JPS582648B2 - 水産動物の保存方法及び装置 - Google Patents

水産動物の保存方法及び装置

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JPS582648B2
JPS582648B2 JP9639680A JP9639680A JPS582648B2 JP S582648 B2 JPS582648 B2 JP S582648B2 JP 9639680 A JP9639680 A JP 9639680A JP 9639680 A JP9639680 A JP 9639680A JP S582648 B2 JPS582648 B2 JP S582648B2
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aquatic animals
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秋林節美
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Asahi Chemical Industry Co Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、水産動物を長期間、高密度、高生存率で保存
する方法及び装置に関するものであり、活魚貝類の沿岸
、陸上での蓄養、あるいは船舶や車輛による活魚貝類の
輸送において、大量の活魚貝類の蓄養もしくは輸送に適
した経済効率の高い活魚貝類の保存方法及び装置を提供
するものである。
水産動物を定量の収容水を循環使用して保存する場合、
水産動物によって生成もしくは***される老廃物あるい
は斃死体の分解生成物である腐敗物からのアンモニア態
窒素化合物、炭酸ガス、水溶性有機化合物(以下この水
溶性有機化合物を、cOD物質という。
)等を除去することが必要である。
従来、収容水から、これら有毒有害物質を除去する方法
として自然水で換水する方法がある。
この換水法は、収容活魚貝類に由来するあらゆる不要物
質を全て換水により収容系外へ除去するものであり、最
も安易な方法である。
しかしながら、自然水使用のこのような換水法は、活魚
貝類の種類によってそれぞれ異なる収容適温(低温度範
囲域)を維持する場合の冷却温度調節設備やその維持の
ための負担を大きくする。
冷却温度調節設備等の負担は、特に、大量に活魚貝類を
保存したり、イワシの如く低密度収容の必要な魚種の保
存、あるいは夏期における活魚貝類の保存の場合に著し
い。
更に最近沿岸海水面、河川等の汚染が進み、清浄な天然
水を大量に得られない場合が多くなってきた。
又、活魚輸送車輛にみられるように、定量の収容水を用
いて循環曝気するだけでは、前記有毒物の蓄積を除くこ
とができず、したがって、活魚貝類を活きの良い状態で
輸送するためには、積載量と輸送距離が制限されるなど
の問題があった。
換水に代わる経済効率の高い方法の一つとして、塩水を
電気分解して次亜塩素酸ソーダを生成せしめ、これによ
り前記有毒有害物質を酸化処理する方法が知られている
そして、この力法を実施する場合、余剰の、あるいは未
反応の次亜塩素酸ソーダの収容槽への漏出を防ぐため、
酸化還元電位計(ORP)などによる次亜塩素酸ソーダ
生成量のフィードバックコントロール、あるいは酸化還
元電位を検知して還元剤を供給するなどの手段が付加さ
れる。
しかし、この方法は酸化処理が一般に不完全であること
、検出精度が低いORPだけでは酸化剤の残留をくいと
めることができないこと、電解に際し収容水の水素イオ
ン濃度(pH)低下が伴うことなどの欠点があり、安全
な水質を長期間維持することは困難である。
本発明者らは、これらの問題を解決すべく鋭意研究を行
なった結果、前記有毒有害物質を活性炭触媒下で酸化処
理を行なって、迅速、完全に有毒有害物質及び残余の酸
化剤を分解し、かつアルカリ性物質などを用い、収容水
のpHを一定にすることが良いという知見を得て本発明
を成すに至った。
すなわち本発明は、収容槽の収容水を循環再生系路によ
って循環再生しながら生きた水産動物を収容槽で保存す
る方法において、塩水を電気分解して次亜塩素酸ソーダ
を生成せしめる手段を設けて、生成した該次亜塩素酸ソ
ーダによって、収容水中の水産動物由来の老廃物及び腐
敗物を活性炭触媒の存在下で酸化処理する一方、収容水
のpHを調節する手段を設けて所定の値に設定するこさ
を特徴さする水産動物の保存方法に関するものである。
本発明によれば、収容水の浄化循環使用において、酸化
処理及び無毒化処理を軽量コンパクトな設備で安全かつ
確実に操作しうる。
本発明の好ましい実施態様では、電解槽で効率的に次亜
塩素酸ソーダを発生させるために、収容水(及び必要な
場合清浄な新水も同じく)として、0.8重量%以上の
食塩を含有した水を用いこれを電解槽へ供給する。
食塩の濃度は、水産動物に与える生理的影響を配慮して
最大5重量%までが好ましい。
このような収容水自体を電解槽へ循環供給する方式にお
いては、収容水に含まれる食塩が電気化学的に次亜塩素
酸ソーダに変換され、その一部は酸化処理に消費されて
食塩に戻り、残りは活性炭により分解して食塩に戻るの
で、市販次亜塩素酸ソーダを注入する方法に比べて、収
容水中の食塩の蓄積がなく水中の塩濃度をほぼ一定に保
つことができる。
又、市販次亜塩素酸ソーダの注入力式における酸化剤貯
蔵設備、取扱い管理の規制の必要がないので、設置容積
、設備重量が大幅に小さくてすみ、操作が簡単で安全で
ある。
又、好都合なことには、電気分解の際に収容水に含まれ
るマグネシウムイオンのようなフロック形成金属イオン
が水溶性有機物を取り込みフロンクとなって析出するこ
とと、発生する水素ガスの気泡が懸濁固形物を凝集し、
浮上分離できることにより、収容水の濁り度を大幅に低
下せしめることができる。
本発明で用いることのできる電解槽は、一般に市販され
ている電解槽を使うことができ、発明の主旨を達成する
限りにおいて、特に限定しない。
電解槽に通ずる電解電流は、水産動物が単位時間に放出
する***物及び腐敗物を酸化分解するのに必要な次亜塩
素酸ソーダの量から決めればよい。
一つの方法として、各物質の中で特に毒性の高いアンモ
ニアの重量の少なくとも約10〜30倍の次亜塩素酸ソ
ーダを発生させるに足る電流値に設定すれば、通常の水
産動物が放出する汚物はほぼ完全に酸化分解できる。
電解液の次亜塩素酸ソーダの濃度は、必要に応じて、電
解液リサイクル系路を設けるとか、電解槽を複数個直列
に連結するなどして、任意の値にすることができ、長期
にわたる連続運転の期間中、常に高い電流効率を維持で
きるような濃度範囲にすることが望ましい。
立方形又は円筒形の電解槽を約1カ年連続運転を行なう
場合、約1000ppm以下ならば80〜86%の電流
効率を維持できる。
そして、収容水を処理する時の次亜塩素酸ソーダの濃度
は、前記記載の如く収容水中のアンモニア濃度の約10
〜30倍にする。
又、収容海水を電解した時に、いわゆるスケールと称さ
れるアルカリ性物質が析出するので収容水を循環使用す
ると、収容水のpHが低下し、条件にもよるが、清浄な
天然海水(pH約8.4)の場合、水槽のpHは,1日
目で8.1,10日目で7.6位にまで低下する。
さらに腐敗物を含有した収容水を電解処理した時に、主
に水中のCOD物質が酸化分解して生成する有機酸及び
炭酸ガスのために、特に著しいpHの低下がみられ、1
0日間位でおよそpH6.2にまで低下する場合もある
このことは、定量の収容水を用いて活魚貝類を保存する
場合に、致命的な影響を与える。
本発明においては、このpHの低下を防ぐことも要件の
一つとしている。
そのpHを調節する方法として、アルカリ性物質を供給
する方法,と、イオン交換樹脂を用いる方法とがある。
イオン交換樹脂法は樹脂を大量に必要とし、高価である
のに対し、アルカリ性物質の供給は簡易で経済的である
ので、本発明にとってより好ましい方法である。
炭酸ガスは、一般に曝気によって除去できる。
したがって、アルカリ性物質の供給量は基本的には析出
するスケール及び生成する有機酸のアルカリ当量に比例
させればよい。
活魚貝類に対して実験的に求めた結果では、水酸化ナト
リウム換算で活魚貝類1kgあたり0.001〜o.t
(g/時)ほど供給すれば良い。
アルカリ性物質としては、水酸化ナトリウム、水酸化カ
ルシウム緩衝液などを水溶液として、又、マグネシア、
水酸化マグネシウムなどを固形状で用いることができる
水に難溶性の水酸化マグネシウム、マグネシア、水酸化
カルシウムなどは塔に充填し、通過水に少しずつ溶解さ
せたり、網状の袋に詰めて水槽に入れたりして用いるこ
とができる。
アルカリ性物質の供給は、連続的に行なうこともできる
し、又、定期的に注入したり、投入したりすることもで
きる。
さらにこのアルカリ性物質は、収容水のpHを測定し、
これを所定の値に維持するように供給量のコントロール
を行なうことは好ましい。
本発明で、活性炭を用いることの理由は、第1に、毒性
の高いアンモニアを含んだ収容水を処理する場合、アン
モニアと次亜塩素酸ソーダとの反応だけではアンモニア
を完全に分解するのに長時間を要し、未反応のアンモニ
アを含有したまま循環するような条件下であると、徐々
にアンモニア及び次亜塩素酸ソーダが蓄積して行き、遂
にはアンモニアをほとんど分解できなくなる。
しかるに活性炭を触媒として用いると、このアンモニア
と次亜塩素酸ソーダとの反応を瞬時にして完結できアン
モニアをほとんどOppmにまで分解することが可能と
なるからである。
第2に、魚種にもよるが通常致死濃度が0.01〜ip
pm程度の非常に高い毒性をもった次亜塩素酸ソーダを
本発明で用いる活性炭が完全に、しかも、中性、無毒な
食塩に分解でき、かつそれを再利用できるというすぐれ
た特徴を持っているからである。
第3に、老廃物及び腐敗物と次亜塩素酸ソーダとの反応
の際に副生成するクロラミン及び有機塩化物などの有害
物質をも、この活性炭が同時に除去するからである。
本発明で使用する活性炭としては、木材、鋸屑、木材乾
留物、木炭、ヤシ殼などの果実殼、及び同炭化物、リグ
ニン、パルプ、バガス、廃糖密等の植物系原料で作られ
るものと、泥炭、亜炭、草炭、瀝青炭、石炭コークス、
石油コークス、ピッチ、タールなどの鉱物系原科、及び
合成高分子原料で作られるものいずれも用いられる。
活性炭は、いわゆる吸着剤として汎用される粉末活性炭
、粒状活性炭(30メッシュ以上)、ペレット状活性炭
、破砕炭のいずれでも使用することができるが、粒状活
性炭を使用するのが設計上有利である。
活性炭の使用量は、基本的には活魚貝類の収容量、及び
次亜塩素酸ソーダの分解能力と、使用期間を考慮した上
で決める。
又、実際に活性炭を充填して汚水を処理する時に、活性
炭層の設計は、老廃物及び腐敗物の分解率が最犬になる
ように、酸化剤が完全に分解されるように、又使用期間
を考えた上で個々の水産動物に対して実験的に決める。
われわれの実験では、アワビを10℃で保存する場合に
は、貝量(k9)の約1/20(1トンのアワビに対し
て50kg程度)、10℃のアカガイに対して約1/1
0,15℃のマダイに対して約1/10,5℃の鯉に対
して約1/7の活性炭を用いて半年以上十分使用に耐え
られることがわかった。
特に清浄な収容水を好む鱒等の魚類を除けば、通常、魚
量500トンあたりまでは海水を1000m3用い、処
理流量を1000m3/hr程度とした場合、活性炭を
10m3程度用いることによって、収容水のアンモニア
などの水溶性含窒素化合物濃度を天然水のそれと同程度
に約60日維持することができるので、活魚貝類を好体
調に保存できる。
又、好都合なことには、アンモニアのような有毒物を分
解するための活性炭の量はわずかの量で足り、この場合
多少酸化剤の量を多くしても、活性炭層から出てくる残
留酸化剤を数ppmのオーダーでほぼ一定に設定できる
ことがわかった。
このことは残留酸化剤濃度を設定し、これを定量の還元
剤を添加して還元するという容易、かつ確実な処理水の
無毒化を可能にした。
この場合、酸化剤の使用に当っては活性炭層を出る水に
残留する酸化剤の濃度が活魚貝類の収容期間中、多くと
も数ppm以下、好ましくはlppm前後以下になるよ
うに設定するのが安全である。
又、魚種にもよるが、有毒有害物質を安全にまで処理し
なくても良いときには、残留酸化剤の大部分をまず還元
剤で還元し、残りを活性炭で分解する方法を用いても良
い。
還元剤は、活魚貝類にとって実質的に無害の物質なら如
何なる還元剤を使用してもよいが、低温度範囲域におい
て、迅速かつ定量的に次亜塩素酸ソーダと反応する水溶
性の還元剤であるべきである。
好適例としては、チオ硫酸塩があげられるが、他に過酸
化水素も使うことができる。
還元剤の添加量は、活性炭層を出た処理水の次亜塩素酸
ソーダ濃度の1〜3倍当量とすれば良いが、大過剰の還
元剤は循環して再び活性炭層に導入されるのであるから
、活性炭層までに含まれる次亜塩素酸ソーダの酸化力を
相殺してしまうような量の添加は避けるべきである。
又、以上の本発明の基本的力法に加えて、必要に応じ適
時、例えば、水産動物を高密度に収容した場合などの収
容水への酸素導入及び炭酸ガス駆逐のための曝気手段、
収容水の温度を調整するための温調手段を付加すること
が望ましい。
又、イワシなど新陳代謝が激しく、かつ水質変動に対し
て鋭敏な魚に対しては、曝気手段、温調手段の他に収容
水の一部を清浄な外部水と交換するような換水法を付加
することが望ましい。
曝気は、収容槽内あるいは循環途上の収容水と空気又は
酸素と接触させることにより行なう。
接触方法は任意であるが、吹込み法、シャワー曝気法、
送気法が最も一般的なものである。
曝気の場所は水槽内あるいは循環処理ラインの任意の場
所とすることができる。
曝気は1つの方法で行なっても良いし、各々の目的に合
った別の方法を組み合わせて行なっても良い。
本発明にとって好ましい方法は、水槽内の生存環境を均
質に保つために水槽内から収容水を連続的に水槽外の曝
気装置にポンプで送り、循環させる方法である。
この場合の循環水の量は水槽内の活魚貝類の種類、収容
密度によって最適の条件に設定すべきものであるが、収
容活魚貝類1k9.1時間当たり2乃至1000l、よ
り好ましくは10乃至400l程度である。
収容水の温度は、活魚貝類の生存可能な低温度範囲域に
維持することが望ましい。
低温度範囲域収容は水産動物の新陳代謝を抑え、水産動
物の体力消耗を減少させると共に体謝活動に基づく***
物、分泌物による有毒物質の生成を低レベルに保つ効果
がある。
収容水の循環系路内及び/又は取水系路内に冷凍機など
を挿入してこの目的を達することができる。
低温度範囲域は活魚貝類の種類、生育段階等によって異
なるのは当然であるから、収容対象魚種毎に選ばれるべ
きである。
例えば、カタクチイワシでは12〜20℃、マダイでは
7〜20℃、コイ成魚では2〜10℃、アワビでは5〜
13℃、アカガイでは2〜18℃を中心とする均等な範
囲を言う。
換水は、水産動物に由来する水中浮遊固形物などの不溶
物、水溶性有害物質、これら有害物質の化学処理に伴う
分解生成物を、収容系外に運び出すのに効果がある。
換水率は通常の使用では、犬体1/100以上は行なう
のが望まし<、1/5程度をこれることは多くの場合必
要でない。
ここで換水率とは1時間当りに系に対し外部より注入す
る水量の収容水容積に対する割合を言う。
なお、換水は同じ割合で連続的に行なってもよいし、周
期が換水の目的を逸脱する程長くない限りにおいて間欠
的に行なっても差支えない。
収容容量にもよるが、冷却能力、循環再生処理能力を最
大限に活用できる範囲で換水集件を選定する必要があろ
う。
換水の具体的方法は、設備のバリエーションに応じて適
宜慣例の既知力法を採用することができる。
本発明の方法は、基本的に水産動物を収容する収容槽1
、活性炭塔2、電解槽3a,直流電流供給部3b,アル
カリ性物質供給千段4、還元剤供給手段5と、又、必要
に応じて上記装置に電解液リサイクル槽3c,電解液ス
トック槽3d1水素ガス脱気手段、戸過手段、曝気千段
6、冷却千段7、換水手段を付加し、本発明の趣旨に従
って配置した1又は複数の収容水循環系路から構成され
る装置を用いて実施することができる。
第1図A−Gは、これら要素手段の5つの基本的な結合
配置態様の各種の具体例の説明図である。
図中P1〜P1oはポンプである。
第1図Aは、活性炭塔2を通過する収容水の全量を電解
槽3aに供給することを特徴とする。
第1図B,Cは、活性炭塔2に行く水の一部を電解槽3
aに供給する。
第1図D,E,F,Gは、電解液の少なくとも一部ヲリ
サイクルすることにより濃縮した電解液を供給できる。
又、第1図Eは、新水を電解槽3aに供給する例である
第1図F.Gは換水手段を付加したことが特徴である。
アルカリ性物質供給手段4は、第1図にみられるように
、本発明の主旨が達成される限りにおいて収容水の水路
系、あるいは直接収容槽に設けることができる。
還元剤供給手段5は、活性炭を十分に使ったときには必
ずしも必要でない。
還元剤を添加する場所は用途に応じて活性炭塔以後でも
よいし、第1図Bのように手前でもよい。
活性炭塔に収容水を通ずる時の流し方は、下向流上向流
のいずれでも良く、適時、都合の良い流し方をすれば良
い。
一例さして第1図Gの方法を用いた時、収容槽1内の収
容水は循環ポンプP2により、活性炭塔2に送られ、又
、新水が定量ポンプP4により、電解槽3aに供給され
、電解槽に直流電流供給装置3bから直流電流が送られ
て次亜塩素酸ソーダ溶液となり、定量ボンプP,により
、電解槽と電解液リサイクル槽3cを循環して、濃縮次
亜塩素酸ソーダ溶液となり、定量ポンプP6により、活
性炭塔2に送られ、活性炭塔2を出た所に、還元剤貯蔵
槽5により還元剤が定量ボンブP8により供給され、収
容槽1に戻る。
一方、収容水は冷凍機7を通って収容槽に戻る。
清浄な新水は給水ポンプP,により曝気槽の手前の系路
に供給され、曝気槽を経て収容槽に入る。
収容水の一部は排水ポンプPIOにより糸外に排水され
る。
電解槽の極板吉しては、電解の際に溶出しない材料が望
ましい。
例えば、陽極に白金、チタンに白金層を重ねたもの、陰
極にはヂクン、ステンレス鋼、鉄などを用いればよい。
本発明に適用できる水産動物は、マダイ、イシダイ、ク
ロダイ、ヒラアジ、スズキ、ボラ、ハマチ、カンパチ、
トラフグ、カタクチイワシ、マイワシ、ヒラメ、マガレ
イ、マコガレイ、ハモ、アナゴ、カツオ、サンマ、ブリ
、サケ、マスなどの海産魚類、クルマエビ、クマエビ、
シバエビ、ホッカイエビ、モエビ、イセエビ、シャコ、
ケガニ、タラバガニ、ズワイガニ、ガザミ、コマセアミ
、;ニホンアミなどの海産節足動物、マガキ、ホタテガ
イ、アカガイ、ハマグリ、アサリ、ミルガイ、タイラギ
、トリガイ、メガイ、クロアワビ、エゾアワビ、トコブ
シ、サザエ、アカニシなどの海産貝類、マダコ、イカな
どの軟体動物、ウニ、ナマコなどの隷皮動物、ゴカイ、
イワムシなどの環形動物、モクヨクカイメン、ウマ力イ
メンなどの海綿動物、ビゼンクラゲ、ユウレイクラゲ、
シロサンゴ、アカサンゴ、モモイロサンゴなどの腔腸動
物、マボヤなどの原素動物、ベニマス、ニジマス、アユ
、ドジョウ、フナ、コイ、ウナギ、テラピアなどの淡水
魚類、シジミ、カワシンジュガイなどの淡水貝類、グッ
ピー、ワグプラテイ、レースエンゼル、ネオンテトラ、
ニシキゴイ、メダカ、キンギョなどの観賞用魚類などを
例示することかでテきる。
又、本発明は、活魚船輸送とか、沿岸での蓄養に際し、
従来の換水法と容易に組み合わせることができ、そのこ
とにより技術の適用を広範囲に拡げることができる。
次の実施例において、水質の分析は以下の方法で行なっ
た。
実施例1−(1) 第1図Aの要素手段を用いて実験した。
水槽1に天然海水(pH8.35、塩濃度3.41%)
をi.om3入れ、伊豆産クロアワビ(平均重量250
g/1個)を1トンほどプラスチック製の籠に20kg
ずつ小分けにして入れ、水槽に収容し、曝気、冷却し、
本発明の方法を用いて保存した。
曝気は循環水配管の部分に空気導入エジエクターを設け
、循環水量5m3/hrに対し空気を5m3/hr自吸
して行なった。
冷凍機7には、プレート式熱交換機を用いた。
電解槽3aは、円筒形の二重管構造であり、陽極には白
金メッキのチタン管、陰極にはチタン管を用い、極間距
離を5朋とした。
又、実施例1−(2)として、活性炭の減量と還元剤の
供給を行ない、その他の条件を実施例1−(1)と同一
にした実験、実施例1−(3)として、第1図Bの装置
を用いて収容水と酸化剤との反応を10分間行なった後
に還元剤を注入し、そのあと活性炭処理を行なった実験
、比較例1−(1)として、実施例1−(1)における
マグネシアを使わなかった実験、比較例1−(2)とし
て、実施例1−(2)における活性炭を用いなかった実
験、比較例1−(3)として、本発明を用いないで、全
換水法を用いた実験を行なった。
実験条件及び結果を表−1に示した。
実施例1−(1),1−(2),1−(3)の生き残り
のアワビはすべて活きが良かったのに比べ、比較例1一
(1)は著しいpH低下のため、比較例1−(2)は酸
化剤の蓄積のために生き残りのアワビの活きが低下して
いた。
実施例2−(1) 第1図Dの装置を用いて実験した。
水槽1(容積15m3、深さ2m.縦3m、横2.5m
)に天然海水(PH8.35、塩濃度3.41%)を1
0m3入れ、活きの良い仙台産アカガイ(平均重量70
g)を5トン、多孔性プラスチック製の籠に10kgず
つ小分けにして入れ、水槽に収容し、水温を10℃に維
持し、本発明の方法を用いて収容実験を行なった。
曝気槽6には収容水を毎時60m3流し、冷凍機7には
毎時8d流した。
又実施例2−(2)として、活性炭の減量と還元剤供給
を行なった実験、比較例2−(1)として、実施例2一
(1)における活性炭を用いないで、かつ、40%一N
aOHの供給をしないで行なった実験、参考例2−(2
)として、電解槽の代わりに、酸化剤貯蔵槽(容積1m
3,1カ月分の市販次亜塩素酸ソーダ(濃度17wt%
,pH12.7、比重1.22)を820l、重量にし
て1トンストックしている。
〕から酸化剤の薬液注入を行なった実験、比較例2−3
として、本発明を用いないで全換水法による実験を行な
った。
電解槽は、陽極にチタン一白金メッキ平板、陰極にチタ
ン平板とから構成される縦長平板式であり、電解装置一
式の容量は約200l,重量は150kg程度であった
実験条件及び結果を以下の表−2に示した。
比較例2−(1)において、生き残りの貝のほとんどに
弱りがみられた。
上記実施例及び比較例の結果から本発明の方法により、
コンパクト、軽量な設備で、収容水の水質を一段と天然
水に近い状態に維持でき、アカガイを高生存率で保存で
きることを実証できた。
実施例3 第1図Cの装置を用いて実1験した。
天然井戸水(pH7.65)に食塩を約6kg溶かして
塩濃度を1.5%に調整した水を400lほと収容槽(
縦65crrL1横65cIrL,深さ120cfrt
)に入れ、活きの良い鯉(平均重量65g)を100k
g収容し、曝気流量を4m3/hr,空気自吸量を2m
3/hr,冷却機を流れる流量を1001/hrとし、
水温を約10℃に維持し本発明の方法を用いて保存した
又、比較例3−1として、本発明の方法を用いないで、
天然井戸水を用いた全換水法により保存した。
実験条件及び結果を以下の表−3に示した。
結果より低塩分濃度の収容水を用いても高生存率で生か
すことができることを実証できた。
実施例4 第1図Cの装置を用いて実験した。
天然海水(pH 8、35、塩濃度3.41%)を約6
m゜ほど収容槽1(容積6.4m3)に入れ、活きの良
い伊豆産養殖マダイ(平均重量1.2kg)を12尾入
りのプラスチックス製の籠に収容し、1400ゆほど収
容し、曝気、冷却、本発明の方法を用いて保存した。
曝気は循環水配管の部分に空気導入エジエクターを設け
、循環水を60m/hr流し、空気を20m/hr自吸
して行なった。
冷凍機7にはチューブラ一式熱交換器を用い、収容水を
6m/hr流した。
電解装置は実施例2と同じものを用いた。
又、比較例4−1として、実施例4におけるアルカリ供
給を行なわなかった実験、比較例4−2として、本発明
の方法を用いないで、全換水法による実験を行なった。
実験条件及び結果を表−4に示した。
比較例4−1においてpHの著しい低下がみられ、生き
残りのマダイの活きが悪かったのに比べ、実施例4は生
存率が高く活きがすべて良かった。
実施例5 第1図Gで示される装置を船上に設置し実験した。
天然海水(pH8.35)を約20m3ほど収容槽(深
さ2.90m,縦2.65m,横2.65m)に入れ、
活きの良い伊豆産カタクチイワシ(平均重量7.59)
を4.00kgほど入れ、曝気、冷却、部分換水し本発
明の方法を用いて保存した。
曝気は、曝気槽6の手前の配管に空気エジエクターを設
け、循環水を40m3/hr流し、空気を30m3/h
r自吸して行ない、冷凍機7には収容水を10m/hr
流した。
換水量は1m3/hrとし、そのうち曝気槽6に750
l/hr,電解液リサイクルタンク3cに2501/h
r供給した。
電解槽(容積約10l)は円筒式を用い、電解液リサイ
クル槽3C(容積50l)の間で電解液を循環させて濃
度を480ppm近辺に維持した。
電解装置一式の容積は300l程度であった。
なお、各送水ポンプの前に20メッシュの金網より成る
ストレーナーを設置し、死亡イワシ、残餌などを定期的
に除去し、イワシの餌の投餌及び水中ポンプによる死魚
、残餌の取出しを定期的に行なった。
又、比較例5−1として実施例5におけるアルカリ供給
を行なわなかった実験、比較例5−2として実施例5に
おける活性炭を用いず、代わりに未反応の酸化剤を還元
剤の注入の手前に設置したORP計により検知し、酸化
剤の生成量をフィードバックコントロールする方式を用
いた実験を行なった。
実験条件及び結果を表−5に示した。
上記実施例及び比較例の結果から本発明の方法により、
コンパクト、軽量な設備で、収容水の水質を一段と天然
水に近い状態に維持でき、イワシを高生存率で保存でき
ることを実証できた。
【図面の簡単な説明】
第1図A〜Gは本発明の保存装置の数例を示したもので
ある。 図において、1・・・水産動物の収容槽、2・・・活性
炭塔、3a・・・電解槽、3b・・・直流電流供給部、
3C・・・電解液リサイクル槽、3d・・・電解液スト
ック槽、4・・・アルカリ性物質供給手段、5・・・還
元剤供給手段、6・・・曝気手段、T・・・冷却手段、
P1〜PIO・・・ポンプ。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 収容槽の収容水を循環再生系路によって循環再生し
    ながら、生きた水産動物を収容槽で保存ずる方法におい
    て、塩水を電気分解して次亜塩素酸ソーダを生成せしめ
    る手段を設けて、生成した該次亜塩素酸ソーダによって
    、収容水中の水産動物由来の老廃物及び腐敗物を、活性
    炭触媒の存在下で酸化処理する一方、収容水のpHを調
    節する手段を設けて所定の値に調節することを特徴とす
    る水産動物の保存力法。 2 塩水が、塩化ナトリウムを含有した収容水の少なく
    とも一部及び/又は循環再生系路に補給される新水であ
    る特許請求の範囲第1項記載の方法。 3 収容水のpHを調節する手段が、収容水の少なくと
    も一部あるいは循環再生系路に補給される新水にアルカ
    リ性物質を供給することである特許請求の範囲第1項記
    載の方法。 4 酸化処理した循環水に残存する次亜塩素酸ソーダを
    還元する手段を設けた特許請求の範囲第1項記載の方法
    。 5 水産動物を収容する収容槽と、該収容槽中の収容水
    を循環再生するための循環再生系路とからなる生きた水
    産動物を保存ずる装置において、塩水を電気分解して次
    亜塩素酸ソーダを生成するための電解槽と、活性炭が充
    填された活性炭触媒層手段と、収容水のpHを調節する
    ための手段とが前記再生系路に設けられていることを特
    徴とする水産動物の保存装置。 6 pHを調節するための手段はアルカリ性物質供給手
    段を含むものである特許請求の範囲第5項記載の装置。
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