JPS5811558Y2 - 表面材を有する硬質発泡体断熱板 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、耐食性、透湿抵抗性、耐衝撃性、外観の優れ
た表面材を有する硬質発泡体断熱板に関するものである
。

近年、熱伝導率の小さいこと及び硬さが充分であって構
築部材として使用に適することなどの特徴を有すること
から、硬質発泡体断熱板が種々提供されている。

そしてこれらの硬質発泡体断熱板は、構築用断熱材とし
て実用に適するように、断熱板の片面あるいは両面に種
々の表面材を積層一体形成させているものがほとんどで
ある。

従来、多く用いられている表面材としては、防湿にライ
ナー紙、アルミ箔ライナー紙、などがあり、これらを積
層一体化させた硬質発泡体断熱板は、熱伝導率を悪化さ
せる湿分の浸入を防止でき長期間安定したすぐれた断熱
性を維持することができる。

特にアルミ箔面材を用いた硬質発泡体断熱板は、アルミ
箔の有する有効な熱反射性能、防湿性能とメタリックな
外観から、実用的ですぐれたものである。

しかし、従来からのアルミ箔・面・材を用いた硬質発泡
体断熱板は、次の欠点を有していた。

■ アルミニウム箔が表面に露出されている場合は、結
露水、電解質、酸性物質、アルカリ物質、酸化性薬品等
により、アルミニウムの腐食が生じ、外観を悪くシ、防
湿性能も低下する。

■ 製造工程上、面材加熱プレートとの摩擦により、表
面にスリ傷がつき易く、防湿性能、外観を悪くする。

■ 表面強度が若干低い。

これらの欠点を解決する為に、例えば、アルミニウム箔
の上層にポリエチレン、ニトロセルロース、塩化ビニル
、エポキシ等のプラスチック防食層を設けたものがある
が、これらが防湿性能に寄与する効果は無く、表面強度
もまだ不充分であり、仕上った製品面の耐衝撃強度が低
く、硬い物がぶつかると穴があき易い欠点があり、又、
製造工程上の傷で所期の目的を充分満足させえないもの
であった。

そして、表面材として強度的に満足し得る素材として鋼
箔も検討されたが、鋼板に表面メッキを施した鋼板を圧
延して鋼箔とすることから、防錆効果が不充分であり、
表面材としては不適当であった。

従って、従来鋼箔外観の表面材を有する硬質発泡体断熱
板は実用に供せられているものはながった。

上記事実に鑑み、硬質発泡体に積層一体化される面材の
改良検討を鋭意行なった結果、上記欠点を完全に解消し
た、耐食、透湿抵抗、耐衝撃性に優れる、長期間安定し
た高い断熱性能を保持できるアルミニウム箔外観の硬質
発泡体断熱板を開発するに至った。

本考案の硬質発泡体断熱板は、硬質発泡体板の少くとも
片側表面上に厚さ１２０μ以下の鋼箔とアルミニウムを
蒸着した厚さ１０〜１００μの合成樹脂フィルムを、合
成樹脂フィルム面が最外面になるように積層一体化して
戒るものである。

更に本考案を図面実施例に従って説明をする。

第１図は本考案の硬質発泡体断熱板１の全体斜視図であ
り、硬質発泡体板４を芯材とし、その両面に表面材２，
３を積層形成したものである。

表面材２゜３は硬質発泡体板４の表面に対して、鋼箔９
、接着剤層８、アルミニウム蒸着層６、合成樹脂フィル
ム５の順に積層一体化されたものであって、硬質発泡体
板４の表面に一体形成させる。

この表面材２，３を硬質発泡体板４の表面に形成させる
には、接着剤１０を介在させて接着一体化しても良いし
、硬質ポリウレタンフォームの発泡生成時のように、発
泡体板４自体に自己接着性がある場合には、特に接着剤
を使用しなくても一体形成させることができる。

又この表面材２，３は第１図に示した例にみられるごと
く、硬質発泡体板４の両面に形成させても良いが、片面
のみに形成させ、他面には一般に使用されている表面材
を形成させても良い。

本考案の硬質発泡体断熱板１を得るには、厚さ１０〜１
００μの合成樹脂フィルム５の裏面にアルミニウムを蒸
着し、しかる後接着剤を介在させて鋼箔９と接着して表
面材２を得、この表面材２と硬質発泡体板４とを積層一
体化する。

本考案に使用される硬質発泡体板４としては、硬質ポリ
ウレタンフォーム、ポリイソシアヌレートフオーム、フ
ェノールフオーム、ポリスチレンフオームなど硬質で断
熱性のすぐれたフオーム材から成る。

合成樹脂フィルム５は、ポリエチレンテレフタレート、
ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニール、弗
化ビニール、ポリアクリレート、ナイロン、ポリエステ
ル、エポキシなど全てのものが使用できるが、特にポリ
エチレンテレフタレートは強度もすぐれており、適して
いる。

鋼箔９は純銅の箔でも良いが、マンガン、モリブデンな
どの金属を若干含むものでも良い。

強度的には焼なまししてないものが望ましい。

厚さは１２０μ以下の薄箔が用いられる。

本考案の断熱板は以上のように硬質発泡体の表面に、ア
ルミニウム蒸着した合成樹脂フィルムで被覆保護された
鋼箔から成る表面材が形成されているため、従来のアル
ミ箔面材を用いた硬質発泡体断熱板と同様にすぐれた断
熱性、外観を有するだけでなく、表面材の厚さは従来の
ものと比較して同程度であるにかかわらず、表面強度が
高くなり、断熱板全体の曲げ強度、耐衝撃性などの強度
も飛躍的に向上したものである。

従って、本考案の断熱板は従来のものと比較して、断熱
板自体の耐久性が向上し、長期間使用することができる
ようになっただけでなく、用途的にもより強度を要する
分野に拡がり、きわめて有用なものである。

更に本考案の表面材は２２０μ以下のきわめて薄いもの
であるから、ロール巻きも可能であって、従来の可撓性
のある表面材と同様の作業上の取り扱いが可能であり、
硬質ポリウレタンフォームなどを芯材として使用するよ
うな場合、従来通り連続生産が可能になるものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の硬質発泡体断熱板の全体斜視図、第２
図乃至第３図は断熱板実施例の拡大断面図である。 １・・・・・・硬質発泡体断熱板、２，３・・・・・・
表面材、４・・・・・・硬質発泡体板、５・・・・・・
合成樹脂フィルム、６・・・・・・アルミニウム蒸着層
、９・・・・・・鋼箔。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 硬質発泡体板の少くとも片側表面上に、厚さ１２０μ以
   下の鋼箔と、アルミニウムを蒸着した厚さ１０〜１００
   μの合成樹脂フィルムを、合成樹脂フィルム面が最外面
   になるように積層一体化して成る表面材を有する硬質発
   泡体断熱板。