JPH1193629A - 電磁駆動弁 - Google Patents

電磁駆動弁

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JPH1193629A
JPH1193629A JP9257050A JP25705097A JPH1193629A JP H1193629 A JPH1193629 A JP H1193629A JP 9257050 A JP9257050 A JP 9257050A JP 25705097 A JP25705097 A JP 25705097A JP H1193629 A JPH1193629 A JP H1193629A
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core
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宏之 服部
Takashi Deo
隆志 出尾
Tatsuo Iida
達雄 飯田
Masahiko Asano
昌彦 浅野
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 内燃機関の弁機構として好適な電磁駆動弁に
関し、弁体の開閉時における内燃機関の状態に応じて、
適切な作動特性を発揮する。 【解決手段】 弁体18と共に変位するアーマチャ30
を設ける。アーマチャの両側にアッパコア32およびロ
アコア34を設ける。アッパコアおよびロアコアにそれ
ぞれアッパコイル40およびロアコイル42を収納す
る。アッパコアおよびロアコアのうちロアコアにのみ環
状凸部36を形成する。環状凸部に、アーマチャの外径
に比して僅かに大きな内径を付与する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電磁駆動弁に係
り、特に、内燃機関の弁機構として好適な電磁駆動弁に
関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、例えば特表平4−50204
8号に開示される如く、内燃機関の弁機構として用いら
れる電磁駆動弁が知られている。上記従来の電磁駆動弁
は、弁体に固定されるアーマチャを備えている。アーマ
チャの上下には、アッパスプリングおよびロアスプリン
グが配設されている。これらのスプリングは、アーマチ
ャを中立位置に向けて付勢している。
【0003】アーマチャの上下には、アッパコアおよび
ロアコアが配設されている。アッパコアおよびロアコア
の内部には、それぞれ、アッパコイルおよびロアコイル
が配設されている。アッパコイルおよびロアコイルは、
励磁電流が供給されることにより、それらの内外を還流
する磁束を発生する。かかる磁束が発生すると、アーマ
チャとアッパコアとの間、および、アーマチャとロアコ
アとの間に両者を引き寄せる電磁力(以下、吸引力と称
す)が作用する。従って、上記従来の電磁駆動弁によれ
ば、アッパコイルまたはロアコイルに所定の励磁電流を
供給することで、弁体を閉弁位置または開弁位置まで変
位させることができる。
【0004】弁体が閉弁位置または開弁位置まで変位し
た後に、アッパコイルまたはロアコイルへの励磁電流の
供給が停止されると、アーマチャおよび弁体は、スプリ
ングに付勢されることにより単振動を始める。単振動の
振幅が減衰されないとすれば、一方の変位端から他方の
変位端(以下、目的変位端と称す)へ向かうアーマチャ
および弁体は、スプリングの付勢力のみにより目的変位
端に到達する。しかしながら、アーマチャおよび弁体の
変位には摺動摩擦等に起因するエネルギ損失が伴う。こ
のため、スプリングの付勢力に起因するアーマチャおよ
び弁体の最大到達位置は、目的変位端の手前となる。
【0005】上記従来の電磁駆動弁によれば、アッパコ
イルまたはロアコイルへの励磁電流の供給を停止した
後、適当なタイミングで他方のコイルに励磁電流を供給
し始めることにより、摺動に伴うエネルギ損失分を補っ
て、アーマチャおよび弁体を目的変位端まで変位させる
ことができる。以後、アッパコイルおよびロアコイル
に、適当なタイミングで交互に励磁電流を供給すると、
弁体を開閉動作させることができる。
【0006】上記従来の電磁駆動弁は、アッパコアの外
周およびロアコアの外周に、アッパコアまたはロアコア
の端面より、アーマチャ側に所定長だけ突出した環状凸
部を備えている。環状凸部には、アーマチャの外径に比
して僅かに大きな内径が付与されている。上記の環状凸
部が設けられている場合、アーマチャが目的変位端から
離間している状況下でアーマチャに作用する吸引力(以
下、離間時吸引力と称す)は、環状凸部が設けられてい
ない場合に比して大きくなる。一方、環状凸部が設けら
れている場合、アーマチャが目的変位端と近接している
状況下でアーマチャに作用する吸引力(以下、近接時吸
引力と称す)は、環状凸部が設けられていない場合に比
して小さくなる。従って、上記従来の電磁駆動弁によれ
ば、アーマチャが目的変位端に近づく過程で、アーマチ
ャに作用する吸引力を緩やかに増大させることができ
る。
【0007】弁体が開弁位置または閉弁位置に到達する
際には、アーマチャとアッパコアまたはロアコアとが衝
突すること等に起因して衝突音が生ずる。この衝突音を
抑制するうえでは、アーマチャが目的変位端に到達する
時点でアーマチャに作用する吸引力が不当に大きな値と
ならないことが望ましい。アーマチャを確実に目的変位
端まで変位させるためには、ある程度の離間時吸引力を
確保することが必要である。電磁駆動弁において、大き
な離間時吸引力を確保しつつ衝突音を抑制するために
は、アーマチャが目的変位端に接近する過程で、アーマ
チャに作用する吸引力が急激な増加を示さないことが有
利である。上記従来の電磁駆動弁によれば、開弁時およ
び閉弁時の双方において上記の要求を満たすことができ
る。従って、上記従来の電磁駆動弁によれば、優れた静
粛静を得ることができる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】ところで、内燃機関の
弁体に作用する負荷は、開弁時と閉弁時とで常に同一で
はない。例えば、排気弁は、燃焼室に高圧の燃焼圧が残
存する状況下で開弁し、燃焼室からその燃焼圧が排出さ
れた後に閉弁する。この場合、排気弁には、開弁時にお
いて閉弁時に比して大きな負荷が作用する。
【0009】電磁駆動弁の弁体を目的変位端に到達させ
るために確保すべき離間時吸引力は、変位の過程で弁体
に作用する負荷の大きさに応じて変化する。具体的に
は、弁体の変位過程で弁体に大きな負荷が作用する場合
は、弁体に作用する負荷が小さい場合に比して、大きな
離間時吸引力を確保する必要がある。従って、電磁駆動
弁が排気弁として用いられる場合は、開弁時において、
閉弁時に比して大きな離間時吸引力が要求される。
【0010】上述の如く、上記従来の電磁駆動弁は、開
弁時および閉弁時の双方において、大きな離間時吸引力
を発生させ、かつ、アーマチャが目的変位端に到達する
過程で吸引力を緩やかに増大させる。かかる特性によれ
ば、電磁駆動弁を用いて排気弁を構成した場合に、開弁
時および閉弁時の双方において、弁体を適正に作動させ
ることができる。
【0011】しかしながら、電磁駆動弁が排気弁として
用いられる場合は、閉弁時において大きな離間時吸引力
を発生させる必要はない。より具体的には、電磁駆動弁
が排気弁として用いられる場合は、閉弁時に適切な近接
時吸引力が発生すれば、離間時吸引力の大小に関わら
ず、弁体を適正に閉弁させることができる。電磁駆動弁
において、大きな近接時吸引力を効率良く発生させるう
えでは、アーマチャが目的変位端に近づく過程で、アー
マチャに作用する吸引力が急激な立ち上がりを示すこと
が有利である。従って、電磁駆動弁が排気弁として用い
られる場合に、弁体を、少ない消費電力で、かつ、適正
に閉弁させるうえでは、アーマチャが目的変位端(アッ
パコア)に接近する過程で、アーマチャに作用する吸引
力が急激な増加を示すことが望ましい。この点、弁体の
閉弁時にも、吸引力を緩やかに増加させる上記従来の電
磁駆動弁は、省電力特性を改善するうえで未だ改良の余
地を残すものであった。
【0012】本発明は、上述の点に鑑みてなされたもの
であり、弁体の開閉時における内燃機関の状態に応じ
て、適切な作動特性を発揮する電磁駆動弁を提供するこ
とを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】上記の目的は、請求項1
に記載する如く、弁体と共に変位するアーマチャと、ア
ーマチャの両側にハイツされる弾性体と、アーマチャの
両側に配設される第1および第2のコアと、第1および
第2のコアにそれぞれ収納される第1および第2のコイ
ルとを備える電磁駆動弁において、 前記第1および第
2のコアの一方が、他方のコアに向けて所定長だけ突出
する凸部を備えていると共に、前記アーマチャが、該ア
ーマチャが前記一方のコアに近接した際に、前記凸部の
側面と対向する凸部対向面を備えている電磁駆動弁によ
り達成される。
【0014】上記の目的は、請求項2に記載する如く、
上記請求項1記載の電磁駆動弁において、前記第1およ
び第2のコアの他方が、前記凸部に比して小さな小凸部
を備えている電磁駆動弁により達成される。上記の目的
は、請求項3に記載する如く、弁体と共に変位するアー
マチャと、アーマチャの両側に配設される弾性体と、ア
ーマチャの両側に配設される第1および第2のコアと、
第1および第2のコアにそれぞれ収納される第1および
第2のコイルとを備える電磁駆動弁において、 前記ア
ーマチャが、前記第1および第2のコアの一方の側に所
定長だけ突出する凸部を備えていると共に、前記一方の
コアが、前記アーマチャが該一方のコアに近接した際
に、前記凸部の側面と対向する凸部対向面を備えている
電磁駆動弁により達成される。
【0015】また、上記の目的は、請求項4に記載する
如く、上記請求項3記載の電磁駆動弁において、前記ア
ーマチャが、前記第1および第2のコアの他方の側に、
前記凸部に比して小さな小凸部を備えている電磁駆動弁
により達成される。本発明において、アーマチャが一方
のコアに近接する場合は、一方のコアまたはアーマチャ
が備える凸部の側面と、その凸部に対応する凸部対向面
とが対向する。かかる構成によれば、アーマチャが一方
のコアに接近する過程で、アーマチャに大きな離間吸引
力が作用すると共に、アーマチャに作用する吸引力が緩
やかな増加傾向を示す。また、上記の構成によれば、ア
ーマチャが他方のコアに接近する過程では、アーマチャ
に比較的小さな離間吸引力が作用すると共に、アーマチ
ャに作用する吸引力が急激な増加傾向を示す。本発明の
特性によれば、アーマチャが一方のコアに接近する際に
弁体に大きな負荷が加わり、かつ、アーマチャが他方の
コアに接近する際に弁体に大きな負荷が加わらない場合
において、弁体を少ない消費電力で適切に作動させるこ
とが可能となる。
【0016】
【発明の実施の形態】図1は、本発明の一実施例である
電磁駆動弁10の断面図を示す。電磁駆動弁10は、内
燃機関の排気弁として用いられる。電磁駆動弁10はシ
リンダヘッド12の固定されている。シリンダヘッド1
2には排気ポート14が形成されている。また、シリン
ダヘッド12の下方には内燃機関の燃焼室16が形成さ
れている。電磁駆動弁10は、排気ポート14と燃焼室
16とを導通または遮断する弁体18を備えている。
【0017】弁体18には弁軸20が一体に設けられて
いる。シリンダヘッド12の内部にはバルブガイド22
が配設されている。弁軸20は、バルブガイド22によ
り摺動可能に保持されている。弁軸20の上端部には、
ロアリテーナ24が固定されている。ロアリテーナ24
の下部にはロアスプリング26が配設されている。ロア
スプリング26は、ロアリテーナ24を、図1に於ける
上方に向けて付勢している。
【0018】弁軸20の上端部は、アーマチャ軸28に
当接している。アーマチャ軸28は、非磁性材料で構成
された部材である。アーマチャ軸28には、アーマチャ
30が固定されている。アーマチャ30は、磁性材料で
構成された環状の部材である。アーマチャ30の上下に
は、それぞれアッパコア32およびロアコア34が配設
されている。アッパコア32およびロアコア34は磁性
材料で構成された環状の部材である。ロアコア34は環
状凸部36を備えている。環状凸部36は、ロアコア3
4の表面からアッパコア32側へ所定長だけ突出した環
状の部分である。本実施例の電磁駆動弁10は、アッパ
コア32およびロアコア34のうち、ロアコア34にの
み環状凸部36が形成されている点に特徴を有してい
る。
【0019】環状凸部36には、アーマチャ30の外径
に比して僅かに大きな径が付与されている。従って、ア
ーマチャ30が十分にロアコア34に接近すると、環状
凸部36の内壁がアーマチャ30の外周面と対向する状
況が形成される。以後、アーマチャ30の外周面(環状
凸部36の内周面と対向する面)を、凸部対向面38と
称す。
【0020】アッパコア32およびロアコア34には、
それぞれアッパコイル40およびロアコイル420収納
されている。また、アッパコア32およびロアコア34
には、それぞれそれらの中央部に軸受け44,46が配
設されている。アーマチャ軸28は、軸受け44,46
により摺動可能に保持されている。アッパコア32およ
びロアコア34の外周には、コアガイド48が配設され
ている。アッパコア32とロアコア34との相対位置
は、コアガイド48によって適正な関係に維持されてい
る。アッパコア32の上部およびロアコア34の下部に
は、それぞれアッパケース50およびロアケース52が
固定されている。
【0021】アッパケース50の上端にはスプリングガ
イド54およびアジャスタボルト56が配設されてい
る。スプリングガイド54の下方にはアッパリテーナ5
8が配設されている。アッパリテーナ58は、アーマチ
ャ軸28の上端に連結されれている。また、スプリング
ガイド54とアッパリテーナ58との間には、アッパス
プリング60が配設されている。アッパスプリング60
は、アッパリテーナ58およびアーマチャ軸28を、図
1における下方へ向けて付勢している。アーマチャ30
の中立位置は、アジャスタボルト56により調整され
る。本実施例において、アーマチャ30の中立位置は、
アッパコア32とロアコア34の中央部となるように調
整されている。
【0022】以下、上記図1と共に、図2乃至図9を参
照して、電磁駆動弁10の動作について説明する。電磁
駆動弁10において、アッパコイル40およびロアコイ
ル42の何れにも励磁電流が供給されていない場合は、
アーマチャ30がその中立位置、すなわち、アッパコア
32とロアコア34の中央に維持される。アーマチャ3
0が中立位置に維持された状態で、アッパコイル40に
励磁電流が供給されると、アーマチャ30とアッパコア
32との間にアーマチャ30をアッパコア32側へ引き
寄せる電磁力が発生する。このため、電磁駆動弁10に
よれば、アッパコイル40に適当な励磁電流を供給する
ことで、アーマチャ30をアッパコア32側へ変位させ
ることができる。弁体18は、アーマチャ30がアッパ
コア32に当接する以前に全閉状態となる。従って、電
磁駆動弁10によれば、アッパコイル40に適当な励磁
電流を供給することで、弁体18を全閉状態とすること
ができる。
【0023】弁体18が全閉状態に維持されている状況
下でアッパコイル40への励磁電流の供給が停止される
と、弁体18、弁軸20、アーマチャ軸28およびアー
マチャ30は、以後、アッパスプリング60およびロア
スプリング26に付勢されることにより、図1における
下方へ変位し始める。弁体18等の変位には、摺動摩擦
等のエネルギ損失が伴う。電磁駆動弁10によれば、ロ
アコイル42に励磁電流を供給することにより、上記の
エネルギ損失を補って、アーマチャ30がロアコア34
に当接するまで弁体18等を変位させることができる。
弁体18は、アーマチャ30がロアコア34に当接する
場合に全開状態となる。
【0024】従って、電磁駆動弁10によれば、アッパ
コイル40への励磁電流の供給を停止した後、適当なタ
イミングでロアコイル42への励磁電流の供給を開始す
ることで、弁体18を全開状態とすることができる。電
磁駆動弁10によれば、以後、適当なタイミングでアッ
パコイル40およびロアコイル42に適当な励磁電流を
供給することで、適正に弁体18を開閉動作させること
ができる。
【0025】上述の如く、本実施例の電磁駆動弁10
は、アッパコア32およびロアコア34のうち、ロアコ
ア34のみが環状凸部36を備えている点に特徴を有し
ている。以下、上記の特徴に伴う効果について説明す
る。図2は、アッパコイル40に所定電流I0 を供給し
た際にアッパコア32およびアーマチャ30を通って還
流する磁束ΦU の流れを示す。図2に示す磁束ΦUの流
れは、アーマチャ30がアッパコア32から大きく離間
している場合に実現される。アッパコイル40の巻き数
をN、アッパコア32およびアーマチャ30を含む磁気
回路(以下、この磁気回路をアッパ磁気回路62と称
す)の磁気抵抗をRU とすると、アッパ磁気回路62を
還流する磁束ΦU は次式の如く表すことができる。
【0026】 ΦU =(N・I0 )/RU ・・・(1) 図3は、ロアコイル42に所定電流I0 を供給した際に
ロアコア34およびアーマチャ30を通って還流する磁
束ΦL の流れを示す。図3に示す磁束ΦL の流れは、ア
ーマチャ30がロアコア34から大きく離間している場
合に実現される。ロアコイル42の巻き数をN、ロアコ
ア32およびアーマチャ30を含む磁気回路の磁気抵抗
(以下、この磁気回路をロア磁気回路64と称す)をR
L とすると、ロア磁気回路64を還流する磁束ΦL は次
式の如く表すことができる。
【0027】 ΦL =(N・I0 )/RL ・・・(2) アッパ磁気回路62の磁気抵抗RU は、アッパコア32
とアーマチャ30との間に形成されるエアギャップが小
さいほど小さな値となる。同様に、ロア磁気回路64の
磁気抵抗RL は、ロアコア34とアーマチャ30との間
に形成されるエアギャップが小さいほど小さな値とな
る。
【0028】本実施例において、ロアコア34には、ア
ーマチャ30側に突出する環状凸部36が設けられてい
る。環状凸部36は、アーマチャ30とロアコア34と
が離間している場合に、それら両者間のエアギャップを
狭めるべく機能する。このため、アーマチャ30がアッ
パコア32およびロアコア34から等しく離間している
場合は、ロア磁気回路64の磁気抵抗RL が、アッパ磁
気回路62の磁気抵抗RU の比して小さな値となる。従
って、この場合は、ロア磁気回路64に、アッパ磁気回
路を流れる磁束ΦU に比して大きな磁束ΦL が流通す
る。
【0029】電磁駆動弁10において、アッパ磁気回路
62に磁束ΦU が流通している場合、および、ロア磁気
回路64に磁束ΦL が流通している場合は、アーマチャ
30とアッパコア32またはロアコア34との間に、ア
ッパ磁気回路62のエアギャプを狭める方向の吸引力、
または、ロア磁気回路64のエアギャップを狭める方向
の吸引力が作用する。
【0030】上記の吸引力は、アーマチャ30がアッパ
コア32またはロアコア34から大きく離間している状
況下では、主にアーマチャ30をアッパコア32側に引
き寄せる力として、または、アーマチャ30をロアコア
34側に引き寄せる力として作用する。また、上記の吸
引力は、狭めるべきエアギャップを流通する磁束が大き
いほど大きな力となる。
【0031】このため、アーマチャ30がアッパコア3
2およびロアコア34から等しく離間しており、かつ、
アッパコイル40を流れる励磁電流およびロアコイル4
2を流れる励磁電流が等しくI0 である場合は、アーマ
チャ30とロアコア34との間に、アーマチャ30とア
ッパコア32との間に比して大きな吸引力が作用する。
以下、アーマチャ30がアッパコア32またはロアコア
34から大きく離間している状況下でそれらの間に作用
する吸引力を離間時吸引力FF と称す。
【0032】図4は、アッパコイル40に所定電流I0
を供給した際にアッパコア32およびアーマチャ30を
通って還流する磁束ΦU の流れを示す。図4に示す磁束
ΦUの流れは、アーマチャ30がアッパコア32から僅
かに離間している場合に実現される。アッパ磁気回路6
2の磁気抵抗RU はアーマチャ30とアッパコア32と
の間に形成されるエアギャップが小さくなるに連れて小
さな値となる。また、上記(1)式に示す如く、アッパ
磁気回路62を流れる磁束ΦU は、その磁気抵抗RU
小さいほど大きな値となる。このため、図4に示す如く
アーマチャ30がアッパコア32に接近している場合
は、上記図2に示す如く両者が大きく離間している場合
に比して、アッパ磁気回路62に大きな磁束ΦU が流通
する。
【0033】アーマチャ30とアッパコア32との間で
授受される磁束ΦU は、アーマチャ30がアッパコア3
2から僅かに離間している状況下でも、主にアーマチャ
30をアッパコア32側に引き寄せる力として作用す
る。このため、アーマチャ30をアッパコア32側へ引
き寄せる力は、アーマチャ30がアッパコア32に接近
する過程で、ほぼアッパ磁気回路62を流れる磁束ΦU
に比例して増加する。以下、アーマチャ30とアッパコ
ア32とが近接している状況下で、アーマチャ30をア
ッパコア32側へ引き寄せる力を近接時吸引力FN と称
す。
【0034】図5は、ロアコイル42に所定電流I0
供給した際にロアコア34およびアーマチャ30を通っ
て還流する磁束ΦL の流れを示す。図5に示す磁束ΦL
の流れは、アーマチャ30がロアコア34から僅かに離
間している場合に実現される。ロア磁気回路64の磁気
抵抗RL はアーマチャ30とロアコア34との間に形成
されるエアギャップが小さくなるに連れて小さな値とな
る。また、上記(2)式に示す如く、ロア磁気回路64
を流れる磁束ΦL は、その磁気抵抗RL が小さいほど大
きな値となる。このため、図5に示す如くアーマチャ3
0がロアコア34に接近している場合は、上記図3に示
す如く両者が大きく離間している場合に比して、ロア磁
気回路64に大きな磁束ΦL が流通する。
【0035】アーマチャ30とロアコア34との間で
は、アーマチャ30の底面とロアコア34の上面との間
に形成されるエアギャップ(以下、軸方向エアギャップ
と称す)を介して磁束が授受されると共に、アーマチャ
30の凸部対向面38とロアコア34の環状凸部36と
の間に形成されるエアギャップ(以下、径方向エアギャ
ップと称す)を介しても磁束が授受される。
【0036】軸方向エアギャップを介して授受される磁
束は、常にアーマチャ30をロアコア34側へ引き寄せ
る力として作用する。一方、径方向エアギャップを介し
て授受される磁束は、図5に示す如く、凸部対向面38
と環状凸部36の内壁とが対向する程度にアーマチャ3
0とロアコア34とが接近している状況下では、アーマ
チャ30に対して、何らアーマチャ30をロアコア34
側に付勢しない方向(径方向)に作用する。このため、
アーマチャ30とロアコア34とが近接している状況下
でアーマチャ30をロアコア34へ引き寄せる力(近接
時吸引力FN )は、軸方向エアギャップを流れる磁束が
大きいほど大きな値となる。
【0037】軸方向エアギャップは、アーマチャ30が
ロアコア34に接近する過程で、アーマチャ30の変位
量に比例して減少し、アーマチャ30がロアコア34に
当接することにより最小値“0”に到達する。一方、径
方向エアギャップは、アーマチャ30がロアコア34に
接近する過程で、凸部対向面38の下端部が環状凸部3
6の上端部に到達した時点で最小値GMIN に達する。従
って、凸部対向面38の下端部が環状凸部36の上端部
に到達した後、軸方向エアギャップがGMIN 以下となる
までは、径方向エアギャップが軸方向エアギャップに比
して小さい状態が形成される。
【0038】ロア磁気回路64を流れる磁束ΦL は、磁
気抵抗の小さな経路を通って流通しようとする。このた
め、アーマチャ30がロアコア34に接近する過程で、
径方向エアギャップが軸方向エアギャップに比して大き
い状況下では、ロア磁気回路64を流れる磁束ΦL が、
多分に径方向エアギャップを通って流通する。この場
合、近接時吸引力FN は、磁束ΦL に対して比較的小さ
な値となる。また、この場合、近接時吸引力FN は、ア
ーマチャ30がロアコア34に接近する過程で比較的緩
やかな変化を示す。
【0039】従って、電磁駆動弁10において、アーマ
チャ30とロアコア34との間に作用する近接時吸引力
N (以下、ロア近接時吸引力と称す)は、アーマチャ
30とアッパコア32との間に作用する近接時吸引力F
N (以下、アッパ近接時吸引力徒渉す)に比して小さな
値となる。また、アーマチャ30がロアコア34に接近
する過程でロア近接時吸引力に生ずる変化は、アーマチ
ャ30がアッパコア32に接近する過程でアッパ近接時
吸引力に生ずる変化に比して緩やかとなる。
【0040】図6は、アッパコイル40に所定電流I0
を供給した際にアッパコア32およびアーマチャ30を
通って還流する磁束ΦU の流れを示す。図6に示す磁束
ΦUの流れは、アーマチャ30がアッパコア32に当接
している場合に実現される。アッパ磁気回路62の磁気
抵抗RU はアーマチャ30とアッパコア32とが当接し
ている場合に最小値となる。この場合、アッパ磁気回路
62には、励磁電流I0 に対する最大の磁束ΦUMIN
流通すると共に、アーマチャ30とアッパコア32との
間には、励磁電流I0 に対する最大の吸引力が発生す
る。以下、この吸引力を当接時吸引力FC と称す。
【0041】図7は、ロアコイル42に所定電流I0
供給した際にロアコア34およびアーマチャ30を通っ
て還流する磁束ΦL の流れを示す。図7に示す磁束ΦL
の流れは、アーマチャ30がロアコア34に当接してい
る場合に実現される。ロア磁気回路64の磁気抵抗RL
はアーマチャ30とロアコア34とが当接している場合
に最小値となる。この場合、ロア磁気回路64には、励
磁電流I0 に対して最大の磁束ΦL が流通する。本実施
例において、アーマチャ30の凸部対向面38とロアコ
ア34の環状凸部36との間には、常に最小値GMIN
上のエアギャップが形成される。従って、アーマチャ3
0とロアコア34とが当接する場合は、磁束ΦL の殆ど
全てがアーマチャ30の底面とロアコア34の上面との
間で授受される。この場合、アーマチャ30とロアコア
34との間には、励磁電流I0 に対して、アーマチャ3
0とアッパコア32との間に作用する当接時吸引力FC
とほぼ等しい当接時吸引力FC が作用する。
【0042】図8は、弁体18のストロークに対する電
磁駆動弁10の特性を示す。図8中に示す曲線は、ア
ッパコイル40に励磁電流I0 を供給しつつ弁体18を
中立位置と全閉位置との間で変位させた場合に、アーマ
チャ30とアッパコア32との間に作用する吸引力を示
す。また、図8中に示す曲線は、ロアコイル42に励
磁電流I0 を供給しつつ弁体18を中立位置と全開位置
との間で変位させた場合に、アーマチャ30とロアコア
34との間に作用する吸引力を示す。更に、図8中に示
す直線は、弁体18を中立位置と全開位置との間、ま
たは、中立位置と全閉位置との間で変位させた場合にア
ッパスプリング60およびロアスプリング26が発する
バネ力を示す。
【0043】上述の如く、アッパコイル40とロアコイ
ル42とに等しい励磁電流I0 が供給される場合、離間
時吸引力FF は、アーマチャ30とロアコア34との間
において、アーマチャとアッパコア32との間に比して
大きな値となる。また、近接時吸引力FN は、アーマチ
ャ30とロアコア34との間において、アーマチャとア
ッパコア32との間に比して小さな値となる。更に、当
接時吸引力FC は、アーマチャ30とロアコア34との
間、および、アーマチャ30とアッパコア32との間で
ほぼ等しくなる。
【0044】このため、曲線に示す如く、アーマチャ
30とアッパコア32との間に作用する吸引力は、弁体
18が中立位置近傍に位置する場合に比較的小さく、弁
体18が全開位置に近づくに連れて比較的急激に増加す
る傾向を示す。一方、曲線に示す如く、アーマチャ3
0とロアコア34との間に作用する吸引力は、弁体18
が中立位置近傍に位置する場合に比較的大きく、弁体1
8が全開位置に近づくに連れて比較的緩やかに増加する
傾向を示す。
【0045】上述の如く、電磁駆動弁10は、内燃機関
の排気弁として用いられる。従って、電磁駆動弁10
は、燃焼室16に高圧の燃焼圧が残存する状況下で弁体
18を開弁させようとし、その燃焼圧が排出された後に
弁体18を閉弁させようとする。燃焼室16に高圧の燃
焼圧が残存する状況下では、弁体18が開弁方向に変位
する際に、弁体18に大きな負荷が加わる。一方、その
後弁体18が閉弁方向に変位する際には、弁体18にさ
ほど大きな負荷は加わらない。
【0046】電磁駆動弁10において、全閉位置に保持
されている弁体18は、アッパコイル40への励磁電流
の供給が停止された後、アッパスプリング60およびロ
アスプリング26に付勢されることにより開弁方向に変
位する。同様に、電磁駆動弁10において、全開位置に
保持されている弁体18は、ロアコイル42への励磁電
流の供給が停止された後、アッパスプリング60および
ロアスプリング26に付勢されることにより閉弁方向に
変位する。
【0047】図8中にを付して表す開弁時最大到達位
置は、開弁時に、弁体18がアッパスプリング60およ
びロアスプリング26に付勢されることにより到達し得
る位置を示す。また、図8中にを付して表す閉弁時最
大到達位置は、閉弁時に、弁体18がアッパスプリング
60およびロアスプリング26に付勢されることにより
到達する位置を示す。弁体18の開弁時には、上記の如
く閉弁時に比して大きな負荷が発生する。このため、開
弁時最大到達位置は、閉弁時最大到達位置に比して
中立点側に偏った位置となる。
【0048】弁体18を適正に全開位置に変位させるた
めには、弁体18が開弁時最大到達位置に位置する際
に、アーマチャ30とロアコア34との間に、アッパス
プリング60およびロアスプリング26が発するバネ力
(弁体18を中立位置に付勢するバネ力)に勝る吸引力
が発生する必要がある。図8において曲線および直線
に示す如く、電磁駆動弁10においては上記の要求が
満たされている。従って、電磁駆動弁10によれば、弁
体18を適正に全開位置まで変位させることができる。
【0049】ところで、弁体18がアッパコア32側に
開弁時最大到達位置と等しい距離だけストロークして
いる場合に、アーマチャ30とアッパコア32との間に
作用する吸引力は、その際にアッパスプリング60およ
びロアスプリング26が発生するバネ力に比して小さな
値となる。従って、ロアコア34の構成がアッパコア3
2の構成と同様である場合は、すなわち、ロアコア34
が環状凸部36を備えていない場合は、ロアコイル42
に励磁電流I0 を供給することでは、弁体18を適正に
全閉位置まで変位させることができない。この点、電磁
駆動弁10は、少ない消費電力で弁体18を全閉位置ま
で変位させ得るという特性を有している。
【0050】弁体18を適正に全閉位置に変位させるた
めには、弁体18が閉弁時最大到達位置に位置する際
に、アーマチャ30とアッパコア32との間に、アッパ
スプリング60およびロアスプリング26が発するバネ
力(弁体18を中立位置に付勢するバネ力)に勝る吸引
力が発生する必要がある。図8において曲線および直
線に示す如く、電磁駆動弁10においては上記の要求
が満たされている。従って、電磁駆動弁10によれば、
弁体18を適正に全開位置まで変位させることができ
る。
【0051】ところで、電磁駆動弁10の弁体18は、
アーマチャ30とアッパコア32との間に作用する吸引
力が、弁体18が閉弁時最大到達位置に到達するまで
の期間中に如何に小さな値であっても、弁体18が閉弁
時最大到達位置に到達した時点で上記の条件が満たさ
れてさえいれば、適正に全閉位置まで変位する。図8に
示す如く、アッパコイル40に励磁電流I0 を供給する
と、弁体18が閉弁時最大到達位置にした時点で、ア
ーマチャ30とアッパコア32との間に、アッパスプリ
ング60およびロアスプリング26の発するバネ力に比
して十分に大きな吸引力が発生する。従って、電磁駆動
弁10によれば、アッパコイル40に供給する励磁電流
を、所定値I0 に比して小さな値としても、適正に弁体
18を全閉位置まで変位させることができる。
【0052】図8において曲線および曲線に示す如
く、励磁電流I0 に対して大きな近接時吸引力FN を発
生させるうえでは、アッパコア32の構造がロアコア3
4の構造に比して適している。従って、弁体18が閉弁
時最大到達位置に位置する際に、アッパスプリング6
0およびロアスプリング26の発するバネ力に勝る吸引
力を、少ない消費電力で発生させるうえでは、アッパコ
ア32の構造がロアコア34の構造に比して適してい
る。本実施例において、アッパコイル40に供給される
励磁電流は、弁体18が閉弁時最大到達位置に位置す
る際に、アーマチャ30とアッパコア32との間に、ア
ッパスプリング60およびロアスプリング26の発する
バネ力に僅かに勝る吸引力を発生させる値に設定されて
いる。このため、電磁駆動弁10によれば、弁体18を
全閉位置に変位させる際に優れた省電力特性を実現する
ことができる。
【0053】内燃機関の作動中には、弁体18を全閉位
置または全開位置に維持する必要が生ずる。電磁駆動弁
10によれば、弁体18が全閉位置または全開位置に到
達した後に、すなわち、アーマチャ30がロアコア34
またはアッパコア32に到達した後に、ロアコイル42
またはアッパコイル40に適当な励磁電流を供給するこ
とで、弁体18を全閉位置または全開位置に維持するこ
とができる。
【0054】上述の如く、アーマチャ30とアッパコア
32との間、および、アーマチャ30とロアコア34と
の間には、励磁電流I0 に対してほぼ同等の当接時吸引
力F C が発生する。従って、電磁駆動弁10によれば、
弁体18を全閉位置に維持する場合の他、弁体18を全
開位置に維持する場合においても、優れた省電力特性を
実現することができる。
【0055】上述の如く、本実施例の電磁駆動弁10の
特性は、弁体18が開閉する時期と内燃機関の作動状態
との関係を考慮して設定されている。このため、電磁駆
動弁10によれば、内燃機関の作動中に、優れた省電力
特性を実現しつつ、適正に弁体18を開閉動作させるこ
とができる。尚、上記の実施例においては、アッパスプ
リング60およいロアスプリング26が前記請求項1記
載の「弾性体」に、アッパコア32およびロアコア34
が前記請求項1記載の「第1および第2のコア」に、ロ
アコア34が前記請求項1記載の「一方のコア」に、ア
ッパコア32が前記請求項1記載の「他方のコア」に、
環状凸部36が前記請求項1記載の「凸部」に、それぞ
れ相当している。
【0056】ところで、上記の実施例においては、アッ
パコア32には凸部を設けないこととしているが、本発
明はこれに限定されるものではなく、アッパコア32
に、環状凸部36に比して小さな凸部を設けることとし
ても良い。次に、図9を参照して、本発明の第2実施例
の電磁駆動弁について説明する。図9は、本実施例の電
磁駆動弁の要部の断面図を示す。尚、図9において、上
記図1に示す構成部分と同一の部分については、同一の
符号を付してその説明を省略する。
【0057】本実施例の電磁駆動弁は、上記図1に示す
構成において、ロアコア34およびアーマチャ軸28
を、図9に示すロアコア70およびアーマチャ軸72に
変更することで実現される。ロアコア70は、アーマチ
ャ軸72を取り巻く部位に環状凸部74を備えている。
一方、アーマチャ軸72には、アーマチャ30との結合
部において、環状凸部74を収納するための凹部76が
設けられている。
【0058】アーマチャ軸72に凹部76が設けられた
結果、アーマチャ30の内周面には、凸部対向面78が
形成されている。アーマチャ30の凸部対向面78は、
アーマチャ30とロアコア70とが近接している場合に
おいて、環状凸部74の内周面に対向する。アーマチャ
30の内径は、環状凸部74の外径に比して僅かに大き
く設定されている。このため、凸部対向面78と環状凸
部74との間には、常に所定のクリアランスが確保され
る。
【0059】本実施例の電磁駆動弁において、環状凸部
74および凸部対向面78は、第1実施例における環状
凸部36および凸部対向面38と同様に機能する。従っ
て、本実施例の電磁駆動弁によれば、第1実施例の電磁
駆動弁10と同様に、内燃機関の作動中に、優れた省電
力特性を実現しつつ、適正に弁体18を開閉動作させる
ことができる。
【0060】次に、図10を参照して、本発明の第3実
施例の電磁駆動弁について説明する。図10は、本実施
例の電磁駆動弁の要部の断面図を示す。尚、図10にお
いて、上記図1に示す構成部分と同一の部分について
は、同一の符号を付してその説明を省略する。
【0061】本実施例の電磁駆動弁は、上記図1に示す
構成において、ロアコア34およびアーマチャ30を、
図10に示すロアコア80およびアーマチャ軸82に変
更することで実現される。ロアコア80は、その最外周
部分に第1環状凸部84を備えていると共に、第1環状
凸部84の内周側に環状溝86を備えている。第1環状
凸部84の内周面には第1凸部対向面87が形成されて
いる。一方、アーマチャ82は、その最外周部分に第2
環状凸部88を備えている。第2環状凸部88の外周面
には、第2凸部対向面90が形成されている。
【0062】第2環状凸部88は、アーマチャ82とロ
アコア80とが近接する場合に、ロアコア80の環状溝
86と嵌合するように、かつ、第2凸部対向面90が第
1環状凸部84の内壁と対向するように、すなわち、第
2環状凸部88の外周面が第1凸部対向面87と対向す
るように設けられている。アーマチャ82の外径は、第
1環状凸部84の外径に比して僅かに小さく設定されて
いる。このため、第2環状凸部88と第1凸部対向面8
7との間には、すなわち、第1環状凸部84と第2凸部
対向面90との間には、常に所定のクリアランスが確保
される。
【0063】本実施例の電磁駆動弁において、第1環状
凸部84および第2環状凸部88は、第1実施例におけ
る環状凸部36と同様に機能する。また、本実施例の電
磁駆動弁において、第1凸部対向面87および第2凸部
対向面90は、第1実施例における凸部対向面38と同
様に機能する。従って、本実施例の電磁駆動弁によれ
ば、第1実施例の電磁駆動弁10と同様に、内燃機関の
作動中に、優れた省電力特性を実現しつつ、適正に弁体
18を開閉動作させることができる。
【0064】尚、上記の実施例においては、アッパスプ
リング60およびロアスプリング26が前記請求項3記
載の「弾性体」に、アッパコア32およびロアコア80
が前記請求項3記載の「第1および第2のコア」に、ロ
アコア80が前記請求項3記載の「一方のコア」に、第
2環状凸部88が前記請求項3記載の「凸部」に、第1
凸部対向面87が前記請求項3記載の「凸部対向面」
に、それぞれ相当している。
【0065】ところで、上記の実施例においては、アー
マチャ82からアッパコア32側に突出する凸部を設け
ないこととしているが、本発明はこれに限定されるもの
ではなく、アーマチャ82のアッパコア32側に、第2
環状凸部88に比して小さな凸部を設けることとしても
良い。また、上記の実施例においては、ロアコア80お
よびアーマチャ82の双方に第1および第2環状凸部8
4,88を設けることとしているが、本発明はこれに限
定されるものではなく、アーマチャ82側にのみ環状凸
部を設けることとしてもよい。
【0066】
【発明の効果】上述の如く、本発明によれば、アーマチ
ャが一方のコアに接近する過程で弁体に大きな負荷が加
わり、かつ、アーマチャが他方のコアに接近する過程で
弁体に大きな負荷が加わらない場合に、弁体を、少ない
消費電力で適切に作動させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例の電磁駆動弁の断面図であ
る。
【図2】図1に示す電磁駆動弁においてアーマチャとア
ッパコアとが離間している状況下でアッパコイルの内外
周を還流する磁束ΦU の様子を表す図である。
【図3】図1に示す電磁駆動弁においてアーマチャとロ
アコアとが離間している状況下でロアコイルの内外周を
還流する磁束ΦL の様子を表す図である。
【図4】図1に示す電磁駆動弁においてアーマチャとア
ッパコアとが近接している状況下でアッパコイルの内外
周を還流する磁束ΦU の様子を表す図である。
【図5】図1に示す電磁駆動弁においてアーマチャとロ
アコアとが近接している状況下でロアコイルの内外周を
還流する磁束ΦL の様子を表す図である。
【図6】図1に示す電磁駆動弁においてアーマチャとア
ッパコアとが当接している状況下でアッパコイルの内外
周を還流する磁束ΦU の様子を表す図である。
【図7】図1に示す電磁駆動弁においてアーマチャとロ
アコアとが当接している状況下でロアコイルの内外周を
還流する磁束ΦL の様子を表す図である。
【図8】図1に示す電磁駆動弁の特性を表す図である。
【図9】本発明の第2実施例の電磁駆動弁の要部を表す
断面図である。
【図10】本発明の第3実施例の電磁駆動弁の要部を表
す断面図である。
【符号の説明】
10 電磁駆動弁 30;82 アーマチャ 32 アッパコア 34;70;80 ロアコア 36;74 環状凸部 38;78 凸部対向面 40 アッパコイル 42 ロアコイル 62 アッパ磁気回路 64 ロア磁気回路 84 第1環状凸部 87 第1凸部対向面 88 第2環状凸部 90 第2凸部対向面
フロントページの続き (72)発明者 浅野 昌彦 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動 車株式会社内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 弁体と共に変位するアーマチャと、アー
    マチャの両側に配設される弾性体と、アーマチャの両側
    に配設される第1および第2のコアと、第1および第2
    のコアにそれぞれ収納される第1および第2のコイルと
    を備える電磁駆動弁において、 前記第1および第2のコアの一方が、他方のコアに向け
    て所定長だけ突出する凸部を備えていると共に、 前記アーマチャが、該アーマチャが前記一方のコアに近
    接した際に、前記凸部の側面と対向する凸部対向面を備
    えていることを特徴とする電磁駆動弁。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の電磁駆動弁において、 前記第1および第2のコアの他方が、前記凸部に比して
    小さな小凸部を備えていることを特徴とする電磁駆動
    弁。
  3. 【請求項3】 弁体と共に変位するアーマチャと、アー
    マチャの両側に配設される弾性体と、アーマチャの両側
    に配設される第1および第2のコアと、第1および第2
    のコアにそれぞれ収納される第1および第2のコイルと
    を備える電磁駆動弁において、 前記アーマチャが、前記第1および第2のコアの一方の
    側に所定長だけ突出する凸部を備えていると共に、 前記一方のコアが、前記アーマチャが該一方のコアに近
    接した際に、前記凸部の側面と対向する凸部対向面を備
    えていることを特徴とする電磁駆動弁。
  4. 【請求項4】 請求項3記載の電磁駆動弁において、 前記アーマチャが、前記第1および第2のコアの他方の
    側に、前記凸部に比して小さな小凸部を備えていること
    を特徴とする電磁駆動弁。
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