JPS58213856A - 高靭性高耐摩耗性工具鋼 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は高靭性高耐摩耗性工具鋼に関し、さらに詳しく
は、粉末冶金法により製造される高靭性高耐摩耗性工具
鋼に関する。

従来から、Ｃｒ系工具鋼が冷間圧延用ロール材、冷開加
工用金型等に広く使用されている。

しかしながら、種々の素材の加工に際して、近年になっ
て高精度、低コストが強く要求され、かつ、液加］二材
の高硬度化、加工速度の高速化等による工具の使用条件
が一層苛酷なものとなってきている。そのため、Ｃ及び
Ｃｒの含有量を増加させて耐摩耗性の改善を図ってきた
が、一方、高合金化により靭性や加工性が着しく低下す
るという問題が発生した、 本発明は、上記に説明した従来から使用されて外でいる
Ｃｒ系工具鋼の種々の問題点を解決したものであり、例
えば、ＪＩＳＧ４４．（１４５ＫＤＩＩより靭性、耐摩
耗性に優れた粉末冶金法により製造される高靭性高耐摩
耗性工具鋼を提供するものである。

本発明に係る高靭性高耐摩耗性工具鋼は、（１）Ｃｒを
１５−２１％、Ｃを７≦Ｃｒ％／Ｃ％≦１１の比率で含
み、残部Ｆｅ及び不純物からなる高靭性高耐摩耗性工具
鋼を第１の発明とし、（２）Ｃｒを１５〜２１％、Ｃを
７≦Ｃｒ％／Ｃ％−０．２Ｖ％≦１１の比率で含み、更
に、■３．５％以下、（Ｗ＋２Ｍｏ）８％以下の１種、
又は、２種以上を含み、残部Ｆｅ及び不純物からなる高
靭性高耐摩耗性工具鋼を第２の発明とする２つの発明よ
りなるものである。

本発明に係る高靭性高耐摩耗性工具鋼について詳細に説
明する。

先づ、本発明に係る高靭性高耐摩耗性工具鋼の含有成分
、成分割合について説明する。

Ｃｒは基質及び炭窒化物中に存在して焼入れ性を改善し
、焼戻し効果、高温硬さを付与する元素であり、その含
有量か１５％未満ではこれらの効果は少なく、また、含
有量が２１％を越えるとこれらの効果か飽和してしまい
、これ以」−含有させる意味がない。よって、Ｃｒ含有
量は１５〜２１％とする。

Ｃは硬度を付与する元素であり、Ｍ、Ｃ３のＣｒ系炭化
物中最高の硬さを示す炭化物を形成するか、このＣｒ系
炭化物中最高の硬さを示すためには、Ｃｒ％と０％との
比が重要であり、Ｃｒ％／Ｃ％か７未満ではマ）　ｌ）
ソクスへのＣの固溶量の増加により靭性の低下が著しく
、また、Ｃｒ％／Ｃ％が１１を越えると硬さが不充分と
なる。よって、Ｃは７≦Ｃｒ％／Ｃ％≦１１の範囲とす
る。また、＼ｌが含有されると、ＶはＣｒより炭化物を
生１＆ｌＪ＜＼７Ｃとして結合するものであるカ呟Ｖ含
有量１％に月してＣを０．２％多く含有させなければな
らず、＼ｌ含有の場合のＣは７≦Ｃｒ％／Ｃ％−０．２
ＸＶ％≦１１とするのである。

なお、Ｃｒ含有量については後述する第１図乃至第６図
の説明よりも明らかであるが、１５〜２１％の範囲が好
ましいものであり、また、ＣとＣｒとの含有量の関係に
ついても後述する第７図、第８図の説明から明らかであ
る。

＼ｌは２次硬化による熱処理硬さが増加し耐摩耗性を向
」ニさせる元素であるが、多く含有されると靭性や加工
性が低下するようになる。よって、■含有量は３．５％
以下とする。

Ｍｏもまた２次硬化による熱処理硬さを増加させ耐摩耗
性を向上させるが、多く含有させると靭性や加工性が低
下する。また、Ｗは工具鋼ではＭｏと略同様な働きをし
、その効果はＭｏの約１／２（重量比）に相当するので
、Ｍｏ、Ｗを単独、又は、複合して含有させる場合には
、］／２Ｗ＋Ｍｏ≦４％、３− 即ち、Ｗ　＋２Ｍｏ≦８％とする。

なお、不純物として、Ｓ　ｉ、　Ｍｎ、　Ｆ’、　Ｓ、
　Ｎ　ｉ及びＮ等か含有されることもあるが、Ｎ１は１
％以下とすることが望ましい。

４− 次いで゛、本発明に係る高靭性高耐摩耗性工具鋼の実施
例について比較月と共に説明する。

実施例 ガスアトマイズ法により、６２〜３％、Ｃｒ８〜２５％
及びその池の成分を含む銅粉としてから、ＨＴ　Ｐ処理
（１１００’Ｃ１２０００ａＬ＋ｎ、２時間処理）によ
り緻密化したビレントを供試材とした。その含有成分、
成分割合は第１表に示す通りである。

なお、第１表中の（イ）は第１図〜第６図の鋼、（ロ）
は第７図〜第１２図の鋼、（ハ）は第１５図、第１６図
の鋼、（ニ）は第１７図、第１８図の鋼である。

第１図にＣｒ含有量と焼入れ温度との関係を示すが、こ
れは最高の焼入れ硬さを示す焼入れ温度であり、以下に
説明する各種試験は、この焼入れ温度に１５分間保持後
油冷し、１５０〜６００°Ｃで焼戻しを行なって製造し
た試験材により行なった。

第２図はＣｒ含有量と硬さとの関係を示すが、特に、５
００’Ｃ焼戻し硬さを示してあり、２％ＣでＣｒ含有量
が１８％までは硬さか著しく増加するが、Ｃｒ含有量が
１８％を越えても硬さが増加せず大差がない。しかし、
３％Ｃでは同しＣｒ含有量で硬さは著しく低いことがわ
かる。

第３図はＣｒ含有量と抗折力との関係を示すが、２％Ｃ
−Ｃｒ含有量１８％のものが、３％Ｃでは同じＣｒ含有
量でも抗折力は著しく劣っており、２％Ｃ−１８Ｃｒ鋼
が最高の靭性な示していることがわかる。

第４図、第５図はＨｖ７５０における大越式摩耗試験機
による摩耗特性を、摩擦速度０．３ｍ／５ｅｅ（第４図
）と摩擦速度２．８６ｍ／５ｅｅ（第５図）とについて
、夫々Ｃｒ含有量と比摩耗量との関係を示したものであ
る。

この場合の摩擦条件は次の通りである。

相手材　：　　３０Ｍ４１５ 摩擦距離：　　４００　ｍ 最終荷重：　　６．３Ｋｇ 潤　　　滑　　　：　　無　し 即ち、第４図の摩擦速度０．３ｍ／ｓｅｃの酸化摩耗（
アブレッシブ摩耗）領域では、２％Ｃの方が３％Ｃより
優れ、また、第５図の摩擦速度２．８６ｍ／ｓｅｅの凝
着摩耗領域ではＣｒ含有量が１８％以上でも優れた耐摩
耗性を示していることがわかる。

第６図はＣｒ含有量と焼なまし硬さとの関係を示したも
ので、２％Ｃ−１８％Ｃｒは３％Ｃで同Ｃｒ含有量のも
のより工具製造に大きな影響を与える焼なまし硬さが低
いのである。

なお、第１図〜第６図において、ＡはＣ２％材、Ｂは０
３％材、Ｃ１，ｔＳＫＤｌｌ（溶解材）を示すものであ
る。

第７図はＣ含有量と焼入れ温度との量系を示すが、これ
は最高の焼入れ硬さを示す焼入れ温度であり、以下説明
する各種試験は、この焼入れ温度に１５分間保持後油冷
し、１５０〜６００℃で焼戻しを行なって製造した試験
材により行なった。以下の図面におけるＤは１８％Ｃｒ
材である。

第８図はＣ含有量と硬さとの関係を示すが、特に、５０
０℃焼戻し硬さを示してあり、Ｃ含有量が２％を越えて
も硬さは変化なく、３％以上のＣは硬さか変化のないこ
とを示している。

第９図はＣ含有量と抗折力との関係を示すが、Ｃ含有量
は２％がピークであり、それ以上のＣ含有量は抗折力が
著しく劣化している。

第１０図、第１１図は、ｌ−１シフ５０における太線式
摩耗試験機による摩耗特性を、摩擦速度０．３ｍ／５ｅ
ｃ（＄１０図）と摩擦速度２．８６ｍ／５ｅｅ（第１１
図）とについて、Ｃ含有量と比摩耗量との関係を示した
ものである。

この場合の摩擦条件は次の通りである。

相手材　：　　ＳＣＭ４１５ 摩擦距離：　　４　（ｌ　ＯＩ１１ 最終苛重：　　６．３Ｋｇ １０− 潤　　　滑　　　：　　無　し 即ち、第１０図では、Ｃ含有量か２％を越えると比摩耗
量が多くなり、第１１図ではＣ含有量か２％を越えると
比摩耗量は少なくなっており、これからみてＣ含有量は
２％においてピークかあると考えられる。

第１２図はＣ含有量と焼なまし硬さとの関係を示すもの
で、Ｃ含有量が２％を越えると急に硬くなっている。そ
して、実験によればＩＣ−１８Ｃｒ材は焼戻し硬さは）
ｌｖ７５０にはならないのである。

以上、第７図〜第１２図の説明からＣは７≦Ｃｒ％／Ｃ
％≦１１の比率としなければならないのである。

上記に説明した、第１図〜第１２図を種々検討した結果
、５００℃における焼戻し硬さ、Ｉ（ｖ７５０における
抗折力、焼なまし硬さについて０％とＣｒ形との関係を
第１３図に、また、耐摩耗性についての０％とＣｒ形と
の関係を第１４図に夫々示すが、第１３図、第１４図共
縦線で示す範囲が極めて優れており、即ち、本発明に係
る高靭性高耐摩耗性工具鋼である。第１３図、第１４図
で■は良で×は悪である。なお、第１３図、第１４図に
おいて、Ｘは（ＣｒＦｅ）、Ｃ十（ＣｒＦｅ）７Ｃ３を
、ｙは（ＣｒＦｅ）、Ｃ３を、２は（ＣｒＦｅ）、Ｃｓ
＋（ＣｒＦｅ）２３Ｃ６を、田は（ＣｒＦｅ）２：］Ｃ
６を夫々示す。

第１５図、第１６図は１８％Ｃｒ材の■含有量と抗折力
と焼なまし硬さについての関係を示すもので、■含有量
が約３％を越えると抗折力は低くなり、逆に焼なまし硬
さは高くなる。よって、■含有量は３．５％以下とする
のがよいのである。

第１７図はＨｖ７５０における抗折力を、２Ｃ−１８Ｃ
ｒ鋼と２Ｃ−１８Ｃｒ−２Ｍｏ鋼を比較して示したもの
で、抗折力には差はないものである。

第１８図は２Ｃ−１８ＣｒｆＩＡと２Ｃ−１８Ｃｒ−２
Ｍｏ鋼の焼なまし硬さを示すが、略同じ硬さを示してい
る。

さらに、本発明に係る高靭性高耐摩耗性工具鋼と従来の
工具鋼との顕微鏡組織について説明すると、従来の工具
鋼（ＳＫＤｌｌで鍛錬比２０以１１− 上）は第１９図に示しまた、２％Ｃ−１８Ｃｒ鋼（ａｓ
ｌ−Ｉ　Ｉ　Ｐ　）を第２０図に示す。この第１９図及
び第２０図の顕微鏡写真からも明らかであるが、第２０
図に示す本発明に係る高靭性高耐摩耗性工具鋼（２％Ｃ
−１８％Ｃｒ鋼）の粉末冶金法による鋼が従来の工具鋼
（ＳＫＤｌｌ、溶融法）より炭化物が均一微細に分布し
ていることがわかる。

この実施例かられかるように、本発明に係る高靭性高耐
摩耗性工具鋼は、従来の溶融法による工具鋼（ＳＫＤｌ
ｌ）に比して、硬さ、抗折力、比摩耗量において同等か
それ以上の優れた性能を示していることがわかる。

以上説明したように、本発明に係る高靭性高耐摩耗性工
具鋼は上記の構成を有しており、かつ、粉末冶金法によ
り製造されたものであるから、炭化物が均一微細に分布
しているため、靭性、疲労、熱疲労等の機械的性質、鍛
造、引抜き加工、研削等の加工性及び熱処理性を改善す
ることができ、さらに、耐熱性、耐摩耗性が改善される
ので高合金化が可能となる等の優れた効果を奏するもの
である。

【図面の簡単な説明】

第１図はＣｒ含有量と焼入れ温度との関係を示すグラフ
、＄２図はＣｒ含有量と硬さの関係を示すグラフ、第３
図はＣｒ含有量と抗折力との関係を示すグラフ、第４図
、第５図はＣｒ含有量と比摩耗量との関係を示すグラフ
、第６図はＣｒ含有量と焼なまし硬さとの関係を示すグ
ラフ、第７図はＣ含有量と焼入れ温度の関係を示すグラ
フ、第８図はＣ含有量と硬さの関係を示すグラフ、第９
図はＣ含有量と抗折力との関係を示すグラフ、第１０図
、第１１図はＣ含有量と比摩耗量との関係を示すグラフ
、第１２図はＣ含有量と硬さとの関係を示すグラフ、第
１３図、第１４図は本発明に係る高靭性高耐摩耗性工具
鋼のＣｒ含有量とＣ含有量との関係を示すグラフ、第１
５図、第１６図はＶ含有量と抗折力と硬さとの関係を示
すグラフ、第１７図、第１８図は２％Ｃ−１８％Ｃｒ鋼
と２％Ｃ−１８％Ｃｒ−２％Ｍｏ鋼との抗折力と硬さに
ついて示したグラフ、第１９図は５ＫＤＩ　１の顕微鏡
写真、第１２図は本発明に係る高靭性高耐摩耗性工具鋼
（２％Ｃ−１８％Ｃｒ鋼）の顕微鏡写真である。 （０８Ｈ）＆−号 （つ。２皇葛じＮ封 （つン＃−４）　て　享＼（ Ｃ−悩→ｖ１４ガ項 （％２１１つ （ンＧ）１１つ （つ署’Ｈ）”ｙ”１．免 （つ％Ｈ）−ｃ”、ＬＸＧ （７・）ＩＮ援ｙ］らも ３０Ｅ （９出）で■＼９ ；− 手続補正書（方式） 昭和５７年０９月３０日 昭和５７年特許願第０９８１１１号 ２、発明の名称 高靭性高耐摩耗性工具鋼 ３、補正をする者 事件との関係　　特許出願人 １を所　神戸市中央区脇浜町１丁目３番１８号名称　（
１，１，９）　　株式会社　神戸製鋼所代表者　高橋孝
吉 、１０代理人 住所　東京都江東区南砂２丁目２番１５号藤和東陽町フ
ープ９０１号 ３０７− ５、補正命令の日付（昭和５７年９月２８日発送日）６
、補正の則象 ）明細書の図面の簡単な説明の欄 正の内容 （１）明細書第１４頁２０行乃至同第１５頁２行の［第
１９図は・・・・顕微鏡写真である。］を「第１９図は
５ＫＤ１１の金属組織を示す顕微鏡写真、第２０図は本
発明に係る高靭性高耐摩耗性工具鋼（２％Ｃ−１８％Ｃ
ｒ鋼）の金属組織を示す顕微鏡写真である。」と補正す
る。

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. （１）Ｃｒを１５−２１％、Ｃを７≦Ｃｒ％／Ｃ％≦１
   １の比率で含み、残部Ｆｅ及び不純物からなる高靭性高
   耐摩耗性工具鋼
2. （２）Ｃｒを１５−２１％、Ｃを７≦Ｃｒ％／Ｃ％−０
   ．２Ｖ％≦１１の比率で含み、更に、■３．５％以下、
   （Ｗ十２Ｍｏ）８％以下の１種、又は、２種以上含み、
   残部Ｆｅ及び不純物からなる高靭性高耐摩耗性工具鋼。