JP2927301B2 - 周囲拘束型免震支承 - Google Patents

周囲拘束型免震支承

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JP2927301B2 JP2185581A JP18558190A JP2927301B2 JP 2927301 B2 JP2927301 B2 JP 2927301B2 JP 2185581 A JP2185581 A JP 2185581A JP 18558190 A JP18558190 A JP 18558190A JP 2927301 B2 JP2927301 B2 JP 2927301B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は周囲拘束型免震支承に関し、詳しくは複数の
硬質板と軟質のゴム状弾性板を交互に積層した積層体に
その積層方向の両端に開口する筒形中空部を形成し、こ
の筒形中空部に柱状の粘弾性体を挿入・充填した高減衰
能の周囲拘束型免震支承に関する。
〔従来の技術〕
一般に免震支承は、鋼板などの硬質板と圧縮永久歪み
の小さい軟質のゴム状弾性体を交互に積層したもので、
建築物などの上部構造物をその基礎などの下部構造物の
上に水平方向に揺動自在に支持して、地震の入力加速度
を低減し、上部構造物を地震の破壊力から保護する。し
かし、この基本構造は、免震動作時の振動エネルギー吸
収能力がほとんどなく、免震動作の横揺れが鎮まるまで
に長時間を要し実用性に欠ける。そこで、振動減衰能力
を高めるために、積層体の他に外部ダンパーを併用した
り、積層体のゴム状弾性板を高減衰ゴムにしたものが開
発されている。更に、他の改善手段として、第15図及び
第16図に示すように硬質板(1)とゴム状弾性板(2)
からなる積層体(3)の中央に上下に貫通する筒形中空
部(4)を設け、その内部に筒形中空部(4)の体積と
等しい体積を持つ円柱状の高減衰粘弾性体(5)を挿入
・充填した周囲拘束型免震支承が開発されている。上記
粘弾性体(5)はその自由表面が周囲の積層体(3)で
拘束された状態で、免震動作時の横方向変形の際にエネ
ルギーを吸収して振動を減衰させる。
前述した積層体のゴム状弾性板を高減衰ゴムにした免
震支承では、高い減衰性をもつ材料ほど圧縮永久歪みが
大きくて免震支承のクリープが大きくなるが、これに比
して、積層体(3)の筒形中空部(4)に高減衰粘弾性
体(5)を挿入・充填した周囲拘束型免震支承では、積
層体(3)のゴム状弾性板(2)に圧縮永久歪みの小さ
いゴム材料を使用することにより免震支承の圧縮永久歪
みを小さくすると供に粘弾性体(5)により高減衰能を
保持した免震支承が実現できる。この時、積層体(3)
のゴム状弾性板に、圧縮永久歪みが小さく、且つ、減衰
性能の比較的高いものを用いることにより免震支承の減
衰能力は更に高まる。
〔発明が解決しようとする課題〕
ところで、第15図及び第16図に示す免震支承は、粘弾
性体(5)が積層体(3)の筒形中空部(4)に隙間な
く挿入・充填された状態で鉛直荷重を受けると、粘弾性
体(5)の自由表面が積層体(3)の筒形中空部(4)
の内周面で拘束されるため、高い鉛直ばね定数が得られ
る。
しかしながら、上記免震支承では、粘弾性体(5)と
積層体(3)の筒形中空部(4)との寸法形状が同一で
あるため、積層体(3)の筒形空間(4)での粘弾性体
(5)の機械的な嵌合状態不十分であり、免震動作時の
横揺れによる水平剪断変形状態で鉛直ばね定数が大幅に
低下し、座屈し易くなるという問題があった。
また、この免震支承の製作は、例えば硬質板(1)と
ゴム状弾性板(2)の積層体(3)と、粘弾性体(5)
を別々に加硫または成型加工した後、粘弾性体(5)を
積層体(3)の筒形中空部(4)に挿入して組み合わせ
ている。しかし、この嵌め合わせ作業は粘弾性体(5)
の外径と筒形中空部(4)の内径が同一であり、ゴム状
弾性板(2)と粘弾性体(5)の摩擦抵抗が大きいた
め、極めて困難となっていた。この作業を容易に行うた
め、筒形中空部(4)の内径を大きめに製作し、粘弾性
体(5)の外径を小さめにすることも考えられる。しか
し、この場合は、粘弾性体(5)と筒形中空部(4)の
内周面との間の隙間が生じ、上下方向の圧縮力を受けた
粘弾性体(5)は筒形中空部(4)の内面との機械的嵌
合状態が達成されず、粘弾性体(5)に鉛直荷重の支持
能力を与えられず、免震支承の初期性能が発揮できなく
なる。そこで、粘弾性体(5)の外径を筒形中空部
(4)の内径よりわずかに大きくし、完全に密着させる
ことが望ましいが、そうすると粘弾性体(5)を筒形中
空部(4)に押し込むだけでは嵌入しなくなり、粘弾性
体(5)を鉛直方向に引張って外径を細らせながら嵌入
させるなどの特別な工夫が必要となり、製作のコストが
嵩む結果となる。
そこで、本発明は上記問題点に鑑みて提案されたもの
で、その目的とするところは、簡便な手段により高い鉛
直ばね定数を持ち、水平剪断変形状態においても鉛直ば
ね定数が低下しない高減衰性能を有する免震支承を提供
すると供に、粘弾性体の積層体の筒形中空部への挿入・
充填作業を容易にし製作性を改善することにある。
〔課題を解決するための手段〕
本発明における上記目的を達成するための技術的手段
は、硬質板とゴム状弾性板を交互に積層し、その積層方
向の両端に開口する筒形中空部を形成した積層体と、こ
の筒形中空部に挿入・充填される柱状の粘弾性体とから
なるものにおいて、まず第1に、上記筒形中空部の内表
面積のうちゴム状弾性板と対応する部分の内表面積にゴ
ム状弾性板1層の厚みの5〜60%分の長さを乗じた体積
分を筒形中空部の体積より過大にした体積を有する粘弾
性体を筒形中空部に押込んだことにより、その過大体積
分だけゴム状弾性板に膨らみ出す前記粘弾性体が、 (i)25℃、0.5Hz、50%剪断変形時における損失係数
(tanδ):0.2≦tanδ≦1.5 (ii)硬度(JISK6301A型、押当て後3秒後の値):30≦
硬度(Hs)≦80 (iii)材質は、IIR、ハロゲン化IIR、BR、SBR、NBR、N
R、EPT、EPDM、CR、ポリノルボーネン、クロロスルフォ
ン化ポリエチレン、シリコンゴム、ウレタンエラストマ
ー、フッ素ゴム、塩素化ポリエチレン、エピクロルヒド
リンから選ばれる1又は2以上の原料ゴムに充填剤、軟
化剤、表面処理剤、樹脂、老化防止剤、加硫剤のいずれ
か又はこれらの複数の配合剤を配合したもの であり、第2に、上述した筒形中空部よりも過大な体積
を有する粘弾性体と筒形中空部との接触面をテーパ面と
し、そのテーパ面を1/100<b/h0<1/20としたことであ
る。
〔作用〕
本発明に係る周囲拘束型免震支承では、上記筒形中空
部の内表面積のうちゴム状弾性板と対応する部分の内表
面積にゴム状弾性板1層の厚みの5〜60%分の長さを生
じた体積分を筒形中空部の体積より過大にした体積を有
する粘弾性体を、筒形中空部に押込み、前記粘弾性体が
前述した(i)〜(iii)の特性を有することにより、
積層体の筒形中空部に挿入・充填されて自由表面がその
筒形中空部内面で拘束された粘弾性体が、過大体積分だ
けゴム状弾性板に膨らみ出し、この粘弾性体の硬質板間
での膨らみ出しにより粘弾性体の積層体との機械的嵌合
状態が良好となり、高減衰能を保持したままで鉛直ばね
定数の向上と水平剪断変形状態での鉛直ばね定数の低下
防止が図れる。
また、上記筒形中空部と粘弾性体の相互の接触面を、
粘弾性体の挿入方向に対して傾くテーパ面としたことに
より、粘弾性体の積層体の筒形中空部への挿入・充填作
業が極めて容易に行え、製作上の向上が図れる。
更に、上記筒形中空部よりも過大な体積を有する粘弾
性体の筒形中空部との接触面をテーパ面とし、そのテー
パ面を1/100<b/h0<1/20とすれば、粘弾性体と筒形中
空部の内周面とを隙間なく完全に密着させることがで
き、粘弾性体の積層体との良好な機械的嵌合が達成さ
れ、鉛直ばね定数の向上と水平剪断変形状態での鉛直ば
ね定数の低下防止が図れると供に、粘弾性体の筒形積層
体の中空部への挿入・充填作業が容易な免震支承が実現
できる。
〔実施例〕
本発明に係る周囲拘束型免震支承の実施例を第1図乃
至第14図を参照しながら説明する。
本発明の周囲拘束型免震支承は、第1図に示すように
鋼板などの環状の硬質板(11)と圧縮永久歪みが小さ
く、且つ、水平剪断時における損失係数tanδが0.1以上
0.35以下で、硬度(Hs)が例えば50前後の軟質のゴム状
弾性板(12)とを交互に積層し、その積層方向の両端に
開口する筒形中空部(13)を形成した積層体(14)と、
この筒形中空部(13)に挿入・充填される柱状の高減衰
粘弾性体(15)とからなる。上記積層体(14)の上下面
には鋼板などの硬質材料からなる環状の上下部フランジ
(16)(17)が取付けられており、硬質板(11)、ゴム
状弾性板(12)及び上下部フランジ(16)(17)は、例
えば加硫或いは成形加工時に各接合面に接着剤を塗布し
ておくことにより一体化されている。一方、上記高減衰
粘弾性体(15)の上下面には鋼板などの硬質の上下部受
圧板(18)(19)が粘弾性体(15)の加硫又は成形加工
時に接着剤を塗布しておくことにより固着されている。
まず、第1図に示す免震支承は、粘弾性体(15)の体
積を積層体(14)の筒形中空部(13)よりも所定の体積
分(後述)だけ過大にし、且つ、第2図に示すように粘
弾性体(15)と筒形中空部(13)の相互の接触面を粘弾
性体(15)の挿入方向(図示矢印方向)に対して傾くテ
ープ面(20)(21)、即ち、粘弾性体(15)の外径、及
び筒形中空部(13)の内径が上方から下方へ向けて徐々
に縮径するようなテーパ面(20)(21)としたものであ
る。上述のように粘弾性体(15)の体積を筒状中空部
(13)よりも体積過大にしたことにより上記粘弾性体
(15)の積層体(14)との機械的嵌合状態が良好となっ
て鉛直ばね定数が向上する。また、粘弾性体(15)と筒
形中空体(13)の接触面を粘弾性体(15)の挿入方向に
対して傾くテーパ面(20)(21)としたことにより、粘
弾性体(15)の筒形中空部(13)への挿入・充填作業が
極めて容易に行えて製作性が向上する。この免震支承
は、粘弾性体(15)を積層体(14)の筒形中空部(13)
にテーパ面(20)(21)に沿わせて挿入し、その挿入後
上記粘弾性体(15)を押し込んで実使用する。この免震
支承の実使用時には、第3図に示すように積層体(14)
の上下部フランジ(16)(17)を上下部取付板(22)
(23)にボルト締めで取付けて筒形中空部(13)に粘弾
性体(15)を圧入した状態を保持した免震支承を、上下
部構造物(24)(25)間に介在させて上下部取付板(2
2)(23)を上下部構造物(24)(25)にボルト締めし
て実使用する。
以下、具体的に説明する。第4図は第1図の部分拡大
断面図で、粘弾性体(15)を積層体(14)の筒形中空部
(13)に挿入した直後の状態を示し、この状態から第5
図に示すように上記粘弾性体(15)を筒形中空部(13)
に押し込んで圧入する。この第5図は第3図の部分拡大
断面図で、免震支承の実使用状態を示す。同図に示すよ
うに粘弾性体(15)を筒形中空部(13)に押し込んだ実
使用状態では、粘弾性体(15)の自由表面が筒形中空部
(13)の内周面に拘束され、粘弾性体(15)が積層体
(14)のゴム状弾性板(12)に膨らみ出す。この粘弾性
体(15)の膨らみ出し(26)によりその分析層体(14)
が押し上げられ、粘弾性体(15)と積層体(14)の高さ
が同一となった状態で釣り合う。これにより粘弾性体
(15)の積層体(14)との良好な機械的嵌合状態が得ら
れ、実使用時での鉛直ばね定数の向上が図れる。
この鉛直ばね定数の向上を実証するため、本出願人が
行った試験例(I)について以下説明する。
この試験例(I)で使用した免震支承の寸法形状、材
料及び材料特性は第6図及び下記に示す通りである。
D1=32cm、D2=30cm、D3=21cm、D4=20.6cm、h1=17.6
cm、h2=18.0cm 硬質板(11);鉄板2mm×19層 ゴム状弾性板(12);硬度(Hs)=45、tanδ=0.20の
ゴム板5mm×20層 〔配合例〕 NR100重量部に対して、HAFを15、可塑剤を10、その他
充填剤を35、老化防止剤、及び加硫剤などを3重量部配
合したもの。
粘弾性体(15);硬度(Hs)=70、tanδ=0.6 〔配合例〕 ポリノルボーネン100重量部に対して、FTを70、可塑
剤を150、その他充填剤を500、老化防止剤及び加硫剤な
どを6重量部配合したもの。
尚、上記材料物性中、硬度及びtanδについては後に
詳述する。
上記試験例(I)では、粘弾性体(15)を挿入せ
ず、積層体(14)のみに鉛直荷重をかけた場合、積層
体(14)で周囲拘束しない粘弾性体(15)に鉛直荷重を
かけた場合、第7図に示すように粘弾性体(15)を積
層体(14)の筒形中空部(13)に挿入しただけで押し込
まない状態で粘弾性体(15)のみに鉛直荷重をかけた場
合、粘弾性体(15)を筒形中空部(13)に挿入して押
込み一体化した状態(実使用状態)で鉛直荷重をかけた
場合、の4通りであった。尚、この時、鉛直変位量は3m
mであり、水平剪断歪みは0である。
その試験結果は、下記の表に示す通りである。
上記表から明らかなように、積層体のみ、及び粘
弾性体のみ、では、鉛直ばね定数が小さく、特に粘弾
性体のみでは著しく小さい。しかしながら、この粘弾性
体(15)を積層体(14)で拘束するだけのではの場
合の50倍以上の鉛直ばね定数が得られ、更に積層体(1
4)の拘束下で粘弾性体(15)を圧入した本発明の免震
支承ではの場合の2.5倍の高い鉛直ばね定数が得ら
れる。これにより本発明の免震支承では、建築物などの
超重量物を容易に支持できるようになる。
次に、粘弾性体(15)の体積を筒形中空部(13)より
も所定の体積分だけ過大にした点について具体的に説明
する。
上記粘弾性体(15)の過大体積分は以下のようにして
設定される。即ち、前述したように粘弾性体(15)を筒
形中空部(13)に挿入して押し込んだ実使用状態では、
第5図に示すように上記粘弾性体(15)が積層体(14)
のゴム状弾性板(12)に膨らみ出す。この粘弾性体(1
5)の膨らみ出し(26)の総体積が過大体積分となる。
ここで、膨らみ出し(26)の長さをdとした場合、図中
の斜線部分(Va)と(Vb)が等体積となって相殺される
ように、膨らみ出し(26)の体積を平均化し、これによ
り得られた膨らみ出し(26)の平均長さdavを設定す
る。従って、この膨らみ出し(26)の総体積は、筒形中
空部(13)の内表面積のうちゴム状弾性板(12)と対応
する部分の内表面積に上記膨らみ出し(26)の平均長さ
davを乗じたものである。この膨らみ出し(26)の総体
積が過大体積分であり、これに基づいて第4図に示すよ
うに粘弾性体(15)の筒形中空部(13)への挿入直後の
状態において、積層体(14)から突出する粘弾性体(1
5)の高さhが規定される。
本出願人は上述した膨らみ出し(26)の平均長さdav
が、後述する試験例(II)に基づいてゴム状弾性板1層
の厚みの5〜60%分の長さであることが好ましく、より
好ましくは、10〜50%分の長さであることが判明した。
このように粘弾性体(15)の体積を、筒形中空部(1
3)の内表面積のうちゴム状弾性板(12)と対応する部
分の内表面積にゴム状弾性板1層の厚みの5〜60%分の
長さを乗じた体積分過大にしたことにより、免震支承の
実使用時、粘弾性体(15)のゴム状弾性体(12)への膨
らみ出し(26)により、地震動の水平振動で免震支承が
水平剪断変位を受けても上記膨らみ出し(26)が積層体
(14)の硬質板(11)間に介在するため、水平剪断変形
状態での鉛直ばね定数の低下を抑制することができる。
ここで、上記膨らみ出し(26)の平均長さdavをゴム
状弾性板1層の厚みの5%分の長さよりも小さく設定す
ると、粘弾性体(15)を積層体(14)の高さと同程度か
或いはその高さよりも低くすることになり、上記粘弾性
体(15)の体積が積層体(14)の筒形中空部(13)の体
積と同程度か或いは小さいことになる。そうすると、免
震支承の実使用時、粘弾性体(15)の積層体(14)との
機械的嵌合状態が不十分となり、水平剪断変形状態での
鉛直ばね定数が低下して高い減衰性能が得られない。こ
れを第8図及び第9図に基づいて具体的に説明すると、
第8図は積層体(14)よりも低い粘弾性体(15)を筒形
中空部(13)に挿入した直後の状態を示し、第9図は免
震支承の実使用状態を示す。第9図に示すように第5図
の場合とは逆に積層体(14)のゴム状弾性板(12)が粘
弾性体(15)側へ膨らみ出し、このゴム状弾性板(12)
の膨らみ出し(27)によりその分粘弾性体(15)が押し
上げられ、粘弾性体(15)と積層体(14)の高さが同一
となった状態で釣り合う。このような嵌合状態で水平剪
断変位が与えられると、その水平剪断変位量が少なくて
も、ゴム状弾性板(12)の膨らみ出し(27)が粘弾性板
(15)側であり、第5図に示すようにその間に硬質板
(11)が介在しないため、粘弾性体(15)と積層体(1
4)間に滑りが発生し易くなり、水平剪断変形時での鉛
直ばね定数が低下し易い。従って、粘弾性体(15)の体
積をゴム状弾性板(12)の内表面積にゴム状弾性板1層
の厚みの5%分の長さ以上を乗じた体積分を筒形中空部
(13)の体積よりも過大にする必要がある。
また、膨らみ出し(26)の平均長さdavを、ゴム状弾
性板1層の厚みの60%分の長さよりも大きく設定する
と、免震支承の実使用時、粘弾性体(15)の膨らみ出し
(26)により積層体(14)のゴム状弾性体(12)が大き
く押し上げられすぎることになり、積層体(14)の内部
歪みが増大し、水平剪断変形時での破断歪みが低下して
積層体(14)のゴム状弾性体(12)が破断し易くなる。
特に、小型の積層体(14)では、積層体(14)の高さが
高くなり、水平剪断変形時での鉛直ばね定数の低下が大
きくなって座屈し易くなる。従って、粘弾性体(15)の
体積をゴム状弾性板(12)の内表面積にゴム状弾性板1
層の厚みの60%分の長さ以下を乗じた体積分を筒形中空
部(13)の体積よりも過大にする必要がある。
次に、粘弾性体(15)の体積を、筒形中空部(13)の
体積よりもゴム状弾性板(12)の内表面積にゴム状弾性
板1層の厚みの5〜60%分の長さを乗じた体積分だけ過
大にした点について、水平剪断変形時での鉛直ばね定数
の低下防止を実証するため、本出願人が行った試験例
(II)を以下に説明する。
この試験例(II)で使用した免震支承の寸法形状、材
料及び材料特性は第6図及び下記に示す通りである。
D1=19cm、D2=18cm、D3=6cm、D4=5.6cm、h1=10.7c
m、h2=各種 硬質板(11);鉄板 1mm×13層 ゴム状弾性板(12);硬度(Hs)=53、tanδ=0.3のゴ
ム板4mm×14層 〔配合例〕 NR100重量部に対して、HAFを50、可塑剤を7.5、その
他充填剤を35、老化防止剤及び加硫剤などを4重量部配
合したもの。
粘弾性体(15);硬度(Hs)=60、tanδ=1.0 〔配合例〕 ポリイソブチレン100重量部に対して、HAFを120、微
粉タルクを215、チタンカップリング剤を3、可塑剤を6
0、その他充填剤を5、老化防止剤及び加硫剤を2重量
部配合したもの。
尚、上記材料物性中、硬度及びtanδについては試験
例(I)と同様、後に詳述する。
上記試験例(II)では、粘弾性体(15)の高さh2に各
種のものを用意し、具体的には粘弾性体(15)と積層体
(14)の高さの差h2−h1、即ち、粘弾性体(15)の積層
体(14)から突出する高さh(第4図参照)、その粘弾
性体(15)の突出高さhから算出される実使用時での粘
弾性体(15)の膨らみ出し(26)の平均長さdav(第5
図参照)、及びゴム状弾性板1層の厚みに対する比率に
下記の表に示すものを用意した。
上記表に基づく各種A1〜A7の粘弾性体(15)につい
て、鉛直荷重を8t加えた状態で水平剪断変位を与えた時
の水平剪断歪みに対する鉛直ばね定数の保持率(無変形
の状態の鉛直ばね定数値を100%としたもの)を第10図
に示す。
第10図の保持率特性からも明らかなように、膨らみ出
し(26)の平均長さdavがゴム状弾性板1層の厚み(4m
m)の27.5%(1.1mm)或いは40%(1.6mm)のA4、A5
粘弾性体(15)では、水平剪断歪みが125%において
も、95%以上の保持率が確保され、水平剪断変形時での
鉛直ばね定数の低下が非常に少ない。また、膨らみ出し
(26)の平均長さdavがゴム状弾性板1層の厚みの12.5
%(0.5mm)又は52.5%(2.1mm)のA3、A6の粘弾性体
(15)でも、水平剪断歪みが100%において、やはり95
%以上の保持率があり、水平剪断変形時での鉛直ばね定
数の低下が少ない。しかしながら、膨らみ出し(26)の
平均長さdavがゴム状弾性板1層の厚みの0%(0mm)
又は70%(2.8mm)のA2、A7の粘弾性体(15)になる
と、水平剪断歪みが100%においても、95%以下の保持
率しか得られず、水平剪断変形時での鉛直ばね定数の低
下が著しく大きい。尚更、膨らみ出し(26)の平均長さ
davがゴム状弾性板1層の厚みの−12.5%(−0.5mm)
のA1の粘弾性体(15)、即ち、第8図及び第9図に示す
ように積層体(14)よりも低くて筒形中空部(13)より
も体積の過小な粘弾性体(15)では、水平剪断歪みが10
0%において、85%以下の保持率しか得られず、水平剪
断変形時での鉛直ばね定数の低下もさらに大きい。以上
のことから本発明の免震支承では水平剪断変形時での鉛
直ばね定数の低下を可及的に抑制し得る。
次に粘弾性体(15)と筒形中空部(13)との相互の接
触面を粘弾性体(15)の挿入方向に傾くテーパ面(20)
(21)とした点について具体的に説明する。
即ち、粘弾性体(15)の外径(筒形中空部(13)の内
径)が上方から下方へ向けて徐々に縮径するようなテー
パ面(20)(21)とする。これにより、免震支承の製作
に際し、粘弾性体(15)を積層体(14)の筒形中空部
(13)に挿入・充填する作業が極めて容易に行えて、粘
弾性体(15)と筒形中空部(13)の内周面とを隙間なく
完全に密着させることが容易で、粘弾性体(15)の積層
体(14)との良好な機械的嵌合状態が得やすくなる。こ
のテーパ面(20)(21)は、第1図に示すように0<b/
ho<a/2の範囲で決定され、好ましい範囲は1/100<b/ho
<1/20である。
尚、積層体(14)の筒形中空部(13)の内周面をテー
パ面(20)としたことにより、積層体(14)の下部で硬
質板(11)の内側端部から筒形中空部(13)の内周面ま
でのゴム壁厚みが大きくなる場合には、第11図に示すよ
うに上記テーパ面(20)に沿って各層での硬質板(11)
の内径が徐々に小さくなるようにすれば、前述したゴム
壁厚みが大きくなることなく、従って、粘弾性体(15)
を筒形中空部(13)に挿入して押し込んだ時、上記粘弾
性体(15)の膨らみ出し(26)を各層の硬質板(11)間
に介在させることが確実となり、粘弾性体(15)の積層
体(14)との良好な機械的嵌合状態が得られる。
また、粘弾性体(15)と筒形中空部(13)との接触面
をテーパ面(20)(21)としたことにより、第12図に示
すように上記粘弾性体と硬質板(28)とを交互に積層し
た積層型高減衰粘弾性体(15)を筒形中空部(13)に挿
入・充填した構造とすることもできる。この場合、積層
型粘弾性体(15)を筒形中空部(13)へ挿入・充填した
実使用状態で、上記積層型粘弾性体(15)の硬質板(2
8)は積層体(14)の硬質板(11)に対して高さを揃え
て配置しなければならない。さもないと、粘弾性体(1
5)の積層体(14)のゴム状弾性板(12)への膨らみ出
し(26)が不充分となり、良好な機械的嵌合状態を得る
ことが困難となる虞がある。この時、粘弾性体(15)の
硬質板(2)の間隔は積層体(14)の硬質板(11)の間
隔と同一か或いは一つないし複数おきに設定すればよ
い。
尚、本発明での粘弾性体は積層体(14)の筒形中空部
(13)に粘弾性体材料を所定量注入することにより形成
することも可能であり、この場合、上記筒形中空部(1
3)のテーパ面(20)は必ずしも必要ではない。
最後に、本発明の免震支承の粘弾性体(15)の材料物
性及び配合物について具体的に説明する。
免震支承の実使用時、積層体(14)の筒形中空部(1
3)に挿入されて押込まれ、上記積層体(14)と一体化
された粘弾性体(15)は、高圧状態下で積層体(14)と
機械的嵌合状態にあることから、カーボンブラック、シ
リカ等の補強性充填剤や特殊表面処理により補強性を示
す充填剤(これらを総称して補強性のある充填剤とす
る)を配合することにより、水平剪断変形時に内部摩擦
などによるエネルギーロスを増大させ、より高減衰な性
能を有する免震支承が実現できる。
そこで、上記粘弾性体(15)は下記の材料物性及び配
合物を有することが望ましい。
(i)25℃、0.5Hz、50%剪断変形時における損失係数
(tanδ):0.2≦tanδ≦1.5 (ii)硬度(JIS K6301 A型、押当て後3秒後の値):30
≦硬度(Hs)≦80 (iii)補強性のある充填剤の配合 ここで、粘弾性体(15)の材質としては、IIR、ハロ
ゲン化IIR、BR、SBR、NBR、NR、EPT、EPDM、CR、ポリノ
ルボーネン、クロロスルフォン化ポリエチレン、シリコ
ンゴム、ウレタンエラストマー、フッ素ゴム、塩素化ポ
リエチレン、エピクロルヒドリン等の原料ゴムに上記補
強性のある充填剤、更に非補強性充填剤、軟化剤、表面
処理剤、樹脂、老化防止剤、加硫剤を混練りし加硫した
もの、又は未加硫状態のものがある。その他にも、ポリ
イソブチレン等のような架橋しない材料に補強性のある
充填剤、更に非補強性充填剤、表面処理剤、軟化剤、樹
脂、老化防止剤などを混練りしたものを用いてもよい。
また上述したゴム配合を混ぜて、加硫しない状態のま
ま、或いは加硫して用いてもよい。
まず、上記(i)のtanδについて詳述すると、tanδ
は減衰性能を表す尺度であり、免震支承の設計上、大変
形時での特性が重要であるため、50%剪断変形時の値を
設定する。ここで、一般的に、tanδが大きいほどエネ
ルギー吸収性は良好となるが、材料の温度依存性が生じ
てくる。免震支承では、温度により特性が変化すること
は好ましくないので温度依存性のない材料が好適であ
る。通常、積層体(14)には温度依存性の非常に小さい
材料が用いられるため、粘弾性体(15)の多少の温度依
存性があっても、積層体(14)で緩和されて免震支承全
体としての温度依存性はほとんどなくすることが可能で
ある。従って、tanδは免震支承に要求される減衰能、
粘弾性体(15)の寸法形状などの諸条件により決定され
る。上記tanδを0.2よりも小さくすると、従来のよう
な、クリープの問題のない単純積層タイプの免震支承の
製作が可能であり、本発明の免震支承構造にする意義が
なくなる。またtanδを1.5よりも大きくすると、粘弾性
体(15)の温度依存性が大きくなりすぎて積層体(14)
で緩和しきれず、免震支承全体としての温度依存性が大
きくなる。
また、前記(ii)の硬度について詳述すると、粘弾性
体(15)の積層体(14)への機械的嵌合状態を得るため
の難易は主に硬度によって決定される。従って、硬度が
30よりも小さいと、その配合上オイル等の量が多くなり
粘弾性体(15)の表面へのブリードにより積層体(14)
との滑りが発生し易くなって水平剪断変形時での鉛直ば
ね定数が低下し易くなる。また、硬度が80よりも大きい
と、粘弾性体(15)が硬くなりすぎて積層体(14)との
良好な機械的嵌合状態を得ることが困難となる。
更に、前記(iii)の補強性のある充填剤の配合につ
いて詳述すると、前記した原料ゴムに対して補強性のあ
る充填剤をy重量部、その他充填剤をx重量部とした場
合に、x≦450、y≦150、x+y≧100を満足する配合
が好ましい。この補強性のある充填剤及びその他の充填
剤が100重量部よりも少ないと、減衰性能が低下する。
また、上記補強性のある充填剤およびその他の充填剤が
それぞれ150重量部、450重量部よりも多くなると、加工
性が悪くなる。
次に、上記(ii)の硬度について、水平剪断変形時で
の鉛直ばね定数の低下防止を実証するため、本出願人が
行った試験例(III)を以下に説明する。
この試験例(III)で使用した免震支承の寸法形状、
材料及び材料物性は第6図及び下記に示す通りである。
D1=19cm、D2=18cm、D3=6cm、 D4=5.6cm、h1=10.7cm、h2=11.1cm、 硬質板(11);鉄板1mm×13層 ゴム状弾性板(12);硬度(Hs)=53、tanδ=0.3のゴ
ム板4mm×14層 〔配合例〕 NR100重量部に対して、HAFを50、可塑剤を7.5、その
他充填剤を35、老化防止剤及び加硫剤を4重量部配合し
たもの。
上記試験例(III)では粘弾性体(15)の硬度が下表
に示す各種のものを用意した。
〔B1の配合例〕 ポリノルボーネン100重量部に対して、湿式シリカを1
0、可塑剤を200、その他充填剤を35、老化防止剤及び加
硫剤などを6重量部配合したもの。
〔B2の配合例〕 ポリイソブチレン100重量部に対して、HAFを70、微粉
タルクを85、チタンカップリング剤を1.2、可塑剤を2
0、その他充填剤を5、老化防止剤及び加硫剤を2重量
部配合したもの。
〔B3の配合例〕 NR100重量部に対して、HAFを90、可塑剤を7.5、その
他充填剤を50、老化防止剤及び加硫剤などを4重量部配
合したもの。
上記表に基づく各種B1〜B3の粘弾性体(15)につい
て、鉛直荷重を8t加えた状態で水平剪断変位を与えた時
の水平剪断歪みに対する鉛直ばね定数値を100%とした
もの)を第13図に示す。
第13図の保持率特性からも明らかなように、硬度が60
のB2の粘弾性体(15)では、水平剪断歪みが125%にお
いても、95%以上の保持率が確保され、水平剪断変形時
での鉛直ばね定数の低下が非常に少ない。しかしなが
ら、硬度が25、90のB1、B3の粘弾性体(15)になると、
水平剪断歪みが100%においても、90%以下の保存率し
か得られず、水平剪断変形時での鉛直ばね定数が著しく
低下する。以上のことから本発明の免震支承では水平剪
断変形時での鉛直ばね定数の低下を可及的に抑制し得
る。
更に、上記(iii)の補強性のある充填剤について、
減衰性能の向上を実証するため、本出願人が行った試験
例(IV)を以下に説明する。
この試験例(IV)で使用した免震支承の寸法形状、材
料及び材料物性は第6図及び下記に示す通りである。
(試験No.1、3、4) D1=19cm、D2=18cm、D3=6cm、 D4=5.6cm、h1=10.7cm、h2=11.1cm 硬質板(11);鉄板1mm×13層 ゴム状弾性板(12);硬度(Hs)=53、tanδ=0.3のゴ
ム板4mm×14層 〔配合例〕 NR100重量部に対して、HAFを50、可塑剤を7.5、その
他充填剤を35、老化防止剤及び加硫剤などを4重量部配
合したもの。
(試験No.2) D1=32cm、D2=30cm、D3=21cm、 D4=20.6cm、h1=17.6cm、h2=18.0cm 硬質板(11);鉄板2mm×19層 ゴム状弾性板(12);硬度(Hs)=45、tanδ=0.6のゴ
ム板 5mm×20層 〔配合例〕 NR100重量部に対して、HAFを15、可塑剤を10、その他
充填剤を35、老化防止剤及び加硫剤などを3重量部配合
したもの。
上記試験例(IV)では粘弾性体(15)の補強性カーボ
ン及びその他の充填剤の配合率が下表に示すものを用意
した。
〔C1の配合剤〕 ポリイソブチレン100重量部に対して、HAFを120、微
粉タルクを215、チタンカップリング剤を3、可塑剤を6
0、その他充填剤を5、老化防止剤及び加硫剤などを2
重量部配合したもの。
〔C2の配合例〕 ポリノルボーネン100重量部に対して、FTを70、可塑
剤を150、その他充填剤を500、老化防止剤及び加硫剤な
どを6重量部配合したもの。
尚、この試験例(IV)では粘弾性体(15)の体積が筒
形中空部(13)の体積よりも過小のものE1(試験No.
3):h2=10.5cm(h=−2mm)、同等のものE2(試験No.
4):h2=10.7cm(h=0mm)、過大のものE3(試験No.
1):h2=11.1cm(h=4mm)についての減衰性能も試験
した。この時、粘弾性体(15)は、硬度が60、tanδが
1.0、補強性カーボンの配合率が120のものを使用した。
上記E1、E2、E3=C1、C2の各種粘弾性体(15)につい
て、鉛直荷重により高圧状態で水平剪断変位を与えた時
の鉛直荷重による面圧に対する減衰比を第14図に示す。
第14図に減衰比特性からも明らかなように、まず、体
積の異なるE1〜E3の粘弾性体(15)については、本発明
の免震支承であるE3の粘弾性体(15)では、他のものと
比較して減衰比が高く、粘弾性体(15)内部でのエネル
ギーロスが大きくて高減衰性能を示す。
また、この体積過大にした粘弾性体(15)のうち、E3
=C1の粘弾性体(15)には補強性カーボンを120部、C2
の粘弾性体(15)には補強性カーボンを配合していな
い。その結果、補強性カーボンを配合したC1の粘弾性体
(15)では減衰比が面圧の上昇と共に高く、C2の粘弾性
体(15)では減衰比の上昇がないことが明らかである。
以上のことから本発明の免震支承では、補強性のある充
填剤を配合いた粘弾性体(15)を高圧状態にすることに
より、粘弾性体内部でのエネルギーロスが増大し、より
高減衰能の免震支承が実現できる。
尚、本発明の免震支承は、積層体(14)の外周にも図
示しないが粘弾性体を配置して、減衰性能をさらに向上
させると共に耐火性能を具備させることもできる。
〔発明の効果〕
本発明に係る免震支承では、粘弾性体の体積を積層体
の筒形中空部よりも過大にし、その粘弾性体を筒形中空
部に押込んだことにより、その過大体積分だけゴム状弾
性体に膨らみ出す前記粘弾性体が前述した(i)〜(ii
i)の特性を有することから、粘弾性体の積層体との良
好な機械的嵌合状態が得られ、鉛直ばね定数が飛躍的に
向上すると共に、水平剪断変形時での鉛直ばね定数の低
下を可及的に抑制し得る高減衰能で温度依存性の少ない
適正な免震支承を提供できる。
また、粘弾性体と積層体の筒形中空部との接触面をテ
ーパ面とし、特に、そのテーパ面を1/100<b/h0<1/20
とすれば、免震支承の製作上、粘弾性体を筒形中空部に
挿入・充填することが非常に容易となり、免震支承の組
立性も大幅に向上し実用的価値大なる免震支承を提供で
きる。
【図面の簡単な説明】
第1図乃至第14図は本発明に係る免震支承の実施例を説
明するためのもので、第1図は粘弾性体を積層体の筒形
中空部に挿入した直後の状態を示す断面図、第2図は粘
弾性体を筒形中空部に挿入する前の状態を示す断面図、
第3図は免震支承の実使用状態を示す断面図、第4図は
第1図の要部拡大断面図、第5図は第3図の要部拡大断
面図、第6図は本出願人が行なった各試験例で使用した
粘弾性体及び積層体の寸法形状を示す断面図、第7図は
試験例(I)において積層体拘束下で粘性体のみに鉛直
荷重をかけた場合を示す断面図、第8図は筒形中空部よ
りも体積過小な粘弾性体を筒形中空部に挿入した直後の
状態を示す要部拡大断面図、第9図は第8図の粘弾性体
を持つ免震支承の実使用状態を示す要部拡大断面図、第
10図は試験例(II)で得られた水平剪断歪みに対する保
持率を示す特性図、第11図はテーパ面に沿って硬質板の
内径を徐々に小さくした積層体の筒形中空部に粘弾性体
を挿入した直後の状態を示す断面図、第12図は複数の硬
質板を埋設した積層型粘弾性体を積層体の筒形中空部に
挿入した直後の状態を示す断面図、第13図は試験例(II
I)で得られた水平剪断歪みに対する保持率を示す特性
図、第14図は試験例(IV)で得られた面圧に対する減衰
比を示す特性図である。 第15図及び第16図は免震支承の従来例を説明するための
もので、第15図は粘弾性体を積層体の筒形中空部に挿入
する前の状態を示す断面図、第16図は第15図の粘弾性体
と筒形中空部に挿入した直後の状態を示す断面図であ
る。 (11)……硬質板、 (12)……ゴム状弾性板、 (13)……筒形中空部、 (14)……積層体、 (15)……粘弾性体、 (20)(21)……テーパ面。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭61−176776(JP,A) 実開 昭61−39705(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) F16F 1/00 - 6/00 F16F 15/00 - 15/32 E04H 9/02 E04B 1/36

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】硬質板とゴム状弾性板を交互に積層し、そ
    の積層方向の両端に開口する筒形中空部を形成した積層
    体と、この筒形中空部に挿入・充填される柱状の粘弾性
    体とからなるものにおいて、 上記筒形中空部の内表面積のうちゴム状弾性板と対応す
    る部分の内表面積にゴム状弾性板1層の厚みの5〜60%
    分の長さを乗じた体積分を筒形中空部の体積より過大に
    した体積を有する粘弾性体を筒形中空部に押込んだこと
    により、その過大体積分だけゴム状弾性板に膨らみ出す
    前記粘弾性体が以下の(i)〜(iii)の特性を有する
    ことを特徴とする周囲拘束型免震支承。 (i)25℃、0.5Hz、50%剪断変形時における損失係数
    (tanδ):0.2≦tanδ≦1.5 (ii)硬度(JISK6301A型、押当て後3秒後の値):30≦
    硬度(Hs)≦80 (iii)材質は、IIR、ハロゲン化IIR、BR、SBR、NBR、N
    R、EPT、EPDM、CR、ポリノルボーネン、クロロスルフォ
    ン化ポリエチレン、シリコンゴム、ウレタンエラストマ
    ー、フッ素ゴム、塩素化ポリエチレン、エピクロルヒド
    リンから選ばれる1又は2以上の原料ゴムに充填剤、軟
    化剤、表面処理剤、樹脂、老化防止剤、加硫剤のいずれ
    か又はこれらの複数の配合剤を配合したもの。
  2. 【請求項2】請求項(1)記載の粘弾性体と筒形中空部
    の相互の接触面を、粘弾性体の挿入方向に対して傾くテ
    ーパ面とし、そのテーパ面を1/100<b/h0<1/20とした
    ことを特徴とする周囲拘束型免震支承。
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