JPS5817876Y2 - 自動車のドア構造 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、自動車のドア構造の改良に関するものである
。

従来、自動車のドアは、車室内からもドアを開閉できる
ように、ドア内板にインナハンドルを取付けるとともに
ドア内板の後端内面にドアロックを取付け、上記インナ
ハンドルとドアロックとをドア内板とトリムとの間に配
置したインナロッドによって連結していた。

しかし、このようなドア構造では、トリムが柔軟材料で
形成されていることから、衝突時等に腕や身体がトリム
に激しく当った場合、トリムを介してインナロッドに大
きな衝撃が加わり、インナロッドが動いてドアが開くと
いう危険があり、この危険を回避するためインナロッド
を竪固なケースで被覆するとコストアップになるという
欠点があった。

さらに、衝撃が加わるのを防止するために上記インナロ
ッドをドア内板内に配置しようとすると、ドア内板内に
はウィンドガラスを昇降させるためのウィンドレギュレ
ータが取付けられており、インナロッドがこのウィンド
レギュレータのアームと干渉するのでドアを厚くしなけ
ればならず、そのため車室内が狭くなって居住性が悪化
するという問題があった。

本考案は、以上のような点に鑑みてなされたもので、ド
ア内板に取付けられたアームレストの前端にインナハン
ドルを設けるとともに、上記ドア内板の後端内面にドア
ロックを取付け、上記インナハンドルとドアロックとを
連結するインナロッドの前半部を上記アームレストとド
ア内板とで形成される空間に配置し、該インナロッドの
後半部をドア内板内に配置してインナロッドに大きな衝
撃が加わるのを防止することにより、車室空間を狭くす
ることなく、ドアが誤って開くのを防止して安全性を向
上させた自動車のドア構造を提供することを目的として
いる。

以下、本考案の一実施例を図について説明する。

第１図ないし第３図に本考案の一実施例による自動車の
ドア構造を示す。

図において、ドア１はドア外板（図示せず）とドア内板
２とにより中空に形成されており、該ドア内板２には長
孔２ａが形成されている。

そしてドア１の内部にはウィンドガラス３を昇降させる
ためのウィンドレギュレータ（図示せず）が取付けられ
、またドア内板２の後端内面にはドアロック４が取付け
られ、ドア内板２のほは゛中央車室側にはブラケット５
がねし止めされている。

このブラケット５にはアーム６が′回動自在に取付けら
れ、該アーム６の先端には平面略Ｕ字状のインナハンド
ル７が固定されている。

またアーム６の後端にはインナロッド８の先端が連結さ
れ、該インナロッド８の後端はドア内板２の長孔２ａを
挿通してドアロック４に連結されており、上記インナハ
ンドル７をＡ方向に回動させたとき、インナロッド８が
Ｂ方向に引張られ、ドアロック４が作動してドア１が開
くようになっている。

またドア内板２の車室側のほぼ全面には柔軟材料製のト
リム９がプラスチックの締結具によって取付けられてい
る。

このトリム９にはその中央部から後部にかけて上記ドア
内板２の長孔２ａよりも大きな開口９ａが形成されてお
り、該トリム９は、上記ブラケット５．アーム６、イン
ナハンドル７およびインナロッド８をドア内板２に取付
けた後にドア内板２に取付けることができるようにして
いる。

さらにトリム９が取付けられたドア内板２には車体前後
方向に伸びるアームレスト１０がビス（図示せず）によ
り取付けられている。

このアームレス） １０は合成樹脂によって一側面全面
が開口したほぼ四角柱状に底形され、ドア内板２に取付
けられて上記ブラケット５．アーム６およびインナロッ
ド８の前半部８ａを収納するとともに、ドア内板２の長
孔２ａを塞いでいる。

またアームレスト１０の先端壁にはアーム６を挿通する
ための切り欠き１０ａが形成されており、アーム６に固
定されたインナハンドル７がこの切り欠き１０ ａを介
してアームレスト１０の前端から突出し、しかも該イン
ナハンドル７の一部７ａが該切り欠き１０ ａを覆うよ
うになっている。

以上のような本実施例の自動車のドア構造によれば、イ
ンナロッド８の前半部８ａを剛性のアームレス） １０
内に配置したので、腕や身体か゛アームレス） １０に
激しく当たってもインナロッド８には大きな衝撃が加わ
らず、そのためドア１が誤つて開くのを防止できる。

しかもこの場合インナロッド８をドア内板２内に配置す
る場合のようにドア１を厚くする必要がないので、車室
空間を狭くすることはなく、車室内の居住性を維持でき
る。

さらにアームレス）１０の先端壁に形成された切り欠き
１０ ａはインナハンドル７で覆われているので車室内
の美観が損われることはない。

また第４図は本考案の他の実施例を示す。

本実施例ではアームレスト１０内にインナロッド８をガ
イドするための複数のリブ１１を設けており、このリブ
１１によってインナロッド８を保持することにより、イ
ンナハンドル７を回動させたときにインナロッド８の折
曲部が変形して操作性が低下することのないようにして
いる。

なお、リブ１１には図中一点鎖線で示すような突起１１
ａを形成してもよい。

以上のように本考案によれば、ドア内板に取付けられた
アームレストの前端にインナハンドルを設けるとともに
、上記ドア内板の後端内面にドアロックを取付け、上記
インナハンドルとドアロックとを連結するインナロッド
の前半部を上記アームレストとドア内板とで形成される
空間に配置し、該インナロッドの後半部をドア内板内に
配置することにより、インナロッドに大きな衝撃が加わ
らないようにしたので、車室内の居住性を損なうことな
く、ドアが誤って開くのを防止し、安全性を確保できる
効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例による自動車のドア構造の概
略正面図、第２図は第１図の拡大断面平面図、第３図は
第２図のＣ−Ｃ線断面側面図、第４図は本考案の他の実
施例の断面側面図である。 １・・・・・・ドア、２・・・・・・ドア内板、１０・
・・・・・アームレスト、７・・・・・・インナハンド
ル、４・・・・・・ドアロック、８・・・・・・インナ
ロッド、８ａ・・・・・・前半部、８ｂ・・・・・・後
半部、１１・・・・・・リブ。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 ドア内板に車体前後方向に伸びるアームレストを取付け
   、該アームレストの前端にインナハンドルを設け、上記
   ドア内板の後端内面にドアロックを取付け、上記インナ
   ハンドルと上記ドアロックとを連結するインナロッドの
   前半部を上記アームレストと上記ドア内板とで形成され
   る空間に配置し、該インナロッドの後半部を上記ドア内
   板内に配置したことを特徴とする自動車のドア構造。 （２）上記アームレストに上記インナロッドをガイドす
   るリブを設けたことを特徴とする実用新案登録請求の範
   囲第１項記載の自動車のドア構造。