JPS5826722Y2 - バイトホルダ - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は旋盤用バイトのチップの前掬い角・横掬い角
を切削条件に合わせて調整可能としたバイトホルダに関
する。

従来セラミック・サーメット・超硬等のチップを用いて
、鋼、鋳鉄、黄銅、アルミニウム合金等の各種被剛材を
旋盤で切削するにはバイトホルダ、或いは蝋付バイト等
が使用される。

被削材の被切削性、即ち硬度・ねばり・ぜい性等各種要
因によりチップの前掬い角・横掬い角等は経験、又は実
験によって最適の角度が見出されている。

しかしながら市販されているバイトホルダでは、それぞ
れ専用のものがあるけれども共用できるものは見当らな
い。

例えば鋳鉄を切削の途中に短時間の黄銅材の切削作業が
飛び込んだときその度ごとにバイトを取換える不便があ
り、又手元に持合わせのないときには今すぐの役に立た
ず非能率で、極めて不便を感じるものである。

そこで無理をして使用したとしても希望する適切な仕上
面・工作精度が得難い問題があり、又工具寿命に悪影響
をおよぼす結果を招来する。

従って常に被削材に適合するバイトホルダを製作準備す
るか、スロアウエイチップの形状を変更しなければなら
なかった。

たまたま丸柄用のバイトにおいては、１面の掬い角をバ
イト軸を旋回させて調整可能のものは公知である。

このものは中ぐりの特殊作業あるいはねじ切りにのみ有
効であっても通常のバイトには不向きである。

また刃先高さのみ調整できるようになしたものも公知で
ある。

しかしながらこれらは両掬い角が調整できないのでセラ
ミックのように掬い角が微妙に影響する材料に対しては
充分な切削能率が得られない。

従ってこの考案は上記の点に鑑みなされたものであって
、セラミック等の材質の工具に対して各種被削材に直ち
に対応して適切な掬い角を形成できるバイトホルダを提
供するにある。

即ち刃部本体とシャンク部とを別体に製作し、その間に
前掬い角調整支持部と、横掬い角調整支持部とを介在さ
せてそれぞれ単独に調整可能になしたバイトホルダであ
る。

この考案の実施例を図面に基づき説明する。

刃部本体１は上面にチップを正確に位置決めできる取付
は座１０１を有し、チップ１０２をその座面に載置した
あと押え金１０３を挾持する状態に覆い、締付ボルト１
０４で座金１０５を介して刃部本体に前記のチップを押
え金で強く締着するこの方式は周知のものである。

更に刃部本体のシャンク側となる元部を円筒に削りあげ
支持軸１０６が形成されている。

支持軸は必要により外周に軸方向の滑り止めの筋溝が切
られる。

この支持軸１０６を嵌装する穴２０１を穿設した角状の
横掬い角調整支持部２が別体に設けられ、大端面に刃部
本体のチップ傾きを確認できる角度目盛２０２が刻設さ
れている。

この角度目盛は支持軸１０６の端面に半径方向の基準刻
線とを付合させるものである。

そして本支持部側面に穿設穴２０１の軸と直角に穴軸上
に位置するねじ穴２０３が設けられ、取付ボルト２０４
がこのねじ穴に螺装されたとき前記支持軸１０６は真鍮
等の当て金２０５を介して回動しないように緊締される
。

支持軸に筋溝のあるときは当て金が喰い込み緊締は確実
なものとなる。

更に本支持部２は穿設穴２０１に対し、前掬い角調整用
の直交する支持軸２０６カ蛸１］成されている。

この支持軸も、又必要により外周軸方向に筋溝が切られ
る。

この支持軸２０６を嵌装する穴３０１を穿設した角状の
前掬い角調整支持部３が別体に設けられ、穿設穴に横掬
い角調整支持部の傾き、即ち刃部本体１のチップ１０２
の前掬い角を確認できる角度目盛が刻設されている。

この角度目盛は支持軸２０６の端面に半径方向の基準刻
線とを付合させるものである。

又支持部３の側面には穿設穴３０１と直角に穴軸上に位
置するねじ穴３０２が螺設され、前記支持軸２０６が嵌
装されたとき、取付ボルト３０３によって真鍮製などの
当て金３０４を介して強く緊締される。

更に前掬い角調整支持部３の側面には穿設穴３０１と直
角方向にあり３０５が形成されている。

このあり３０５を挾持するあり溝４０１を前端面に形成
したシャンク部４が別体に設けられる。

あり溝４０１の中央底部には割り溝４０２が刻設され、
固定ねじ４０３によって前記あり３０５があり溝に装入
されたとき強く緊締されるものである。

このありの高さを調整することによりチップの高さの微
少調整が可能である。

以上の４個の別体が順次組合わされることにより１個の
バイトホルダが完成する。

従って被削材・工具材質が決まったときチップの横掬い
角が所定の値となるように、横掬い角調整支持部の角度
目盛２０２と支持軸１０６の刻線とを所定位置に合わせ
る。

次にチップの前掬い角が所定の値となるように前掬い角
調整支持部の角度目盛と支持軸２０６の刻線とを所定位
置に合わせる。

そしてバイトホルダを刃物台上でチップ先端を被削材の
中心線に合わせるべく、あり位置の調整又は敷金によっ
て高さを決め固定するものである。

なお各支持部の緊締力が弱かったり或いは剛性が不足で
ある場合は、バイトのビビリを誘発して切削面を悪くす
ると共に、チップ先端の欠損を起させる原因となるため
、各支持軸の端面にねじ穴を設はボルトによって支持部
端面を挾持させ、各部の端面接触を確実に行なわせるこ
とも必要により行なうものである。

更に接触端面に滑りによる廻りを防ぐ凹凸を設けること
も自由である。

更に又支持軸の緊締には穿設部をすり割ってボルトによ
り挾持させることも適宜実行される。

更に又横掬い角調整支持部と前掬い角調整支持部の組合
わせの順序は任意に変更されそれに伴い支持軸の穿設方
向は変更される。

以上詳述したように一つのバイトホルダで前掬い角、横
掬い角の双方を調整可能となしたので、セラミック材等
のような工具材料の使用において被削材の変化に対して
も常に適切に対応できるものであり、バイトの多様化、
切削の能率化並びに長寿命で経済的効果は犬なる特徴が
ある。

【図面の簡単な説明】

第１図は、この考案のバイトホルダでイは組立てた平面
図・口はその側面図。 第２図は、バイトホルダの各部分を関係的に示した分解
図である。 １・・・・・・刃部本体、１０１・・・・・・チップ、
１０６・・・・・・支持軸、２・・・・・・横掬い角調
整支持部、２０２・・・・・・角度目盛、２０１・・・
・・・穿設穴、２０６・・・・・・支持軸、３・・・・
・・前掬い角調整支持部、３０１・・・・・・穿設穴、
３０５・・・・・・あり、４・・・・・・シャンク＊
４０１・・・・・・あり溝。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. チップを上前端に固定するとともにチップ面と平行な第
   １旋回支持軸を切込方向後方に突設した刃部本体と、前
   記第１旋回支持軸を嵌着する第１穴を穿設しその穴外周
   に調整角度を読取る目盛を刻設し該第１穴と直角方向に
   第２旋回支持軸を突設した横掬い角調整支持部材と、前
   記第２旋回支持軸を嵌着する第２穴を穿設しその外周に
   調整角度を読取る目盛を刻設し側面に該第２穴と直角方
   向にありを削設した前掬い角調整支持部材と、前記あり
   を嵌装固着するシャンク部材とを組合わせてなり横掬い
   角と前掬い角との双方が調整可能であることを特徴とす
   るバイトホルダ。