１から被包装物６を取り出す手
順を説明すると、まず、縦横の破断線１０に沿って、−
個の単位分包体９を切り離し、続いて、第５図に示すよ
うに、半円形状スリット１４部分を下方に折り曲げ、こ
の半円形状スリット１４の一部を補強シート３から剥離
させて舌片１６を露出させる。

つぎに、第６図に示すように、この舌片１６を手指で摘
んで、包装シート２を補強フィルム３から剥がしながら
引き裂く。

そして、このために露出した補強フィルム３の隅部１７
を摘んで第７図に示すように、この補強フィルム３を包
装シート２から引き剥す。

次いで、第８図に示すように、この包装シート２を直線
状スリンＩ・１５からポケット７に向かって引き裂いて
被包装物６を取り出す。

第９図はスリット１３の変形例を示し、ポケット７に向
かって尖鋭部１５′が指向するＶ形に形成したもので、
この形態では舌片１６の取り出しと、包装シート２の引
き裂きの同操作を兼ねさせることができる。

以上、詳述したようにこの考案は成型フィルム、破封防
止膜およびこれらを補強する補強フィルムの３層からな
っているので幼児等が単に引き裂こうとしても破封され
る心配はなく、また、包装体およびこれを構成する単位
分包体のそれぞれにわたって破断線およびスリットを形
成して、これを開封するにはひとつづつ異なる手操作、
すなわち切り離し、折り曲げ、引き剥し、引き裂きの４
段階の操作を所定の手順を踏んで行なわなければならず
、前述の従来例に比べても可成り複雑であり、分別力の
乏しい幼児等には殆んど開封するのは不可能で、誤飲事
故を有効確実に防止することができる。

一方、分別のある大人にとっては一連の比較的容易な手
順で、被包装物を容易に取り出すことができる。

【図面の簡単な説明】

図面はこの考案の実施例を示し、第１図は要部斜視図、
第２図は第１図Ａ−Ａ線断面図、第３図は要部底面図、
第４図は単位分包体の平面図、第５図乃至第８図は単位
分包体の開封手順を示す斜視図、第９図は別実施例の要
部平面図、第１０図は従来例を示す要部斜視図である。 ２・・・・・・包装シート、３・・・・・・補強フィル
ム、４・・・・・・成型フィルム、５・・・・・・破封
防止膜、６・・・・・・被包装物、７・・・・・・ポケ
ット、８・・・・・・７の開口部、９・・・・・・単位
分包体、１０・・・・・・破断線、１３・・・・・・剥
離用のスリット、１４・・・・・・半円形状スリット、
１５・・・・・・直線状スリット、１５′・・・・・・
■形尖鋭部分。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. １．成型フィルム４に錠剤等の被包装物６を収容するポ
   ケット７を多数凹曲形成し、この成型フィルム４の裏面
   に破封防止膜５を剥離不能に封着して包装シート２を形
   成し、この包装シート２の裏面にこれを補強する補強フ
   ィルム３を剥離可能に接合し、上記包装シート２と補強
   フィルム３とにわたって破断線１０を刻設し、この破断
   線１０によって各ポケット７毎に単位分包体９を区画形
   威し、各単位分包体９のコーナー周辺部の包装シート２
   部分に少なくとも一つの剥離用のスリット１３をポケッ
   ト７方向に指向する状態に刻設したことを特徴とする固
   形物の包装体 ２、実用新案登録請求の範囲第１項に記載した固形物の
   包装体において、剥離用のスリット１３をポケット７方
   向に膨出した半円形状スリット１４と、半円形状スリッ
   ト１４の中央部から延出させたポケット７方向に指向す
   る直線状スリット１５とで形成したもの ３、実用新案登録請求の範囲第１項に記載した固形物の
   包装体において、剥離用のスリット１３をＶ形に形成し
   、このＶ形尖鋭部分１５′をポケット７方向に指向させ
   たもの