JPS5825741B2 - 時計用外装部品の製造方法 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は時計用外装部品の製造方法に関するもので、薄
肉時計用側を簡単な工程によって安価にかつ自由なデザ
インで生産しうる方法を提供せんとするものである。

従来薄肉時計用側の製造方法としては、一般的に絞り加
工・プレス加工の各工程を経て切削加工等で所定の形状
に製造する方法及びロストワックス等の鋳造方法で成形
した後切削加工等で所定の形状に製造する方法等があっ
た。

しかしながら上記製造方法等には種々の欠点があった。

絞り加工については、加工上の問題に起因する板厚・形
状・デザインの制約がある。

特に板厚の制約面では絞り加工上から超薄板の絞り加工
が非常に困難であり、薄型化傾向に対処する上で大きな
ネックとなっている。

さらに板厚を薄く出来ないため時計用側として使用する
材料の量がかさみ時計体、特に貴金属側を使用する製品
は大巾なコストアップ要因となっていた。

また時計のファッション化が進み、デザインの多様化を
優先した場合、絞り加工工数の増加を招くばかりでなく
加工そのものが不可能となってしまう。

プレス加工においても絞り加工同様に加工上の問題に起
因する板厚・形状・デザインの制約がある。

さらにプレス加工上発生するパリの除去にも多大な工数
がかかり、材料費のコストアップにつながっていた。

鋳造方法においては、絞り加工及びプレス加工に比較し
て形状の制約が少なく時計用側として使用する原材料も
少なくてすむ。

このため貴金属時計側の製造には最も適しているが、反
面鋳造には巣の発生という欠点があり外観品質を重視す
る時計用側への適用はまだ困難であり、また薄肉化の面
でも鋳造不良（特に湯回り性）が起り問題点として残っ
ている。

以上の説明通り現行製造方法では、薄肉時計用側を製造
する上で、形状・板厚・デザインの制約及びコストアッ
プの要因が多く、量産拡大へは極めて困難である。

そこで本発明の目的は、上記の欠点を解決する為に鋳造
、ことにダイキャスト法と表面処理技術を複合すること
によって、薄肉時計用側を安価でかつ板厚・形状の制約
を受けずに容易に製造せんとするものである。

以下本発明の要旨を図面にそって説明する。

第１図において、１はダイキャスト法で成形した化学的
に溶解可能な金属から戒る時計用外装部品雄型である。

該雄型１の材料としてはダイキャストが可能なＺｎ（亜
鉛）・Ａ７（アルミニウム）・Ｓｎ（スズ）・Ｃｕ（銅
）・Ｍｇ（マグネシウム）・Ｆｅ（鉄）及び黄銅・洋白
・ステンレス・スチール等の金属材料があげられる。

尚、該雄型１は次工程で外周面に金属層を形成する為、
あらかじめ金属層２の厚みを減じた所定の寸法で製作し
ておく。

次に第２図に示す如く該時計用外装部品雄型１へ湿式又
は無電解メッキ、蒸着、スパッタリングなど表面処理を
施し時計用側寸法になるまで金属層２を析出させ時計用
側完成体を製造する。

該金属層２の材料としては、Ｎｉにッケル）Ｐｄ（鉛）
・Ａｕ（金） −ＡＪ’ （銀）−Ｒｈ（ロジウム）・
Ｒｕ（ルテニウム）またはそれぞれの合金及び前記材料
の多層被膜等があげられる。

厚みとしては５０μ〜５００μを設定する。

これは現在使用されている時計用側を考慮して、５０μ
以下では強度が無く時計側として使用できずムーブメン
トの破損を起し、５００μ以上であれば絞り加工でも充
分製造可能でありコスト的メリットが無くなる。

以上の様な方法で製造した時計用側完成体に、第３図に
示す如く内面へ離型１を化学溶解出来る様加工穴３を設
ける。

次に本時計用側完成体の外周金属層２に対して雄型１を
選択的に化学溶解させ、時計用外装部品雌型４を製造す
る。

この雌型４へ簡単な切削・研磨加工を施し時計側として
使用する。

本発明による時計用側はダイキャスト法と表面処理技術
を複合しである為、ダイキャスト法の特徴である寸法精
度の良さ、特にＺｎグイキャストでは製品寸法を ５〜
７１ｎ７ＩＬの公差で押１０００ １０００ えることが可能である。

そして形状の制約が大巾に拡がり、金型さえ出来れば、
はとんどの形状を作り込める。

また表面処理技術によってメッキ層の厚みすなわら時計
側厚みを材料強度並び時計側強度に合せて調整できる為
、時計用側としては極めて品質の高いものを得ることが
できる。

さらに従来の製造方法の欠点であった板厚・形状・デザ
イン・加工等の問題が解決でき、製造工数面・材料面共
に大巾なコストダウンを図ることが可能となり、金ムク
時計側の製造には極めて効果があった。

以下実施例に基づき説明する。実施例 １゜ Ｚｎグイキャスト法で第１図の如く時計側雄型１を鋳造
する。

亜鉛材料はＪＩＳ ＺＤＣ−２を用いる。

本鋳造品は次工程の表面処理を考慮して各寸法平均２０
０μのメッキ厚みを加減して成形した。

次に本鋳造亜鉛側へ第２図の２の如＜Ａｕ〜Ａｇ合金メ
ッキ液（日進化成株式会社製オーロベースＵＧ−１６）
を用いて約２００μの厚付け１８にメッキを施し鋳造亜
鉛側を製品完成寸法に仕上げた。

この後、本時計用側の内面（外観として現われない部分
）へ３ケ所亜鉛溶出穴（第３図の３に相当）を設ける。

この時計用側をＨＮＯ３：Ｈ２０＝１＝１の希硝酸液へ
浸漬し亜鉛材料を化学溶解させる。

室温単純浸漬で亜鉛材料は約３６時間くらいで完全溶解
することができた。

この様にして出来た１８に時計用側を簡単な切削加工と
研磨化工を施した後、仕上げＡｕメッキを約５μ付けて
金ムク１８に時計側として完成した。

実施例 ２゜ Ｚｎグイキャスト法で鋳造した時計側を製造した。

本鋳造品は次工程の表面処理を考慮して各寸法平均２２
４μのメッキ厚みを加減しである。

次に本鋳造亜鉛側へＣｕ２００μ−Ｎ ｉ ２０μ−Ｐ
ｄ４μの構成でメッキを２２４μ施し、鋳造亜鉛側を製
品完成寸法に仕上げた。

その後希塩酸（ＨＣｌ：Ｈ２０＝１：１）に浸漬させ、
亜鉛材料を化学溶解させ時計側を製造した。

この時計側を簡単な切削加工と研磨加工を施した後、仕
上げメッキとしてＲｈメッキを０．５μ施し時計側とし
て完成した。

なお、本発明の時計用外装部品は側である胴、裏ブタ、
ガラス縁の他、リューズ、ボタン、文字板、見切板、バ
ンドなどが含まれる。

以上の説明通り本発明は極めて効果がある製造方法であ
り、時計側以外でも装飾品関係等広く応用できるもので
ある。

【図面の簡単な説明】 第１図はダイキャスト法で成形した時計用外装部品の断
面図を示す。 第２図は時計用外装部品へ表面処理を施した部分断面図
を示す。 第３図は表面処理層に加工穴を施は内部時計用外装部品
を溶解除去した状態を示している。 １・・・・・・時計用外装部品雄型、２・・・・・・金
属層、３・・・・・・溶解加工穴、４・・・・・・時計
用外装部品雌型。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 鋳造法にて成形した化学的に溶解可能な金属から戒
   る時計用外装部品雄型の外面に厚みで５０μ〜５００μ
   の金属層を形成した後、該雄型を外面金属層に対して選
   択的に化学溶解させ、該外面金属層を時計用外装部品と
   することを特徴とする時計用外装部品の製造方法。