JPH1194021A - 免震支承体およびその製法 - Google Patents

免震支承体およびその製法

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JPH1194021A
JPH1194021A JP9253097A JP25309797A JPH1194021A JP H1194021 A JPH1194021 A JP H1194021A JP 9253097 A JP9253097 A JP 9253097A JP 25309797 A JP25309797 A JP 25309797A JP H1194021 A JPH1194021 A JP H1194021A
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elastomer
rubber
seismic isolation
hardness
hard plate
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JP9253097A
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Kazuo Suga
和生 菅
Shiyuuichi Onoi
秀一 尾ノ井
Akihiro Miyata
明弘 宮田
Yoshihiro Soeda
善弘 添田
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Yokohama Rubber Co Ltd
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Yokohama Rubber Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】剪断弾性係数(G)が低減され、かつ、剪断弾
性係数(G)を自由に設定することができる免震支承
体、およびその製造方法の提供。 【解決手段】エラストマー層と硬質板とを交互に積層し
た積層体であって、前記エラストマー層の外側部分がJ
IS A 硬度26〜85のエラストマー(1)であ
り、その内側部分がエラストマー(1)の80〜20%
の硬度を有するエラストマー(2)であり、前記エラス
トマー層と硬質板とを接着してなることを特徴とする免
震支承体。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、剪断弾性係数
(G)が低減され、かつ、剪断弾性係数(G)を自由に
設定することができる免震支承体、およびその製造方法
に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、免震装置が急速に普及しつつあ
り、その一形態として、鋼板とゴム層を交互に積層した
免震用積層ゴムが挙げられる。免震用積層ゴムでは、こ
れまで、ゴム層の材料の軟らかさで剪断剛性を下げよう
としてきたため、剪断剛性を下げるには、例えば、ゴム
層として一般的に用いられている天然ゴム系のゴムで
は、ゴムに多量のオイルを添加する必要があり、ゴム物
性、および、ゴム層と鋼板との接着性のバランスをとる
のが難しく、実際上の剛性の低減には限界があった。ま
た、免震性能を発現するために鉛、ダンパーとの組合わ
せが必要であった。また、ゴム層として、微粒子カーボ
ンと樹脂を多量に配合した、これまでのいわゆる高減衰
ゴムを用いた場合では、初期剪断弾性係数が高かった。
このため、剪断弾性係数を下げることが求められてい
る。さらに、これらの免震用積層ゴムでは、ゴム内部の
加硫、接着のために、高温で長時間の加硫が必要であっ
た。
【0003】そこで、複数種の弾性体をゴム層等に用い
ることにより、剛性を下げる提案がなされている。例え
ば、特開平4−272540号公報では、天然ゴムに近
い物性を持つ軟質ゴムの外周を硬質ゴム(例えば硬度6
0)で覆ってゴム板を構成し、このゴム板と硬質板と
を、少なくともゴム板の周縁部を硬質板に対して非接着
とした積層ゴム支承体が提案されている。しかしこの積
層ゴム支承体では、硬質板とゴム層の周縁部が接着して
いないため、大変形時に剛性板である鋼板相互の変形が
部分的累積により不均一となり、性能低下が考えられる
という問題点を有していた。特開平61−228944
号公報では、周縁部分と内側部分との特性が異なる軟質
板と、剛性を有する硬質板とを積層した積層構造体が提
案されている。また、特開平1−116132号公報、
特開平6−101740号公報では、ゴム状弾性体と硬
質体を積層した外囲体内に粘性流体等を封入した周囲拘
束型の免震装置が提案されている。しかし、この免震装
置では、内部の粘性流体の拡散を弾性体で防止している
が、液漏れ等が起こる危険性があり信頼性に欠けるとい
う問題がある。特開平3−244842号公報では、硬
質板とシリコーンゴムからなる軟質板とを積層し、その
積層構造の中央部に弾塑性体を充填し、その積層構造の
外周を高強度シリコーンゴムで被覆した積層免震構造体
が提案されている。しかしこの積層免震構造体では、実
使用の破壊に耐えず、また、内部シリコーンゴムの減衰
性能では減衰特性が不十分であるという問題がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、剪断
弾性係数(G)が低減され、かつ、剪断弾性係数(G)
を自由に設定することができる免震支承体、およびその
製造方法を提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明は、エ
ラストマー層と硬質板とを交互に積層した積層体であっ
て、前記エラストマー層の外側部分が硬度(JIS A
による)26〜85のエラストマー(1)であり、そ
の内側部分がエラストマー(1)の80〜20%の硬度
を有するエラストマー(2)であり、前記エラストマー
層と硬質板との少なくとも一部が接着してなる免震支承
体を提供する。
【0006】前記エラストマー(1)に天然ゴムを含有
するのが好ましい。
【0007】前記エラストマー(1)に高減衰ゴムを含
有するのが好ましい。
【0008】前記エラストマー(2)がJIS A 硬
度10〜60のシリコーンゴムであるのが好ましい。
【0009】前記積層体の外周をエラストマーシートで
被覆してなるのが好ましい。
【0010】前記エラストマー層中、前記エラストマー
(1)が前記硬質板と接着しており、前記エラストマー
(2)が前記硬質板と非接着であるのが好ましい。
【0011】前記積層体の中心部に支承鉛直軸方向に貫
設された鉛プラグを有するのが好ましい。
【0012】前記エラストマー層と前記硬質板との接着
面を加硫接着してなるのが好ましい。
【0013】前記エラストマー層と前記硬質板との接着
面を常温硬化型接着剤で接着してなるのが好ましい。
【0014】また、本発明は、加硫後のJIS A 硬
度が26〜85である未加硫ゴムシートの中央部分に、
前記未加硫ゴムシートの加硫後の硬度の80〜20%の
硬度である加硫ゴムシートを有するエラストマー層と、
硬質板とを交互に積層し、ついで、加熱加硫し接着する
免震支承体の製造方法を提供する。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、本発明の免震支承体および
その製法について、図示例の好適実施例に基づいて詳細
に説明する。本発明の免震支承体は、エラストマー層と
硬質板とを交互に積層した積層体であって、前記エラス
トマー層の外側部分が硬度26〜85のエラストマー
(1)であり、その内側部分がエラストマー(1)の8
0〜20%の硬度を有すエラストマー(2)であり、前
記エラストマー層と硬質板とを接着してなることを特徴
とする。
【0016】図1に、本発明の免震支承体の一例の断面
図を示す。図示例の免震支承体10(以下、本発明の支
承体と記す)は、硬質板20、エラストマー(1)3、
エラストマー(2)4を有し、エラストマー(1)3と
エラストマー(2)4とから構成されるエラストマー層
5と硬質板20とを接着、積層したものである。エラス
トマー層5の表面は、硬質板20と接着されうる接着面
3aおよび4aである。
【0017】硬質板20とエラストマー層5の厚さ、大
きさおよび形状は、支承体10が適用される用途に応じ
て適宜決定されるものであり、特に限定されない。支承
体10の形状は、ビル等の建物に用いる支承体とする場
合は、図2(a)に示す例のような、断面が矩形の角柱
とし、橋梁等の場合は、図2(b)に示す例のような、
断面が円形の円柱とするのが一般的である。本発明の支
承体10は、少なくとも硬質板20と、この硬質板20
に積層されるエラストマー層を有していればよく、硬質
板20とエラストマー層5が交互に何層積層されていて
もよい。硬質板20とエラストマー層5は、その少なく
とも一部が接着されており、その接着面は、支承体10
の外側である硬質板20とエラストマー(1)3との界
面3aのみとするのが好ましいが、硬質板20とエラス
トマー(2)4との界面4aも接着されていてもよい。
また、本発明の支承体10は、例えば、最終製品の支承
体10の上面と下面とに鋼板のフランジが設けられてい
てもよく、また、図3に示す例のように、好ましくは、
支承体10の側面がエラストマーシート6で被覆されて
いてもよい。エラストマーシート6により支承体10が
被覆されることにより、ゴム層と硬質板の接触面が接着
され、その側面がゴムシートで被覆されない支承体と比
べ同等以上の破壊歪み(支承体が破壊することなく耐え
うる最大歪み)を持つことが出来、また、支承体10の
耐候性が向上する。
【0018】本発明の支承体10は、さらには、図4に
示す例のように、硬質板20とエラストマー層5を積層
した積層体の中心部に支承鉛直軸方向に鉛プラグ7が貫
設されていてもよい。鉛プラグ7の塑性歪みによるヒス
テリシスロスにより、地震によって生じる建物や橋梁等
の構造物の振動振幅が低減され、かつ速く減衰される。
【0019】硬質板20は、支承体10内に安定板とし
て用いるものであり、従来公知の各種鋼板等が使用で
き、特に限定されるものではないが、例えば、一般構造
用鋼板、冷間圧延鋼板等が挙げられる。
【0020】エラストマー層5は、エラストマー(1)
3と、エラストマー(2)4から構成される。図2
(a)と2(b)に、本発明の支承体10に用いられる
エラストマー層5の水平方向の断面図の一例である好適
実施例を示す。エラストマー層5の外側部分はエラスト
マー(1)3であり、内側部分はエラストマー(2)4
である。エラストマー(1)3の外形は、矩形でも円形
でもよく、支承体10の用途に応じて適宜決められる。
エラストマー(2)4の形状は、エラストマー層の外形
にあわせて矩形であっても円形であってもよい。エラス
トマー(1)3とエラストマー(2)4の面積比は、4
0:60〜80:20であるのが好ましい。この範囲で
あると、支承体10の強度と減衰性能の観点から好まし
い。
【0021】エラストマー(1)3には、JIS A
硬度が26〜85の材質のものを用いる。硬度がこの範
囲であると、支承体10の強度と減衰性能の観点から好
ましい。さらには,JIS A 硬度が30〜50であ
るのが好ましい。エラストマー(1)3としては、加硫
ゴム、熱可塑性エラストマー等、いずれを用いてもよ
い。加硫ゴムの原料として用いる未加硫ゴムとしては、
天然ゴム系、イソプレンゴム系、スチレン・ブタジエン
共重合ゴム系、天然ゴム/スチレン・ブタジエン共重合
ゴム系、天然ゴム/ブタジエンゴム系、天然ゴム/アク
リロニトリルブタジエンゴム系等が好適に例示される。
これらの未加硫ゴムには、必要に応じて、充填剤、可塑
剤、老化防止剤、加硫剤、加硫促進剤等の種々の添加剤
を配合することができる。熱可塑性エラストマーとして
は、エステル系、アミド系、ウレタン系、スチレン系、
オレフィン系、塩化ビニル系等のエラストマー、さらに
はこれらにゴムを分散させたエラストマー等が挙げられ
る。これらの中でも天然ゴム(NR)を用いるのが好ま
しい。天然ゴムを用いると、支承体10の剪断弾性係数
(G)の歪み依存性もなく、高歪み、高荷重に耐える強
度を発現するからである。さらに、エラストマー(1)
として、高減衰ゴムを用いるのがより好ましい。高減衰
ゴムを用いると、支承体の免震性能を発現しつつ、必要
な強度を有しているからである。ここで、高減衰ゴムと
は、例えば、天然ゴム等のゴムに充填剤、樹脂等を配合
して加硫後のヒステリシスロスを大きくしたゴムをい
う。
【0022】エラストマー(2)4には、エラストマー
(1)3の80〜20%の硬度の材質のものを用いる。
硬度がこの範囲であると、支承体10の剪断弾性係数
(G)が十分低減されるからである。さらには、硬度が
エラストマー(1)3の硬度の50〜30%であるのが
好ましい。エラストマー(2)4としては、加硫ゴム、
熱可塑性エラストマー等、いずれを用いてもよい。加硫
ゴム、熱可塑性エラストマー等としては、エラストマー
(1)3に用いることのできる加硫ゴム、熱可塑性エラ
ストマー等を例示することができる。これらの中でも、
すでに架橋して硬化したJIS A 硬度が10〜60
のシリコーンゴムを用いるのが好ましい。シリコーンゴ
ムを用いると、減衰性能の温度依存性が低減され、かつ
耐薬品性、耐候性も向上する。また、すでに架橋してあ
ることにより後述する本発明の支承体10の製造方法に
おいて、エラストマー(1)3を架橋(併せて接着)す
るだけでよく、製造時間の短縮が図れる。また、シリコ
ーンゴムの硬度を上記範囲内で変更することにより、支
承体10の剪断弾性係数(G)の変更が可能である。
【0023】エラストマー(1)3とエラストマー
(2)4との界面は非接着が好ましく、エラストマー層
5とこれに積層される硬質板20との界面は接着が好ま
しい。図1に示す本発明の支承体10の好適実施例を例
に取って説明すると、エラストマー層5と硬質板20と
の界面3aおよび4aが、接着される。界面3aのみを
エラストマー層5と硬質板20の接着面とすることによ
り、支承体10の製造時間が短縮できる。接着法は、エ
ラストマー層5と硬質板20とが、接着、固定されれ
ば、特に限定されないが、好ましくは加熱加硫による接
着、あるいは、常温硬化型接着剤を介した接着が好まし
い。加熱加硫により接着することにより、支承体10の
強度と減衰性能が向上するからである。また、常温硬化
型接着剤を介して接着することにより、加硫設備を必要
とせず建築現場での接着も可能となるからである。常温
硬化型接着剤としては、1液型でも2液型でもよいが、
フェノール系、ウレタン系、変性シリコーン系、ゴム
系、シアノアクリレート系、エポキシ系等の接着剤が挙
げられる。これらの接着剤は1種単独でも2種併用して
も良い。使用する接着剤の種類は、使用する硬質板の種
類、必要とされる接着力等により適宜決めればよい。
【0024】本発明の支承体10の中心部に支承鉛直軸
方向に貫設してもよい鉛プラグ7は、支承体のダンパー
として作用するもので、従来建物の基礎に緩衝材として
用いられている鉛材と同様の材質を用いることができ
る。また、鉛プラグ7の大きさは、エラストマー層の剛
性により適宜決定すればよいが、支承体10の水平方向
の断面積の1.0〜30%であるのが,剪断弾性係数を
著しく高くしないので好ましい。
【0025】支承体10の側面を被覆するエラストマー
シート6は、耐久性、耐候性に優れるエラストマーを用
いるのが好ましい。このようなゴムとして、スチレン−
ブタジエンゴム、クロロプレンゴム、ニトリル/EPD
Mブレンドゴム、ブチルゴム、エチレン−プロピレンゴ
ム、クロロスルホン化ポリエチレン、ポリエーテルウレ
タンゴム等が挙げられる。これらは、エラストマー
(1)3の種類に応じて選ばれるのが好ましい。
【0026】次に、本発明の支承体10の製造方法の一
例について説明する。まず、未加硫ゴムに適宜添加剤を
添加して、混練し、所定の厚さに圧延した後、所定の形
状に打ち抜いて、未加硫ゴムシートを得る。未加硫ゴム
シートの中央部は所定の形状の空所としておき、空所
に、予め、加硫して硬化した低硬度ゴム(例えばJIS
A 硬度10〜60、好ましくはエラストマー(1)
の80〜20%の硬度)を配置し、エラストマー(2)
とし、エラストマー層を製造する。一方、硬質板は、サ
ンドブラストにより表面処理した後、脱脂する。得られ
た硬質板と、エラストマー層とを交互に、必要によりゴ
ムセメントを介して積層し、加硫接着する。加硫接着
は、未加硫ゴムシートがJIS A 硬度26〜85の
エラストマー(1)となるまで加熱加硫する。このよう
にして支承体を得る。
【0027】以上、説明した本発明の支承体は、エラス
トマー層の外側部分と内側部分のエラストマーがそれぞ
れ異なる特定の硬度を有し、単独のエラストマー層の軟
らかさだけで全体の剪断剛性を低減するのではないの
で、エラストマー層の特性(物性、破壊歪み、接着性)
を下げずに低い剪断剛性係数を達成することができる。
また、エラストマー(1)として、天然ゴムを使用する
ことにより、全体としての剪断剛性係数(G)が、剪断
歪みの大きさに依存することなく十分な強度を発現する
ことができる。また、エラストマー(1)として、高減
衰ゴムを使用することにより、高ヒステリシスロスと強
度を発現することができる。エラストマー層中央部のエ
ラストマー(2)としてシリコンゴムを用い、シリコン
ゴムの硬度を変更することにより、支承体全体の剪断剛
性係数(G)の値を変えることができる。これにより、
より低い剪断剛性係数(G)が得られ、比較的小さな地
震動に対しても、感度良く応答し減衰性能を発揮できる
ので、高感度が必要な中小地震用支承として用いること
ができる。支承体をエラストマーシートにより被覆する
ことにより、従来の支承体と比べ同等以上の破壊歪みを
有し、さらに耐候性、耐久性に優れる。また、エラスト
マー(1)のみを接着し、エラストマー(2)を非接着
とすることにより、支承体による地震動のエネルギー損
失は、ゴム自体の内部摩擦エネルギーに加えて、エラス
トマー(2)と硬質板との非接着面での摩擦を伴う相対
滑りによっても起こり、エラストマー層と硬質板との接
触面全体が接着されている場合より、エネルギー損失が
大となり、減衰性能が高くなると共に、製造時間の短縮
も図れる。支承体中心部に支承鉛直軸方向に貫設された
鉛プラグを有することにより、剪断剛性係数(G)がよ
り低減される。また、本発明の支承体の製造方法では、
エラストマー層中央部のエラストマー(2)がすでに架
橋して硬化しているので、周囲のエラストマー(1)の
みを架橋、接着するだけでよく製造時間の短縮が図れ
る。
【0028】このような本発明の支承体は、剪断剛性係
数(G)の歪み依存性が低く、全体に低い剪断剛性係数
(G)、例えば、9.0以下、が達成できるので、大型
道路橋の支承や、ビルの基礎支承等に好適に使用するこ
とができる。
【0029】
【実施例】以下、実施例により、本発明をさらに具体的
に説明する。 (実施例1〜2) 〔エラストマー(1)の作製〕まず、表1に示される2
種類の組成の未加硫ゴム組成物を、それぞれ一般ゴム、
高減衰ゴム組成物として混練し、圧延した後、厚さ0.
3cm×内径9.0cm角×外径13.0cm角の所定
の形状に打ち抜いた。未加硫ゴムシートを、2MPa、
150℃×30分の条件で加硫することにより、2種類
の組成物からなる加硫ゴムシートを各4枚作製した。得
られた加硫ゴムシートの硬度を測定し、表1に示した。 〔エラストマー(2)の作製〕次に、シリコーンゴム
(信越化学工業(株)製、KE−5530−U)と2,
5−ジメチル−2,5−ビス(t−ブチルパーオキシ)
−ヘキサンとを100:2(重量部)で配合してシリコ
ーンゴム1として混合した後、厚さ0.3cm×9.0
cm角のシートを4枚作製し、2MPa、160℃×2
時間の条件で加硫した。なお、シリコーンゴム1の加硫
後の硬度は、JIS Aで32であった。また、シリコ
ーンゴム(信越化学工業(株)製、KE−5560−
U)を換えた以外は同様にして組成物シリコーンゴム2
を製造し、同様のサイズのシリコーンゴム加硫シートを
4枚作製し、同様に加硫した。なお、シリコーンゴム2
の加硫後の硬度は、JIS Aで58であった。一方、
鋼板(厚さ0.3cm×13.0cm角)に、予めサン
ドブラストにより表面処理を施した後、脱脂して、表面
処理鋼板3枚を得た。上述のようにして作製したエラス
トマー(1)に、接着剤(ウレタン系接着剤/ゴム系接
着剤=30:70(重量部))を塗布し、エラストマー
(2)をエラストマー(1)の内部に非接着で配置した
ものを、鋼板と交互に積層し、接着剤を常温硬化させて
支承体を得た。
【0030】(比較例1)実施例1で、一般ゴム組成物
より作製した厚さ0.3cm×内径9.0cm角×外径
13.0cm角の所定の形状の4枚の加硫ゴムシート
を、エラストマー(1)とした。また、表1に一般ゴム
として示される未加硫ゴム組成物を混練した後、厚さ
0.3cm×9.0cm角のシートを4枚作製し、2M
Pa、160℃×2時間の条件で加硫して得られた加硫
ゴムシートをエラストマー(2)とした。エラストマー
(1)の内部にエラストマー(2)を非接着で配置し、
エラストマー(1)とエラストマー(2)に、実施例1
で用いた接着剤を塗布し、実施例1で得られたものと同
じ表面処理鋼板3枚と交互に積層し、接着剤を常温硬化
させて支承体を得た。 (比較例2)一般ゴム組成物を高減衰ゴム組成物に換え
た以外は、比較例1と同様にして支承体を得た。
【0031】 表中、単位は重量部である。
【0032】1)振動吸収特性(剪断弾性係数(G)と
等価粘性減衰定数(Heq)) 得られた支承体について、2軸剪断試験機により、面圧
加重60〔kgf/cm2 〕、1〔Hz〕の条件で繰り返し水
平振動を与えることで剪断変形を与え、荷重と歪み
〔%〕の関係、および、そのヒステリシスカーブを測定
した。この結果から剪断弾性係数(G)と等価粘性減衰
定数(Heq)を算出して、振動吸収特性として評価し
た。表2に、歪みが175%時の剪断弾性係数(G)と
等価粘性減衰定数(Heq)の値を示した。 2)水平歪み、破壊歪み 実施例2、比較例2で得られた支承体に剪断変形を破断
まで与え、水平歪みを測定した。剪断変形を破断まで与
え、支承体が破壊されることなく耐えうる最大歪みを破
壊歪みとして表2に示した。
【0033】
【表1】
【0034】
【発明の効果】本発明の免震支承体は、剪断弾性係数
(G)が低減され、エラストマー(2)として用いるゴ
ムの硬度を選択することにより、剪断弾性係数(G)を
低減し且つ自由に設定することができる。本発明の免震
支承体の製造方法では、製造時間の短縮が図れる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の免震支承体の一例の鉛直方向の断面
図である。
【図2】 (a)および(b)は、本発明の免震支承体
の一例のエラストマー層の水平方向の断面図である。
【図3】 本発明の免震支承体の一例の鉛直方向の断面
図である。
【図4】 本発明の免震支承体の一例の鉛直方向の断面
図である。
【符号の説明】
3 エラストマー(1) 3a エラストマー(1)と硬質板との界面 4 エラストマー(2) 4a エラストマー(2)と硬質板との界面 5 エラストマー層 6 エラストマーシート 7 鉛プラグ 10 支承体 20 硬質板
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 添田 善弘 神奈川県平塚市追分2番1号 横浜ゴム株 式会社平塚製造所内

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】エラストマー層と硬質板とを交互に積層し
    た積層体であって、前記エラストマー層の外側部分がJ
    IS A 硬度26〜85のエラストマー(1)であ
    り、その内側部分がエラストマー(1)の80〜20%
    の硬度を有するエラストマー(2)であり、前記エラス
    トマー層と硬質板との少なくとも一部が接着してなるこ
    とを特徴とする免震支承体。
  2. 【請求項2】前記エラストマー(1)に天然ゴムを含有
    する請求項1に記載の免震支承体。
  3. 【請求項3】前記エラストマー(1)に高減衰ゴムを含
    有する請求項1に記載の免震支承体。
  4. 【請求項4】前記エラストマー(2)がJIS A 硬
    度10〜60のシリコーンゴムである請求項1〜3のい
    ずれかに記載の免震支承体。
  5. 【請求項5】前記積層体の外周をエラストマーシートで
    被覆してなる請求項1〜4のいずれかに記載の免震支承
    体。
  6. 【請求項6】前記エラストマー層中、前記エラストマー
    (1)が前記硬質板と接着しており、前記エラストマー
    (2)が前記硬質板と非接着である請求項1〜5のいず
    れかに記載の免震支承体。
  7. 【請求項7】前記積層体の中心部に支承鉛直軸方向に貫
    設された鉛プラグを有する請求項1〜6のいずれかに記
    載の免震支承体。
  8. 【請求項8】前記エラストマー層と前記硬質板との接着
    面を加硫接着してなる請求項1〜7のいずれかに記載の
    免震支承体。
  9. 【請求項9】前記エラストマー層と前記硬質板との接着
    面を常温硬化型接着剤で接着してなる請求項1〜7のい
    ずれかに記載の免震支承体。
  10. 【請求項10】加硫後のJIS A 硬度が26〜85
    である未加硫ゴムシートの中央部分に、前記未加硫ゴム
    シートの加硫後の硬度の80〜20%の硬度である加硫
    ゴムシートを有するエラストマー層と、硬質板とを交互
    に積層し、ついで、加熱加硫し接着することを特徴とす
    る免震支承体の製造方法。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2000301657A (ja) * 1999-04-23 2000-10-31 Yokohama Rubber Co Ltd:The ゴム積層体
JP2006527341A (ja) * 2003-06-11 2006-11-30 隔而固(青島)減振技術有限公司 免震支承体
JP2010180959A (ja) * 2009-02-05 2010-08-19 Bridgestone Corp 免震装置

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