JPS5818988B2 - 工具用焼結体およびその製造方法 - Google Patents

工具用焼結体およびその製造方法

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JPS5818988B2
JPS5818988B2 JP54003676A JP367679A JPS5818988B2 JP S5818988 B2 JPS5818988 B2 JP S5818988B2 JP 54003676 A JP54003676 A JP 54003676A JP 367679 A JP367679 A JP 367679A JP S5818988 B2 JPS5818988 B2 JP S5818988B2
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昭夫 原
修示 矢津
哲男 中井
雄一郎 鴻野
直治 藤森
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Description

【発明の詳細な説明】 近年、機械加工の高能率化の要求が高まり、使用する工
具の性能向上の為に広汎な研究開発が行なわれている。
特に切削加工用工具では超高圧焼結技術を使って最も高
硬度の物質であるダイヤモンドやこれに次いで高い硬度
を有する立方晶型窒化硼素(以下CBNと略す)の焼結
体が作られ、従来め工具材料では得られなかった高性能
の工具として期待されている。
しかし、これ等の新らしい工具材料も万能ではなく、使
用用途は限定されたものである。
近年開発されたTiCやTi(C−N)を主成分とする
化合物をNi等の金属で結合したサーメットは、従来の
WCC超超硬合金りも鋼の切削加工において耐磨耗性が
優れているが、これは、工具刃先に熱衝撃が加わるよう
な、例えば、切削油を使用し且つ断続切削する場合に使
用すると、刃先に熱亀裂が生じ欠損するといった欠点が
ある。
まだTiC等をWCC超超硬合金母材化学蒸着法を用い
て約5ミクロンの厚さで被覆した工具も、WCC超超硬
合金耐摩耗性を改良する効果はあるが、例えば鋭い工具
刃先形状が要求されるような鋼や鋳鉄の仕上げ切削加工
においては、被覆層が切削初期に剥離してしまうといっ
た欠点がある。
さらニ、Al2O3を主体としたセラミック工具は、鋼
や鋳鉄の高速切削に適しているが、本質的に靭性が他の
工具材料より劣っており、まだ高温での熱伝導が低い為
に熱衝撃に弱い欠点がある。
本発明者等は、特に一般的な鋼、鋳鉄を加工する用途に
対して従来の超硬合金、サーメット、セラミック工具の
性能を大巾に上回る工具材料について鋭意研究を重ねだ
結果、本発明に到達した。
鉄族金属を結合相としたサーメットにおいては鉄族金属
の軟化温度が低いため高温での変形が問題となる。
このため鉄族金属の代りにWなどの高融点金属を結合材
として粉末冶金法で作る考えが古くから提案されて来て
いる。
しかし、いずれも成功していない。
その中で一度は企業化に成功したかにみえたが、米国特
許3703368号によるTi−W−C系の共晶点を利
用した(Ti−W)CI−、−W合金である。
これは2700℃以上の高温で熔解し鋳造して作られた
ものである。
この合金は耐摩耗性、高温での耐塑性変形性は従来の超
硬合金に比べ、はるかに優れ、また靭性iIfもセラミ
ックなどよりはるかに靭く、工具材料として、かなり魅
力的なものであった。
問題は高温熔解−特殊な方法による鋳造という製法で作
られ鋳造時複雑な形状が作れないのみか単純形状の場合
でも得られるものの寸法精度が著しく悪いという欠点が
ある。
更に悪いことには、大変な難加工材料であることである
ダイヤモンド工具や種々のその他の加工方法を採用して
も、その切断や研磨は容易ではない。
又熔解・鋳造という方法で作るので、その組成が共晶点
近傍に限られてしまう。
したがって共晶組成よりも炭化物相の多い材料を作るこ
とは難かしい。
このためこの合金を粉末冶金法で作ろうとする試みが、
すい分なされたようであるが、いずれも成功していない
それは焼結性が著しく悪いためである。
添加物を加えて焼結性をあげることは出来るが、高温強
度の低下を伴ない成功していない。
以上TiW−C系について述べだが、Ti−MoCにつ
いても同様である。
最近(TioMo)CI −X Mo系合金の高温特
性について、九州大学の古米教授らから発表がなされて
いる。
この高温特性も工具材料という観点からみた場合に大変
魅力的である。
しかし、これも熔解−鋳造法で作られている。
本発明は、ダイヤモンドや立方晶窒化硼素の焼結に用い
られている超高圧を用いて、この難焼結性材料を焼結せ
んと着眼したことにより達成されたものである。
TiCは、高硬度で融点も高く、また原子間結合状態が
共有結合的性格を有するもので、高温においても、金属
やイオン結合による化合物に比較して原子の移動が困難
である。
通常このような物質を焼結するには高温でホットプレス
する手段が用いられる。
例えば、黒鉛製の型を使用して200 kg/crA程
度の圧力下で約1800℃の高温において約30分間ホ
ットプレスすると、殆んど理論密度に近い焼結体が得ら
れる。
しかしこのような条件でホットプレスして得られる焼結
体は、結晶粒子が焼結中に著しく粒成長しており、1ミ
クロン以下の結晶粒からなる焼結体は得られない。
このようなホットプレス焼結中における粒成長の機構に
ついては、未だ充分解明されていないが、これが結晶粒
界を横切る原子の拡散によって起ることは当然のことで
ある。
また一般て焼結中の結晶粒成長の速度式は、 m D2−Do2=2Kt −・・−−−−−、(1
)で与えられる。
ここでDは時間tのときの結晶粒度、Doはt=oでの
粒度、K、mは常数で、mは約1のオーダーの値をとる
従って焼結に要する時間が短かいと微粒の焼結体が得ら
れる。
焼結において緻密化を促進する機構としては各種のもの
が考えられるが、ホットプレスによる焼結機構を、通常
の黒鉛型等を用いる数百kg/c77fの圧力下から、
ダイヤモンドの焼結に用いられるような超高圧の領域ま
で含めて、物質の変形機構と対応させて考えると、例え
ばAshbyの分類によると、次の4って大別される。
(M、F、Ashby−ActaMet、20,887
(1972))(υ 焼結する物質の理論剪断強度を越
える応力条件下では、物質は無限大の歪速度で変形し得
る。
物質の理論剪断強度τT−兆その物質の剛性率をGとす
るとτTH: ”である。
0 (2)高温下では、Tic等の化合物も転位の移動によ
り辷り変形を起し得る。
この場合の歪速度は ε−ε。
e x p (−u/KT ) ・・・・・・・・・
(2)で与えられる。
Uは転位の移動に要する活性化エネルギーで、加えられ
る応力σの関係であり、Kはボルツマン定数、Tは絶対
温度である。
ここで(2)式が成立するのはσ≧σ。
(σ。: flowstress)である。
すなわち物質の剛性率をGとした場合、加わる応力σが
大体σ/G≧10−2を満足すれば、この変形が支配的
に生じる。
(3)物質の融点をTMとすると、約1/2TM以上の
温度下ではσ/G(10−2以下の応力で転位の上昇運
動によるクリープ変形が支配的となる。
これは、原子の拡散を伴う変形機構である。
(4)高温下で(3)より、さらに低圧となる範囲にお
いては、原子やイオンの体積拡散あるいは粒界拡散によ
る緻密化が進行する。
一般にAl2O3等のセラミックを数kg/crAの圧
力下でホットプレスする場合の緻密化は、この機構によ
るものとされている。
本発明の焼結体は大部分が1ミクロン以下の微細粒子よ
り成ることを特徴とするものであって、このような微細
粒子焼結体を得る為には、原料粒度を微細化すると共に
、焼結中における粒成長を抑制しなければならない。
この為には前記した広範囲な応力、温度条件下における
物質の変形機構の中で原子の拡散を伴わない(1)また
は(2)の機構が支配的である条件下で焼結できればよ
い。
さて、ここでTiCをホットプレスしたときの緻密化に
ついて考えてみる。
TiCの剛性率Gは約1.9 X 104@/mrR1
融点Tヤは3340℃である。
まずTiCが(1)の機構により変形する場合に必要な
応力を求める。
TiCの理論剪断強度は多結晶体では、この理論剪断強
度に近い剪断応力を生じるためには一軸加圧であればσ
−2τTHとみてよいから必要な応力は約13X102
kv’m?rと非常に高い値となる。
こりような超高圧を必要とする焼結は、固体圧力媒体を
用いた超高圧装置においても実用的な使用範囲を越えて
いる。
(2)の転位の移動により変形する場合、応力σはa/
G≧10−2 より約200kq/mA、温度は転位の
運動が開始される温度が必要となる。
この温度はTiC単結晶の機械的性質を調らべた九人古
米教授の発表(日本金属学会誌、vol、 42−11
、(1978)、1039)Kよると、1200°にで
、これ以上の温度では転位の移動による辷り変形が起こ
り得る。
また、この報告によると、1200c′にで転位が移動
するのに必要な応力は””kf/Anjtとされている
が、TiC多結晶体を超高圧中で焼結する場合、25@
/−の応力でTiCの個々の粒子は変形し始めるが、完
全に緻密化が進行するには、これ以上に高い応力が必要
であると考えられる。
さらに、本発明の焼結体は1200℃〜1400℃と1
/2TMの約1400℃に近い温度で焼結を行なうが2
5kti/rna程度の低圧では前述した(3) 、
(4)の拡散を伴う変形が支配的となる領域匠入る可能
性がある。
しだがってこれを防止する意味において応力200 k
y/rnA以上(圧力では約2.OK b以上)で、(
2)の転位の移動による緻密化が短時間で生じる範囲で
焼結体を得ることが出来れば良い。
固体圧力媒体を用いた超高圧装置では、この程度の圧力
であれば問題なく使用できる。
以上超高圧装置を用いれば(3) I (4)の拡散を
伴った変形が支配的となる領域以外で焼結体を得ること
が可能であるが、焼結温度を1200℃〜1400℃と
すると(3) 、 (4)の拡散を伴った緻密化が少し
ではあるが生じ、原料粉末が粒成長する可能性がある。
ところが前述した如<20Kb以上の高圧では短時間で
緻密化が進行するため焼結時間を短くすることができ、
粒成長を抑制することが可能である。
このように本発明の第1の重要な点は1ミクロン以下の
粒度の焼結体をまず従来その例をみない高圧力下焼結で
得ることにある。
TiC単体のみですら容易に1ミクロン以下の粒度の緻
密な焼結体が得られることが判明したのでこのような条
件下で焼結すれば本発明の狙っているTi−W’−C又
はTiMo−C系の微粒の緻密な焼結体の生成は容易で
ある。
工具として使用する場合には粒度は細かい方が好ましい
前述した黒鉛型を用いて作ることの出来る如きTiCの
数10ミクロンの粒度の焼結体は強度が低く工具材とし
て、実用に耐えない性能しか示さない。
本発明のTi−W−CあるいはT i −M o −C
の焼結体は良好な工具性能を得るため、できるかぎり粒
子を微細にしたことに特徴がある。
超高圧焼結では前述した如く、短時間で焼結でき、粒成
長を抑制することができるが、拡散を伴った変形も生じ
少しではあるが粒成長する可能性がある。
この粒成長をさらに抑制するため、原料粉末にTiN粉
末を重量で10係添加したところ、超高圧中の固相焼結
において粒成長が抑制されることを発見した。
この原因については不明な点が多いが、TiNがTiC
粒子間に存在してTiC粒子の粒成長を抑制するものと
考えられる。
TiNの添加量としては1%未満であると、その効果は
見い出せず、また20%を越えると工具としての耐摩耗
性が悪くなる。
TiNの添加量は1係〜20係が適当であり、この範囲
内であると良好な工具性能を有した焼結体が得られた。
なおTiNを添加して焼結した場合TiNがTiC等の
粒子内に固溶する場合もあるがTiN0量が重量比で2
0影以下ならば工具性能は変わらない。
尚、TiN以外の窒化物、Z r N 、 Hf N
、 T a N等を加えて同様の実験を行ったところ粒
成長抑制の効果は認められたが、焼結体の強度からみる
とTiNを加えたものが最も優れていた。
T i −M o−Cの各温度における3元状態図は、
第1図a−dの如くである。
TiW−C系でも略同様の状態図となる。
温度の低いほどTiCに固溶するW又はMoの量は少な
くなる。
金属状W又はMoが組織中に存在する事により合金全体
の靭性が甚しく向上するので、同一組成ならば、その焼
結温度の低いほど金属相の量が増え靭性に富むことにな
る。
この点本発明の如き超高圧下焼結では焼結温度を低くす
ることが可能であるからさらに有利である。
またTi W C9Tx Mo Cの組成につい
て考えてみる。
前述した如くWあるいはMoなどの高融点金属相が存在
すると靭性に富み、WあるいはMoの増加に伴って靭性
は向上するがこの理由は欠の如く考えられる。
すなわち、高硬度ではあるが脆い炭化物粒子の界面に高
融点金属が炭化物粒子と強固に結合して存在することに
より、外部から衝撃が加わっても高融点金属で緩和され
破壊に至らないものと1懸われる。
しかしこれらの焼結体を工具材料として使用する場合、
焼結体の耐摩耗性が問題となる。
耐摩耗特性から考えた場合、TiCの減少は、耐摩耗性
の低下を意味するものであり、工具材料として、本発明
焼結体を使用する場合WあるいはMoの量も耐摩耗性と
靭性の双方から制限される。
WあるいはMoの量は焼結体の使用用途てより異なるが
、原子比で40%、このましくは25%以下5係以上で
あれば良い。
すなわちTi−W−C系のWの含有量は重量比で80係
以下25%以上、T i −M o−C系のM。
の含有量は重量比で68係以下14−以上が良い。
本発明の焼結体を例えば切削工具として使用する場合、
耐摩耗性に優れたTi−W−C。
Ti−Mo C9Ti−W−C−NtTi M。
−C−N焼結体は、工具の切刃部のみに存在すればよい
本発明の焼結体の製造に当っては、原料となる硬質化合
物粉末に微細粉末を使用する為粉末に吸着したガス成分
の除去に特に留意する必要がある。
このような微粉末を原料として、高圧下でホットプレス
することによって焼結体を製造する場合に、粉末の有す
るガス成分を有効に除去し、またホットプレス焼結時に
も、気密を保った状態で外部からのガス成分の侵入をも
防止する手段を講じなければならない。
特に本発明の焼結体の製造に当って、固体圧力媒体を用
いて高圧下でホットプレスする場合、先ず加熱に先立っ
て高圧力を試料に加えた段階で圧粉体の緻密化が起るの
で、粉末が吸着ガスを有したり、粉末粒子間にガス成分
が存在すると、引続いて行なわれる加熱段階で、ガス成
分の逃げ道がなく圧粉体粒子間に閉じ込められ、焼結体
中に気孔が残留することになる。
このことかう、本発明の焼結体の製造に当っては、ホッ
トプレス前に、粉末の有するガス成分を充分除去し、気
密を保った容器に封入することが必要である。
その具体的方法としては、開口を有する容器に原料粉末
又はその型押体を収納し、前記開口に多孔質の蓋とろう
材を置くか、或は通気を許す形状のろう材を介して蓋を
置き、この全体を好ましくは500℃以上の温度で加熱
しながら真空引きして、脱ガスを行なうと同時にろう材
を多孔質の蓋に溶浸させるか、或はろう材で蓋を容器に
接着せしめて、容器を密閉する方法がある。
このような方法をとることにより、本発明の焼結体にお
いては硬質焼結体部の有する酸素の含有量を重量で0.
5%以下とすることができる。
このような方法をとらずに、ホットプレス焼結した場合
は、焼結体の有する酸素含有量が0.5%を越え、焼結
体に気孔が残留して焼結体の強度が著しく低下する。
尚、TicやZrCを100@/mA程度の圧力を加え
てホットプレスすることは、今までも試験的に行なわれ
ているが、本発明の如く原料粉末を1ミクロン以下の微
粉体として、焼結前に加熱脱ガスすると同時に気密な容
器に封入し、粒成長を殆んど起さない状態で、大部分が
1ミクロン以下の粒子よりなる微細な組織を有する焼結
体を得ることは試みられていない。
本発明の焼結体は、鉄族金属等の結合金属を焼結体中に
実質的に含んでいないことを特徴とするものであるが、
原料粉末の製造時や、粉砕過程でF e t N 1
t Co等の金属が混入してくることがある。
しかし、例えばTiC中にはNiが約0.5重量%まで
は固溶し得るとされており、焼結中に硬質化合物中ある
いは高融点金属相中にこのように固溶する量以下であれ
ば問題でない。
それ以上にこれ等の金属が混入した場合は、原料粉末を
酸洗して除去する等の手段が必要となる。
本発明の焼結体は、特に一般の鋼、鋳鉄の切削加工用工
具に適したものである。
鋼の仕上げ加工用工具としては従来のどの工具材料より
も格段に優れた性能を有するものである。
発明者等は、本発明の焼結体で切削加工用のチップを作
成し、各種の被削材について広範囲な条件下で切削性能
の評価を行なった。
詳細な結果については後述するが、従来、WCC超超硬
合金TiC基サーメットが使用されていた炭素鋼や合金
鋼の切削加工においては、本発明の工具刃先の逃げ面摩
耗、すくい面摩耗共に、従来工具よりも著しく少ない。
また耐熱疲労強度の高い切削工具が要求される鋼、鋳鉄
の重切削においては、従来WCC超超硬合金用いられて
いるが、これらは鉄族金属結合相が用いられているだめ
、高温で結合金属相が軟化し高温での耐塑性変形性、あ
るいは耐熱疲労靭性に限界がある。
本発明の焼結体は、鉄族金属結合相のかわりにW、Mo
の高融点金属相を用いている為、高温での耐塑性変形性
、耐熱疲労靭性共従来のWCC超超硬合金りも非常に優
れている。
さらに、切削速度が250 m/e〜500m/分とい
つだ高速切削条件では、刃先温度が高くなって鉄族金属
結合相を含有する工具では、短時間で寿命となる為、従
来はAl2O3系セラミックが使用されていだが、本発
明の焼結体は、このような条件下でもAl2O3系セラ
ミック工具よりも大変驚くべきことであるが、耐摩耗性
が優れており、充分実用に供し得ることが判明した。
特に断続的な切削で衝撃応力の加わる場合にはセラミッ
ク工具は欠損することが多いが、本発明の焼結体は、A
l2O3系セラミック工具よりもこのような条件下では
欠損し難い。
これは、切刃となる硬質焼結体の成分がAl2O3より
も靭性が高いこと、また粒子が微細で粒界に高融点金属
相があること、及び硬質焼結体が高剛性で靭性に優れた
超硬合金母材に強固て接合されていることによると考え
られる。
更に、本発明の焼結体では切削油を使用する湿式切削等
の工具刃先に熱衝撃が加わる切削条件下で使用すると、
他の現用工具材料よりもサーマルクラックが生t[い特
徴を有している。
これは超硬合金やサーメットが熱伝導度や熱膨張係数の
差が大きい炭化物相と鉄族金属等の結合金属相の2相混
合組織であるのに対して、本発明の焼結体は、鉄族金属
等の結合金属相を含まないものであり、Ti、W、Mo
の炭化物、窒化物とW、Moの2相あるいは3相の混
合組織で、これ等の熱的性質が類似しているだめ、焼結
体結晶粒子間に熱応力が生じ難い為と思われる。
本発明の焼結体の耐摩耗性の特徴が最も発揮される用途
は、鋼の仕上げ切削である。
鋼の仕上げ切削加工には、従来超硬合金やサーメットが
用いられてきたが、被加工物の寸法精度や仕上げ面粗度
を良くする為に、通常の切削条件よりも工具の切込み量
、送り量共に小さくして切削する場合が多い。
このような条件で、本発明の焼結体を用いて切削すると
、従来の工具に比較して格段に優れた耐摩耗性を有する
ことが判明した。
本発明の焼結体は、鉄族金属等の結合金属相を含有しな
い為に、切屑の工具刃先への溶着が少なく、また微粒の
焼結体である為工具刃先の刃立性が良く被加工物の加工
面粗度が良い。
特に本発明の焼結体は、炭素鋼、合金鋼の精密中ぐり加
工等の一般にJIS規格で加工面粗度が6−8以下が要
求される場合や、切込み量が0.5−m以下で、送り量
が0.2mm/回転以下で寸法精度を重視する仕上げ切
削に適しており、従来の工具よりもはるかに長寿命であ
る。
以下実施例により更に具体的に説明する。
実施例 1 平均粒度1ミクロンのTiC粉末粉末7置合金製のボー
ルを使用して、アトライターで10時間湿式混合した。
混合された粉末を走査型電子顕微鏡を用いて観察しだと
ころ、大部分は1ミクロン以下の微粒となっていた。
この粉末をステンレス製の内径10.0mm外径14m
の底付き容器に充てんし、外径9.9rrmLで厚さ3
rIrrnのMoの円板をその上に置いた。
さらにその上に一1’00メツシュ+200メツシュの
鉄粉を型押した外径10.0mmで厚さ2rrrmの通
気性を有する型押体を置き、ステンレス製円筒に栓をし
た。
この上に純銅の板をのせ、全体を真空炉に入れて1 0
−4mmHgの真空下で1000℃に加熱し1時間保持
して脱ガスせしめた後、温度を1100℃に昇温し10
分間保持した。
冷却後収出してみると、銅が鉄圧粉体中に含浸されてお
り、またこれとステンレス製円筒の界面にも銅が侵入し
て完全に気密な状態に保たれていた。
この粉末を充てんした容器をダイヤモンド合成に用いら
れらガードル型超高圧装置に装入した。
圧力媒体にはパイロフィライトを用い、ヒーターには黒
鉛の円筒を用いた。
先ず圧力を5 0Kbまで加え、次いで電気を通じて1
300℃に加熱して、20分間保持したのち冷却した。
圧力を徐々に下げて容器を取出した。
この容器のステンレス部分を除去したところ、TiMo
−Cの約3期厚みの焼結体が得うした。
焼結体の部分をダイヤモンドペーストを用いて研磨し、
顕微鏡観察しだところ、焼結体は殆んど気孔を有してお
らず緻密な焼結体となっており、大部分は1ミクロン以
下の微細粒子からなるものであった。
比較の為同一原料粉末を使用して黒鉛型を用いた通常の
ホットプレスにより真空中で、1800℃に加熱し、2
@/77、7Nの圧力を加え、10分間保持して焼結体
を作成した。
この焼結体の比重は5.63であり、1.5%の気孔率
を有するものであった。
組織観察の結果粒子は粗大化しており、平均粒度は約1
5ミクロンであった。
前記焼結体を、ダイヤモンド切断刃によって切断し、こ
れを超硬合金製の通常のスワーアウエイチップの一角に
ロウ付けした。
このチップを用いて切削試験を行なった。
被削材は炭素鋼555C調質材である。
切削条件は切削速度を17 0m/lA−と400m/
分の2種、切込み0.2闘、送り0. 1 mm/回転
とした。
比較の為に前述のホットプレス体と市販のTi(C,N
) 系サーメット(50%T i C +10%Ti
N, 1 2’fAVC 、 1 3%Mo2C 、
1 5%Co−Ni )及びAl2O3−TiC系セラ
ミック(60%Al2O3。
40%TiC) のホットプレス焼結によるセラミッ
クを用いて、同一条件で切削した。
第3図及び第4図は各工具の摩耗曲線を示したものであ
る。
すなわち本発明の焼結体は、比較工具に対して切削速度
170m/分の条件では工具逃げ面摩耗量が約1/2〜
1/3である。
特に同一原料を用いて通常のホットプレスによって作成
した焼結体と比較しても摩耗量は1/2〜1/3で格段
に優れた耐摩耗性を有している。
尚第4図に示したように、切削速度400m/分といつ
だ高速切削でも、本発明の・焼結体は、大変驚くべきこ
とにセラミック工具より優れた耐摩耗性を有している。
実施例 2 次表の粉末を準備した。
この粉末を実施例1と同様にして、10時間湿式でアト
ライター混合した。
得られた粉末を走査型電子顕微鏡により観察した結果、
大部分の粒子は1ミクロン以下の微粉であった。
この粉末を、実施例1と同様にしてステンレス製容器に
充てんし、真空中で加熱脱ガスし、気密に保たれた状態
でピストンシリンダー型の超高圧装置を用いて次表の条
件でホットプレスした。
得られた焼結体をタイヤモンド砥石で、研摩後、ダイヤ
モンドペーストでラッピングして組織観察を行なったと
ころ、A−Cの焼結体は完全に緻密な焼結体となってお
り、焼結体の結晶粒は、大部分が1ミクロン以下の微細
粒子より成っていて、著しい粒成長は認められなかった
一方りの焼結体は緻密ではあったが、焼結体の結晶粒は
、平均5ミクロンと粒成長していた。
次に、第2表の条件で焼結したAについて、実施例1と
同様にしてスローアウェイチップを作成し、切削試験し
た。
被削材は545C相当の鋼の丸棒で、切削速度300m
/%−,切込み1−送り0、257rtjn/回転の条
件で、10分間切削した。
比較の為、実施例1でテストしたAl2O3−TiC系
セラミック工具を同時に試験した。
その結果、本発明焼結体Aは、工具逃げ面摩耗中が0.
08my++ですくい面摩耗深さが6ミクロンであった
のに対して実施例1で使用しだA1203−Tic系セ
ラミックでは、それぞれ0.15mm、 10 ミク
ロンでろつた。
この切削条件はAl2O3を主成分とするセラミック工
具が最も特徴を発揮する領域にあり、特に工具すくい面
は高温となり、鋼に対して高温で化学的に安定なAl2
O3が他の炭化物や窒化物を主体とする工具材料よりも
耐摩耗性において優れていると考えられてきた。
しかし本発明の焼結体はこのような領域FCオいてもA
l2O3を主体とするセラミックより優れた性能を有し
ていることが判明した。
実施例 3 第6表に示す組成に各粉末を配合した。
どの原料も1μm以下のものを使用した。
以下実施例1と同様にしてWC−6%Co超硬合金母材
に厚さ1膿の硬質焼結体層が直接接合した焼結体を作成
した。
なお、焼結時の圧力は50Kb、温度は1400℃で行
った。
焼結体はその大部分が1μm以下の微粒子より成ってい
た。
次にこれらの焼結体を用いて、実施例1と同様にしてス
ローアウェイチップを作成し、切削試、験した。
被削材は555C相当の鋼の丸棒で、切削速度200m
/分、切込み1.5 rrvn、送り0.20 mm/
回転で20分間切削した。
その結果本発明焼結体K。L、M、N、Oの工具逃げ面
摩耗中はそれぞれ0.051mm、 0.062mm
、 0.060mm、0.055rrrm、0.06
1m、であった。
比較のため、同条件で切削したTi (C、N)系サー
メット(50φTic、10%TiN、12%WC、1
3%Mo2C、15%CoN1)の工具逃げ面摩耗中は
、0.102mでめっだ。
【図面の簡単な説明】
第1図a、b、c、dはTiMo−C系の各温度におけ
る状態図、第2図はTiWC系の状態図、第3図、及び
第4図は本発明の焼結体を切削工具として使用したとき
の性能を他の公知工異材料と比較したグラフである。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 周期律表4a族と6a族の炭化物、窒化物もしくは
    、これらの相互固溶体又は混合物および6a族の高融点
    金属相が存在し、かつこの高融点金属の含有量が原子比
    で5%以上40%以下である硬質焼結体であって、鉄族
    金属の結合金属相を実質的に含有せず、焼結体中の結晶
    粒の大部分が1ミクロン以下の微細粒子より成り、かつ
    不純物である酸素の含有量が0.5重量φ以下であるこ
    とを特徴とする工具用焼結体。 2 (T i 、W)C−W または(T i 6M
    o ) C−M。 の組成を有し、焼結体全体のWまたはMoの含有量が(
    Ti−W)C−Wの場合Wが24重量係以上80重量%
    以下、(T i −Mo ) C−Moの場合、Moが
    14重量係以上68重量係以下である特許請求の範囲1
    項記載の焼結体。 3 (Ti−W)(C−N)TiN−Wまたは(Ti
    、Mo)(C1N)−TiN−Moの組成を有し、焼結
    体全体のWまだはMoの含有量が(Ti、W)(C,N
    )−TiN−Wの場合、Wが24重量係以上80重量%
    以下、(Ti、Mo)(C,N)−TiN−Moの場合
    、Moが14重量%以上68重量%以下であり、かつ、
    上記焼結体中K (T i 、W)(C,N)又は(T
    i、Mo)(C1N)の形で固溶していないTiNの含
    有量が重量比で1%以上20%以下である特許請求の範
    囲1項記載の焼結体。 4 周期律表4a族と6a族の炭化物、窒化物まだはと
    れらの相互固溶体、もしくは混合物と、6a族の高融点
    金属相が存在し、かつこの高融点金族の含有量が原子比
    で5係以上40%以下であり、焼結体の大部分が1μm
    以下の微細粒子より成る硬質焼結体であって、鉄族金属
    の結合相を実質的に含有せず、不純物である酸素の含有
    量が0.5重量係以下である焼結体を製造するに際し、
    構成粉末の大部分が粒度1ミクロン以下の粉末で、主要
    な成分である硬質物質の剛性率をG、ホットプレス圧力
    をσとしだとき、σ〉10−2×Gなる圧力下でホット
    プレスすることを特徴とする工具用焼結体の製造方法。 5 硬質物質が(Ti 、W)(C−N)−TiN−W
    または(Ti−Mo)(C1N)TiN−Moである特
    許請求の範囲4項記載の方法においてTiCとWあるい
    はTiCとMo粉末にTiNを重量比で1%〜20%添
    加し、その原料粉末の大部分が粒度1ミクロン以下の粉
    末で、主要な成分であるTiCの剛性率をGとしたとき
    、σ、>10”XGなる圧力下でホットプレスすること
    を特徴とする工具用焼結体の製造方法。
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