JPH1193626A

JPH1193626A - 内燃機関用タペット

Info

Publication number: JPH1193626A
Application number: JP25153597A
Authority: JP
Inventors: Makoto Adegawa; 眞阿出川
Original assignee: Fuji Oozx Inc; Fuji Valve Co Ltd
Current assignee: Fuji Oozx Inc
Priority date: 1997-09-17
Filing date: 1997-09-17
Publication date: 1999-04-06

Abstract

(57)【要約】【課題】カム受板の上面の有効表面積が小となるのを
防止し、かつカム受板を容易に交換しうるようにする。【解決手段】有頂円筒形をなすタペット本体１の上面
に、それとほぼ等径をなすとともに、外周端の一部が切
欠かれた欠円状のカム受板６を、その下面と前記タペッ
ト本体１の上面との接触面に形成された径方向を向く案
内溝５と突条７同士を互いに摺動可能に嵌合することに
より装着し、かつ前記カム受板６の欠円部と同形をなす
補助受板８を、皿小ねじ１０によりタペット本体１の上
面に着脱可能として取付ける。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、内燃機関における
直動型の動弁機構に用いられるタペットに係り、特に、
タペット本体の上面のカム受板の着脱を容易としたタペ
ットに関する。

【０００２】

【従来の技術】この種の従来のタペットとしては、図６
に示すように、有頂円筒形をなすアルミニウム合金製の
タペット本体(１)における上面の凹孔(1a)内に、カム
(２)が摺接する硬質金属製のシム(３)を着脱可能として
嵌合したものや、図７に示すように、アルミニウム合金
製のタペット本体(１)の上部に形成された小径突部(1b)
の上面に、キャップ状の硬質のカム受板(４)を着脱可能
として嵌合したものがある。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】上述のようなシム(３)
やカム受板(４)を備えるタペットにおいては、それらが
摩耗したり、バルブクリアランスを調整したりする際
に、シムやカム受板を交換する必要がある。

【０００４】上記前者のタペットでは、シム(３)を保持
している周壁(1c)の上面を専用の工具を用いて押圧する
ことにより、タペットを押し下げ、シム(３)をカム(２)
に対して離間させれば、カムシャフトを取外すことな
く、シム(３)を上方より抜き取って交換することができ
る。

【０００５】しかし、シム(３)の上面のカム(２)が摺接
する部分の有効表面積が、周壁(1c)を形成した分だけ小
さくなる。そのため、エンジンバルブのリフト量を大き
くしようとすると、タペット本体(１)の外径を大とし
て、径の大きいシム(３)を装着する必要があり、エンジ
ン設計上の自由度が制限される。

【０００６】後者のタペットでは、カム受板(４)が、タ
ペット本体(１)の上部の小径突部(1b)に外嵌されている
ため、上述のように有効表面積が小さくなることはな
い。しかし、カム受板(４)を交換するに際し、タペット
本体(１)を押圧する部分がないので、カムシャフトを取
外して、カム受板(４)を上方に抜き取る必要があり、そ
の作業が非常に面倒である。

【０００７】本発明は、上記問題点に鑑みてなされたも
ので、使用に伴い、カム受板のカムが摺接する面の有効
表面積が小となるのを防止し、かつカム受板を容易に交
換しうるようにした内燃機関用タペットを提供すること
を目的としている。

【０００８】

【課題を解決するための手段】本発明によると、上記課
題は、次のようにして解決される。（１）有頂円筒形をなすタペット本体の上面に、それと
ほぼ等径をなすとともに、外周端の一部が切欠かれた欠
円状のカム受板を、その下面と前記タペット本体の上面
との接触面に形成された径方向を向く案内溝と突条同士
を互いに摺動可能に嵌合することにより装着し、かつ前
記カム受板の欠円部と同形をなす補助受板を、固定手段
によりタペット本体の上面に着脱可能として取付ける。

【０００９】（２）上記(１)項において、案内溝と突条
との嵌合部を、嵌合奥部側が拡幅されたものとする。

【００１０】

【発明の実施の形態】以下、本発明の実施例を、図面に
基づいて説明する。図１〜図３において、従来と同様、
有頂円筒形をなすアルミニウム合金製のタペット本体
(１)の上面には、１つの直径と平行をなす２本の直線案
内溝(５)(５)が、一方の外周縁から他方の外周縁の近傍
に亘って形成されている。

【００１１】タペット本体(１)の上面には、タペット本
体(１)の外径と等径をなす硬質金属製の円板の外周端部
の一部を、任意の接線と平行をなす切断面(6a)をもって
切除した欠円状のカム受板(６)が、その下面に突設され
た、前記切断面(6a)と直交し、かつ切断面(6a)から径方
向の反対側の外周端近傍に至って設けた、前記案内溝
(５)(５)と補形をなす２本の突条(７)(７)を、上記案内
溝(５)(５)に摺動可能に嵌合することにより、着脱自在
として載置されている。

【００１２】なお、タペット本体(１)とカム受板(６)に
おける案内溝(５)及び突条(７)を除く互いの接触面に
は、鏡面加工が施され、エンジンの運転時において、接
触面に形成される油膜により密着性を高め、カム受板
(６)が浮き上がるのを防止するようにしてある。

【００１３】カム受板(６)の欠円部には、その切除され
た部分を補うことにより、真円状のカム受面とするため
の三日月形の補助受板(８)が沿接され、補助受板(８)の
ほぼ中央部に穿設した貫通孔(９)へ上方より挿入した皿
小ねじ(10)を、タペット本体(１)の上面要所におけるめ
ねじ孔(11)に螺挿することにより、補助受板(８)は、タ
ペット本体(１)に着脱可能として止着されている。

【００１４】なお、補助受板(８)は、図２に示すよう
に、それとカム受板(６)との境界部が、カム(２)におけ
るノーズ部(2a)の先端の回転軌跡よりも外方に位置する
ように、その大きさが設定され、境界部やカム(２)が偏
摩耗するのを防止している。

【００１５】上記実施例のタペットにおいて、カム受板
(６)の摩耗やバルブクリアランス（カムとタペットとの
間に必要な隙間）の調整などのために、カム受板(６)を
取外して交換するには、まずカム(２)を、そのノーズ部
(2a)を除いたベースサークル面がカム受板(６)の上面に
位置するまで回転させる。

【００１６】この状態において、カム(２)とカム受板
(６)との間には、バルブクリアランスに相当する僅かの
隙間が形成されているので、皿小ねじ(10)を緩めて補助
受板(８)を取外し、カム受板(６)を案内溝(５)に沿って
側方へずらすのみで、これを容易に取外すことができ
る。

【００１７】従って、従来のように、タペット本体(１)
を特殊工具により押し下げたり、カムシャフトを取外し
たりする必要はなく、カム受板(６)の交換作業を迅速に
行いうる。

【００１８】図４及び図５は、タペット本体(１)の案内
溝とカム受板(６)の下面の突条の変形例を拡大して示
す。

【００１９】図４に示すものは、タペット本体(１)側
に、あり溝状の案内溝(12)を１個又は複数形成し、カム
受板(６)側には、案内溝(12)と補形をなす突条(13)を摺
動可能に嵌合してある。

【００２０】図５に示すものは、タペット本体(１)側
に、下部が拡幅する逆Ｔ字状の案内溝(14)を１個又は複
数形成し、この案内溝(14)に適正に嵌合されて摺動可能
な突条(15)を、カム受板(６)側に形成してある。

【００２１】このように、嵌合奥部側が拡幅する嵌合形
態とすると、カム受板(６)の浮き上がりが完全に防止さ
れるので、エンジンの運転中に、タペット本体(１)とカ
ム受板(６)との間に隙間が形成され、打音等を発生させ
る恐れはなくなる。

【００２２】本発明は、上記実施例に限定されるもので
ない。図１〜図３に示す実施例において、案内溝(５)及
び突条(７)を、１個又は２個以上とすることもある。

【００２３】上記各実施例では、いずれも、案内溝(５)
(12)(14)をタペット本体(１)側に、またそれらと嵌合す
る突条(７)(13)(15)をカム受板(６)にそれぞれ設けてい
るが、それとは反対に、案内溝(５)(12)(14)をカム受板
(６)側に、突条(７)(13)(15)をタペット本体(１)側にそ
れぞれ設けることもある。

【００２４】カム受板(６)における切断面(6a)を、非直
線として実施することもある。

【００２５】本発明は、タペット本体(１)が鉄製のもの
にも適用しうる。

【００２６】

【発明の効果】本発明によれば、カム受板を、タペット
本体の上面全体に設けてあるので、カムが摺接する面の
有効表面積が小となることはなく、従って、タペットの
径は最小限でよく、エンジン設計上の自由度が高まる。
また、補助受板を取外して、カム受板を径方向にずらす
だけで、容易に取外すことができるので、その交換作業
を迅速に行いうる。

【００２７】請求項２のようにすると、カム受板の浮き
上がりが防止されるので、打音等が発生する恐れはな
い。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の実施例を示す分解斜視図である。

【図２】同じく、カム受板装着時における図１のII−II
線に沿う拡大縦断正面図である。

【図３】同じく、図１のIII−III線に沿う拡大縦断側面
図である。

【図４】同じく、タペット本体の案内溝とカム受板の突
条との嵌合形態の変形例を示す要部の拡大断面図であ
る。

【図５】同じく、案内溝と突条との嵌合形態の他の変形
例を示す要部の拡大断面図である。

【図６】従来のタペットを示す中央縦断正面図である。

【図７】同じく、他のタペットの従来例を示す中央縦断
正面図である。

【符号の説明】

(１)タペット本体 (２)カム (2a)ノーズ部 (５)(12)(14)案内溝 (６)カム受板 (6a)切断面 (７)(13)(15)突条 (８)補助受板 (９)貫通孔 (10)皿小ねじ（固定手段） (11)めねじ孔

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】有頂円筒形をなすタペット本体の上面
に、それとほぼ等径をなすとともに、外周端の一部が切
欠かれた欠円状のカム受板を、その下面と前記タペット
本体の上面との接触面に形成された径方向を向く案内溝
と突条同士を互いに摺動可能に嵌合することにより装着
し、かつ前記カム受板の欠円部と同形をなす補助受板
を、固定手段によりタペット本体の上面に着脱可能とし
て取付けたことを特徴とする内燃機関用タペット。
【請求項２】案内溝と突条との嵌合部を、嵌合奥部側
が拡幅されたものとした請求項１記載の内燃機関用タペ
ット。