JPS5825042Y2 - バルコニ−の入隅固定装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は、バルコニーの入隅固定装置に係わるもので
あり、詳しくは入隅部がある所にバルコニーを設置する
際、その入隅部においてバルコニーの建物側取付材及び
バルコニーの側梁を強固に固定して安定したバルコニー
設置を可能とする入隅固定装置に関する。

一般にバルコニーの設置にあたって重要なことは、バル
コニー主柱に前梁を強固に固定することは熱論のことで
あるが、同様に建物躯体側に固定する取付材及び側梁も
柱等の強靭な構造材に強固に固定することも必要である
。

第１図に示すような錠状に凹んだ大隅部と称する部分が
ある所に、バルコニーを設置する場合、構造上及び外観
上の理由から大隅部に設けられる柱りが大隅部をなす壁
Ｅの内側に設けられるため、大隅部側にあたる建物側取
付材の一端及び側梁の一端をその柱りに固定することは
困難で、従って、これらを強固に固定することかで゛き
ない。

従来、上記建物側取付材の一端及び側梁の一端を入隅の
壁または壁下地材に釘打ちしているが、これでは、建物
躯体に強固に固定することば活栓むりであり、大隅部が
人が乗ったときのデツキの荷重に充分に耐えられないお
それがあった。

このような欠点を解消する手段として、大隅部に支柱を
設ける考えもあったが、外観上の美観を損うとともに、
やはり強度上の欠陥があった。

本考案はこのような点を考慮してなされたもので、大隅
部に適合する簡単な固定金具を用いた入隅固定装置によ
って、容易かつ充分な強度をもって側梁及び取付材を大
隅部の内柱等の強靭な構造材に固定可能にし、もって大
隅部に取付けるバルコニーの信頼性及び安全性を高める
ことを目的とする。

以下、図面を参照し、好ましい実施例により本考案を詳
細に説明する。

本考案バルコニーの入隅固定装置は、概略的には、大隅
部ｉの壁Ｅに沿って直角に連続する補強部１とその上端
において同様に直角に一定の幅をもって延在する取付部
２とを一体に有する固定金具Ａにバルコニーの建物側取
付材Ｂ及びバルコニーの側梁Ｃを固定することにより構
成される。

固定金具Ａの補強部１は、上部の取付部２を補強するも
ので、各垂直片１ａ、ｌｂが下方がら上方に向かって順
次曲線的に大きくなるように延在し上端で取付部２に連
結してそれを支持している。

一方、取付部２は建物側取付材Ｂ及び側梁Ｃを支持する
のに充分な一定の幅を有し、大隅部ｉをなす壁Ｅに沿っ
た直交する左右の片２ａ、２ｂがあり、それぞれ建物側
取付材Ｂ及び側梁Ｃを載置できるようになっている。

上記補強部１の各垂直片１ａ、ｌｂの接合部分には各左
右の片１ａ、ｌｂに対して４５°の傾斜面を有する固着
部３を有し、ここには傾斜面に対して垂直にボルト貫通
孔３ ａ 、３ ｂがある。

このボルト貫通孔３ａ、３ｂはコーチスクリュー４を挿
通して第３図に示すように入隅の内側柱りに固定金具Ａ
を固着するための孔である。

この孔は固着部３に少なくとも一つあればよいが、好ま
しくは、実施例の如く、上下二ケ所設ける。

そして、前記取付部２の多片２ ａ 、２ ｂには、そ
れぞれ端部近傍に多片に対して直角な長軸を有する長孔
のボルト貫通孔５ａ、５ｂを設ける。

長孔からなるボルト貫通孔５ａ、５ｂは、建物側取付材
Ｂの取付用孔であって、大隅部ｉがバルコニーの左右ど
ちら側にあっても使用できるようにするために両側に設
けである。

第１図に示すように、大隅部ｉがバルコニーの左側にあ
る場合には、右側片２ｂにある長孔のボルト貫通孔５ｂ
を用い、逆に大隅部ｉがバルコニーの右側にある場合に
は、左側片２ａにあるボルト貫通孔５ａを用いる。

そして、各片２ｂ、２ａ上にそれぞれ建物側取付材Ｂの
一端及び側梁Ｃの一端を載置したときに、ボルト貫通孔
５ｂのみにボルトを挿通して建物側取付材Ｂだけねし止
め固定できるようになっている。

上記ボルト貫通孔５ａ、５ｂが長孔になっているのは、
固定位置を調整するためのものである。

かかる構成のバルコニーの入隅固定金具を用いて大隅部
がある所にバルコニーを設置するには、まず、第３図に
示すように、建物側取付材Ｂ及び側梁Ｃを取付ける任意
の高さの位置でボルト貫通孔３ ａ 、３ ｂにコーチ
スクリュー４，４を挿通して固定金具Ａを大隅部の内部
柱りに固着する。

この固定金具Ａの固着は、大隅部外側にほんのわずか露
呈する柱の稜部Ｄｃに、固定金具Ａの固着部３の外側を
当接し、同時に補強部め多片１ａ、ｌｂをそれぞれ入隅
を構成している壁Ｅに当接した状態でコーチスクリュー
４，４を斜め方向からねじ込むことにより行なう。

固着部３の外側は多少光が鋭くなっており、ねじ込んだ
ときにこの部分が柱りの稜部Ｄｃに食い込んで良好に密
着し、強固に固定することができる。

しかも、補強部１の垂直な多片１ａ、１ｂが入隅をなす
壁面Ｅに同時に密着するから、固定金具Ａは全面的に支
持されて確実かつ強固に固定される。

次に、固着された固定金具Ａに対して第４図に示すよう
に、取付部２の一方側片２ｂにバルコニーの建物側取付
材Ｂの一端を載置する。

以下、取付固定順序を第５図によって説明する。

初めに建物躯体に固定する建物側取付材Ｂの一端を一方
側片２ｂに載置し、建物側取付材Ｂのデツキ載置用根太
を受ける受部６にあらかじめ形成しであるボルト挿入孔
と片２ｂの長孔のボルト貫通７Ｌ５ｂとを一致させ、一
致した孔に対して下側からボルトｂ１を挿通し受部６よ
り上方に突出した先端さらにＬ字状アングル７の孔を通
し上方よりナツトｎ１を締付けることによりＬ字状アン
グル７ともども建物側取付材Ｂの一端を固定金具Ａの取
付部２−吉例に固定する。

この固定のとき、取付部２には長孔のボルト貫通孔５ｂ
があるから、一旦固定したナツトｎ１を多少弛めた状態
で建物側取付材Ｂをわずかに動かすことによりその取付
位置を調整できるものである。

なお、建物側取付材Ｂのもう一方の他端は建物躯体の外
部に露呈する他の柱に同時に直接固定し、かつ、必要な
らば長手方向中間を間隔をもって、コーチスクリューで
゛壁下地材に固定する。

次に固定金具Ａの取付部２の他方側片２ａに側梁Ｃの一
端を載置する。

側梁Ｃには前記建物側取付材Ｂの受部６に対応して段部
８を有するので、固定の際、この段部８に受部６の長手
方向端部が係合し、取付材ＢにはＬ字状アングル７が取
付けられているので、同時に側梁Ｃのテ゛ツキ支持部９
がＬ字状アングル７に当接することができる側梁Ｃのデ
ツキ支持部９の固定金具側端部裏面には、ナツトｎ３を
接合した取付板１０が固着されており、Ｌ字状アングル
７の垂直部７ａに形成されたボルト貫通孔からナツトに
対応してテ゛ツキ支持部９に穿設したボルト挿入孔にポ
ル）ｂ３を挿通し、かつナツトｎ３に螺合することによ
り建物側取付材Ｂの端部と側梁Ｃの端部とをＬ字状アン
グル７を介して結合固定することによって側梁Ｃの一端
を固定金具Ａの取付部２に載置固定する。

なお、上記ボルトｂ３とナツトｎ３による三者の結合固
定の代りに、側梁Ｃの下部にあらかじめ形威しであるボ
ルト挿入孔と片２ａのボルト貫通孔５ａとを一致させ、
一致した孔に対して下側からボルトｂ２を挿通し、側梁
Ｃの内部に突出した先端に対しナツトｎ２を螺合するこ
とにより側梁Ｃの一端を固定金具Ａの取付部２に固定す
るようにしてもよい。

図中、１１は取付材Ｂに載置されるデツキである。

このように、大隅部の柱りに強固に固定された固定金具
Ａの上に、建物側取付材Ｂの一端及び側梁Ｃの一端を載
置ネジ止めするので、建物側取付材Ｂ及び側梁Ｃは入隅
部においてきわめて強固に固定できるものでデツキの荷
重を充分に支えられる。

その上、建物側取付材Ｂの一端と側梁Ｃの一端が大隅部
において、Ｌ字状アングル７を介してネジ止め固定され
ていることから、建物側取付材と側梁とを実質的一体に
して、柱りに強固に固着された固定金具Ａに支持させる
ようになっている。

従って、入隅部におけるバルコニーの支持強度が増大し
、テ゛ツキ荷重を充分に支えられることは勿論のこと、
人が乗ったときの重圧荷重をも充分に支えられる強靭な
ものとなる。

支持強度を増大させる前記固定金具は、建物側取付材Ｂ
の一端及び側梁Ｃの一端を大隅部において支持固定する
ものであり、その構造は、上記実施例に限定されるもの
ではなく、例えば建物側取付材Ｂの一端及び側梁Ｃの一
端を固定金具の両片部で載置することなく固定金具の平
面り字状の両側面部でネジ止め固定する構造としてもよ
いことばいうまでもない。

要するに、本考案の入隅固定装置に用いる固定金具は、
平面り字状の多片を入隅をなす壁面と平行に向け、大隅
部において柱等の丈夫な下地構造材にバルコニーの建物
側取付材及びバルコニーの側梁を固定できる構造とすれ
ばよいのでその形状は特に問わない。

以上、本考案によれば、簡単な固定金具を用いた入隅固
定装置によってバルコニーの建物側取付材の一端及びバ
ルコニーの側梁の一端を容易にかつ充分な強度をもって
入隅の内柱に強固に固定できるものである。

しかも建物側取付材、側梁及び固定金具が三者一体とな
って入隅の内柱等の強靭な下地構造材に強固に固着でき
るものであり、人が乗ったときのテ゛ツキの重圧荷重を
も充分に支えられるものである。

従って、バルコニーの信頼性及び安全性は極めて高度な
ものとなる。

【図面の簡単な説明】

第１図は大隅部がある所にバルコニーを設置した断面図
、第２図は本考案に係る固定金具の一実施例の斜視図、
第３図乃至第５図は本考案の一実施例を示したもので、
第３図は大隅部に固定金具を取付けた状態を示す一部断
面平面図、第４図は固着した固定金具に建物側取付材及
び側梁を取付ける状態を示す斜視図、第５図は取付完了
した入隅固定部分の断面図である。 Ａ・・・・・・固定金具、Ｂ・・・・・・建物側取付材
、Ｃ・・・・・・側梁、Ｄ・・・・・・柱、Ｅ・・・・
・・壁、ｉ・・・・・・入隅部、１・・・・・・補強部
、２・・・・・・取付部、２ ａ 、２ ｂ・・・・・
・片、３・・・・・・固着部。

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. （１）平面り字状の固定金具のそれぞれの多片を、入隅
   をなす壁面と平行に向け、前記固定金具を入隅部におい
   て柱等の強靭な下地構造材に固定し、前記多片にバルコ
   ニーの建物側取付材及びバルコニーの側梁を固定したこ
   とを特徴とするバルコニーの入隅固定装置。
2. （２）前記固定金具の一方片にバルコニーの建物側取付
   材の一端を、他方片にバルコニーの側梁の一端を載置固
   定したことを特徴とする（１）項記載のバルコニーの入
   隅固定装置。