JPH1193988A - ドラムブレーキ装置 - Google Patents

ドラムブレーキ装置

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JPH1193988A
JPH1193988A JP9254991A JP25499197A JPH1193988A JP H1193988 A JPH1193988 A JP H1193988A JP 9254991 A JP9254991 A JP 9254991A JP 25499197 A JP25499197 A JP 25499197A JP H1193988 A JPH1193988 A JP H1193988A
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cam
brake
shoe
drum
gap
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JP9254991A
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Takashi Ikeda
隆志 池田
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Nisshinbo Holdings Inc
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Nisshinbo Industries Inc
Nisshin Spinning Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 シュー間隙調整時もブレーキシューがカム面
に接触することがないようにしつつ、ブレーキ操作の無
効ストロークを最少にする。 【解決手段】 カム部11bを中心O1 周りに時計方向
に回転させると、カム面11aがブレーキシュー3,4
の端面3e,4eを押してブレーキシュー3,4を拡開
させ、ブレーキドラム内周面に押圧させる。ライニング
3d,4dが摩耗した時の間隙調整時は、シュー3,4
がアンカーピン6,7との接触部を中心にして矢α,β
で示す方向に回動される。カム面11aとシュー端面3
e,4eがピン6,7軸線周りの円弧面であるため、間
隙調整時も面11aと面3e,4eとの間の隙間は不変
で、この隙間は、関連部品の製造公差の合計のみを考慮
した極く小さなものにし得る。よって当該隙間で決まる
無効ストロークを小さくして操作フィーリングを向上さ
せ得る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、カムの回転操作に
よりブレーキシューを拡開させるドラムブレーキ装置に
関するものである。
【0002】
【従来の技術】カムの回転操作によりブレーキシューを
拡開させるドラムブレーキ装置としては、両ブレーキシ
ューを非制動位置に弾支する時のストッパーの役目をな
すアンカー部材が両ブレーキシューに共通な1個のみと
した所謂シングルアンカー型のものと、両ブレーキシュ
ーを個々のアンカー部材により非制動位置に止めておく
所謂ダブルアンカー型のものとが知られており、本発明
は後者のダブルアンカー型のドラムブレーキ装置に係わ
る。
【0003】この種ドラムブレーキ装置は通常、一対の
向かい合わせに配置したブレーキシューの一方の隣接端
をそれぞれシュー間隙調整アジャスターの両端に当接さ
せ、両ブレーキシューの他方の隣接端を共通なカムの回
転操作により相互に遠去かる方向へ変位させて両ブレー
キシューをそれぞれ、シューリターンスプリングで個々
の固定のアンカーピンに弾支された非制動位置から、シ
ュー間隙調整アジャスターとの当接点の周りに拡開さ
せ、これによりブレーキシュー上のブレーキライニング
をブレーキドラムの内周面に摩擦係合させるよう構成す
るのが普通である。
【0004】ここで、上記カムとブレーキシューとの一
般的な関係について詳述する。図5に実線で示すごとく
両ブレーキシューa,bがシューリターンスプリング
(図示せず)により固定のアンカーピンc,dに弾支さ
れた非制動位置にあるとき、回転軸O1 の周りに回転さ
れて両ブレーキシューa,bを拡開させるカムeのカム
面を平坦面とし、これに対面するブレーキシューa,b
の端面も平坦面とするのが常套で、また、カムeのカム
面とブレーキシューa,bの端面との間の隙間、つま
り、これらブレーキシュー端面の間隔Aと、カムeのカ
ム面間隔Bとの差で決まる当該隙間は、ブレーキドラム
の径方向の何処でも同じになるよう構成するのが一般的
であった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】これがため従来におい
て、上記カム面とブレーキシュー端面との隙間は、これ
らに係わる関連部品の製造公差と、シュー間隙調整時に
おけるブレーキシューa,bのα,β方向の回動変位
(変位位置を2点鎖線で示す)との双方を考慮しなが
ら、非制動時にブレーキシューa,bがアンカーピン
c,dから浮いてそのアンカーピン側がブレーキドラム
の内周面に接触し、ブレーキシューa,bの引き摺りや
ロック現象を惹起することが決してないよう、比較的大
きな隙間にせざるを得なかった。
【0006】ところで上記の隙間は、ブレーキ操作に際
して無効ストロークになるものであり、これが大きいほ
どブレーキの操作フィーリングが悪化すると共に、ブレ
ーキライニングの摩耗に伴うシュー間隙調整アジャスタ
ーによるシュー間隙調整期間が短くなって煩雑である。
【0007】しかるに従来のドラムブレーキ装置にあっ
ては上記のように、関連部品の製造公差およびシュー間
隙調整時におけるブレーキシューa,bの回動変位の双
方を考慮して、カム面とブレーキシュー端面との隙間を
大きく設定する必要があったために、ブレーキの操作フ
ィーリングが悪化すると共にシュー間隙調整期間が短く
なるという問題が発生するのを免れなかった。
【0008】請求項1に記載された第1発明は、シュー
間隙調整時のブレーキシューa,bの変位が回動変位で
ある点に着目し、これに符合するようカムのカム作用部
およびブレーキシュー端面における被カム作用部を円弧
状の面内に位置させて、シュー間隙調整時におけるブレ
ーキシューの回動変位によってもカムのカム作用部とブ
レーキシュー端面における被カム作用部との隙間が変化
しないように、若しくは、変化しても問題がない程度の
小さなものになるようにすることで、当該隙間を決定す
るに際し、シュー間隙調整時におけるブレーキシューの
回動変位を考慮する必要がないようにし、もって、この
隙間を関連部品の製造公差のみを見込んだ小さな隙間に
し、結果的に無効ストロークの短縮により前記従来装置
の問題解決を実現することを目的とする。
【0009】請求項2に記載された第2発明は、第1発
明の作用効果が一層確実に達成され得るようにしたドラ
ムブレーキ装置を提案することを目的とする。
【0010】請求項3に記載された第3発明は、第1発
明の作用効果が最も確実に達成され得るようにしたドラ
ムブレーキ装置を提案することを目的とする。
【0011】請求項4に記載の第4発明は、製造上にお
いて最も実情に即したカムのカム作用部およびブレーキ
シュー端面における被カム作用部の形状を持つドラムブ
レーキ装置を提案することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】これらの目的のため、先
ず第1発明によるドラムブレーキ装置は、一対のブレー
キシューを向かい合わせに備え、これらブレーキシュー
の一方の隣接端をそれぞれシュー間隙調整アジャスター
の両端に当接させ、両ブレーキシューの他方の隣接端間
におけるカムの回転操作により両ブレーキシューを、そ
れぞれのアンカーピンに弾支された非制動位置から、前
記シュー間隙調整アジャスターとの当接点周りに拡開さ
せてブレーキドラムの内周面に摩擦係合させるようにし
たドラムブレーキ装置において、前記カムの回転操作時
に相互に接する該カムのカム作用部と、前記ブレーキシ
ューの端面における被カム作用部とを、ブレーキドラム
の回転軸線に平行な中心線の周りに描かれ、前記カムに
向けて凸形状をなす円弧状の面内に位置させたことを特
徴とするものである。
【0013】第2発明によるドラムブレーキ装置は、第
1発明において、前記カムのカム作用部およびブレーキ
シューのカム作用部を、前記中心線が共通な同心の円弧
状の面内に位置させたことを特徴とするものである。
【0014】第3発明によるデュオサーボ型ドラムブレ
ーキ装置は、第2発明において、前記共通な中心線を前
記アンカーピンの軸線に一致させたことを特徴とするも
のである。
【0015】第4発明によるドラムブレーキ装置は、第
1発明乃至第3発明のいずれかにおいて、前記カムのカ
ム作用部およびブレーキシューのカム作用部を、前記円
弧状の面に倣う円弧面に構成したことを特徴とするもの
である。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
に基づき詳細に説明する。図1〜図3は本発明の一実施
の形態になるデュオサーボ型ドラムブレーキ装置を示
し、先ず、図1〜図2によりドラムブレーキ装置の全般
を説明する。
【0017】1は、図示せざる車体に取り付けるべき固
定のトルクプレートで、このトルクプレート1は、車輪
と共に回転するブレーキドラム2(図1に、ブレーキ構
成部品を見せるために、外形のみを2点鎖線で示した)
の軸線方向開口端(図1の向こう側)を、ダストカバー
13との共働により塞いで、ブレーキドラム2との間に
空所を画成し、この空所内に以下に説明するように各ブ
レーキ構成部品を組み込む。
【0018】すなわち図1および図2に明示するよう
に、ブレーキドラム2の内周面に対向するよう配置して
一対のブレーキシュー3,4を設け、これらブレーキシ
ュー3,4を、シューウエブ3b,4bと、シューリム
3c,4cと、ブレーキライニング3d,4dとの一体
結合体とする。かかるブレーキシュー3,4は、一方の
隣接端をそれぞれ、浮動支持したシュー間隙調整アジャ
スター5の両端に当接させ、他方の隣接端近傍を、シュ
ーウエブ3b,4bに穿ったアンカー孔3a,4aの内
周面と、トルクプレート1に植設した固定のアンカーピ
ン6,7との共働により、制限範囲内で相対変位可能と
する。
【0019】ブレーキシュー3,4と、アンカーピン
6,7との間にそれぞれ、シューリターンスプリング
8,9を張設し、これらシューリターンスプリング8,
9の張力によりブレーキシュー3,4を相互に接近させ
て、当該ブレーキシュー3,4を、アンカー孔3a,4
aの内周面がそれぞれの固定のアンカーピン6,7に当
接した図示の非制動位置に弾支する。
【0020】また、ブレーキシュー3,4のアンカーピ
ン6,7から遠い一方の隣接端間に、アジャスタースプ
リング10を緊張状態で掛け渡すことにより、これら隣
接端をそれぞれ、シュー間隙調整アジャスター5の両端
に当接させておくと共に、アジャスタースプリング10
の外周線輪をシュー間隙調整アジャスター5の調整歯輪
5aに押圧させることで、当該調整歯輪5aと一体の調
整ねじが調整位置から盲動してずれるのを防止する。
【0021】ブレーキシュー3,4のアンカーピン6,
7に近い他方の隣接端間に、これらを相互に遠去かる方
向へ押動するためのカム11を介在させ、このカム11
は、ブレーキシュー3,4の端面に向かい合う、一対の
カム作用部としてのカム面11aを持ったカム部11b
と、当該カム部11bの一端面から突出するカム駆動軸
11cと、当該カム部11bの他端面から突出するピン
11dとの一体結合体で構成する。
【0022】上記のカム11は、図1に示すようにカム
部11bのカム面11aがそれぞれ、対応するブレーキ
シュー3,4の端面3e,4eに対面するよう配置し、
そしてカム駆動軸11cを図2に示すごとく、トルクプ
レート1に結合したブラケット12に回転自在に支持
し、更にピン11dを、アンカー部材6,7間に橋絡し
て固設したアダプタプレート14の長孔14a内で、ブ
レーキシュー3,4の拡開方向に変位可能に支持する。
かくしてカム11は、カム駆動軸11cにより回転駆動
され得ると共に、ブラケット12による回転支持部を支
点にしてブレーキシュー拡開方向に揺動可能に取着され
る。
【0023】カム駆動軸11cの突出外端にはブレーキ
操作レバー15を係着し、これをレバーリターンスプリ
ング16により、図1に示すブレーキ操作方向Fとは反
対方向に回動付勢する。なお、リターンスプリング16
によるブレーキ操作レバー15の戻し回動位置は、固定
のレバーストッパー17により、図1および図2に示す
非制動位置に制限するものとする。しかして、上記のリ
ターンスプリング16およびレバーストッパー17を適
切に設定すれば、カム11のカム部11bの位置決めが
可能であり、従ってカム11のピン11dは必ずしも必
要であるいう訳ではない。
【0024】次いで本発明の要旨に係わる、カム面11
aの形状、および、これらカム面と対面して被カム作用
部を構成するブレーキシュー3,4の端面(詳しくは、
シューウエブ3b,4bの端面)3e,4eの形状、並
びに、当該カム面11aと、ブレーキシュー端面3e,
4eとの間の隙間について、図3を合わせ参照しつつ説
明する。カム面11aおよびブレーキシュー端面3e,
4eはそれぞれ、アンカーピン6,7の軸線周りに描か
れ、カム11に向けて凸形状をなす円弧状の面内に位置
させ、最も好ましくは、当該円弧状の面に倣う円弧面と
する。そして、カム面11aの曲率半径Rをブレーキシ
ュー端面3e,4eの曲率半径rよりも大きくして、カ
ム面11aおよびブレーキシュー端面3e,4eの間に
隙間を設定する。
【0025】ここでカム面11aおよびブレーキシュー
端面3e,4e間の隙間は、関連部品の製造公差の合計
のみを考慮して決定し、これが最悪の場合でも決して非
制動位置においてブレーキシュー端面3e,4eがカム
面11aに当接してしまうことのないようにするのに必
要な最小限の隙間とし、これにより、如何なる製造公差
の場合でも非制動位置においてブレーキシュー3,4が
決してアンカーピン6,7から浮いてブレーキドラム2
の内周面に接触することのないようにする。
【0026】上記実施の形態になるデュオサーボ型ドラ
ムブレーキ装置の作用を以下に説明する。図1および図
2の非制動状態において、ブレーキ操作レバー15の操
作端に図1のブレーキ操作力Fが入力されると、ブレー
キ操作レバー15はカム駆動軸11cを介してカム部1
1b、従ってカム面11aを図3の中心O1 周りに時計
方向に回転させる。
【0027】これによりカム面11aはそれぞれ、対応
するブレーキシュー3,4の端面3e,4eを相互に遠
去かる方向に押動し、両ブレーキシュー3,4をそれぞ
れ、シュー間隙調整アジャスター5との当接点の周りに
拡開させ、ブレーキライニング3d,4dをブレーキド
ラム2の内周面に押圧する。
【0028】この時ブレーキシュー3,4の上記拡開に
より、アンカー孔3a,4aの内周面とアンカーピン
6,7との間にはそれぞれ隙間が発生する。ここでブレ
ーキドラム2が車輪に連れ回されると、ブレーキシュー
3,4を拡開させているカム11が前記したようにピン
11dと長孔14aとの間のブレーキシュー拡開方向に
おける隙間で同方向に揺動し得るため、ブレーキドラム
2の回転方向に応じ、ブレーキシュー3がアンカーピン
6に、又はブレーキシュー4がアンカーピン7に衝接す
るまで両ブレーキシュー3,4等はシュー間隙調整アジ
ャスター5と共に一体に回転する。そして、ブレーキシ
ュー3とアンカーピン6とが、又はブレーキシュー4と
アンカーピン7とが衝接した時に制動力を生起させる。
【0029】ブレーキライニング3d,4dが摩耗して
ブレーキドラム2の内周面との間のシュー間隙が大きく
なった場合のシュー間隙調整作業を説明するに、この場
合は、シュー間隙調整アジャスター5の調整歯輪5aを
回転させてシュー間隙調整アジャスター5を伸長させ
る。これにより、ブレーキシュー3,4はそれぞれ、ア
ンカーピン6,7との接触部を中心にして図3に矢α,
βで示す方向に回動され、ブレーキライニング3d,4
dとブレーキドラム2の内周面との間のシュー間隙を小
さくすることができ、これを規定値にし得る。
【0030】ところで本実施の形態においては特に、カ
ム面11aおよびブレーキシュー端面3e,4eをそれ
ぞれアンカーピン6,7の軸線周りの円弧面としたか
ら、ブレーキライニング3d,4dが摩耗した時に行う
上記のシュー間隙調整作業でブレーキシュー3,4が図
3に2点鎖線により示すごとくアンカーピン6,7の周
りに矢α,βの方向へ回動する場合でも、カム面11a
とブレーキシュー端面3e,4eとの間の隙間が不変に
保たれる。従って本実施の形態においては、シュー間隙
調整作業中にブレーキシュー端面3e,4eがカム面1
1aに当接してアンカー孔3a,4aがアンカー部材
6,7から浮き、ブレーキライニング3d,4dがブレ
ーキドラム2の内周面に接触することは決してない。
【0031】これがため、カム面11aの曲率半径Rと
ブレーキシュー端面3e,4eの曲率半径rとの差によ
り提供される、カム面11aおよびブレーキシュー端面
3e,4e間の隙間を決定するに際し、ブレーキシュー
3,4のシュー間隙調整作業時における回動変位を考慮
する必要がなくなり、関連部品の製造公差の合計のみを
考慮して、当該製造公差が最も大きくなった場合でも決
してブレーキシュー3,4がアンカーピン6,7から浮
いてブレーキドラム2の内周面に接触することのないよ
うにするだけでよくなり、結果として上記の隙間を前記
したように、当該要求を満足させるのに必要な最小限の
小さな隙間にすることができる。
【0032】よって、この隙間で決まるブレーキ操作時
の無効ストロークも小さくし得ることとなり、ブレーキ
の操作フィーリングを改善し得ると共に、シュー間隙調
整アジャスター5によるシュー間隙調整期間も長くする
ことができる。
【0033】しかも本実施の形態においては、ブレーキ
ライニング3d,4dが有用範囲内で最大限摩耗した場
合でも、カム面11aとブレーキシュー端面3e,4e
との間の隙間が不変に保たれるから、カム面11aとブ
レーキシュー端面3e,4eとの間の隙間を上記の通り
に小さくしても、ドラムブレーキ装置の使用寿命全体に
亘って上記の作用効果を長期不変に維持することができ
る。
【0034】なお上記実施の形態においては、カム面1
1aの曲率中心とブレーキシュー端面3e,4eの曲率
中心を、最も実際に即したものとなるようアンカーピン
6,7の軸線に一致させたが、カム面11aおよびブレ
ーキシュー端面3e,4eを、ブレーキドラム回転軸線
に平行な中心線周りの円弧面にすれば、上記の作用効果
を或る程度は達成することができることから、カム面1
1aの曲率中心とブレーキシュー端面3e,4eの曲率
中心を共にアンカーピン6,7の軸線に一致させること
は必ずしも必須要件ではない。
【0035】また、カム面11aおよびブレーキシュー
端面3e,4eを円弧面にするに当たって、これら円弧
面が同心であることも必須要件ではなく、同心でなくて
も上記の作用効果を或る程度は達成することができる。
更に、カム作用部をなすカム面11aおよび被カム作用
部をなすブレーキシュー端面3e,4eは、必ずしも上
記した連続円弧面にする必要はなく、図4に示すように
カム11の回転操作時に相互に接触するカム11のカム
作用部11aおよびブレーキシュー端面3e,4eにお
ける被カム作用部のみが、アンカーピン6,7の軸線周
りに半径R´,r´をもって描かれた円弧状の面内に位
置するよう、カム11およびブレーキシュー端面3e,
4eを形成すれば、上記実施の形態におけると同様の作
用効果を達成することができる。
【0036】なお本発明による上記の着想は、図示する
ようにブレーキシュー3,4を連結するようにしたシュ
ー間隙調整アジャスター5を備えるデュオサーボ型ドラ
ムブレーキ装置に限らず、実公昭60−21568号公
報に記載のようにシュー間隙調整アジャスターをトルク
プレートに取着して固定した、所謂リーディング・トレ
ーディング式ドラムブレーキ装置にも適用することがで
きること、勿論である。
【0037】
【発明の効果】第1発明によるドラムブレーキ装置は、
ブレーキシュー3,4を拡開させるカム11のカム作用
部11aと、このカム作用部11aにより押動されるブ
レーキシュー端面3e,4eにおける被カム作用部を、
ブレーキドラム回転軸線に平行な中心線周りに描かれ、
カム11に向けて凸形状をなす円弧状の面内に位置させ
たから、カム11のカム作用部11aとブレーキシュー
端面3e,4eにおける被カム作用部とが、シュー間隙
調整時におけるブレーキシュー3,4の回動変位に符合
するよう配置されていることとなり、シュー間隙調整時
におけるブレーキシューの回動変位によってもカム11
のカム作用部11aとブレーキシュー端面3e,4eに
おける被カム作用部との間の隙間が変化しなくなるか、
若しくは、変化しても問題がない程度の小さなものとな
る。従って第1発明においては、当該隙間を決定するに
際し、シュー間隙調整時におけるブレーキシュー3,4
の回動変位を考慮する必要がなくなり、これがため、こ
の隙間を関連部品の製造公差のみを見込んだ小さな隙間
にすることができ、結果的に無効ストロークの短縮によ
り前記従来装置の問題解決を実現することができる。
【0038】第2発明においては、上記カム11のカム
作用部11aおよびブレーキシュー端面3e,4eにお
ける被カム作用部を、上記中心線が共通な同心の円弧状
の面内に位置させたから、シュー間隙調整時におけるブ
レーキシュー3,4の回動変位に伴うカム11のカム作
用部11aとブレーキシュー端面3e,4eにおける被
カム作用部との間の隙間の変化を確実に小さく、若しく
は、確実になくすことができ、上記の作用効果を一層確
実なものにし得る。
【0039】第3発明においては、上記共通な中心線を
アンカーピン6,7の軸線に一致させたから、シュー間
隙調整時におけるブレーキシュー3,4の回動変位に伴
うカム11のカム作用部11aとブレーキシュー端面3
e,4eにおける被カム作用部との間の隙間を不変に維
持することができ、前記の作用効果を完璧なものにし得
る。
【0040】第4発明においては、カム11のカム作用
部11aおよびブレーキシュー端面3e,4eにおける
被カム作用部を、上記円弧状の面に倣う円弧面に構成し
たから、これらカム作用部および被カム作用部が最も実
情に即した形状となり、これらをプレス加工や鍛造加工
で容易に形成することができ、コスト的に大いに有利で
ある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態になるデュオサーボ型ド
ラムブレーキ装置を、ブレーキドラムが除去された状態
で示す正面図である。
【図2】図1のII−II線上で断面とし、矢の方向に
見て示す、デュオサーボ型ドラムブレーキ装置の要部断
面図である。
【図3】同実施の形態における回転カムのカム面形状、
および、これと対面するブレーキシュー端面の形状、並
びに、これら面間における隙間の関係を示す、ブレーキ
シューカム駆動部の要部拡大正面図である。
【図4】本発明の他の実施の形態になる回転カムのカム
作用部の形状および配置と、これに対面して被カム作用
部をなすブレーキシュー端面における部分の形状および
配置と、これらカム作用部および被カム作用部間におけ
る隙間の関係とを示す、図3と同様なブレーキシューカ
ム駆動部の要部拡大正面図である。
【図5】従来のドラムブレーキ装置における回転カム
と、ブレーキシューとの関係を示す、図3と同様なブレ
ーキシューカム駆動部の要部拡大正面図である。
【符号の説明】
1 トルクプレート 2 ブレーキドラム 3 ブレーキシュー 3a アンカー孔 3e ブレーキシュー端面 4 ブレーキシュー 4a アンカー孔 4e ブレーキシュー端面 5 シュー間隙調整アジャスター 6 アンカーピン 7 アンカーピン 8 シューリターンスプリング 9 シューリターンスプリング 11 カム 11a カム面 11b カム部 11c カム駆動軸 11d ピン 12 ブラケット 13 ダストカバー 14 アダプタプレート 15 ブレーキ操作レバー 16 操作レバーリターンスプリング 17 レバーストッパー

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一対のブレーキシューを向かい合わせに
    備え、これらブレーキシューの一方の隣接端をそれぞれ
    シュー間隙調整アジャスターの両端に当接させ、両ブレ
    ーキシューの他方の隣接端間におけるカムの回転操作に
    より両ブレーキシューを、それぞれのアンカーピンに弾
    支された非制動位置から、前記シュー間隙調整アジャス
    ターとの当接点周りに拡開させてブレーキドラムの内周
    面に摩擦係合させるようにしたドラムブレーキ装置にお
    いて、 前記カムの回転操作時に相互に接する該カムのカム作用
    部と、前記ブレーキシューの端面における被カム作用部
    とを、ブレーキドラムの回転軸線に平行な中心線の周り
    に描かれ、前記カムに向けて凸形状をなす円弧状の面内
    に位置させたことを特徴とするドラムブレーキ装置。
  2. 【請求項2】 請求項1において、前記カムのカム作用
    部およびブレーキシューのカム作用部を、前記中心線が
    共通な同心の円弧状の面内に位置させたことを特徴とす
    るドラムブレーキ装置。
  3. 【請求項3】 請求項2において、前記共通な中心線を
    前記アンカーピンの軸線に一致させたことを特徴とする
    ドラムブレーキ装置。
  4. 【請求項4】 請求項1乃至3のいずれか1項におい
    て、前記カムのカム作用部およびブレーキシューのカム
    作用部を、前記円弧状の面に倣う円弧面に構成したこと
    を特徴とするドラムブレーキ装置。
JP9254991A 1997-09-19 1997-09-19 ドラムブレーキ装置 Withdrawn JPH1193988A (ja)

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