JPS5824659B2 - 過負荷クラツチ - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、たとえばトラクタの動力取出軸により農業用
機器を駆動するための関節軸といった駆動軸を保護する
ための過負荷クラッチであって、駆動クラッチ部分と被
駆動クラッチ部分とからなり、クラッチボスとして構成
された一方のクラッチ部分が、円周上に分配された開口
を有しており、開口内に連行体として作用する転動体が
保持されており、転動体はトルクを伝達するために、他
方のクラッチ部分の切欠きに係合しており、かつり；ラ
ッチボスとして構成された一方のクラッチ部分上に回動
可能であるが、円周方向に作用するばねによりトルク伝
達位置に保持される切換リングが設けられていて、しか
も連行体はトルクを伝達する際に、切換リングを介して
二つのストッパ間に保持された軸方向ばねの力に抗して
支持されている形式のものに関する。

たとえば駆動モータの伝達することになるトルりを制限
する滑りクラッチはドイツ連邦共和国実用新案第１９１
１３０９号から公知である。

この場合、転動体さして構成された連行体は、一方のク
ラッチ部分の開口内に保持されていてかつ軸方向ばねの
ばね力によって負荷されて他方のクラッチ部分の切欠き
内に係合している。

この公知の滑りクラッチはしかし次のような欠点を有し
ている。

すなわち、球として構成された連行体を切欠き内に常に
突入せしめていることにより所定の定格モーメントを越
えると高い衝撃エネルギが伝達される。

高い衝撃エネルギーにより一方では滑りクラッチは妨げ
になる騒音を発生し他方では著しく加熱されることにな
る。

さらにトルク制限クラッチの耐用年数は衝撃が常に生じ
ることにより制限されることになる。

上記欠点を除去するために、リミットスイッチを設けて
、定格モーメントをひとたび越えれば電気駆動モータを
しゃ断した。

しかし、たとえばトラクタの動力取出軸から関節軸を介
して農業用機器に結合するといった純粋に機械的な駆動
装置では、上記記載の過負荷クラッチを組み込めない、
というのは駆動装置をこの場合リミットスイッチを介し
てしゃ断することができないからである。

別の公知の過負荷クラッチでは、球として構成された連
行体が特別の保持器に保持されている（ドイツ連邦共和
国特許出願公告第１２８３０４０号参照）。

トルクを伝達するためにこの過負荷クラッチでは、駆動
クラッチ部分も被駆動クラッチ部分も切欠きを有してお
り、切欠きにトルクを伝達する球が係合している。

所定の定格モーメントを超えると、球はこれら切欠きか
ら外へ転動してかつ保持器の開口の形状により、球が再
び切欠き内に入ることのできない転勤路に移動する。

これにより上記欠点は確かに排除することかでさた。

しかしこの過負荷クラッチは、ばね力が浮動位置でも常
に連行体に及ぼされるという欠点がある。

さらに過負荷クラッチを再び入れるため（こ、保持器は
クラッチ部分の一方に対して相対的に回動されなければ
ならない。

さらに、連行体を保持する保持器がいわゆる錠止部材を
介して一方のクラッチ部分と結合されているという欠点
がある。

これにより過負荷クラッチ全体は、互いｌこ可動な多数
の部材から構成されることになるので故障を起しやすく
なる。

本発明の課題は、駆動軸を保護する過負荷クラッチであ
って、遊動状態において最低のエネルギ伝達で負荷され
、所望により駆動回転数を簡単に下げることにより自動
的に再びクラッチを入れて、特別な使用の場合には完全
な遊動位置へ切換ることかできるものを提供することに
ある。

この課題は当初に述べた形式の本発明によれば次のよう
に解決される。

即ち、切換リングは、例えばクラッチスリーブとして構
成された他方のクラッチボスの切欠きに相応する切欠き
を有しており、連行体はトルク伝達の際に、切換リング
に摩擦接続して支持されていて、切換リングは所定の定
格モーメントを越えた場合に、他方のクラッチ部分の切
欠きから外れる連行体の転勤により、円；周方向に作用
するばねの力に抗して回動して、切換リングの切欠きを
、連行体が入り込む一方のクラッチ部分の開口と一致す
る角度位置にもたらすことによる。

本発明の過負荷クラッチは、わずかな互いに運・動可能
な構成部分からなるという利点がある。

トラクタの動力取出軸から関節軸を介して農業用機器を
駆動する駆動軸に過負荷クラッチを組み込んだ場合には
、過負荷が生じると過負荷クラッチは動力取出軸の回転
数を単に下げることにより再び入れることができるとい
う利点がある。

操作員またはトラクタ運転者は、したがってクラッチが
切れても座席からおりて過負荷クラッチを手動で再び入
れる必要がなくなる。

公知の滑りクラッチに比して、本発明の過負荷クラッチ
は著しく遊動状態での滑り作用が減少することになる。

本発明の一実施例では、一方のクラッチ部分の開口内に
それぞれ一つのばね負荷された半径方向に作用する係止
部材が配置されており、切換リングの切欠きの深さは、
連行体として構成された球の中心点が、係止部材の切換
リングに面した側で遊動位置において保持されるように
構成されていて、かつ切換リングは別の係止部材を介し
て、クラッチボスとして構成された一方のクラッチ部分
に固着された錠止板に結合して遊動位置に錠止可能であ
る。

過負荷クラッチは上記実施例の構成により完全に遊動状
態に切り換わるので、係止モーメントはもはや発生せず
、係止作用も生じなくなる。

さらに過負荷クラッチを手動で完全に切ることも可能で
ある。

この処置は、多数の過負荷クラッチが多数の駆動軸を駆
動するために一つの作業機械に糾み込まれて、これら駆
動軸のそれぞれを停止させようとするとき適切なことで
ある。

本発明の別の一実施例では、連行体が円すいロールとし
て構成されている。

連行体を円すいロールとして構成することにより、トル
クを伝達する際連行体の線接触が生じるので、同じ大き
さの構造であればこの構成により過負荷クラッチはより
大きなトルクを伝達することができる。

次に図示の実施例にもとづいて本発明の構成を具体的に
説明する。

第１図に示した過負荷クラッチは主として、クラッチボ
ス５と、軸受２を介して回動可能にクラッチボス５に支
承されたクラッチスリーブ３とからなり、クラ゛ンチス
リーブ３自体は二叉継手１と回動不能に結合されている
。

クラッチボス５は、半径方向で外方に拡張されたフラン
ジを有しており、このフランジの円周に均一に分配され
た、連行体４を受容する開口１４が配置されている。

クラッチスリーブ３の、連行体４に面したリング面は、
開口１４と一致する切欠き１３を有しており、これら切
欠き１３内に連行体４はトルクを伝達するためにそう人
することができる。

クラッチボス５の拡張されたフランジの、クラッチスリ
ーブ３のリング面の反対側に、切換リング１５が配置さ
れており、切換リング１５自体は、同様にクラッチボス
５の開口１４に一致する切欠１８を有している。

切換リング１５はこの場合、二つの円周方向ばね７によ
って、切換リング１５の切欠き１８が、クラッチボス５
の開口１４に対してずらされた位置で保持されるような
中立位置に保持されている。

二つの円周方向ばね７は、子線ばねまたは引張ばねとし
て構成されており、一端は切換リング１５のピン８に支
持され、他端は、クラッチボス５と結合されたピン６に
支持されている。

切換リング１５は、連行体４の反対側ではスラスト軸受
９を介して支持円板１０に支持されている。

支持円板１０は、スラスト軸受９と反対側では、ばね１
１に接している。

ばね１１内体は軸方向で端部ストッパ１７に支持されて
いる。

ばね１１の力は、端部ストッパ１７の反対側では支持円
板１０を介して軸方向ストッパ１６に支持されている。

連行体４はしたがって過負荷クラッチの静止状態、即ち
トルクの負荷を受けていない場合、クラッチスリーブ３
の切欠き１３内にほとんど負荷を受けず位置している。

過負荷クラッチがトルクにより負荷されると、連行体４
は切換リング１５の方向へ向かって切欠き１３から逃が
れようとするが、連行体４は切換リング１５と、スラス
ト軸受９と、支持円板１０を介してばね１１に支持され
る。

第２図からは、円周方向に作用する円周方向ばね７のた
わみ状態が明らかになる。

円周方向ばね７は一端では、クラッチボス５に配置され
たピン６に支持されており、他端では切換リング１５に
配置されたピン８に支持されている。

第３図には、遊動位置へ切り換えた後の過負荷クラッチ
が示されている。

トルクにより過負荷クラッチが負荷されると、切換リン
グ１５と摩擦接続する連行体４が、負荷が生じた際に、
クラッチスリーブ３の切欠き１３から外れて転動し、こ
の連行体４の転勤運動により切換リング１５を円周ばね
７の力に抗して回動せしめ、切換リング１５の切欠き１
８をクラッチボス５の開口１４と一致する位置へもたら
す。

その間にクラッチスリーブ３の切欠き１３から出た連行
体４は、切換リング１５の切欠き１８とクラッチボスの
開口１４との一致により切換リング１５の切欠き１８内
に入り込む。

ばね１１のばね力は両側で軸方向ストッパ１６と端部ス
トッパ１７により受容されているので、連行体４は切換
リング１５の切欠き１８内に負荷を受けずに位置してか
つクラッチボス５がさらに回動する転勤路２６内を転動
する。

切換リング１５は、遊動位置へ切り換える際に、ばね７
によって規定された中立位置から回動されるので、切換
リング１５は中立位置にばね力により再び戻ろうとする
。

駆動装置および駆動装置と連結されたクラッチボス５が
しかし高い回転数で回動じている限り、トルクの伝達を
確実に保証するクラッチスリーブ３の切欠き１３内へ連
行体４が完全に入り込むことはできない。

過負荷クラッチは、著しく減少した滑り作用で遊動状態
で回動する。

過負荷クラッチの自動的な再接続は、単に駆動回転数を
下げることにより生ぜしめられる。

連行体４の相対運動が切欠き１３を通り過ぎて、ばね７
の力が連行体４を切欠き１３内に完全に押し入れるほど
遅くなると、過負荷クラッチは再びトルク伝達位置に切
り換えられる。

第４図と第５図には、トルクに過負荷がかかると完全に
遊動状態に切り換えられる過負荷クラッチが示されてい
る。

即ち、過負荷クラッチは滑り作用を受けずに回動する。

本発明の過負荷クラッチのこの実施例は、常に監視がで
きない駆動軸に組み込むと有利である。

第４図と第５図に示した過負荷クラッチの場合、クラッ
チボス５の内部の各開口に係止部材が配属されている。

係止部材は球１９と、球１９を半径方向で負荷している
ばね２０からなっている。

さらに、切換リング１５の外周に、球２２と、球２２を
負荷しているばね２４とを有する別の係止部材が設けら
れている。

トルク伝達位置においては球２２は半径方向の外方で錠
止板２１に支持される。

切換リング１５は、過負荷クラッチに過負荷が生じるこ
とにより、中立位置から回動すると、球２２は、符号２
２′で示した一点鎖線の錠止位置を占める。

切換リング１５は、錠止板２１の後方の錠止位置２２′
に球２２が接することにより遊動位置に保持される。

停止クラッチとして構成された過負荷クラッチを再び連
行位置に移動するために、停止クラッチを取り囲むカバ
ーケーシング１２に、付加部２３が設けられている。

付加部２３は、ケーシング１２がばね２５の力に抗して
クラッチスリーブ３の方向に移動せしめられて、球２２
を錠止板２１の下方へ移動して、切換リング１５を再び
中立位置に押し戻すことができる。

第６図には、連行体４が円すいローラである過負荷クラ
ッチが示されている。

この実施例は、連行体と他のクラッチの部分との間に線
接触が生じて、クラッチの寸法を拡大することなく、よ
り大きなトルクのための過負荷クラッチを構成すること
ができる。

第７図、第８図、第９図には、トルク伝達位置から遊動
位置への過負荷クラッチの移行状態が示されている。

第７図には、過負荷クラッチの過負荷がかかった場合の
切換運動の開始を示している。

連行体４は、クラッチスリーブ３とクラッチボス５の対
向するモーメントにもとづいて、クラッチスリーブ３の
切欠き１３から外れて転動し、この場合連行体４の背面
は切換リング１５に沿って転動じて、切換リング１５を
その中立位置から第８図に示した遊動位置へ運動せしめ
る。

第９図には切換運動の終了が示されている。

即ち、連行体４が、クラッチスリーブ５の切欠き１３か
ら完全に外れて転動して、切換リング１５の切欠き１８
内に入り込む。

したがって過負荷クラッチは遊動状態に切り換えられる
。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の過負荷クラッチの縦断面図、第２図は
第１図に示した過負荷クララ、チの横断面図、第３図は
遊動位置における過負荷クラッチの縦断面図、第４図は
本発明の別の一実施例の縦断面図、第５図は第４図の横
断面図、第６図は本発明のさらに別の一実施例の縦断面
図、第７図、第８図、第９図はトルク伝達位置から浮動
位置への過負荷クラッチの移動状態が示されている。 １・・・・・・二叉継手、２・・・・・・軸受、３・・
・・・・クラッチスリーブ、４・・・・・・連行体、５
・・・・・・クラッチボス、６・・・・・・ピン、７・
・・・・・円周方向ばね、８・・・・・・ピン、９・・
・・・・スラスト軸受、１０・・・・・・支持円板、１
１・・・・・・ばね、１２・・・・・・カバーケーシン
グ、１３・・・・・・切欠き、１４・・・・・・開口、
１５・・・・・・切換リング、１６・・・・・・軸方向
ストッパ、１７・・・・・・端部ストッパ、１８・・・
・・・切欠き、１９・・・・・・球、２０・・・・・・
ばね、２１・・・・・・錠止板、２２・・・・・・球、
２２′・・・・・・球の錠止位置、２３・・・・・・付
加部、２４，２５・・・・・・ばね、２６・・・・・・
転動路。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 駆動軸を保護するための過負荷クラッチであって、
   駆動クラッチ部分と被駆動クラッチ部分とからなり、ク
   ラッチボスとして構成された一方のクラッチ部分が、円
   周上に分配された開口を有しており、開口内に連行体と
   して作用する転動体が保持されており、転動体はトルク
   を伝達するために、他方のクラッチ部分の切欠きに係合
   しており、かつクラッチボスとして構成された一方のク
   ラッチ部分上に回動可能であるが、円周方向に作用する
   ばねによりトルク伝達位置に保持される切換リングが設
   けられていて、しかも連行体はトルクを伝達する際に、
   切換リングを介して、二つのストッパの間に保持された
   軸方向ばねの力ｌこ抗して支持されている形式のものに
   おいて、切換リング１５は他方のクラッチ部分の切欠き
   １３に相応する切欠き１８を有しており、連行体４はト
   ルク伝達の際に切換リング１５に摩擦接続して支持され
   ていて、切換リング１５は所定の定格モーメントを越え
   た場合９こ、他方のクラッチ部分の切欠き１３から外れ
   る連行体４の転勤により、円周方向に作用するばね７の
   力に抗して回動じて、切換リング１５の切欠き１８を、
   連行体４が入り込む一方のクラッチ部分の開口１４と一
   致する角度位置にもたらすことを特徴とする過負荷クラ
   ッチ。 ２ 一方のクラッチ部分の開口１４内にそれぞれ一つの
   ばね負荷された半径方向に作用する係止部材１９ 、２
   ０が配置されており、切換リング１５ノの切欠き１８の
   深さは、連行体として構成された球４の中心点が、係止
   部材１９，２０の切換リングに面した側で遊動位置にお
   いて保持されるように構成されていて、かつ切換リング
   １５は別の係止部材２２．２４を介して、クラッチボス
   として１構成された一方のクラッチ部分に固着された錠
   止板２１に結合して遊動位置に錠止可能である特許請求
   の範囲第１項記載の過伯荷クラッチ。 ３ 連行体４が円すいロールとして構成されている特許
   請求の範囲第１項記載の過負荷クラッチ。