JPS5817868A - 熱交換器用アルミニウム製フインの製造方法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 この発明は、熱交換器用アルミニウム製フィンの製造方
法に関する。

この明細書において、アルミニウムとは、アルミニウム
およびアルミニウム合金を含むものとする。

一般に、熱交換器、とくに空気調和機の蒸発器において
は、フィンの表面温度が大気の露点以下となるためフィ
ンの表面に水滴が付着する。

このような水滴の付着により通風抵抗が増大し、かつ風
量が減少して熱交換効率が低下する。これは熱交換器の
性能向上と小型化のためにフイいと付着した水が水滴と
なりにく＼、このため通風抵抗が小さくなり、風量も多
くなって熱交し性を改良するために、従来フィンとチュ
ーブを組み合わせて熱交換器を構成した後に、これを溶
液中に浸漬することにより表面処理を行ない、フィンの
表面に水ヌレ性の良い皮膜を形成するという方法が開発
された。しかしながら、このように熱交換器に組み立て
た後に表面処理を行なうと、作業が非常に面倒であると
ともに、非能率的であり、さらに複雑な形状の場合、フ
ィン全面に均一な皮膜を形成することが困難であり、性
能にバラツキが生じるという問題があった。

そこで、熱交換器に組み立てる前の状態、すナワち、ア
ルミニウム製フィンの素材であるコイル材の状態で水ヌ
レ性の良好な皮膜を形成しておくことが考えられるが、
この場合には、皮膜の形成後、コイル材にチューブ挿通
孔をあけたり、この孔の周縁に筒形立上がり壁を形成し
たり、コイル材を所定のフィン長さに切断したりするプ
レス加工を行なう必要があり、その際プレス加工油とし
て一般に使用されている鉱油系の潤滑剤を使用すると、
潤滑剤が先の工程でコイル材の表面に形成した水ヌレ性
の良好な皮膜に浸透して水ヌレ性を劣化させるという問
題が起こり、このため従来は熱交換器に組み立てる前の
アルミニウム材に水ヌレ性を付与する処理を行なうこと
は実施されていなかった。

この発明は、上記の点に鑑みなされたもので、熱交換器
に組み立てる前のアルミニウム材に水ヌレ性を付与する
処理を行ない、しかも処理後のプレス加工によって水ヌ
レ性が劣化することがない熱交換器用アルミニウム製フ
ィンの製造方法を提供することを目的とするものである
。

この発明は、上記の目的を達成するために、板状アルミ
ニウム材の表面に、水ヌレ性の良い皮膜を形成する工程
と、この皮膜付きアルミニウム材の表面に、液状の界面
活性剤を基材とし、かつこの基材にリン系極圧添加剤、
高級脂肪酸、高級脂肪酸エステルおよび高級アルツール
のうちの少なくとも１種の物質を０．１〜２０重量％含
有する潤滑剤を塗布する工程と、この潤滑剤が塗布され
た皮膜付きアルミニウム材をプレス加工して熱交換器用
フィンを造る工程と、このフィンを洗浄することにより
潤滑剤を除去する工程とよりなる熱交換器用アルミニウ
ム製フィンの製造方法を要旨としている。

以下に、この発明の方法の各工程を順に詳しく説明する
。

１１１　　水ヌレ性皮膜形成工程 アルミニウム材は、所要長さを有する平板の状態で処理
および加工をすることができるが、とくにコイル材の状
態で連続的に処理および加工をするのが好適である。

アルミニウム材の表面に水ヌレ性の良い皮膜を形成する
方法としては、陽極酸化処理法や化成処理法または両者
を組み合せた方法等がある。

たとえば化成処理法としては、脱イオン水中でのベーマ
イト法、クロメート処理法、シリカゾル水溶液による処
理法等があり、またフィンの耐食性を向上させるために
陽極酸化処理を組み合せる等、種々の方法を使用し得る
。

ｔｕｔ　　潤滑剤塗布工程 上記工程（りからの水ヌレ性の良好な皮膜を備えたアル
ミニウム材の表面に塗布する潤滑剤は、皮膜の水ヌレ性
を阻害しない特性を有するもの島である。このような潤
滑剤としては、常温で液状の界面活性剤を基材とし、こ
の基材にリン系極圧添加剤、高級脂肪酸、高級脂肪酸エ
ステルおよび高級アルコールのうちの少なくとも１種の
物質を０．１〜２０重量％含有するものである。

基材として使用する液状の界面活性剤は、潤滑性能を有
するとともに、洗浄し易く、しかもそれ自体がヌレ性を
有している。またこの基材に添加するリン系極圧添加剤
、高級脂肪酸、高級脂肪酸エステル、高級アルコールは
、いずれも潤滑剤の潤滑特性すなわちプレス加工特性を
向上させるために添加するものである。

ここで、界面活性剤としては、常温で液状であるたとえ
ばポリオキシエチレンノニルフエニＪＬＩ　ニー　チル
、オクチルフェニルエーテル、１級または２級高級アル
コールエチレンオキシド付加物、脂肪酸ポリエチレング
リコールエステル、ソルビタンモノオレイルエステル、
ポリエチレングリコール、炭素数１２〜１４の第２アル
コールエチレンオキシド付加物等を使用する。

リン系極圧添加剤としては、たとえば炭素数１０〜１８
を有するジアルキルハイドロゼンホスファイトおよびト
リアルキルホスファイト等を使用する。

高級脂肪酸としては、たとえば炭素数ｌＯ〜２０を有す
るものであって、具体的にはラウリン酸、パルミチン酸
、オレイン酸、牛ＩＩＩ　ｍ　肪酸、アルケニル無水コ
ハク酸およびステアリン酸等を使用する。

高級脂肪酸エステルとしては、上記脂肪酸と炭素数１〜
１８のアルコールとのエステルを使用する。

高級アルコールとしては、たとえば炭素数１２〜１８を
有するもので、具体的にはラウリルアルコール、オレイ
ンアルコール、ステアリルアルコール、イソステアリル
アルコールおよびオキソアルコール等を使用する。

潤滑剤は、界面活性剤を基材とし、これに上記リン系極
圧添加剤等の物質が０．１〜２０重量％、好ましくは３
〜５重量％の割合で含まれている。ここで後者の物質が
０．１重量％未満であれば、潤滑性が充分でなく、また
２０重量％をこえると、皮膜のヌレ性を劣化させるので
好ましくない。

ｔｌｎｌ　　プレス加工工程 潤滑剤が塗布されたアルミニウム材をプレス加工するこ
とにより熱交換器用フィンをつくる。

ここで、プレス加工とは、アルミニウム材より板状フィ
ンを形成するための加工であって、これにはたとえば張
出し加工、絞り加工、打抜き加工、カーリング加工、お
よびチューブ挿通孔周縁の筒形立上がり壁をしごいて高
くするしごき加工等が含まれる。またアルミニウム材が
コイル材である場合には、これらの加工の後につづイテ
行なうアルミニウム材を所定の長さに切断するせん断加
工も含まれる。アルミニウム材には上記のような潤滑剤
が塗布されているので、きわめて円滑にプレス加工を行
なうことができ、熱交換器用フィンをつくることができ
る。しかも潤滑剤はフィン表面に予め形成された水ヌレ
性の良い皮膜の性能を阻害しない。

似）洗浄工程 プレス加工後の潤滑剤が塗布された熱交換器用フィン−
を水またはトリクレン等により洗浄し、潤滑剤を除去す
る。これによって水ヌレ性の良い皮膜を有するフィンを
得るものである。なお、洗浄後フィンの表面に潤滑剤が
多少残存してもこれは皮膜の水ヌレ性を阻害しないもの
であるので、全く問題はない。

この発明による熱交換器用アルミニウム製フィンの製造
方法は、上述のように、板状アルミニウム材の表面に、
水ヌレ性の良い皮膜を形成する工程と、この皮膜付きア
ルミニウム材の表面に、液状の界面活性剤を基材とし、
かつこの基材にリン系極圧添加剤、高級脂肪酸、高級脂
肪酸エステルおよび高級アルコールのうちの少なくとも
１種の物質を０．１〜２０重量％含有する潤滑剤を塗布
する工程と、この潤滑剤が塗布された皮膜付きアルミニ
ウム材をプレス加工して熱交換器用フィンを造る工程と
、このフィンを洗浄することにより潤滑剤を除去する工
程とよりなるもので、これにより製造されたフィンはそ
の表面に水ヌレ性の性能を維持した皮膜を備えており、
また潤滑剤が多少残存して０てもフィンの水ヌレ性には
影響しない。したがってこの発明の方法により製造した
フィンを用０て組み立てられた熱交換器は、フィン表面
に付着した水が水滴となりにくいため、通風抵抗が小さ
くなり、風量が多くなって熱交換効率が大きい。しかも
熱交換器に組み立てる前のフィンをこヌレ性を付与する
処理を行なうものであるから、非常に作業性が良く、か
つフィンの表面に優れた性能を有する均一な水ヌレ性皮
膜を形成し得るという効果を奏する。

つぎに、この発明の詳細な説明する。

実施例 っぎの工程を順次実施することにより熱交換器用フィン
を製造した。

Ｉ１１水ヌレ性皮膜形成工程 厚み０．１５１＆のアルミニウム（Ａ１２００）製コイ
ル材を脱脂処理後、つぎの２つの方法ＩＡ）およびｔＢ
ｌによりコイル材の表面に水ヌレ性皮膜を形成した。な
お、元コイＪし材の水ヌレ冬こよる接触角を測定したと
ころこれは６０°であり、また脱脂後のコイル材の接触
角は４５°であった。

ＩＡ）　　コイル材を、トリエタノールアミン０．３重
量％を含む水溶液中に９０℃で１分間浸漬し、ベーマイ
ト処理を行なった。つ０でこのコイル材をシリカゾル１
．８重量％（Ｓｉとして計算して）水溶液中に３０℃−
ｒｒ　ｔ　分間浸漬Ｌ、シリカゾル処理を行なった０ ＬＢＩ　　：２　イル材ニ、酸化りｏム（Ｃｒ　２０３
）５重量％を含む水溶液を６０℃で１５秒間スプレーに
より塗布してクロメート処理を行なった。ついでこのコ
イル材をシリカゾル１．８重量％（Ｓｉとして計算して
）水溶液中Ｇこ３０℃で１分間浸漬し、シリカゾル処理
を行なった。

なお、これらの水ヌレ性皮膜の形成直後のコイル材の水
ヌレによる接触角ｉｔ、（ＡｌおよびｔＢｌのいずれの
場合もｌＯｏであった。

（ｍｌ潤滑剤塗布工程 上記水ヌレ性皮膜を有する工程ＩＩＩ力）らのコイル材
に下表に示した各種潤滑剤を連続的Ｇこ塗布した。

（１１１１プレス加工工程 潤滑剤が付着した工程ｔｕｔからのコイル材ニ打抜きあ
るいは抜絞り加工によってチューブ挿通孔を形成したの
ち、これを所定長さに切断することにより、熱交換器用
プレート状フィンを造った。

（［Ｖ）洗浄工程 潤滑剤が塗布されたプレス加工工程（２））からのフィ
ンを、最後にトリクレンによって洗浄する鴬ことにより
、フィン表面の潤滑剤を除失した。

評価試験 上記実施例により製造した熱交換器用フィンについて洗
浄工程の直後に水ヌレによる接触角を測定し、得られた
結果を下表にまとめた。また比較のために、上記アルミ
ニウム製コイル材を用いて実施例を同様に繰り返し、た
だ潤滑剤塗布工程において従来の鉱油系潤滑剤を使用す
ることにより製造した熱交換器用フィンについても接触
角を測定し、得られた結果を同表に示した。

上記表から明らかなように、本発明によるフィンは、比
較例のフィンに比べて接触角が非常に小さく、シたがっ
て優れた水ヌレ性を有し、しかもこの水ヌレ性は長期に
わたって劣化することがない。またプレス加工工程にお
いてフィンに割れが発生せず、使用した潤滑剤の潤滑性
はきわめて良好であった。

以　　上 特許出願人　　大同化学工業株式会社 同　　　　　昭和アルミニウム株式会社外４名 昭和５６年１２月Ｗ−日 特許庁長官　島　１）春　樹　　殿 １、事件の表示　　昭和５６年特許願第１１２６０４　
　号２、発明の名称　熱交換器用アルミニウム製フィン
の製造方法３、補正をする者 事件との関係　　　　特許出晰人 ４、代　理　人 ５、補正命令の日付　　　昭和　　年　　月　　　日６
、補正により増加する発明の数 輸　　正　　の　　内　　容 １．明細書の特許請求の範囲の欄の記載を別紙のとおり
補正する。

２、同書１５頁１〜２行の「コイル材・・・抜絞り加工
」を「コイル材に張出し加工、絞り加工）打抜き加工、
カーリング加工およびしごき加工を施すこと」と訂正す
る。

３、同書１６頁２〜３行の「同表に示した。」のつぎに
［なお翫水ヌレ皮膜形成工程については、実施例１〜３
と比較例では前記の方法（６）を、また実施例４〜６で
は方法の）をそれぞれ採用し九」を加入する。

以上 特許請求の範囲 板状アルミニウム材の表面に、水ヌレ性の良０皮膜を形
成する工程と、この皮膜付きアルミニウム材の表面に、
液状の界面活性剤を基材とし、かつこの基材にリン系極
圧添加剤、高級脂肪酸１高級脂肪酸エステルおよび高級
アルコールのうち少なくとも１種の物質を０．１〜２０
重量％含有する潤滑剤を塗布する工程と、この潤滑剤が
塗布された皮膜付きアルミニウム材をプレス加工して熱
交換器用フィンをつくる工程と、このフィンを洗浄する
ことにより潤滑剤を除去するニーとよりなる熱交換器用
アルミニウム製フィンの製造方法。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 板状アルミニウム材の表面に、水ヌレ性の良い皮膜を形
   成する工程と、この皮膜付きアルミニウム材の表面に、
   液状の界面活性剤を基材とし、かつこの基材にリン系極
   圧添加剤、高級脂肪酸、高級アルコールのうちの少なく
   とも１種の物質を０．１〜２０重量％含有する潤滑剤を
   塗布する工程と、この潤滑剤が塗布された皮膜付きアル
   ミニウム材をプレス加工して熱交換器用フィンを洗浄す
   ることにより潤滑剤を除去する工程とよりなる熱交換器
   用アルミニウム製フィンの製造方法。