JPH0332163Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） この考案は、コンクリート製の外壁パネル下端
部を取付金具を用いて建物に固定した構造に関す
る。

（従来の技術） 固定金具を用いて外壁パネルを軸組に固定した
構造は、実開昭58−13304号公報に記載の考案
（以下、第１従来例という）で知られている。こ
の考案は、軸組に取付けた固定金具から延設した
略Ｊ字状受支片で外壁パネルの縁部を支えてい
る。

また、取付具の先端から起立した起立片に壁の
背面を支持させる構造は、実開昭50−16322号公
報に記載の考案（以下、第２従来例という）で知
られている。

（考案が解決しようとする問題点） 第１従来例は、外壁パネルの縁部が略Ｊ字状受
支片で支えられているのみである。したがつて、
外壁パネルがコンクリート製のような重量の大な
るものであると、十分な強度がないし、ボルトで
固定しないので安定性に欠ける問題があつた。

第２従来例は、壁の中程を梁に固定した構造で
ある。取付具と梁との固定が単に取付具の係止片
が係止されただけであるので、強度がないし、壁
を下から支える構成が示されていない。また、支
持具あるいはボルトの頭部が壁から外方へ大きく
突出し、建物の外壁パネルの固定構造としては外
観的に問題がある。

（問題点を解決するための手段） このような問題を解決するため、本考案は、コ
ンクリート製の外壁パネルの下端部を建物の軸組
に取付金具を用いて固定した構造で、軸組は、溝
形鋼を枠組みして形成され、中桟、上弦材、下弦
材等の横部材には底板にボルト通し孔が形成され
たものであり、外壁パネルは、上下方向に複数本
の断面Ｔ字形の蟻溝が形成され、この断面Ｔ字形
蟻溝の頭部は外壁パネルの厚さ方向の中部に形成
され、脚部はこの頭部から外壁パネルの背面に切
抜いて形成されたものであり、取付金具は、固定
部材と受止部材とから構成され、固定部材は頭部
となる係止板に脚部となる連結ボルトがＴ字形に
取付けられて、この連結ボルトにナツトを備え、 受止部材はこの受止部材を軸組の横部材に取付
ける基板と、この基板の一端上部に立上げた外壁
パネルの背面支持板と、この基板の一端下部から
突設した外壁パネルの下端を受止める断面略Ｊ字
形の受止板と、基板の他端から下方に突設させて
軸組の横部材の肩部へ係合する係合板とで形成さ
れ、基板の中央部にボルト通し孔が形成されてい
るとともに、支持板には縦方向に長い長孔が形成
されており、前記した連結ボルトがこの長孔に水
平状に横切つて挿入されるようになされ、かつ、
前記したボルト通し孔に挿通させて基板を軸組の
横部材に固定させる固定ボルトとナツトを備えた
ものであり、軸組の横部材の上に、この横部材を
横切つて受止部材の基板が載置され、基板の他端
に設けた係合板が横部材の肩部に係合されるとと
もに、基板に形成したボルト通し孔と、横部材の
底板に形成したボルト通し孔とを適合させて、こ
れらボルト通し孔に挿通させた固定ボルトにナツ
トを締め込んで受止部材が軸組に固定され、この
ように固定した受止部材の受止板の上に、外壁パ
ネルの下端における蟻溝の下縁部が載置されると
ともに、外壁パネルの背面が受止部材の支持板に
添接され、固定部材の係止板が、外壁パネルに形
成した蟻溝の頭部内に入れられて、この係止板が
蟻溝頭部の縁部に係合されるとともに、蟻溝の脚
部から外壁パネルの背面に突出された連結ボルト
が前記した支持板の長孔に水平状に横切つて挿入
され、この連結ボルトにナツトをねじ入れて締着
されたものとなした。

（作用） コンクリート製の外壁パネルの下端部が、取付
金具を介して下から支えられるとともに、背面側
（建物側）に引寄せられて軸組に固定される。

（実施例） 以下、本考案の実施例を図面に基いて説明す
る。

本考案に係わる外壁パネル下端部の取付構造を
第１図に示す。

軸組３は溝形鋼４，５を枠組して形成され、中
桟、上弦材、下弦材等の横部材５には底板にボル
ト通し孔（図示せず）が形成されたものである。
５ａは溝形鋼のリツプである。

外壁パネル１は、コンクリート製であつて、上
下方向に複数の断面Ｔ字形の蟻溝１２が形成さ
れ、この断面Ｔ字形蟻溝１２の頭部１２ａは外壁
パネル１の厚さ方向の中部に形成され、脚部１２
ｂはこの頭部１２ａから外壁パネル１の背面１ｂ
に切抜いて形成されたものである。

この外壁パネル１の断面中央部には、さらに複
数個の空洞部１０，１１が形成されていて、軽量
化が図られている。

６は２階部分の床梁、７は水切り板、８はコー
キング、９は階下つまり１階部分の外壁パネルで
ある。

取付金具２は、固定部材１３と受止部材１４と
から構成されている。

固定部材１３は頭部となる係止板１５に脚部と
なる連結ボルト１６がＴ字形に取付けられて、こ
の連結ボルト１６にナツト１７が備えられてい
る。１６ａは連結ボルト１６の頭部である。

受止部材１４はこの受止部材１４を軸組３の横
部材５に取付ける基板１８と、この基板１８の一
端上部に立上げた外壁パネル１の背面支持板２０
と、この基板１８の一端下部から突設した外壁パ
ネル１の下端を受止める断面略Ｊ字形の受止板１
９と、基板１８の他端から下方に突設させて軸組
３の横部材５の肩部へ係合する係合板１８ａとで
形成され、基板１８の中央部にボルト通し孔２３
が形成されている。支持板２０には縦方向に長い
長孔２４が形成されており、前記した連結ボルト
１６がこの長孔２４に水平状に横切つて挿入され
るようになされている。かつ、前記したボルト通
し孔２３に挿通させて基板１８を軸組３の横部材
５に固定させる固定ボルト２５とナツト２６を備
えたものである。

なお、基板１８は、断面略Ｌ字形板２１と断面
略下向きコ字形板２２の背板同士を合体（溶着）
したものであつてもよい。Ｌ字形板２１には、一
端に立上げた支持板２０が形成される。２１ａ
は、Ｌ字形板２１の両側縁に形成した補強片であ
る。コ字形板２２には、一端に受止板１９、他端
に係合板１８ａが形成される。

次に、外壁パネル１の下端部を軸組３に固定す
る手段について説明する。

軸組３の横部材５の上に、この横部材５を横切
つて受止部材１４の基板１８が載置され、係合板
１８ａが基板１８の肩部に係合されるとともに、
基板１８に形成したボルト通し孔２３と、横部材
５の底板に形成したボルト通し孔に挿通させた固
定ボルト２５にナツト２６を挿し込んで受止部材
１４が軸組３に固定される。

このように固定した受止部材１４の受止板１９
に上に、外壁パネル１の下端における蟻溝１２の
下縁部１ａが載置されるとともに、外壁パネル１
の背面１ｂが受止部材１４の支持板２０に添接さ
れる。

固定部材１３の係止板１５が、外壁パネル１に
形成した蟻溝１２の頭部内１２ａ内に入れられ
る。この係止板１５が蟻溝頭部１２ａの縁部に係
合されるとともに、蟻溝１２の脚部１２ｂから外
壁パネル１の背面１ｂに突出された連結ボルト１
６が前記した支持板２０の長孔２４に水平状に横
切つて挿入される。この連結ボルト１６にナツト
１７をねじ入れて締着される。

このようにして、コンクリート製外壁パネル１
の下端部が取付金具２を介して下から支えられる
とともに、背面側に引寄せられて軸組３に固定さ
れる。

（考案の効果） 本考案に係る外壁パネル下端部の固定構造は、
外壁パネルの下端部を下から支えるとともに、背
面側（建物側）へ引寄せて固定したものである。
したがつて、重量の大なるコンクリート製の外壁
パネルであつても、安定して強固に取付け固定で
きる構造である。

また、取付金具が建物の外面に露出しないの
で、外観を損なうような不都合もなく、外壁パネ
ルの固定ができる構造である。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の実施態様を例示し、第１図は外
壁パネル下端部の固定構造を示す縦断面図、第２
図は取付金具の分解斜視図、第３図は外壁パネル
の平面図である。 １，９……外壁パネル、１ａ……下縁部、１ｂ
……背面、２……取付金具、３……軸組、５……
横部材、１３……固定部材、１４……受止部材、
１８……基板、１９……受止板、２０……支持
板。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 コンクリート製の外壁パネルの下端部を建物の
   軸組に取付金具を用いて固定した構造で、 軸組は、溝形鋼を枠組みして形成され、中桟、
   上弦材、下弦材等の横部材には底板にボルト通し
   孔が形成されたものであり、 外壁パネルは、上下方向に複数本の断面Ｔ字形
   の蟻溝が形成され、この断面Ｔ字形蟻溝の頭部は
   外壁パネルの厚さ方向の中部に形成され、脚部は
   この頭部から外壁パネルの背面に切抜いて形成さ
   れたものであり、 取付金具は、固定部材と受止部材とから構成さ
   れ、 固定部材は頭部となる係止板に脚部となる連結
   ボルトがＴ字形に取付けられて、この連結ボルト
   にナツトを備え、 受止部材はこの受止部材を軸組の横部材に取付
   ける基板と、この基板の一端上部に立上げた外壁
   パネルの背面支持板と、この基板の一端下部から
   突設した外壁パネルの下端を受止める断面略Ｊ字
   形の受止板と、基板の他端から下方に突設させて
   軸組の横部材の肩部へ係合する係合板とで形成さ
   れ、基板の中央部にボルト通し孔が形成されてい
   るとともに、支持板には縦方向に長い長孔が形成
   されており、前記した連結ボルトがこの長孔に水
   平状に横切つて挿入されるようになされ、かつ、
   前記したボルト通し孔に挿通させて基板を軸組の
   横部材に固定させる固定ボルトとナツトを備えた
   ものであり、 軸組の横部材の上に、この横部材を横切つて受
   止部材の基板が載置され、基板の他端に設けた係
   合板が横部材の肩部に係合されるとともに、基板
   に形成したボルト通し孔と、横部材の底板に形成
   したボルト通し孔とを適合させて、これらボルト
   通し孔に挿通させた固定ボルトにナツトを締め込
   んで受止部材が軸組に固定され、 このように固定した受止部材の受止板の上に、
   外壁パネルの下端における蟻溝の下縁部が載置さ
   れるとともに、外壁パネルの背面が受止部材の支
   持板に添接され、 固定部材の係止板が、外壁パネルに形成した蟻
   溝の頭部内に入れられて、この係止板が蟻溝頭部
   の縁部に係合されるとともに、蟻溝の脚部から外
   壁パネルの背面に突出された連結ボルトが前記し
   た支持板の長孔に水平状に横切つて挿入され、こ
   の連結ボルトにナツトをねじ入れて締着されたこ
   とを特徴とする外壁パネル下端部の固定構造。