JPH1195078A - 光学部材及び光学装置 - Google Patents

光学部材及び光学装置

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JPH1195078A
JPH1195078A JP9255573A JP25557397A JPH1195078A JP H1195078 A JPH1195078 A JP H1195078A JP 9255573 A JP9255573 A JP 9255573A JP 25557397 A JP25557397 A JP 25557397A JP H1195078 A JPH1195078 A JP H1195078A
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adhesive
solidified
less
glass
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JP9255573A
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Toru Nakamura
徹 中村
Sumuto Shimizu
澄人 清水
Kajiro Ushio
嘉次郎 潮
Tetsuya Oshino
哲也 押野
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Nikon Corp
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    • G03F7/00Photomechanical, e.g. photolithographic, production of textured or patterned surfaces, e.g. printing surfaces; Materials therefor, e.g. comprising photoresists; Apparatus specially adapted therefor
    • G03F7/70Microphotolithographic exposure; Apparatus therefor
    • G03F7/708Construction of apparatus, e.g. environment aspects, hygiene aspects or materials
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  • Exposure Of Semiconductors, Excluding Electron Or Ion Beam Exposure (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 接着剤により光学ガラスを金属製の保持部材
に固定してなる光学部材であり、高精度の光学性能が長
期に亘って要求される光学装置の光学系や、レーザ光学
系など高出力または短波長の光を用いる光学系において
長期間使用されても、周囲(特に、クリーンルーム内や
医療機関内などの)環境の汚染や光学性能の劣化を引き
起こすことがない光学部材と、該光学部材を光学系に用
いた光学装置を提供すること。 【解決手段】 少なくとも、光学ガラス11と、該光学
ガラス11を保持する金属製の保持部材12と、前記光
学ガラス11を前記保持部材12に固定する接着剤の固
化物または硬化物13と、を有する光学部材において、
前記接着剤の固化物または硬化物13の硬さ(JIS
A)を90以下とし、かつ前記固化物または硬化物が含
有する脱ガス成分の割合(脱ガス成分含有率)を0.1 %
以下としたことを特徴とする光学部材。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明が属する技術分野】本発明は、接着剤により光学
ガラスを金属製の保持部材に固定してなる光学部材と、
該光学部材を光学系に用いた光学装置に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】光学ガラスを金属部品(金属製の保持部
材)に保持する方法として、接着剤により光学ガラスを
金属部品に固定する方法が広く用いられている。例え
ば、光学ガラスが光学レンズである場合には、図1に示
す様に光学レンズ(11)を金属部品(12)に挿入し
た後、光学レンズと金属部品の間にできた隙間に接着剤
(13)を充填して、硬化(または固化)させる方法が
とられる。
【0003】また、前記光学ガラスが光学ミラーである
場合には、図2に示す様に光学ミラー(21)を金属部
品(22)の所定場所にバネ等で仮止めした後、ミラー
の周囲に接着剤(23)を塗布して、硬化(または固
化)させた後に仮止めをはずす方法が良く用いられる。
この様な光学レンズと金属部品の接着に用いられる接着
剤は、ガラス及び金属の両方への接着性に優れ、同時に
これらを腐食させないものであれば良いが、特に高精度
の光学特性が要求される場合には、接着剤の硬化(また
は固化)収縮による光学ガラスの応力発生が問題とな
る。
【0004】そして、この問題を解決するためには、硬
化(または固化)収縮が全く無い接着剤を用いるか、或
いは硬化(または固化)収縮時に発生する応力を接着剤
の硬化(または固化)物自身により緩和させればよい。
ところが、現在の技術では、硬化(または固化)収縮が
全く無い接着剤を作製することができないので、高精度
の光学特性が要求される光学ガラスの接着においては、
硬化(または固化)後も弾性を有し、硬化(または固
化)物自身が応力を緩和する性質を有する接着剤が使用
されている。
【0005】このような接着剤としては、シリコン系接
着剤が一般的であり、また最近ではエポキシ系の弾性接
着剤も実用化されている。前述した硬化(または固化)
に伴う応力発生の問題に加えて、硬化(または固化)温
度が問題になる場合もある。即ち、接着剤により光学ガ
ラスを金属製の保持部材に固定してなる光学部材が特に
高精度の光学特性が要求される光学装置に使用される場
合には、硬化(または固化)時の加熱温度をあまり高く
することができない。
【0006】これは、硬化(または固化)時の加熱温度
が高すぎると、光学ガラスに発生する歪みが許容限界を
越えるからである。そこで、このような場合には、室温
(またはそれに近い比較的低い温度)で硬化または固化
するタイプの接着剤が用いられている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、シリコ
ン系をはじめとするこれらの接着剤により、光学ガラス
と金属部品とを接着した光学部材や、該光学部材を用い
た光学装置を長期間使用する場合には、接着剤の硬化
(または固化)物から微量づつ、長期間に亘って放出さ
れるガスにより、周囲環境が汚染されるという問題が発
生する。
【0008】接着剤の硬化(または固化)物から放出さ
れるガスは微量であり、一般の室内環境では問題視され
ることがこれまで殆ど無かったが、前記光学部材または
光学装置がクリーンルーム内で使用される場合には、室
内環境汚染物質として問題となる。また、前記光学部材
または光学装置が病院等の医療機関で用いられる場合に
も接着剤の硬化(または固化)物から放出されるガスが
汚染物質として問題となり、環境中の微量ガス成分を通
常よりも低いレベルに抑える必要がある。
【0009】また、前記光学部材または光学装置が高出
力光源または短波長光源と一緒に用いられる場合には、
接着剤の硬化(または固化)物からの脱ガス成分がごく
微量光学ガラスに付着した後、光または熱により化学変
化を起こして、長期間の使用後に光学性能の劣化を引き
起こすことがあり、問題となっていた。通常、これらの
劣化はごく僅かなものであり、一般の光学装置では問題
にならないことが多いが、高精度の光学性能が長期に亘
って要求される光学装置の光学系や、レーザ光学系など
高出力または短波長の光を用いる光学系では、前記劣化
が無視できない場合があり、問題となっていた。
【0010】本発明は、かかる問題点に鑑みてなされた
ものであり、接着剤により光学ガラスを金属製の保持部
材に固定してなる光学部材であり、高精度の光学性能が
長期に亘って要求される光学装置の光学系や、レーザ光
学系など高出力または短波長の光を用いる光学系におい
て長期間使用されても、周囲(特に、クリーンルーム内
や医療機関内など)環境の汚染や光学性能の劣化を引き
起こすことがない光学部材と、該光学部材を光学系に用
いた光学装置を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】そのため、本発明は第一
に「少なくとも、光学ガラスと、該光学ガラスを保持す
る金属製の保持部材と、前記光学ガラスを前記保持部材
に固定する接着剤の固化物または硬化物と、を有する光
学部材において、前記接着剤の固化物または硬化物の硬
さ(JIS A)を90以下とし、かつ前記固化物また
は硬化物が含有する脱ガス成分の割合(脱ガス成分含有
率)を0.1 %以下としたことを特徴とする光学部材(請
求項1)」を提供する。
【0012】また、本発明は第二に「前記接着剤の固化
物または硬化物はケイ素を含有し、前記脱ガス成分は、
1分子中のケイ素原子数が20以下である低分子のケイ
素含有化合物であることを特徴とする請求項1記載の光
学部材(請求項2)」を提供する。また、本発明は第三
に「前記接着剤の固化物または硬化物の固化温度もしく
は硬化温度が80°C以下であることを特徴とする請求
項1または2記載の光学部材(請求項3)」を提供す
る。
【0013】また、本発明は第四に「前記光学ガラスが
光学レンズまたは光学ミラーであることを特徴とする請
求項1〜3記載の光学部材(請求項4)」を提供する。
また、本発明は第五に「請求項1〜4記載の光学部材を
光学系に用いたことを特徴とする光学装置(請求項
5)」を提供する。また、本発明は第六に「使用される
光の波長が400nm以下であることを特徴とする請求
項5記載の光学装置(請求項6)」を提供する。
【0014】また、本発明は第七に「使用される光がレ
ーザ光であることを特徴とする請求項5または6記載の
光学装置(請求項7)」を提供する。
【0015】
【発明の実施の形態】接着剤により光学ガラスを金属製
の保持部材に固定してなる本発明(請求項1〜4)の光
学部材は、前記接着剤の固化物または硬化物の硬さ(J
IS A)を90以下とし、かつ前記固化物または硬化
物が含有する脱ガス成分の割合(脱ガス成分含有率)を
0.1 %以下とした。
【0016】即ち、本発明(請求項1〜4)の光学部材
は、接着剤の固化物または硬化物の硬さ(JIS A)
を90以下とすることにより、硬化(または固化)収縮
時に発生する応力を接着剤の硬化(または固化)物自身
により緩和させている。また、本発明(請求項1〜4)
の光学部材は、固化物または硬化物が含有する脱ガス成
分の割合(脱ガス成分含有率)を0.1 %以下とすること
で、脱ガス成分がごく微量光学ガラスに付着した後、光
または熱により化学変化を起こして、長期間の使用後に
光学性能が劣化することや、脱ガス成分が周囲(特に、
クリーンルーム内や医療機関内などの)環境を汚染する
ことを防止している。
【0017】そのため、本発明(請求項1〜4)の光学
部材は、高精度の光学性能が長期に亘って要求される光
学装置の光学系や、レーザ光学系など高出力または短波
長の光を用いる光学装置の光学系において長期間使用さ
れても、周囲(特に、クリーンルーム内や医療機関内な
どの)環境の汚染や光学性能の劣化を引き起こすことが
ない。
【0018】本発明にかかる接着剤としては、例えば、
その固化物または硬化物がケイ素を含有し、脱ガス成分
が1分子中のケイ素原子数が20以下である低分子のケ
イ素含有化合物である接着剤が挙げられる(請求項
2)。また、本発明にかかる接着剤の固化物または硬化
物の固化温度もしくは硬化温度は80°C以下であるこ
とが好ましい(請求項3)。
【0019】かかる構成にすると、光学部材を高精度の
光学性能が長期に亘って要求される光学装置の光学系
や、レーザ光学系など高出力または短波長の光を用いる
光学装置の光学系に使用する場合でも、硬化(または固
化)時の加熱により発生する光学ガラスの歪を許容限界
以下に抑えるとともに、周囲(特に、クリーンルーム内
や医療機関内などの)環境の汚染や光学性能の劣化を引
き起こすことがない。
【0020】本発明にかかる光学ガラスとしては、例え
ば光学レンズまたは光学ミラーが使用される(請求項
4)が、これに限定されるものではない。本発明(請求
項1〜4)にかかる光学部材を光学系に用いた光学装置
(請求項5〜7)は、高精度の光学性能が長期に亘って
要求される光学装置や、レーザ光学系など高出力または
短波長の光を用いる光学装置であっても、周囲(特に、
クリーンルーム内や医療機関内などの)環境の汚染や光
学性能の劣化を引き起こすことがない。
【0021】本発明にかかる光学装置としては、例え
ば、使用される光の波長が400nm以下である装置
(請求項6)や、使用される光がレーザ光である光学装
置(請求項7)が挙げられる。これらの装置は、本発明
(請求項1〜4)にかかる光学部材を光学系に用いてい
るので、同様に周囲(特に、クリーンルーム内や医療機
関内などの)環境の汚染や光学性能の劣化を引き起こす
ことがない。
【0022】以下、本発明について詳細に説明する。接
着剤の硬化(または固化)物から発生するガスは、大き
く二つに分けることができる。その第一のガスは、接着
剤の硬化(または固化)反応に伴って発生するガスであ
る。シリコン系接着剤を例にとると、かかる発生ガスと
してはアルコール、アセトン、酢酸、オキシムなどを挙
げることができる。
【0023】しかし、これらのガスは硬化(または固
化)反応の進行と共にその発生量が減少し、前記反応が
終了すれば通常は発生しなくなる。また、付加反応によ
り硬化(または固化)する接着剤は、付加型接着剤と呼
ばれ、硬化(または固化)に伴うガス発生は無い。従っ
て、硬化(または固化)に伴う一時的なガス発生を無く
したい場合には、付加型接着剤を使用すればよい。
【0024】接着剤の硬化(または固化)物から発生す
る第二のガスは、硬化(または固化)反応の進行とは無
関係に、長期間に亘って微量づつ放出されるガスであ
り、本発明において問題となるのもこの種の脱ガスであ
る。このタイプの脱ガスとしてシリコン系接着剤の場合
を例にとると、一番顕著なのは、1分子中のケイ素原子
数が20以下であるケイ素含有化合物である。通常の環
境下では、この長期に亘るガス発生はこれまであまり問
題視されていなかった。
【0025】しかし、近年、クリーンルームの内装に使
用されるシーリング剤や接着剤から長期に亘って放出さ
れるガスがクリーンルーム内の雰囲気を汚染し、電気回
路の接点障害や、半導体集積回路の歩留り低下の原因と
なっていると言われている。また、最近では、化学物質
過敏症の原因物質の一つとして、壁などの内装に使用さ
れる接着剤からの脱ガスが挙げられている。
【0026】従って、化学物質過敏症患者が治療を受け
る医療機関などでは、内装材に注意を払う必要があるば
かりで無く、そこで使用される装置類からもガスを発生
させない様にする必要がある。本発明者らは、クリーン
ルームや医療機関等、雰囲気中の微量ガス濃度が問題に
なるところでは、建築物の内装材からのガス発生を抑え
るのに加えて、そこで使用される光学装置からの発生ガ
スも抑える必要があると判断した。
【0027】そして、鋭意研究を重ねた結果、光学ガラ
スと金属部品との接着に用いる接着剤の硬化(または固
化)物からの発生ガス量を低減させると、効果的である
ことを見い出した。そして、光学ガラスと金属部品の接
着に用いる接着剤の硬化(または固化)物における脱ガ
ス成分の含有率を0.1 %以下にしたところ、光学装置か
らの発生ガス量も実質的に問題ないレベルにまで低減で
きることを見い出した。
【0028】雰囲気中のガス濃度が問題になる場所で使
用される光学装置の例としては、工業用顕微鏡、半導体
集積回路製造用あるいは液晶パターン製造用等の露光装
置、集積回路の検査装置などクリーンルーム内で使用さ
れる装置、生物顕微鏡、内視鏡など医療機関で使用され
る装置、等を挙げることができる。本発明者らは、さら
に検討を加えた結果、波長400nm以下の紫外線を発
する紫外線源や、大出力レーザなど大きなパワー密度の
光を発する光源を用いる光学装置の光学系にいられる光
学部材に於いては、接着剤の硬化(または固化)物の脱
ガス成分が光または熱により変質して光学ガラス表面に
付着し、光学部材の性能を僅かではあるが劣化させるこ
とを見い出した。
【0029】そこで、光学ガラスと金属部品の接着に用
いる接着剤の硬化(または固化)物の脱ガス成分含有率
を0.1 %以下にしたところ、波長400nm以下の紫外
線源や、大出力レーザなど大きなパワー密度の光を発す
る光源を用いる光学装置において光学部材を長期間使用
しても、光学部材の性能劣化は実質的に全く起こらない
ことを見い出した。
【0030】波長400nm以下の紫外線を発する紫外
線源や、大きなパワー密度の光を発する光源の例として
は、高圧水銀ランプ、低圧水銀ランプ、メタルハライド
ランプ、アルゴンレーザ、He−Neレーザ、KrFエ
キシマレーザ、ArFエキシマレーザなどを挙げること
ができる。また、これらの光源を有する光学装置の例と
しては、紫外線硬化型樹脂の硬化や材料の表面改質など
に用いられる紫外線照射装置、医療器具などの滅菌・殺
菌装置、レーザ加工機、光干渉計、半導体集積回路製造
用あるいは液晶パターン製造用の露光装置、半導体集積
回路の検査装置、ウエハ,フォトマスクまたはレチクル
のゴミ検査装置などを挙げることができる。
【0031】本発明において低減する脱ガス成分は既に
述べた様に、硬化後も長期間に亘って放出されるもので
あれば全てが対象となり得るが、接着剤がシリコン系接
着剤の場合には、低分子のケイ素含有化合物が例として
挙げられ、さらに詳しくは、1分子中のケイ素原子数が
20以下の化合物である。接着剤の硬化(または固化)
物中の脱ガス成分の測定は、種々の方法により可能であ
るが、一例を挙げると、接着剤の硬化(または固化)物
をn−ヘキサンに24時間浸せきして脱ガス成分を抽出
した後、ガスクロマトグラフィーで定量することにより
測定できる。
【0032】光学レンズと金属部品の接着において、接
着剤の硬化(または固化)収縮に伴う光学ガラスの応力
発生は、光学性能を低下させる原因となるので、特に重
要である。本発明者らは、接着剤硬化(または固化)物
の物性と光学ガラスに発生する応力との関係を詳細に検
討した結果、JIS Aによる接着剤硬化(または固
化)物の硬さが90以下である場合には、さらに望まし
くは80以下である場合には、光学ガラスの応力発生を
実用上問題ない程度にまで低減できることを見い出し
た。
【0033】従って、接着剤の硬化(または固化)収縮
による光学部材の光学性能低下を防ぎ、同時に接着剤硬
化(または固化)物からの脱ガス成分による環境汚染や
光学性能の低下を防止する為には、接着剤硬化(または
固化)物のJIS Aによる硬さが90以下であり、か
つ接着剤硬化(または固化)物中の脱ガス成分含有率が
0.1 %以下である接着剤を使用することが有効である。
【0034】以下、本発明を実施例に基いて説明する
が、本発明はこれらの実施例に限定されるものではな
い。
【0035】
【実施例】
[実施例1]図3に示す様に、内径42mmの真鍮製金
属部品(31)に、外径40mmのガラス製光学レンズ
(32)を挿入し、前記金属部品(31)と前記光学レ
ンズ(32)のすき間に、シリコン系の一液型接着剤K
E4898(信越化学工業製、JIS−A硬さ40、硬
化物または固化物の低分子シリコン含有量0.03%以下)
を充填し、72時間×室温の条件にて硬化または固化さ
せることにより(硬化物または固化物33の形成)、本
実施例の光学部材を作製した。
【0036】次に、以下に示すように、作製した光学部
材から発生するガスを図4に示す脱ガス捕集系を用いて
捕集し、定量分析を行った。・まず、ポンプ1(41)
により、毎分3lのチッ素ガスを前記光学部材(43)
が収納されたチャンバー(42)内に導入する。・次
に、チャンバー(42)内の雰囲気をポンプ2(44)
により、毎分0.5 lの割合で2分間吸引して、活性炭吸
着剤(45)に捕集する。
【0037】・捕集したガスを二硫化炭素溶媒により抽
出し、ガスクロマトグラフ質量分析計(日本電子製 A
UTOMASS150)を用いて定量分析を行う。定量
分析の結果を表1に示す。表1の結果から、本実施例の
光学部材からの脱ガス量は極めて少ないことが判る。な
お、表1において、D3は1分子中のケイ素原子数が3
の化合物を、D4は4の化合物を、D5は5の化合物
を、D6は6の化合物をそれぞれ示す。
【0038】このように、本実施例の光学部材は、接着
剤の固化物または硬化物が含有する脱ガス成分の割合
(脱ガス成分含有率)を0.1 %以下とすることで、脱ガ
ス量を極めて低い値に抑えている。そのため、脱ガス成
分がごく微量、光学ガラスに付着した後、光または熱に
より化学変化を起こして、長期間の使用後に光学性能が
劣化することや、脱ガス成分が周囲(特に、クリーンル
ーム内や医療機関内などの)環境を汚染することを防止
することができる。
【0039】また、作製した本実施例の光学部材のレン
ズ面に、エネルギー密度50mJ/cm2 のKrFエキ
シマレーザ光を照射したところ、500Hz−100時
間の連続照射を行った後でも、光学レンズの外観、透過
率、結像性能の変化は見られなかった。なお、本実施例
の光学部材は、接着剤の固化物または硬化物の硬さ(J
ISA)を90以下とすることにより、硬化(または固
化)収縮時に発生する応力を接着剤の硬化(または固
化)物自身により緩和させている。
【0040】また、本実施例では、前記接着剤を80°
C以下の室温にて硬化(または固化)させているので、
光学部材を高精度の光学性能が長期に亘って要求される
光学装置の光学系や、レーザ光学系など高出力または短
波長の光を用いる光学装置の光学系に使用する場合で
も、硬化(または固化)時の加熱により発生する光学ガ
ラスの歪を許容限界以下に抑えるとともに、周囲(特
に、クリーンルーム内や医療機関内などの)環境の汚染
や光学性能の劣化を引き起こすことがない。
【0041】このように、本実施例の光学部材は、高精
度の光学性能が長期に亘って要求される光学装置の光学
系や、レーザ光学系など高出力または短波長の光を用い
る光学装置の光学系において長期間使用されても、周囲
(特に、クリーンルーム内や医療機関内などの)環境の
汚染や光学性能の劣化を引き起こすことがない。 [実施例2]図5に示す様に、アルミ合金製の金属部品
(51)に、縦40mm、横30mm、厚さ5mmの光
学ミラー(52)を仮止めした後に、周囲にシリコン系
の一液型接着剤トスシール80−SC(東芝シリコーン
製、JIS−A硬さ38、低分子シリコン含有率0.0
4%以下)を光学ミラーの全周に塗布した。
【0042】そして、72時間×室温の条件にて前記接
着剤を硬化または固化させた(硬化物または固化物53
の形成)後に、仮止めを外して本実施例の光学部材を作
製した。ニコン製6D型オートコリメータを用いて、接
着した光学ミラー(52)のスリット反射像を観察した
ところ、鮮明な像が観察され、反射面の精度変化は認め
られなかった。
【0043】次に、作製した光学部材から出るガスの捕
集とその定量分析を実施例1と同様に行った。定量分析
の結果を表1に示す。表1の結果から、本実施例の光学
部材からの脱ガス量は極めて少ないことが判る。本実施
例の光学部材も、接着剤の固化物または硬化物が含有す
る脱ガス成分の割合(脱ガス成分含有率)を0.1 %以下
とすることで、脱ガス量を極めて低い値に抑えている。
【0044】そのため、脱ガス成分がごく微量、光学ガ
ラスに付着した後、光または熱により化学変化を起こし
て、長期間の使用後に光学性能が劣化することや、脱ガ
ス成分が周囲(特に、クリーンルーム内や医療機関内な
どの)環境を汚染することを防止することができる。ま
た、作製した本実施例の光学部材のレンズ面に、エネル
ギー密度50mJ/cm2 のKrFエキシマレーザ光を
照射したところ、500Hz−100時間の連続照射を
行った後でも、光学レンズの外観、透過率、結像性能の
変化は見られなかった。
【0045】なお、本実施例の光学部材は、接着剤の固
化物または硬化物の硬さ(JISA)を90以下とする
ことにより、硬化(または固化)収縮時に発生する応力
を接着剤の硬化(または固化)物自身により緩和させて
いる。また、本実施例では、前記接着剤を80°C以下
の室温にて硬化(または固化)させているので、光学部
材を高精度の光学性能が長期に亘って要求される光学装
置の光学系や、レーザ光学系など高出力または短波長の
光を用いる光学装置の光学系に使用する場合でも、硬化
(または固化)時の加熱により発生する光学ガラスの歪
を許容限界以下に抑えるとともに、周囲(特に、クリー
ンルーム内や医療機関内などの)環境の汚染や光学性能
の劣化を引き起こすことがない。
【0046】このように、本実施例の光学部材は、高精
度の光学性能が長期に亘って要求される光学装置の光学
系や、レーザ光学系など高出力または短波長の光を用い
る光学装置の光学系において長期間使用されても、周囲
(特に、クリーンルーム内や医療機関内などの)環境の
汚染や光学性能の劣化を引き起こすことがない。 [比較例1]実施例2における光学ミラーと金属部品の
接着に、シリコン系の一液型接着剤トスシール381
(東芝シリコーン製、JIS−A硬さ28、低分子シリ
コン含有率2%)を用いた以外は、全て実施例2と同様
に光学部材を作製した。
【0047】ニコン製6D型オートコリメータを用い
て、接着した光学ミラーのスリット反射像を観察したと
ころ、鮮明な像が観察され、反射面の精度変化は認めら
れなかった。次に、作製した光学部材から出るガスの捕
集とその定量分析を実施例1と同様に行った。定量分析
の結果を表1に示す。表1の結果から、比較例1の光学
部材からの脱ガス量は、実施例1、2のそれと比較する
と非常に多いことが判る。
【0048】そのため、比較例1の光学部材の場合に
は、脱ガス成分が光学ガラスに付着した後、光または熱
により化学変化を起こして、長期間の使用後に光学性能
が劣化した。また、比較例1の光学部材を用いると、脱
ガス成分が周囲(特に、クリーンルーム内や医療機関内
などの)環境を汚染するおそれが強い。
【0049】
【表1】
【0050】[比較例2]実施例2における光学ミラー
と金属部品の接着に、エポキシ樹脂系の接着剤(セメダ
イン1500)を用いた以外は、全て実施例2と同様に
光学部材を作製した。ニコン製6D型オートコリメータ
を用いて、接着した光学ミラーのスリット反射像を観察
したところ、スリット反射像が不鮮明になっており、接
着剤の硬化収縮により面精度が変化していることが明か
になった。
【0051】
【発明の効果】以上説明したように、本発明(請求項1
〜4)の光学部材と、該光学部材を光学系に用いた光学
装置(請求項5〜7)は、高精度の光学性能が長期に亘
って要求される場合や、レーザ光学系など高出力または
短波長の光を用いる場合において長期間使用されても、
周囲(特に、クリーンルーム内や医療機関内などの)環
境の汚染や光学性能の劣化を引き起こすことがない。
【0052】即ち、本発明によれば、光学ガラスと金属
部品を接着した光学部材と、該光学部材を備えた光学装
置において、光学特性を損なうことなく、しかも光学部
材及び光学装置からの脱ガスを実用上問題ないレベルに
まで低減することが可能になった。また、本発明によれ
ば、接着剤の硬化(または固化)温度を80°C以下と
することにより、高精度が要求される多くの光学部材や
該光学部材を備えた光学装置においても、硬化(または
固化)時の加熱により光学ガラスに生じる歪を抑えると
ともに、脱ガスによる環境汚染や光学性能劣化の問題を
解決することができる。
【0053】さらに、本発明によれば、光学部材や該光
学部材を備えた光学装置で使用される光が波長400n
m以下の紫外光である場合や、レーザなどの光出力光源
から発せられる場合に、長期間の使用後にも光学性能の
劣化が起こらないようにすることが可能になった。
【図面の簡単な説明】
【図1】は、光学レンズと金属部品との接着方法を示す
断面図である。
【図2】は、光学ミラーと金属部品との接着方法を示す
断面図である。
【図3】は、実施例1における光学レンズと金属部品と
の接着方法を示す断面図である。
【図4】は、脱ガス捕集系の装置構成図である。
【図5】は、実施例2における光学ミラーと金属部品と
の接着方法を示す断面図である。
【符号の説明】
11:光学レンズ 12:金属部品 13:接着剤の硬化(または固化)物 21:光学ミラー 22:金属部品 23:接着剤の硬化(または固化)物 31:金属部品 32:光学レンズ 33:接着剤の硬化(または固化)物 41:ポンプ1 42:チャンバー 43:光学部材 44:ポンプ2 45:活性炭吸着剤 51:金属部品 52:光学ミラー 53:接着剤の硬
化(または固化)物 以上
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 押野 哲也 東京都千代田区丸の内3丁目2番3号 株 式会社ニコン内

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも、光学ガラスと、該光学ガラ
    スを保持する金属製の保持部材と、前記光学ガラスを前
    記保持部材に固定する接着剤の固化物または硬化物と、
    を有する光学部材において、 前記接着剤の固化物または硬化物の硬さ(JIS A)
    を90以下とし、かつ前記固化物または硬化物が含有す
    る脱ガス成分の割合(脱ガス成分含有率)を0.1 %以下
    としたことを特徴とする光学部材。
  2. 【請求項2】 前記接着剤の固化物または硬化物はケイ
    素を含有し、前記脱ガス成分は、1分子中のケイ素原子
    数が20以下である低分子のケイ素含有化合物であるこ
    とを特徴とする請求項1記載の光学部材。
  3. 【請求項3】 前記接着剤の固化物または硬化物の固化
    温度もしくは硬化温度が80°C以下であることを特徴
    とする請求項1または2記載の光学部材。
  4. 【請求項4】 前記光学ガラスが光学レンズまたは光学
    ミラーであることを特徴とする請求項1〜3記載の光学
    部材。
  5. 【請求項5】 請求項1〜4記載の光学部材を光学系に
    用いたことを特徴とする光学装置。
  6. 【請求項6】 使用される光の波長が400nm以下で
    あることを特徴とする請求項5記載の光学装置。
  7. 【請求項7】 使用される光がレーザ光であることを特
    徴とする請求項5または6記載の光学装置。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005352037A (ja) * 2004-06-09 2005-12-22 Nikon Corp 光学部材の保持構造、露光装置
US7185992B2 (en) 2003-11-13 2007-03-06 Canon Kabushiki Kaisha Lens holding technique
US8023209B2 (en) 2006-08-23 2011-09-20 Brother Kogyo Kabushiki Kaisha Method of manufacturing light source device and the light source device
US8059148B2 (en) * 2006-08-23 2011-11-15 Brother Kogyo Kabushiki Kaisha Light source device and manufacturing method thereof

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