JPS581955B2 - ミシンの送り調整装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、案内バーを備えたアームがキー止めされてい
る送り前進シャフトを備えたミシンの送り調整装置に関
する。

送り機構の送りドグ・バーを駆動するよう接続されたス
ライダーが案内バーに取り付けられている。

上述のタイプの送り調整装置はこの技術分野ではすでに
公知である。

この種の装置は、スライダーと係合されたフォーク状ス
ライダーと該フォーク状スライダーに接続された制御手
段とを備えており、該制御手段は案内バーに沿ってスラ
イダーを動かすとともに、案内バーを操作して、送りド
グ・バーのストロークを変え、これによりミシンにより
縫製されたステッチにあわせて前進させられる布切れの
前進量を変えるようにされている。

公知の送り調整装置においては、フォーク状スライダー
はレバー機構により支えられていて、該レバー機構はフ
ォーク状スライダーと平行四辺形を形成するよう配置さ
れている。

しかし、従来の送り調整装置に設けられているレバー・
システムは、送り調整を行なっている間、フォーク状ス
ライダーが案内バーに沿って移動するにしたがって、ス
ライダーの軌動の形状と位置を変える傾向があり、した
がってスライダーが移動するようにされたフォーク状ス
ライダーの軸は、スライダーがフォーク状スライダーに
より保持されておらず、したがってスライダーが送り前
進シャフトの軸から離れたところに位置ぎめされていな
い限り、スラ、イダーが動こうとしている最適円弧から
はずれることになる。

ミシンを使用している間、スライダーの実際の直線状の
軌動と円弧に沿う理想的な軌道との間にずれがあるため
、案内バーに沿ってスライダーが連続的に往復動するこ
とになる。

この．往復動の振幅は上記のずれの大きさに比例して増
大している。

このような往復動のためスライダーと案内バーとの間に
過大な摩耗が生じ、しかもスライダーと案内バーの振動
はミシンのすべての要素、と《に、，送り装置の構成要
素に好ましくない影響を与えるとともに、送りドグ・バ
ーの基本的な動作を大幅に変えることになる。

本発明の目的は、スライダーの実際の軌道と最適軌道と
の間のずれを最小程度に減らし、もって振動をな《すと
ともに、送り装置の構成要素が過度に摩耗することを防
止することである。

上記の目的を達成するため、送り前進シャフトに関し、
スライダーのすべての位置においてフォーク状スライダ
ーの軸線、したがってスライダーの実際の軌道をスライ
ダーの最適軌道の弦と一致させることが本発明に従がっ
て提案されたのである。

すなわち、当初記載のタイプの送り調整装置であって、
フォーク状スライダーを支える支持手段を備えていて、
送り前進シャフトの軸に関して案内バーに沿ってスライ
ダーを位置ぎめするさい、フォーク状スライダーの軸線
を前記案内バーに沿うスライダーの位置に対応した円弧
と一致させるかあるいはほぼ一致させるよう構成された
送り調整装置が本発明により提案されたのである。

本発明の１つの特徴は、支持手段が送り前進シャフトに
平行な軸を有するビン上に枢動可能に取）り付けられた
ロツド・タイプの要素を備えており、フォーク状スライ
ダーの突片がロッド・タイプの要素に関して９０°の角
度をなすようフォーク状スライダーが該ロツド・タイプ
の要素上に摺動可能に取り付けられていることである。

本発明のいま１つの特徴は、支持手段がベル・クランク
要素を備えており、該ベル・クランク要素の一方のアー
ムが送り前進シャフト上に遊動可能に軸着されており、
さらにベル・クランク要素の他方のアームが第１のアー
ムに関して９０°の角度に配置されていることである。

フォーク状スライダーが第２のアーム上に摺動可能に取
り付けられていて、第２のアームに関して９０°の角度
をなしている。

本発明の主な特長は、フォーク状スライダーを支えてい
る手段が、送り前進シャフトと一致した枢動点または送
り前進シャフトにごく接近した枢動点のまわりで枢動可
能であり、その結果、フォーク状スライダーはつねにス
ライダーの最適軌道の弦とつねに一致した位置に配置さ
れており、これによりスライダーがフオーク状スライダ
ーの中で摺動するとき、スライダーを案内するまっすぐ
な壁面の間に大きい接面圧力差が生じないことである。

本発明のその他の目的と有利な特長は、添付図面を参照
した以下の説明により埋解していただけよう。

さて、第１図を参照すれば、本発明に係る送り調整装置
は、いろいろなタイプの送り装置といっしょに使用され
ているが、本発明装置は、単式送りドグ用の従来のタイ
プのストローク調節ストッパーとして普通の送り装置に
も適用することができる。

送り前進装置は、一般に、可調節偏心子とこれと連係し
ているロッドより成る公知の手段（図示せず）を介して
ミシンのメイン・シャフト２により駆動される送り前進
シャフト１を備えている。

フォーク状アーム３が送り前進シャフト１上に取り付け
られている。

主送りドグまたはステッチ・ドグ５が取り付けられてい
る送りドグ・バー４がフォーク状アーム３に枢着されて
いる。

これらの構成要素が上述のように接続されている結果、
前記可調節偏心子に与えられる所要の偏心量に比例した
距離、主送りドグ５は交互に前進または後退する。

そのほか、送りドグ・バー４の下部に作動的に接続され
ているアーム９の下端に枢着されたロッド７を介しメイ
ン・シャフト２に固定された偏心子６により送りドグ・
バー４は交互に持ち上げられる。

案内バー１１を備えたアーム１０が送り前進シャフト１
に固定されている。

スライダー１２が案内バー１１上に摺動可能に取り付け
られている。

駆動リンク１３がスライダー１２に枢着されていて、差
動送りドグまたは補助送りドグ１５を担持している送り
ドグ・バー１４とスライダー１２との間を駆動的に接続
するようになっている。

この送りドグ・バー１４は送りドグ・バー４に取り付け
られた案内要素１６の中で摺動可能であるので、差動送
りドグ１５は主送りドグ５と同時に持ち上げられること
になる。

差動送りドグ１５の往復動は案内バー１１の揺動により
生じ、この動作の移動幅は案内バー１１上のスライバ−
１２の位置により決定される。

さらに詳しく言えば、スライダー１２がスライド・バー
１１の自由端の位置にきたとき、差動送リドグ１５のス
トロークは最大幅となり、一方、スライダー１２をアー
ム１０の方へ下に向かって動かすにしたがって、このス
トローク幅は小さくなる３， アーム１０は送り前進シャフト１により操作される案内
バー１１を担持しているので、差動送り．ドグ１５の最
小ストロークは、送り前進シャフト１に直接案内バー１
１を取り付けた場合に得られる最小ストロークよりも小
さい。

したがって、アーム１０を設けることにより、差動送り
ドグ１５のストロークは主送りドグのストロークにより
短くすることが可能であり、このようなストロークは一
般に“ネガティブな差動送り“と呼ばれている。

案内バー１１に沿ったスライダー１２の位置は、フォー
ク状スライダー１１と該フォーク状スライダー１１と作
動的に係合された制御手段１８とより成る調整装置によ
り位置ぎめすることができる。

フォーク状スライダー１７は２つの突片１９と２０を備
えており、スライダー１２に枢着されたスライド要素２
１が前記両突片１９と２０の間に延在するようにされて
いる。

フォーク状スライダ１７は、ミシン・フレーム（図示せ
ず）に固定されたピン２３上で枢動可能なロッド部材２
２より支持手段上に摺動可能に取り付けられている。

このピン２３の軸は、送り前進シャフト１の軸に平行に
配置されている。

フォーク状スライダー１１は、前記突片１９と２０がロ
ッド部材２２に関して９０°の角度を限定するよう支持
手段上に摺動可能に取り付けられている。

制御手段１８は第１のレバー２４を備えており、該第１
のレバー２４の一方の端にフォーク状スライダー１１の
突片１９にあけた穴２６に差し込むようにされたピン２
５が取り付けられており、また前記第１のレバー２４の
他方の端は、ミシン・フレームから外に突出するようミ
シン・フレームにより軸支されているシャフト２７に固
定されている。

手動操作によりあるいは従来の補助装置によりミシン作
業者が操作するようにされた第２のレバー２８がシャフ
ト２７の突出端に固定されている。

第２のレバー２８はストローク制限部材２９を備えてお
り、該ストローク制限部材２９は、制限手段１８の移動
を制限１〜、これにより案内バー１１に沿うスライダー
１２の位置調整範囲を制限する働らきをする２つの従来
公知のストッパー（図示せず）と協働するようにされて
いる。

第２のレバー２８を操作すると、フォーク状スライダー
１７は前記ロツド・タイプの要素２２に沿って移動し、
第１図を見れば判るように、該要素２２はピン２３のま
わりで回動し、これによりフォーク状スライダー１１の
軸線３０を、案内バー１１が揺動する結果スライダー１
２かたどる弧３１の弦とほぼ一致させることができる。

ピン２３の軸が送り前進シャフト１の軸と一致しておら
ず、該送り前進シャフト１の軸に関してずれた位置にあ
るので、スライド要素２１が画く直線状の軌道と円弧３
１の弦を完全に一致させることは不可能である。

スライド要素２１が画く直線状の軌道は対応した円弧３
１の弦に関するスライダー１２の軸線３０と一致してい
るが、フォーク状スライダー１７のすべての調節に対応
した直線軌道間のずれは、フォーク状スライダー１７の
支持手段であるピン２３を送り前進シャフト１の方に接
近して位置ぎめすればするほど小さくなる。

第１図に示されている実施例においては、このずれはご
《微少である。

したがって、このずれは無視することができ、スライド
要素２１とフォーク状スライダー１γの間の機械的な連
結あるいは差動送りドグ１５の動きを調節する機構に不
利な影響を及ほすおそれはない。

上述のタイプの調整装置の変更態様として、フォーク状
スライダーを支える支持手段がベル・クランク要素３３
より成リ、該ベル・クランク要素３３の一方のアーム３
４が送り前進シャフト１に枢動可能に取り付けられてお
り、フォーク状スライダー１７が摺動可能に取り付けら
れているベル・クランク要素３３の他方のアーム３５が
第１のアーム３４に関して９０°の角度をなして配置さ
れているタイプの調整装置を設けることにより（第３図
参照）、どのようなタイプのずれでも完全に取り除くこ
とができる。

送り調整装置のこの変更態様においては、フォーク状ス
ライダー１７と、該フォーク状スライダー１７の軸がア
ーム３５に関して９０°の角度をなすようフォーク状ス
ライダー１７が取り付げられているアーム３５と、第１
のアーム３４と、シャフト１をスライダー１２に接続す
る軸とによって形成された平行四辺形は、制御手段１８
を横切ってフォーク状スライダー１７がどのように移動
するかにもかかわらずなんら変形しない。

その結果、差動式送り前進機構をどのように調整した場
合でも、本発明に係る装置のいろいろな可動要素をもつ
ともぐあいよく幾何学的に配置することが可能である。

好適な実施例について本発明を説明したが、本発明の精
神と範囲を逸脱しない限り、本発明に適宜修正または変
更を加えてさしつかえないことは埋解していただけよう
。

【図面の簡単な説明】

第１図は、本発明の好適した実施例に従がって構成され
た送り調整装置の斜視図。 第２図は、本発明装置のいろいろな構成要素の移動状態
を図解したダイアグラム。 第３図は、第１図に示されている装置の変更態様を示し
た斜視図。 １・・・・・・送り前進シャフト、２・・・・・・メイ
ン・シャフト、３・・・・・・フォーク状アーム、４・
・・・・・送りドグ・バー、５・・・・・・主送りドグ
、６・・・・・・偏心子、７・・・・・・ロッド、９，
１０・・・・・・アーム、１１・・・・・・案内バー、
１２・・・・・・スライダー、１３・・・・・・駆動リ
ンク、１４・・・・・・送りドグ・バー、１５・・・・
・・差動送りドグ、１６・・・・・・案内要素、１７・
・・・・・フォーク状スライダー、１８・・・・・・制
御手段、１９，２０・・・・・・突片、２１・・・・・
・スライド要素、２２・・・・・・ロツド部材、２３・
・・・・・ピン、２４・・・・・・第１のレバー、２５
・・・・・・ピン、２６・・・・・・穴、２７・・・・
・・シャフト、２８・・・・・・第２のレバー、２９・
・・・・・ストローク制御部材、３０・・・・・・軸線
、３１・・・・・・円弧、３３・・・・・・ベル・クラ
ンク要素、３４，３５・・・・・・アーム。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 送り前進機構の差動送りドグ１５を担持して４いる
   送りドグ・バー１４を駆動するとともに、差動送りドグ
   １５の送り量を調節することができるよう送り前進シャ
   フト１にキー止めされているアーム１０と一体にほぼ半
   径方向に円弧状に突設された案内バー１１上に摺動可能
   に取り付けられているスライダー１２と、互に間隔をあ
   げて平行に延在している突片１９と２０より成るフォー
   ク状スライダー１１であって、前記スライダー１２に枢
   動可能に取り付けられていて、前記突片１９と２０の間
   にほぼ水平方向に摺動可能に差し込まれたスライド要素
   ２１を介して前記スライダー１２に係合されたフォーク
   状スライダー１７と、該フォーク状スライダー１１をほ
   ぼ半径方向に摺動可能に担持している支持手段２２なら
   びに該支持手段２２を回動可能に支承している支持手段
   ２３と、前記フォーク状スライダー１７を前記支持手段
   ２３を中心として回動させる制御手段１８とより成るミ
   シンの送り調整装置において、前記フォーク状スライダ
   ー１７を担持している支持手段２３の軸が送り前進シャ
   フト１の軸の近傍に位置ぎめされているかあるいは前記
   支持手段２３の軸が前記送り前進シャフト１の軸と一致
   した状態に位置ぎめされており、もってフォーク状スラ
   イダー１７の突片１９と２０の間隙の中心に沿って延在
   した軸線３０が送り前進シャフト１の軸を中心としてス
   ライド要素２１の中心を通る円弧３１の弦とほほ一致す
   るかあるいは前記軸線３０が前記円弧３１の弦に接線状
   に一致することを特徴とする送り調整装置。 ２ 前記支持手段が送り前進シャフト１に平行な軸を有
   するヒツ２３上に枢着されたロッド・タイプの要素２２
   より成り、フォーク状スライダー１７の突片１９，２０
   がロツド・タイプの要素２２に関し９０°の角度をなす
   よう前記フォーク状スライダー１７が該ロッド・タイプ
   の要素２２上に摺動可能に取り付けられていることを特
   徴とする特許請求の範囲の第１項記載の送り調整装置。 ３ 前記支持手段がベル・クランク喪素３３より成り、
   該ベル・クランク要素３３の一方のアーム３４が送り前
   進シャフト１に枢着されているとともに、他方のアーム
   ３５が第１のアーム３４に関して９０°の角度をなして
   配置されており、さらに前記フォーク状スライダー１Ｔ
   が第２のアーム３５に関して９０°の角度をなして該第
   ２のアーム３５に保合（螺着）されていることを特徴と
   する特許請求の範囲の第１項記載の送り調整装置。