JPH1191343A - 暖房用熱交換器 - Google Patents

暖房用熱交換器

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JPH1191343A
JPH1191343A JP9258806A JP25880697A JPH1191343A JP H1191343 A JPH1191343 A JP H1191343A JP 9258806 A JP9258806 A JP 9258806A JP 25880697 A JP25880697 A JP 25880697A JP H1191343 A JPH1191343 A JP H1191343A
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JP
Japan
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heating
heat exchanger
air
heating element
tubes
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Application number
JP9258806A
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English (en)
Inventor
Yoshimitsu Inoue
美光 井上
Shinji Aoki
青木  新治
Tsunesato Takahashi
恒吏 高橋
Hajime Ito
肇 伊藤
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Denso Corp
Original Assignee
Denso Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 電気発熱体を利用して、暖房用熱交換器の吹
出温度分布を制御する。 【解決手段】 温水が流通するチューブ6を多数本並列
配置する熱交換用コア部3を有し、この熱交換用コア部
3の一部の部位に、電気発熱体9を設置する暖房用熱交
換器において、電気発熱体9をチューブ6と平行な方向
に設置するとともに、電気発熱体9に、チューブ6の長
手方向bに沿って複数個に分割された発熱体素子9aを
備え、この複数個の発熱体素子9aを独立に通電可能と
した。これにより、チューブ長手方向bに沿う吹出空気
温度分布を複数個の発熱体素子9aへの通電制御により
多様に変更できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は電気発熱体を一体化
した暖房用熱交換器に関するもので、車両エンジン(内
燃機関)にて加熱された温水(エンジン冷却水)を熱源
として空気を加熱する車両暖房用熱交換器に用いて好適
である。
【0002】
【従来の技術】近年、車両エンジンの高効率化に伴い、
エンジン暖機後においても車両エンジンの温水(冷却
水)温度が従前に比して低めの温度となる傾向にある。
そのため、エンジン冷却水からの廃熱を利用して車室内
の暖房を行う温水式空調装置においては、暖房能力不足
が課題になっている。
【0003】そこで、特開平5−69732号公報等で
は、温水式の暖房用熱交換器に電気発熱体を一体化し、
温水温度が低いときには電気発熱体に通電して、電気発
熱体の発熱により暖房空気を加熱することにより、暖房
能力の不足を解消するものが提案されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記の従来
装置では、電気発熱体への通電を温水(エンジン冷却
水)温度に応じて単純に断続するだけのものであるの
で、電気発熱体を利用して、暖房用熱交換器の吹出温度
分布を制御できるものではない。本発明は上記点に鑑み
てなされたもので、電気発熱体を利用して、吹出温度分
布を制御できる暖房用熱交換器を提供することを目的と
する。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、請求項1記載の発明では、熱源流体が流通するチュ
ーブ(6)を多数本並列配置する熱交換用コア部(3)
を有し、この熱交換用コア部(3)の一部の部位に、電
気発熱体(9)を設置する暖房用熱交換器において、電
気発熱体(9)をチューブ(6)と平行な方向に設置す
るとともに、電気発熱体(9)に、チューブ(6)の長
手方向(b)に沿って複数個に分割された発熱体素子
(9a)を備え、この複数個の発熱体素子(9a)を独
立に通電可能としたことを特徴としている。
【0006】これによると、チューブ長手方向(b)に
分割された複数個の発熱体素子(9a)への通電を独立
に制御することにより、複数個の発熱体素子(9a)の
いずれか一方のみの通電モード、他方の発熱体素子(9
a)のみの通電モード、複数個の発熱体素子(9a)へ
の同時通電モード、複数個の発熱体素子(9a)への通
電遮断モード等を設定することができる。
【0007】これにより、チューブ長手方向(b)に沿
う吹出空気温度分布を図5に例示するように空調側の要
求に基づいて多様に変更でき、空調フィーリングの向上
に貢献できる。また、請求項4記載の発明では、多数本
のチューブ(6)に熱源流体を分配する入口側タンク
(1)と、多数本のチューブ(6)を通過した熱源流体
を集合する出口側タンク(2)とを有し、入口側タンク
(1)から出口側タンク(2)に向かって、熱源流体が
多数本のチューブ(6)を一方向に流通することを特徴
としている。
【0008】これによると、熱源流体の温度が入口側タ
ンク(1)から出口側タンク(2)に向かって低下する
熱交換器(H)においても、熱交換器(H)のチューブ
長手方向(b)に沿う吹出空気温度分布を複数個の発熱
体素子(9a)への通電制御により多様に変更(図5参
照)できる。また、請求項5記載の発明では、請求項4
に記載の暖房用熱交換器(H)を有し、この暖房用熱交
換器(H)を、入口側タンク(1)が下側に位置し、出
口側タンク(2)が上側に位置するようにして、空調ケ
ース(24)内に収容した車両用空調装置を特徴として
いる。
【0009】これによると、車両用空調装置において、
暖房用熱交換器(H)の上下方向の吹出空気温度分布を
複数個の発熱体素子(9a)への通電制御により多様に
変更(図5参照)できる。また、請求項6記載の発明で
は、空調ケース(24)のうち、暖房用熱交換器(H)
の空気下流側の上方部に、車両窓ガラスの内側に空気を
吹き出すためのデフロスタ開口部(28)および乗員の
上半身に向けて空気を吹き出すフェイス開口部(29)
を配置し、空調ケース(25)のうち、暖房用熱交換器
(H)の空気下流側の下方部に乗員の足元に向けて空気
を吹き出すフット開口部(30)を配置したことを特徴
としている。
【0010】これによると、車両用空調装置において、
デフロスタ開口部(28)およびフェイス開口部(2
9)からの吹出空気温度と、フット開口部(30)から
の吹出空気温度との分布を複数個の発熱体素子(9a)
への通電制御により多様に変更(図5参照)できる。な
お、上記各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態記
載の具体的手段との対応関係を示すものである。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を図に基
づいて説明する。 (第1実施形態)図1〜図4は本発明を適用した車両暖
房用熱交換器Hの第1実施形態を示すもので、図1、2
において、この熱交換器Hは、温水入口側タンク1と、
温水出口側タンク2と、この両タンク1、2の間に設け
られた熱交換用コア部3とを有している。
【0012】温水入口側タンク1の長手方向(図1の左
右方向)の一端部には図示しない車両エンジンからのエ
ンジン冷却水、すなわち温水(熱源流体)が流入する入
口パイプ4が設けられている。同様に、温水出口側タン
ク2の長手方向の一端部には出口パイプ5が設けられて
おり、この出口パイプ5から温水を外部へ流出させ、エ
ンジン側に還流させる。
【0013】各タンク1、2の底面部1a、2a(図2
参照)には偏平状のチューブ挿入穴(図示せず)が多数
個、図2の上下方向に並んで形成されている。熱交換用
コア部3は暖房用空気の流れ方向(図2の矢印a方向)
に対して平行な偏平状に形成された偏平チューブ6を多
数個図2の上下方向に並列配置している。なお、図2に
示す偏平チューブ6は、偏平断面の中央部にチューブ内
通路を2分割する接合部を有する形状であり、この偏平
チューブ6を暖房用空気の流れ方向aに対して1列のみ
配置しているが、偏平チューブ6を暖房用空気の流れ方
向aに対して複数列配置してもよい。
【0014】そして、この多数個の偏平チューブ6相互
の間に波形状に成形されたコルゲートフィン(フィン部
材)7を配置し接合している。このコルゲートフィン7
には周知のごとく暖房用空気の流れ方向aに対して所定
角度で斜めに多数のルーバ7aが切り起こし成形されて
おり、このルーバ7aの形成によりフィン熱伝達率を向
上させている。
【0015】偏平チューブ6の両端開口部は、各タンク
1、2の底面部1a、2aのチューブ挿入穴内にそれぞ
れ挿通され、接合される。また、コア部3の最外側(図
2の上下両端部)のコルゲートフィン7のさらに外側に
はサイドプレート8a、8bが配設され、このサイドプ
レート8a、8bは最外側のコルゲートフィン7および
タンク1、2に接合される。
【0016】そして、熱交換用コア部3のうち、電気発
熱体9が設置される部位では、図3に示すように、隣接
するコルゲートフィン7の折り曲げ頂部に、それぞれ偏
平チューブ6の長手方向に延びる平板状の金属製保持板
10、11を接合するとともに、この2枚の金属製保持
板10、11の間に所定間隔L(L=電気発熱体9の厚
み)を設定して、この2枚の保持板10、11の間に電
気発熱体9を組み付ける構造となっている。なお、2枚
の保持板10、11の長さは、図2において熱交換用コ
ア部3の幅(図2左右方向の寸法)と略同一にしてあ
る。
【0017】本例における熱交換器Hでは、上記各構成
部品1〜8bおよび2枚の保持板10、11のすべてが
アルミニュウム(アルミニュウム合金も含む)にて成形
されており、これらのアルミニュウム製の構成部品1〜
8bおよび保持板10、11はろう付けにて接合され、
熱交換器が組立られる。ところで、熱交換用コア部3の
一部の部位に、偏平チューブ6の代わりに、電気発熱体
9を設置しているため、2枚の金属製保持板10、11
の板厚と電気発熱体9の厚さLとを含む全体の厚さが偏
平チューブ6の厚さ(例えば、1mm)と同一となるよ
うに設定してある。図2の例では、熱交換用コア部3の
3箇所(斜線部)に電気発熱体9を等間隔で設置してい
る。
【0018】この電気発熱体9は図3に示すように、板
状の発熱体素子9aと、この発熱体素子9aの表裏両面
に配置された細長の平板状の電極板9b、9eと電極板
9cとからなる3層のサンドウイッチ構造になってい
る。発熱体素子9aは所定の設定温度(例えば、90°
C付近)T0 にて抵抗値が急増する正の抵抗温度特性を
有する抵抗体材料(例えば、チタン酸バリウム)からな
るPTCヒータ素子である。
【0019】上記電極板9b、9e、9cは例えば銅等
の導電金属材から成形されており、この電極板9b、9
e、9cの長手方向において発熱体素子9aは複数個、
配置されている。そして、発熱体素子9aと電極板9
b、9e、9cの間は互いに圧接することにより、両者
間の電気的導通を得るようにしてある。発熱体素子9a
の片面に位置する電極板9b、9eは例えば、正極側電
極板であり、また、他の片面に位置する電極板9cは例
えば、負極側(設置側)電極板である。
【0020】ここで、3箇所の電気発熱体9はそれぞ
れ、図1に示すように熱交換用コア部3の偏平チューブ
長手方向(温水流れ方向)bにおいて、上下に2分割し
て、この上下に2分割された電気発熱体9をそれぞれ独
立に通電し得るようにしてある。この上下2分割構造を
成立するため、正極側電極板を図1の上下方向の中間部
位にて2つの電極板9b、9eに分割して、発熱体素子
9aを電気的に上側と下側の2つの群に分割している。
【0021】これに対し、負極側(接地側)電極板9c
は熱交換用コア部3のチューブ長手方向bの全長にわた
って連続した1つの平板からなる。一方、電極板9b、
9e、9cの周囲を全周にわたって電気的絶縁材料から
なる被覆部材9dにより被覆してある。そして、この被
覆部材9dが保持板10、11に圧接するようにして、
2枚の保持板10、11の間に電気発熱体9が組み付け
られる。
【0022】ここで、被覆部材9dは保持板10、11
と両電極板9b、9e、9cとの間の電気的な絶縁作用
を果たすと同時に、発熱体素子9aの熱を保持板10、
11に伝導する役割を果たすため、保持板10、11と
両電極板9b、9e、9cとの間の被覆部材9dの厚さ
は例えば、25μ〜100μ程度の薄膜状にして、熱伝
導作用を確保している。被覆部材9dの具体的材質とし
ては高耐熱性の樹脂(例えば、ポリイミド樹脂等)が好
ましい。
【0023】なお、熱交換用コア部3には、多数本の偏
平チューブ6群と直交する方向に締付け力を作用させる
締結(バンド)部材(図示せず)を装着して、この締結
部材の締付け力により電気発熱体9を熱交換用コア部3
の2枚の保持板10、11の間に保持するとともに、発
熱体素子9aと両電極板9b、9e、9cとを圧接し
て、この両者9a、9b、9e、9c間の電気的導通を
得ている。
【0024】次に、図1により電気発熱体9への通電を
制御するための制御系を説明すると、空調用電子制御装
置12はマイクロコンピュータ等から構成されるもので
あり、予め設定されたプログラムに基づいて所定の演算
処理を行って電気発熱体9等への通電を制御する。電子
制御装置12の出力信号はリレー13、14に加えら
れ、このリレー13、14によって正極側電極板9b、
9eを通して電気発熱体9の上側の発熱体素子9aおよ
び下側の発熱体素子9aへの通電が断続される。従っ
て、本例では、電子制御装置12とリレー13、14と
により、上下の発熱体素子9aへの通電を制御する制御
手段を構成している。
【0025】また、電子制御装置12には車両エンジン
(図示せず)の運転を断続するイグニッションスイッチ
15を介して車載バッテリ16から電源が供給される。
この車載バッテリ16にはオルタネータ(交流発電機)
17が接続され、このオルタネータ17の出力電圧によ
りバッテリ16が充電される。一方、電子制御装置12
には次の各種センサ類からの信号が入力される。すなわ
ち、水冷式車両エンジンの温水温度を検出する水温セン
サ18、外気温を検出する外気温センサ19、車載バッ
テリ16の充電電圧に応じた信号を発生するバッテリ電
圧センサ(バッテリ充電信号発生手段)20、最大暖房
状態の信号を発生する最大暖房スイッチ21、空調作動
スイッチ(例えば、空調送風スイッチ)22等からの信
号が電子制御装置12に入力される。
【0026】上記最大暖房スイッチ21は車両用空調装
置が最大暖房状態にあるか否かに応じて開閉されるもの
である。例えば、車両用空調装置の温度調整方式が周知
の温水流量調整方式である場合は、図4に示すように、
暖房用熱交換器Hに流入する温水流量を調整する温水弁
23が全開位置に操作されて、暖房用熱交換器Hに温水
が最大流量流入する状態(最大暖房状態)にあるとき、
最大暖房スイッチ21はオン状態となる。
【0027】なお、図4において、暖房用熱交換器Hの
入口側タンク1が下側に位置し、出口側タンク2が上側
に位置するようにして、暖房用熱交換器Hは空調ケース
24)内に収容されている。空調ケース24の空気流れ
上流端には内外気切替箱25が設けられ、この内外気切
替箱25を通して吸入された空気(内気または外気)は
遠心送風機26により送風される。この送風空気は冷房
用熱交換器(蒸発器)27で冷却された後に、暖房用熱
交換器Hを通過して所定温度まで再加熱される。
【0028】ここで、空調ケース24のうち、暖房用熱
交換器Hの空気下流側の上方部に、車両窓ガラスの内側
に空気を吹き出すためのデフロスタ開口部28および乗
員の上半身に向けて空気を吹き出すフェイス開口部29
を配置している。また、空調ケース25のうち、暖房用
熱交換器Hの空気下流側の下方部に乗員の足元に向けて
空気を吹き出すフット開口部30を配置している。これ
らの各開口部28〜30は吹出モード切替用ドア31、
32、33により開閉される。
【0029】従って、この吹出モード切替用ドア31〜
33の開閉により、デフロスタ開口部28、フェイス開
口部29、フット開口部30のいずれか1つまたは複数
の開口部を通過して所定温度の空気を車室内へ吹き出す
ことができる。次に、上記構成において作動を説明す
る。まず、最初に、各機能部品による作動の概要を説明
する。車室の暖房を行うときには、空調用送風機26を
作動させるとともに、暖房用熱交換器Hへの温水回路に
備えられた温水弁23を開弁させる。空調用送風機26
の作動によって、暖房用熱交換器Hの偏平チューブ6と
コルゲートフィン7との間の空隙部を暖房用空気が通過
する。一方、車両用エンジンのウォータポンプの作動に
よりエンジンからの温水が温水弁23を介して暖房用熱
交換器Hの入口パイプ4より温水入口側タンク1内に流
入する。
【0030】そして、温水は、入口側タンク1にて多数
本の偏平チューブ6に分配され、この偏平チューブ6を
並列に流れる間にコルゲートフィン7を介して暖房用空
気に放熱する。多数本の偏平チューブ6を通過した温水
は、温水出口側タンク2に流入し、ここで集合され、出
口パイプ5から温水は熱交換器外部へ流出し、エンジン
側に還流する。
【0031】一方、暖房時において、温水温度が低く
て、電気発熱体9を発熱させる必要があるときは、リレ
ー13、14をオンして電気発熱体9に車載バッテリ1
6の電圧を印加する。これにより、各電気発熱体9が通
電され発熱する。各電気発熱体9の発熱は両側のコルゲ
ートフィン7に伝導されて、このコルゲートフィン7か
ら暖房用空気に放熱される。従って、温水の低温時でも
暖房空気を速やかに加熱して即効暖房を行うことができ
る。
【0032】ここで、電気発熱体9の発熱体素子9aは
所定のキューリ点にて抵抗値が急増する正の抵抗温度特
性を有するPTC素子であるから、周知のごとく、その
発熱温度をキューリ点に自己制御する自己温度制御機能
を備えている。次に、本発明の特徴とする電気発熱体9
により暖房用熱交換器Hの吹出空気温度分布を制御する
作用について説明すると、電気発熱体9の発熱体素子9
aは、熱交換用コア部3のチューブ長手方向(温水流れ
方向)bに2分割されているので、この2分割の発熱体
素子9a、すなわち、上側の発熱体素子9aと下側の発
熱体素子9aへの通電を独立制御できる。
【0033】従って、上下の両発熱体素子9a、9aを
同時に通電する第1モードと、上側の発熱体素子9aの
み通電する第2モードと、下側の発熱体素子9aのみ通
電する第3モードと、上下の両発熱体素子9a、9aへ
の通電を同時に遮断する第4モードとを設定できる。そ
れ故、この上下の発熱体素子9a、9aへの通電制御に
より、暖房用熱交換器Hの吹出空気温度分布を図5に示
すように種々な要求に対応した形態に設定できる。
【0034】図5の最大暖房時は温水弁23が全開位置
に操作されて、暖房用熱交換器Hに温水が最大流量流入
する状態にあるときであり、一方、温度制御時とは、温
水弁23が中間開度位置に操作されて、暖房用熱交換器
Hに温水が所定流量に絞られて流入する状態にあるとき
である。最大暖房時において、最大能力を必要とすると
きは、上下の両発熱体素子9a、9aを同時に通電する
第1モードを設定する。これにより、暖房用熱交換器H
の吹出空気温度分布は、上下の両発熱体素子9a、9a
の非通電時の破線で示す温度分布から実線で示すレ
ベルまで吹出温度を高めることができ、最大の暖房能力
を発揮できる。
【0035】また、最大暖房時において、デフロスタ開
口部28からの吹出空気温度、およびサイドフェイス開
口部29(フェイス開口部29のうち、車両計器盤の左
右両端部に位置して、冬期にはサイドウインドの曇り止
めに用いられる吹出開口部)からの吹出空気温度を優先
的に高めたいときは、上側の発熱体素子9aのみを通電
する第2モードを設定する。これにより、暖房用熱交換
器Hの吹出空気温度分布は、上側の発熱体素子9aの発
熱により、発熱体素子非通電時の破線で示す温度分布
から実線で示すように、暖房用熱交換器Hの上側の吹
出空気温度を優先的に高めることができる。
【0036】その結果、空調ケース24の上側に配置さ
れたデフロスタ開口部28およびサイドフェイス開口部
29からの吹出空気温度をフット開口部30からの吹出
空気温度に比して優先的に高めることができるので、車
両窓ガラスの曇り止め能力を高めることができる。ま
た、最大暖房時において、乗員の顔部の火照り感を防止
したいときは、下側の発熱体素子9aのみを通電する第
3モードを設定する。これにより、暖房用熱交換器Hの
吹出空気温度分布は、下側の発熱体素子9aの発熱によ
り、発熱体素子非通電時の破線で示す温度分布から実
線で示すように、暖房用熱交換器Hの下側の吹出空気
温度を優先的に高めることができる。
【0037】その結果、デフロスタ開口部28からの吹
出空気温度およびサイドフェイス開口部29からの吹出
空気温度に比して、フット開口部30からの吹出空気温
度を優先的に高めることができるので、車室内への吹出
温度分布を頭寒足熱型にすることができ、乗員の顔部の
火照り感を防止できる。一方、温度制御時において、フ
ェイス開口部29とフット開口部30からの吹出空気温
度を同温度にして、この両開口部29、30から空気を
吹き出す同温バイレベルモードを設定するときは、上側
の発熱体素子9aのみを通電する第2モードを設定す
る。
【0038】ここで、暖房用熱交換器Hは下側の入口側
タンク1から上側の出口側タンク2に向かって全部の偏
平チューブ6を温水が一方向に流れるので、温水の温度
が下側から上側へ行くにつれて低下する。特に、温度制
御時には温水流量が温水弁23により少流量に絞られて
いるので、上側での温水温度の低下割合が大きくなる。
このため、発熱体素子非通電時には破線で示すよう
に、暖房用熱交換器Hの吹出空気温度分布は下側で高
く、上側で低い分布となる。
【0039】しかし、上側の発熱体素子9aの発熱によ
り実線で示すように、上下の吹出温度分布を略同温に
することができ、フェイス開口部29とフット開口部3
0からの吹出空気温度を同温度にする同温バイレベルモ
ードを設定できる。また、温度制御時において、フェイ
ス開口部29からの吹出空気温度に比してフット開口部
30からの吹出空気温度を高くする通常のバイレベルモ
ードを設定するときは、上下の両発熱体素子9a、9a
への通電を同時に遮断する第4モードを設定する。これ
により、温水の温度が熱交換器下側から上側へ行くにつ
れて低下することを利用して、熱交換器下側で温度が高
く、上側で温度が低い吹出空気温度分布を得ることがで
き、通常のバイレベルモードを設定できる。
【0040】このように、暖房用熱交換器Hの種々な吹
出空気温度分布の要求に対して、電気発熱体9への通電
制御により良好に対応できる。 (第2実施形態)図6は第2実施形態であり、第1実施
形態では、電気発熱体9の発熱体素子9aを上下の2つ
の群に分割しているが、第2実施形態では電気発熱体9
の発熱体素子9aを上中下の3つの群に分割している。
このために、電気発熱体9の正極側の電極板を上中下の
3つの電極板9b、9e、9fに分割するとともに、こ
の3つの電極板9b、9e、9fへの電圧印加を3つの
リレー13、14、34により制御するようにしてあ
る。
【0041】第2実施形態によると、上中下の3つの発
熱体素子9aへの通電を3つのリレー13、14、34
により独立に制御できるので、暖房用熱交換器Hの吹出
空気温度分布を上下方向に対してさらにきめ細かく制御
できる。 (他の実施形態)なお、上記の第1、第2実施形態で
は、電気発熱体9の正極側の電極板9bを複数に分割し
ているが、負極側の電極板9cを複数に分割しても複数
の発熱体素子9aへの通電を独立に制御できる。
【0042】また、第1、第2実施形態では、暖房用熱
交換器Hを上下方向に配置する場合について説明した
が、暖房用熱交換器Hを水平方向に配置する場合等にも
本発明は適用できる。また、第1実施形態では、温水流
量により車室内への吹出空気温度を調整するタイプの車
両用空調装置(図4)に本発明を適用した場合について
説明したが、暖房用熱交換器Hを通過する温風と暖房用
熱交換器Hをバイパスする冷風との風量割合を調整し
て、車室内への吹出空気温度を調整するエアミックスタ
イプの車両用空調装置にも本発明を同様に適用できるこ
とはもちろんである。
【0043】また、第1、第2実施形態では、本発明を
車両暖房用熱交換器について説明したが、本発明は車両
用に限定されることなく、種々な用途の暖房用熱交換器
に広く適用可能である。また、電気発熱体9の設置形態
(設置場所、設置本数等)を図2の形態に限らず、暖房
用熱交換器の仕様の変化に対応して種々変更し得ること
はもちろんである。
【0044】また、暖房用熱交換器Hのチューブ6に流
入する熱源流体は、温水の他にオイル等であってもよ
い。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態による暖房用熱交換器の
概要を示す正面図である。
【図2】本発明の第1実施形態による暖房用熱交換器の
具体的構成を示す一部破断斜視図である。
【図3】第1実施形態における電気発熱体設置部の拡大
斜視図である。
【図4】第1実施形態の暖房用熱交換器を適用した車両
用空調装置の概略断面図である。
【図5】第1実施形態の作動説明用の図表である。
【図6】本発明の第2実施形態による暖房用熱交換器の
概要を示す正面図である。
【符号の説明】
1、2…タンク、3…熱交換用コア部、6…偏平チュー
ブ、7…コルゲートフィン、9…電気発熱体、9a…発
熱体素子、9b、9c、9e、9f…電極板、12…制
御装置、13、14、34…リレー。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 伊藤 肇 愛知県刈谷市昭和町1丁目1番地 株式会 社デンソー内

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 熱源流体が流通するチューブ(6)を多
    数本並列配置する熱交換用コア部(3)を有し、 この熱交換用コア部(3)の一部の部位に、電気発熱体
    (9)を設置する暖房用熱交換器において、 前記電気発熱体(9)を前記チューブ(6)と平行な方
    向に設置するとともに、前記電気発熱体(9)に、前記
    チューブ(6)の長手方向(b)に沿って複数個に分割
    された発熱体素子(9a)を備え、 この複数個の発熱体素子(9a)を独立に通電可能とし
    たことを特徴とする暖房用熱交換器。
  2. 【請求項2】 前記電気発熱体(9)に、正極側電極板
    (9b、9e、9f)および負極側電極板(9c)を備
    え、この両電極板(9b、9e、9f)(9c)の間に
    前記複数個の発熱体素子(9a)を配置し、 前記正極側電極板(9b、9e、9f)および前記負極
    側電極板(9c)のうち少なくとも一方を前記チューブ
    (6)の長手方向(b)に複数個に分割し、 この複数個に分割された電極板を通して前記複数個の発
    熱体素子(9a)への通電を独立に制御するようにした
    ことを特徴とする請求項1に記載の暖房用熱交換器。
  3. 【請求項3】 前記複数個の発熱体素子(9a)への通
    電を制御する制御手段(12、13、14、34)を備
    えていることを特徴とする請求項1または2に記載の暖
    房用熱交換器。
  4. 【請求項4】 前記多数本のチューブ(6)に前記熱源
    流体を分配する入口側タンク(1)と、 前記多数本のチューブ(6)を通過した前記熱源流体を
    集合する出口側タンク(2)とを有し、 前記入口側タンク(1)から前記出口側タンク(2)に
    向かって、前記熱源流体が前記多数本のチューブ(6)
    を一方向に流通することを特徴とする請求項1ないし3
    のいずれか1つに記載の暖房用熱交換器。
  5. 【請求項5】 請求項4に記載の暖房用熱交換器(H)
    を有し、この暖房用熱交換器(H)を、前記入口側タン
    ク(1)が下側に位置し、前記出口側タンク(2)が上
    側に位置するようにして、空調ケース(24)内に収容
    したことを特徴とする車両用空調装置。
  6. 【請求項6】 前記空調ケース(24)のうち、前記暖
    房用熱交換器(H)の空気下流側の上方部に、車両窓ガ
    ラスの内側に空気を吹き出すためのデフロスタ開口部
    (28)および乗員の上半身に向けて空気を吹き出すフ
    ェイス開口部(29)を配置し、 前記空調ケース(25)のうち、前記暖房用熱交換器
    (H)の空気下流側の下方部に乗員の足元に向けて空気
    を吹き出すフット開口部(30)を配置したことを特徴
    とする請求項4に記載の車両用空調装置。
JP9258806A 1997-09-24 1997-09-24 暖房用熱交換器 Pending JPH1191343A (ja)

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