JPS5821769Y2 - 自動車用可動窓ガラスの金具固定装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 自動車の窓に取付けられた上下動又は旋回可能な窓ガラ
ス等（以下「可動窓ガラス」と言う）は、これに所要の
駆動装置等を取付けるため必要箇所に金具取付は孔を設
け、この孔を貫通するビス又はボルト及びナンド等でガ
ラス自体に金具を固定する。

この固定は、車運転中の振動やドア開閉時の衝撃に耐え
るため強固に行わねばならないが、ガラス自体に金属製
のビスその他の止杆が直接触れると、上記の衝撃が加わ
った場合ガラスを破損させる。

ガラスの表裏面と止め杆の頭部やガラスに取付ける金具
との間にはゴムシートその他の緩衝材を介在させて金属
部材とガラス本体との接触を防止することが容易である
が、ガラスの金具取付は孔の周縁と止杆との間には緩衝
材がない。

ガラスの金具取付は孔は一般に止杆の径よりかなり大き
く作られているが、取付は孔のセンターの狂いやガラス
にわずかなずれが生じた場合に止杆とガラスとが接触す
ると、伺らかの衝撃が加えられたとき取付は孔部分から
ガラスを破損させる。

この考案は、上記原因のためにガラスを破損させること
を皆無とすることを第１の目的とする。

図示実施例において、第１図は可動窓ガラス１を自動車
のドアウィンドに装着するガラスとして例示したもので
、ガラス昇降装置とガラスとの接続のためガラスを支持
する支持用の金具２を取付けた状態の概略を表わしてい
る。

金具２の取付け部分は、第２図にその要部を拡大して示
すようにガラス１と金具２との間に本考案の緩衝部材３
を介在させる。

４，４は緩衝部材の下縁両側に突設した位置決め凸部で
ある。

この緩衝部材３は、たとえばナイロン６６のように比較
的硬質で剛性を有する弾性材料で作られ、通常射出成形
によって一体に成形される。

第３図〜第５図は緩衝部材３の一具体例を示したもので
、金具２０幅よりは幾らか広い幅の正面形（第４図）を
有す本体３が連続して一体に成形された底板部３１と両
側の側板部３２及び３３とで側面形はぼＵ字形をなし、
底板部３１０幅は可動窓ガラス１の板厚に相当する。

第５図において、両側板３２，３３の上方部分はやや狭
幅に形成されているが、これは、第３図のようにガラス
下縁を嵌込んだときその両面を弾性的にはさみつげる効
果がある。

ドアウィンドウ用可動窓ガラスは、その下縁近くに通常
２個の金具取付は孔１０を有する。

緩衝部材の両側板部３２．３３には、それぞれその取付
は孔対応位置に相対向する止杆挿通孔３４，３５を透設
するが、この透孔は、それぞれ両側板部３２゜３３０対
向面から相対向して突出し、窓ガラスの金具取付は孔１
０になるべく密に嵌合できる外径を有する環状突縁３６
，３７によってその周囲を囲まれている。

同項状突縁３６．３７の突出高さは窓ガラス１の板厚の
１／２よりは小とする。

止杆挿通孔３４，３５の内径はビス、ボルト茎部等の止
杆５の径よりも犬なる大きさとする。

ただし大きな間隙は生じさせないのが有利である。

この実施例では、２個の位置決め凸部４が片側のみに形
成されている。

上記構成の緩衝部材３を第３図のように可動窓ガラス１
の金具取付は孔穿設位置に嵌込むと、両側板部３２，３
３の対向面に突出する環状突縁３６．３７がガラス両面
から金具取付は孔１０に嵌入するので、片側に金具２を
当てて反対側から止杆５を止杆挿通孔３４，３５に挿通
し、該金具２と共に全体を固定する。

図示の止杆５はビスの形をなし、金具２がそのねじ溝に
ねじ合うねじ孔２１を有するので、止杆５をこのねじ孔
２１にねじ止めることによりガラス１と金具２との結合
はきわめて簡単に行い得る。

６は止杆頭部５１と側板部３２との間に介在させたスプ
リングワンシャである。

緩衝部材の両側板部３２．３３が第５図のように上部間
隔を狭く形成されている場合は、これをガラスに嵌込ん
だときその環状突縁が自動的にガラスの金具取付は孔内
に嵌入し、自刃でその状態を維持するので、作業中の取
扱いが容易になる利点がある。

第３図中１は窓ガラス昇降装置のチャンネル部材を示す
。

２個の位置決め凸部４４は金具２の両側縁をはさんで金
具の揺動を阻止する。

本考案の緩衝部材３は、第６図（前例装置との対応部分
は同一の符号で示す）のような形に作ることができる。

この実施例では、緩衝部材３全体が使用時にＵ字形の側
面形を作る底板部と両側板部とを、底板部３１０両側に
、両方の側板部３２と３３とを同一平面内に展開した形
の平板状に射出成形して一体に形成されている。

両側板部３２及び３３の対称位置には同じ方向に突出す
る環状突縁３６，３７で囲まれた前同様の止杆挿通孔３
４，３５が設げられているほか、底板部３１と両側板部
３２．３３との間に該底板部両側縁に沿って、環状突縁
３６゜３１と同一板面から凹入する連続したＶ形の折曲
げ溝３８．３９を設ける。

この実施例では、側板部下縁の両側に設ける２個ずつの
位置決め凸部４が、両側の側板部３２，３３の下縁にそ
れぞれ設けられている。

両側板部３２．３３を折曲げ溝３８．３９から矢印方向
に折曲げればたやすく側面形Ｕ字形の緩衝部材が得られ
る。

金具２との結合は前例のものと全く変りがない。

この実施例の緩衝部材は、その成形型が単純化されるた
め金型製作費を大幅に節減できる利点がある。

以上説明した本考案の金具固定装置によれば、窓ガラス
の金具取付は孔の内周面と止杆５との間には必ず環状突
縁３６，３７が介在するので、止杆とガラスとの接触に
よりガラスを破損させる事故が絶無となる効果がある。

また、環状突縁は緩衝部材の止杆挿通孔とガラスの金具
取付は孔との位置合わせをする場合その案内の役を果す
ので、ガラスに緩衝部材を組付ける作業を容易にしまた
作業を迅速化する効果もある。

さらに 緩衝部材本体３がガラスの縁部をとり囲む形で
装着されるので、取付作業性が向上し、ガラス保持力が
強固かつ安定的である。

また、止杆挿通孔３４及び３５の内径は止杆５の径より
も犬であるので、止杆５のねじ込みがガラス孔１００周
縁部に応力を発生させるおそれは皆無である。

【図面の簡単な説明】 第１図はガラス支持用の金具を取付けた可動窓ガラスの
正面図、第２図はその金具部分の部分的拡大正面図、第
３図は第２図■−■線による本考案装置の縦断側面図、
第４図は緩衝部材の一例を示した正面図、第５図は第４
図■−■線断面図。 第６図は別形式の緩衝部材の縦断側面図である。 １・・・・・・可動窓ガラス ２・−・・・・（ガラス
支持用の）金具、３・・・・・倭衝部材、４・・・・・
・位置決め凸部。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 １ 窓ガラス１の厚さとほぼ同一の巾を有する底板部３
   １と両側板部３２及び３３とを連続して一体でほぼＵ字
   形の側面形を作り、可動窓ガラス１０周縁部をはさむ形
   の緩衝部材本体３が弾性ある比較的硬質の合成樹脂材で
   作られており、両側板部３２及び３３の各対向面にそれ
   ぞれ突出し可動窓ガラス１が備える金具取付は孔１０内
   に嵌合できる外径の環状突縁３６及び３１で囲まれた止
   杆５の径よりも大なる止杆挿通孔３４及び３５を相対向
   させて備え、環状突縁３６及び３７を可動窓ガラス１の
   金具取付は孔１０にそれぞれ嵌合させて、止杆挿通孔３
   ４及び３５及び金具取付は孔１０を貫通する止杆５によ
   って可動窓ガラス１をガラス支持用の金具２に固定する
   自動車用可動窓ガラスの金具固定装置。 ２ 前記の緩衝部材本体３は、底板部３１と両側板部３
   ２及び３３とを同一平面内に展開した形の平板状をなし
   、その両側板部３２及び３３の対称位置に同一方向に突
   出する環状突縁３６゜３７で囲まれた止め杆棒通孔３４
   ，３５を有すると共に、底板部３１部分の両側縁に沿っ
   て環状突縁３６及び３７と同じ面に連続したＶ形の折曲
   げ溝３８及び３９を有し、両側板部３２及び３３を折曲
   げ溝３８及び３９から折曲げることによりほぼＵ字形の
   側面形を形成する実用新案登録請求の範囲第１項記載の
   自動車用可動窓ガラスの金具固定装置。