JPH1191143A - インクジェット記録装置 - Google Patents

インクジェット記録装置

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JPH1191143A
JPH1191143A JP13580898A JP13580898A JPH1191143A JP H1191143 A JPH1191143 A JP H1191143A JP 13580898 A JP13580898 A JP 13580898A JP 13580898 A JP13580898 A JP 13580898A JP H1191143 A JPH1191143 A JP H1191143A
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JP
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driving
drive
ink
waveform
head
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JP13580898A
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Tomoaki Nakano
智昭 中野
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Ricoh Co Ltd
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Publication date
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  • Particle Formation And Scattering Control In Inkjet Printers (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 回路構成が複雑で、階調画像の品質が十分で
ない。 【解決手段】 2種類の駆動波形SAi,SBiを生成
出力するための波形生成回路103A,103Bと、各
波形生成回路103A、103Bから出力する駆動波形
SAi、SBiのいずれか一方を選択してヘッドHの選
択電極Do1〜Do32に出力する駆動波形選択回路1
05とを備えた。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はインクジェット記録装置
に関し、特に階調画像を記録可能なインクジェット記録
装置に関する。
【0002】
【従来の技術】プリンタ、ファクシミリ、複写装置等の
画像形成装置として用いるインクジェット記録装置にお
いて、駆動波形を制御することによってインク滴吐出量
或いはドット径を可変してドット間のバラツキを補正し
たり、階調画像を記録できるようにしたものとして、例
えば特開昭57−160654号公報に記載されている
ように、複数の電圧パルスからなるパルス列から、適宜
なパルスを選択的に用いて電気機械変換素子を駆動し、
ノズルから粒子速度及び粒子直径の異なる複数個のイン
ク粒子を噴射させて、飛翔中に1つのインク粒子に合体
させて、記録媒体に着弾させることによりドットを形成
するようにしたものがある。
【0003】また、特開平6−8428号公報に記載さ
れているように、駆動信号と同期した異なるパルス幅を
持つ信号を複数出力するパルス信号出力手段と、出力さ
れる複数の信号から1つの信号を選択する信号選択手段
とを具備し、駆動信号の未飽和領域で圧電素子駆動手段
のオン・オフを切替えることにより、圧電素子に印加さ
れる電圧を可変し、各ノズルから吐出されるインク滴量
を一定にする駆動方法などが知られている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
たようにパルス列から適宜電圧パルスを選択して電気機
械変換素子を駆動する前者の記録装置にあっては、高集
積化、高密度化に伴ってインクジェットヘッドのノズル
数が増加した場合に各電気機械変換素子に対応する駆動
回路のパルスを選択する回路が必要になって、駆動回路
全体の回路規模が大きくなり、信号線の数も増加してコ
ストが高くなる。また、記録速度の高速化によってキャ
リッジ速度が早くなり、ドット形成の繰り返し周期が短
くなると、時間内に連続吐出したインク滴を飛翔中に合
体させることが困難になる。
【0005】また、駆動信号と同期した異なるパルス幅
を持つ信号を複数出力し、この複数の信号から1つの信
号を選択して各圧電素子を充電する駆動手段(トランジ
スタ)をオンからオフに転じて印加電圧を可変する後者
の記録装置にあっては、トランジスタのターンオフ時間
がばらつくと印加電圧もばらつくため、高精度に印加電
圧を制御することができない。また、駆動電圧を制御す
る場合、電圧を高くすると、インク滴量を増加させるこ
とができるものの、インク滴吐出速度も速くなるため、
紙面上のインク滴着弾位置がずれて、ドット精度が低下
したり、不要なサテライトが発生して画像品質が低下す
る。
【0006】本発明は上記の点に鑑みてなされたもので
あり、インク滴を安定して噴射させて高品質画像を形成
できるインクジェット記録装置を提供することを目的と
する。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
め、請求項1のインクジェット記録装置は、インク滴を
吐出する複数のノズルと、各ノズルが連通する複数の加
圧液室と、各加圧液室内のインクを加圧して前記ノズル
からインク滴を吐出させるためのエネルギーを発生する
複数のエネルギー発生素子とを有し、各エネルギー発生
素子の一方の電極を共通化したインクジェットヘッドを
備えたインクジェット記録装置において、前記エネルギ
ー発生素子を駆動する複数の駆動波形を生成する駆動波
形生成手段と、この駆動波形生成手段で生成された複数
の駆動波形の内の1つの駆動波形を画像情報に応じて選
択する駆動波形選択手段とを備えている構成とした。
【0008】請求項2のインクジェット記録装置は、上
記請求項1のインクジェット記録装置において、前記画
像情報は駆動波形毎に駆動ノズルを選択するシリアルの
ノズルデータに変換し、このノズルデータを前記駆動波
形選択手段に与える構成とした。
【0009】請求項3のインクジェット記録装置は、上
記請求項2のインクジェット記録装置において、前記ノ
ズルデータは前記駆動波形の数と同数以下のシリアルデ
ータからなる構成とした。
【0010】請求項4のインクジェット記録装置は、上
記請求項1乃至3のいずれかのインクジェット記録装置
において、前記複数の駆動波形は、駆動電圧、時定数及
びパルス幅の少なくともいずれかが異なる構成とした。
【0011】以下、本発明の実施の形態を添付図面を参
照して説明する。図1は本発明に係るインクジェット記
録装置の機構部の概略図、図2は図1の要部概略斜視図
である。
【0012】このインクジェット記録装置は、左右の側
板1,2間(図2参照)に横架したガイドロッド3とガ
イド板4とでキャリッジ5を主走査方向(図2の矢示A
方向)に摺動自在に保持し、キャリッジ5の下面側には
インクジェットヘッドからなる記録ヘッド6をインク滴
吐出方向を下方に向けて装着し、キャリッジ5の上面側
には記録ヘッド6に各色のインクを供給するためのイン
クタンク(インクカートリッジ)7を装着している。
【0013】記録ヘッド6は、イエロー(Y)のインク
を吐出するヘッド、マゼンタ(M)のインクを吐出する
ヘッド、シアン(C)のインクを吐出するヘッド及びブ
ラック(Bk)のインクを吐出するヘッドを主走査方向
に配置したものである。キャリッジ5は、ステッピング
モータからなる主走査モータ15で回転される駆動プー
リ16と従動プーリ17との間に張装したタイミングベ
ルト18に連結して、主走査モータ15を駆動制御する
ことによってキャリッジ5、即ち記録ヘッド6が主走査
方向に移動されるようにしている。
【0014】一方、用紙20を副走査方向(図2の矢示
B方向)に搬送するためにプラテンローラ(以下、単に
「プラテン」という。)21と、プラテン21の周面に
押し付けて配設した給紙ローラ22,23及び用紙送り
角を規定するピンチローラ24と、記録ヘッド6が対向
するガイド板25と、記録ヘッド6より用紙搬送方向下
流側の排紙ローラ26及びこの排紙ローラ26に押し付
けられて当接する用紙押え用拍車ローラ27とを備えて
いる。
【0015】そして、ステッピングモータからなる副走
査モータ28の回転をギヤ29〜31及びプラテンギヤ
32を介してプラテン21に伝達して、プラテン21を
回転駆動することによって給紙部33に収納した用紙2
0をプラテン21と給紙ローラ22,23及び用紙押え
用ローラ24を経て、記録ヘッド6とガイド板25との
間に送り込み、プラテン21で用紙20を副走査方向に
移動させながら、プラテンギヤ32に噛み合うギヤ34
を介して回転される排紙ローラ26及び用紙押え用拍車
ローラ27で用紙20を排紙方向(図2の矢示B方向)
に送り出す。
【0016】このように構成したこの記録装置では、記
録ヘッド6(キャリッジ5)を主走査方向に移動走査さ
せながら、用紙20を副走査方向に搬送して、記録ヘッ
ド6各ヘッドのノズルから所要の色のインク滴を吐出さ
せることによって、用紙20上に所要のカラー画像(黒
画像を含む。)を記録する。
【0017】また、この記録装置においては、キャリッ
ジ5の主走査領域の右側部分に、記録ヘッド6の信頼性
維持回復機構(サブシステム)35を配設し、印字待機
状態にあるとき、ホスト側から所定時間印刷データが転
送されないとき、或いは予め定めた時間間隔などで、記
録ヘッド6のノズル面やノズルの汚れを除去するなどの
信頼性維持回復動作を行う。
【0018】次に、記録ヘッドを構成しているインクジ
ェットヘッドの一例について図3乃至図5を参照して説
明する。なお、図3はインクジェットヘッドの分解斜視
図、図4は同ヘッドのチャンネル方向(ノズル配列方
向)と直交する方向の要部拡大断面図、図5は同ヘッド
のチャンネル方向の要部拡大断面図である。
【0019】このインクジェットヘッドは、駆動ユニッ
ト41と、液室ユニット42と、ヘッドカバー43とを
備えている。駆動ユニット41は、セラミックス基板、
例えばチタン酸バリウム、アルミナ、フォルステライト
などの絶縁性の基板44上に、エネルギー発生素子であ
る複数の積層型圧電素子45を列状に2列配置して接合
し、これら2列の各圧電素子45の周囲を取り囲む樹
脂、セラミック等からなるフレーム部材(支持体)46
を接着剤47によって接合している。
【0020】複数の圧電素子45は、インクを液滴化し
て飛翔させるための駆動パルスが与えられる圧電素子
(これを「駆動部」という。)48,48…と、駆動部
48,48間に位置し、駆動パルスが与えられずに単に
液室ユニット42を基板44に固定する液室支柱部材と
なる圧電素子(これを「非駆動部」という。)49,4
9…とを交互に構成している。
【0021】ここで、圧電素子45としては10層以上
の積層型圧電素子を用いている。この積層型圧電素子
は、例えば図4に示すように、厚さ10〜50μm/1
層のチタン酸ジルコン酸鉛(PZT)50と、厚さ数μ
m/1層の銀・パラジューム(AgPd)からなる内部電
極51とを交互に積層したものであるが、圧電素子とし
て用いる材料は上記に限られるものでなく、その他の電
気機械変換素子を用いることもできる。
【0022】各圧電素子45の内部電極51は1層おき
にAgPdからなる左右の端面電極52,53(2つの圧
電素子列の対向する面側を端面電極52とし、対向しな
い面側を端面電極53とする。)に接続している。一
方、基板44上には、図3に示すようにNi・Au蒸着、
Auメッキ、AgPtペースト印刷、AgPdペースト印刷
等によって共通電極54及び選択電極55の各パターン
を設けている。
【0023】そして、各列の各圧電素子45の対向する
端面電極52を導電性接着剤56を介して共通電極54
に接続し、他方、各列の各圧電素子45の対向しない端
面電極53を同じく導電性接着剤56を介してそれぞれ
選択電極55に接続している。これにより、駆動部48
に駆動電圧(駆動エネルギー)を与えることによって、
積層方向に電界が発生して、駆動部48には積層方向の
伸びの変位(d33方向の変位)が生起される。なお、
共通電極54は、図4にも示すように、フレーム部材4
6に設けた穴46a内に導電性接着剤56を充填するこ
とで各圧電素子に接続されたパターンの導通を取ってい
る。
【0024】一方、液室ユニット42は、金属薄膜の積
層体からなる複層構造の振動板57と、ドライフィルム
レジスト(DFR)からなる感光性樹脂層で形成した2
層構造の液室隔壁部材58と、金属、樹脂等からなるノ
ズルプレート59とを順次を積層し、熱融着して形成し
ている。これらの各部材によって、1つの圧電素子45
(駆動部48)と、この1つの圧電素子45に対応する
ダイアフラム部60と、各ダイアフラム部60を介して
加圧される加圧液室61と、この加圧液室61の両側に
位置して加圧液室61に供給するインクを導入する共通
液室62,62と、加圧液室61と共通液室62,62
とを連通する流体抵抗部を兼ねたインク供給路63,6
3と、加圧液室61に連通するノズル64とによって1
つのチャンネルを形成し、このチャンネルを複数個2列
設けている。
【0025】振動板57は、2層構造のニッケルめっき
膜からなり、駆動部48に対応する前記ダイアフラム部
60と、駆動部48と接合するためにこのダイアフラム
部60の中央部に一体的に形成した島状凸部65と、非
駆動部49に接合する梁となる66及びフレーム部材4
6に接合する周辺厚肉部67とを形成している。
【0026】液室隔壁部材58は、振動板57側に予め
ドライフィルムレジストを塗布して所要のマスクを用い
て露光し、現像して所定の液室パターンを形成した第1
感光性樹脂層68と、ノズルプレート59側に予めドラ
イフィルムレジストを塗布して所要のマスクを用いて露
光し、現像して所定の液室パターンを形成した第2感光
性樹脂層69とを熱圧着で接合してなる。
【0027】ノズルプレート59にはインク滴を飛翔さ
せるための微細な吐出口であるノズル64を多数を形成
している。このノズル64の内部形状(内側形状)は、
略円柱形状、略円錘台形状、ホーン形状等に形成する。
また、このノズル64の径はインク滴出口側の直径で約
25〜35μmである。このノズルプレート59のイン
ク吐出面(ノズル表面側)は、図3にも示すように撥水
性の表面処理を施した撥水処理面70としている。例え
ば、PTFE−Ni共析メッキやフッ素樹脂の電着塗
装、蒸発性のあるフッ素樹脂(例えばフッ化ピッチな
ど)を蒸着コートしたもの、シリコン系樹脂・フッ素系
樹脂の溶剤塗布後の焼き付け等、インク物性に応じて選
定した撥水処理膜を設けて、インクの滴形状、飛翔特性
を安定化し、高品位の画像品質を得られるようにしてい
る。なお、ノズルプレート59の周縁部は撥水処理膜を
形成しない非撥水処理面71としている。
【0028】これらの駆動ユニット41と液室ユニット
42とはそれぞれ別個に加工、組立を行なった後、液室
ユニット42の振動板57と駆動ユニット41の圧電素
子45及びフレーム部材46とを接着剤72で接合して
いる。
【0029】そして、基板44をヘッド支持部材である
スペーサ部材(ヘッドホルダ)73上に支持して保持
し、このスペーサ部材73内に配設したヘッド駆動用I
C等を有するPCB基板と駆動ユニット41の各圧電素
子45(駆動部48)に接続した各電極54,55とを
FPCケーブル74,74を介して接続している。
【0030】また、ノズルカバー(ヘッドカバー)43
は、ノズルプレート59の周縁部及びヘッド側面を覆う
箱状に形成したものであり、ノズルプレート59の撥水
処理面70に対応して開口部を形成し、ノズルプレート
59の周縁部に残した非撥水処理面71に接着剤にて接
着接合している。さらに、このインクジェットヘッドに
は、図示しないインクカートリッジからのインクを液室
に供給するため、スペーサ部材73、基板44、フレー
ム部材46及び振動板57にそれぞれインク供給穴75
〜78を設けている。
【0031】このインクジェットヘッドにおいては、記
録信号に応じて駆動部48に駆動波形(10〜50Vの
パルス電圧)を印加することによって、駆動部48に積
層方向の変位が生起し、振動板57のダイアフラム部6
0を介して加圧液室61が加圧されて圧力が上昇し、ノ
ズル64からインク滴が吐出される。このとき、加圧液
室61から共通液室62へ通じるインク供給路63,6
3方向へもインクの流れが発生するが、インク供給路6
3,63の断面積を狭小にすることで流体抵抗部として
機能させて共通液室62,62側へのインクの流れを低
減し、インク吐出効率の低下を防いでいる。
【0032】そして、インク滴吐出の終了に伴い、加圧
液室61内のインク圧力が低減し、インクの流れの慣性
と駆動パルスの放電過程によって加圧液室61内に負圧
が発生してインク充填行程へ移行する。このとき、イン
クタンクから供給されたインクは共通液室62,62に
流入し、共通液室62,62からインク供給路63,6
3を経て加圧液室61内に充填される。そして、ノズル
64の出口付近のインクメニスカス面の振動が減衰し、
表面張力によってノズル64の出口付近に戻されて(リ
フィル)安定状態に至れば、次のインク滴吐出動作に移
行する。
【0033】次に、このインクジェット記録装置の制御
部の概要について図6を参照して説明する。この制御部
は、この記録装置全体の制御を司るマイクロコンピュー
タ(以下、「CPU」と称する。)80と、必要な固定
情報を格納したROM81と、ワーキングメモリ等とし
て使用するRAM82と、画像情報を処理したデータを
格納する画像メモリ83と、パラレル入出力(PIO)
ポート84と、入力バッファ85と、ゲートアレー(G
A)或いはパラレル入出力(PIO)ポート86と、ヘ
ッド駆動回路87及びドライバ88等を備えている。
【0034】ここで、PIOポート84にはホスト側か
らの画像情報の他、用紙の種別を示す用紙種別データ等
のデータ、図示しない操作パネルからの各種指示情報、
用紙の始端、終端を検知する紙有無センサからの検知信
号、キャリッジ5のホームポジション(基準位置)を検
知するホームポジションセンサ等の各種センサからの信
号等が入力され、またこのPIOポート84を介してホ
スト側や操作パネル側に対して所要の情報が送出され
る。
【0035】また、ヘッド駆動回路87は、PIOポー
ト86を介して与えられる各種データ及び信号に基づい
て、記録ヘッド6の各ノズルに対応するエネルギー発生
素子(圧電素子)の内の画像情報に応じた駆動ノズル
(インク滴を吐出させるノズル)のエネルギー発生素子
に対して複数の駆動波形の内から選択した駆動波形を印
加する。
【0036】さらに、ドライバ88は、PIOポート8
8を介して与えられる駆動データに応じて主走査モータ
15及び副走査モータ28を各々駆動制御することで、
キャリッジ5を主走査方向に移動走査し、プラテン21
を回転させて用紙20を所定量搬送させる。
【0037】次に、この制御部における記録ヘッドの駆
動制御に係わる部分の詳細について図7を参照して説明
する。なお、同図では1つのヘッドの駆動制御に係る部
分のみを示している。ここで、記録ヘッド6を構成する
インクジェットヘッドHは、上述したように複数(ここ
では32個とする。)のノズル64に対応する32個の
エネルギー発生素子である圧電素子PZTを有し、各圧
電素子PZTの一方の電極は共通化して共通電極Com
(上記の共通電極54である。)とし、他方の電極は各
圧電素子PZT毎に個別化して選択電極SEL(上記の
個別電極55である。)としている。なお、実際にはノ
ズル64は2列設けているので、64個のノズル64を
有することになる。
【0038】一方、このヘッドを駆動制御するためのヘ
ッド駆動制御部は、前述したCPU80、ROM81、
RAM82及び周辺回路を含む主制御部101と、イン
クジェットヘッドHを駆動するためのヘッド駆動部10
2とを備えている。なお、ヘッド駆動部102は各色の
ヘッド毎に設けているので、前述したヘッド駆動回路8
7には4個のヘッド駆動部102が設けられる。
【0039】主制御部101は、パーソナルコンピュー
タ等のホスト側から与えられる画像情報を入力して、ヘ
ッド駆動部102に対して、駆動波形を生成するタイミ
ングを規定する駆動タイミング信号MMと、駆動波形毎
にインク滴を吐出するノズルを指定するためのシリアル
データ(ノズルデータ)DiA、DiBとタイミング信
号(シフトクロックSCLK、ラッチ信号/LAT)を
駆動制御信号として出力する。
【0040】ヘッド駆動部102は、主制御部101か
らの駆動タイミング信号MMを入力して、駆動ノズルの
エネルギー発生素子(圧電素子PZT)を駆動するため
の2種類の駆動波形(駆動波形SAiと駆動波形SB
i)を生成出力するための波形生成回路103A及び波
形生成回路103Bと、各波形生成回路103A、10
3Bの出力(駆動波形SAi、SBi)を出力する低イ
ンピーダンス出力回路104A、104Bと、主制御部
101からの駆動制御信号に基づいて2つの駆動波形S
Ai、SBiのいずれか一方を選択してインクジェット
ヘッドHの選択電極Do1〜Do32に出力する駆動波
形選択回路105とを備えている。
【0041】波形生成回路103A、103Bは、例え
ばROM、D/Aコンバータ又は他のパルス発生回路と
微積分回路、クリップ回路、クランプ回路などの波形変
形回路等で構成できる。この波形生成回路103A、1
03Bは、主制御部101からの駆動波形を生成出力す
るためのタイミングを決める駆動タイミング信号MMの
他、駆動波形の駆動電圧(電圧値)Vpを選択するため
のVp制御信号SVp(及び/又は後述する駆動波形の
立ち上がり時定数trを選択するためのtr制御信号S
tr)等も入力される。
【0042】また、低インピーダンス出力回路104
は、バッファアンプ、SEPP(Single Ended Pu
sh Pull)等で構成される低インピーダンス増幅器か
らなる。なお、低インピーダンス出力回路64を用いる
ことで駆動電圧波形の出力は圧電素子に対して低インピ
ーダンス出力となり、圧電素子のバラツキや駆動チャン
ネル数の違いによって波形が歪むことがない。
【0043】ここで、波形生成回路103A及び低イン
ピーダンス出力回路104Aの一例を図8乃至図10を
参照して説明する。なお、波形生成回路103B及び低
インピーダンス出力回路104Bも同様の構成である。
先ず、波形生成回路103Aは、図8に示すように、駆
動タイミング信号MMを入力して駆動波形を生成して低
インピーダンス出力回路104Aに与える駆動波形生成
部106と、Vp制御信号SVpに応じて駆動波形生成
部106の駆動波形の電圧Vpを決定する電圧Voutを
生成して出力するVp制御部107とで構成している。
【0044】駆動波形生成部106及び低インピーダン
ス出力回路104A(両者で定電圧駆動回路を構成す
る。)は、図9に示すように、駆動タイミング信号MM
が与えられる入力端子INをバッファBを介してトラン
ジスタTr1のベースに、インバータIを介してトラン
ジスタTr2のベースにそれぞれ接続し、また、トラン
ジスタTr1のコレクタには電源電圧Vppを印加し、
トランジスタTr2のエミッタは接地している。
【0045】そして、トランジスタTr1のエミッタに
充電抵抗RaとダイオードD1の直列回路を接続し、ト
ランジスタTr2のコレクタには放電抵抗Rbとダイオ
ードD2の直列回路を接続して、これらダイオードD1
のカソード側とダイオードD2のアノード側とを接続
し、この接続点aと接地間にコンデンサCkを接続し
て、充電抵抗RaとコンデンサCkで充電時の時定数回
路を、放電抵抗RbとコンデンサCkで放電時の時定数
回路を構成している。また、上記の接続点aにはダイオ
ードDkを介してVp制御部107からの電圧Voutを
印加する。
【0046】そして、接続点aをトランジスタTr3〜
Tr6からなる低インピーダンス出力回路104Aの入
力側であるトランジスタTr3のベースとトランジスタ
Tr4のベースとの間に接続し、出力側となるトランジ
スタTr5のエミッタとトランジスタTr6のコレクタ
との間から得られる駆動波形SAiを駆動波形選択回路
105に出力する。
【0047】この回路においては、入力端子INに駆動
タイミング信号MMが入力されて、バッファBに「H」
レベルが入力されると、バッファBは電源電圧Vppよ
り低い電圧レベルを出力してトランジスタTr1がオン
状態になり、インバータIは「L」になってトランジス
タTr2がオフ状態になるので、電源電圧Vppによっ
て充電抵抗RaとコンデンサCkで決まる充電時定数で
コンデンサCkの充電が開始される。
【0048】このとき、接続点aにはダイオードDk
(降下電圧Vd)を介して、電圧Voutを印加している
ので、コンデンサCkの充電電圧は電源電圧Vppまで
上がらず、ダイオードDkによって電圧(Vout+V
d)のレベルにクリップされ、この電圧が駆動波形SA
iの駆動電圧VpAの最大値(VpA=Vout+Vd)
となる。
【0049】また、入力端子INに駆動タイミング信号
MMが入力されなくなってバッファBに「L」レベルが
入力されると、バッファBの出力が電源電圧Vppとな
ってトランジスタTr1がオフ状態になり、一方インバ
ータIの出力はバッファBの出力と反転しているのでト
ランジスタTr1がオフ状態になると同時にトランジス
タTr2がオン状態になり、放電抵抗Rbとコンデンサ
Ckで決まる放電時定数で電圧Vpまで充電されたコン
デンサCkの放電が開始される。
【0050】したがって、この駆動波形生成部106に
与える電圧Voutを変化させることによって、駆動波形
SAiの駆動電圧VpAを可変制御することができる。
同様に、波形生成回路103B及び低インピーダンス出
力回路104Bから出力する駆動波形SBiの駆動電圧
VpBを可変制御することができる。
【0051】この駆動電圧VpAを規定する電圧Vout
を生成出力するVp制御部107は、図10に示すよう
に、三端子レギュレータ108と抵抗選択回路109と
からなる。三端子レギュレータ108は、電圧入力端子
Vinに定電圧源を供給することによって、調整端子adj
と電圧出力端子Vout間に接続した抵抗R1aと調整端
子adjと接地間に接続した抵抗選択回路109の抵抗値
R2とに応じた電圧を電圧出力端子Voutから出力する
ものであり、例えばナショナルセミコンダクタ製のLM
317T(商品名)などを用いることができる。したが
って、この三端子レギュレータ108からの出力電圧V
outは、例えば、Vout=1.25×(1+R2/R1)
で定まることになる。
【0052】抵抗選択回路109は、抵抗Rsと、抵抗
Rpとスイッチング用のトランジスタQ1〜Q3で選択
される抵抗R21〜R23との並列回路を直列に接続し
てなり、例えばテキサスインストルメント製SN740
6(商品名)などを用いて構成することができる。この
抵抗選択回路109には、前述した主制御部101から
のVp制御信号SVp1〜SVp3をトランジスタQ1
〜Q3のベースにそれぞれ入力している。
【0053】したがって、三端子レギュレータ108に
電源電圧Vppを与えると共に、主制御部101から3
ビットのVp制御信号SVp1〜SVp3を抵抗選択回
路109に与えることによって、三端子レギュレータ1
08の出力電圧Voutを最大8種類のレベルで変化させ
ることができ、この出力電圧Voutを前述した駆動波形
生成部106の電圧Voutとして入力することで、駆動
波形SAiの駆動電圧VpAを所定の値に設定すること
ができる。
【0054】なお、異なる電圧Voutの生成は、例え
ば、抵抗と、可変抵抗及びコンデンサの並列回路とを直
列に接続して、コンデンサの両端電圧を電圧Voutとし
て出力するようにした分圧回路を用いて、可変抵抗を変
化させるようにしても行なうことができ、また、D/A
変換器を用いても電圧Voutを変化させることができ
る。
【0055】次に、駆動波形選択回路105について図
11を参照して説明する。この駆動波形選択回路105
は、シリアルクロックSCLK及びシリアルデータDi
A又はDiBを入力する2組の32ビットシフトレジス
タ回路111A,111Bと、シフトレジスタ回路11
1A、111Bの各レジスト値をラッチ信号/LAT
(なお、符号の「/」は反転を意味する。)でラッチす
る64ビットのラッチ回路112と、64ビットのレベ
ルシフタ回路113と、レベルシフタ回路113でオン
/オフが制御されるアナログスイッチ群114とからな
る。なお、2つの32ビットシフトレジスタ回路をカス
ケード接続することで駆動波形に対応した2本のデータ
ライン(DiA、DiB)を64ビットのデータに一本
化させることができる。
【0056】アナログスイッチ群114は、各PZTの
選択電極Do1〜Do32に接続した一対のアナログス
イッチASA1,ASB1〜ASA32,ASB32か
らなり、アナログスイッチASA1〜ASA32には駆
動波形SAiを、アナログスイッチASB1〜ASB3
2には駆動波形SBiをそれぞれ入力している。
【0057】そして、このシフトレジスタレジスタ回路
111A、111BにそれぞれシフトクロックSCLK
に応じてシリアルデータDiA、DiBを取込み、ラッ
チ回路112でラッチ信号/LATによってシフトレジ
スタ回路111A、111Bに取り込んだシリアルデー
タDiA、DiBをラッチしてレベルシフタ回路113
に入力する。
【0058】このレベルシフタ回路113は、データの
内容に応じて各PZTに接続している2つのアナログス
イッチASAm,ASBm(m=1〜32)のいずれか一
方をオンし、他方をオフするか、またはいずれもオフに
する。これによって、駆動波形SAi又は駆動波形SB
iのいずれかが選択されて圧電素子PZTに印加され
る。
【0059】次に、以上のように構成したこのインクジ
ェット記録装置の作用について図12及び図13をも参
照して説明する。図12を参照して、主制御部101か
らはヘッド駆動部102の駆動波形選択回路105に対
してシリアルデータ(ノズルデータ)DiA、DiBと
タイミング信号(シフトクロックSCLK、ラッチ信号
/LAT)を駆動制御信号として出力する。
【0060】これによって、同図(a)に示すように3
2ビットのシフトクロックSCLKによって同図(b)
に示す32ビットのノズルデータ(シリアルデータ)D
iAがシフトレジスタ回路111Aに取り込まれ、同図
(c)に示す32ビットのノズルデータ(シリアルデー
タ)DiBがシフトレジスタ回路111Bに取り込まれ
て、同図(d)に示すラッチ信号/LATでレベルシフ
タ回路113に入力される。
【0061】また、主制御部101は所定のタイミング
で同図(e)に示す駆動タイミング信号MMをヘッド駆
動部102の波形生成回路103A、103Bに出力
し、これによって、同図(f)に示すように立ち上がり
時定数trで駆動電圧Vp=VpAの駆動波形SAiが
波形生成回路103Aから出力され、同図(g)に示す
ように立ち上がり時定数tr(tr=tr2とする。)
で駆動電圧Vp=VpBの駆動波形SBiが波形生成回
路103Bから出力される。
【0062】したがって、駆動波形選択回路105のア
ナログスイッチASAm,ASBmのうちのオン状態に
なっているアナログスイッチを通じて、同図(h)、
(i)、(j)に示すように(その他は図示省略)選択
電極Do1〜Do32(各圧電素子PZT)に対して駆
動波形SAi又はSBiが出力される。したがって、各
圧電素子PZTには電圧0、VpB、VpA(0<Vp
B<VpA)のいずれかの駆動電圧Vpが印加される。
【0063】この場合、インクジェットヘッドHの各ノ
ズルから吐出されるインク吐出量(インク滴吐出量)M
jは駆動電圧Vpが大きくなるに従って多くなるので、
駆動電圧Vpを制御することにによって、図13に示す
ように紙面上にインク滴が着弾して形成されるドットの
大きさを変化させることができる。
【0064】このように、複数の駆動波形を生成し、こ
の複数の駆動波形の内の1つの駆動波形を画像情報に応
じて選択して、エネルギー発生素子に与えることによっ
て、簡単な回路構成でドットの大きさを変調して階調画
像を記録することが可能になる。
【0065】そして、この場合、画像情報を駆動波形毎
のシリアルデータであるノズルデータ(ノズル選択デー
タ)に変換し、このノズルデータに応じて駆動波形を選
択する構成とすることで、駆動波形選択回路をIC化し
てインクジェットヘッドに実装する場合でも画像情報処
理部を必要とすることなく簡単な回路構成で実現でき、
ヘッドのノズル数が増加しても信号線が増加することが
なくなる。
【0066】さらに、図19に示すように2組のシフト
レジスタをカスケード接続することで駆動波形に対応し
た2本のデータラインを64ビットのデータに一本化さ
せることができ、複数の駆動波形に応じたシリアルデー
タの信号線の数を減少することができて、信号電送部の
低コスト化を図れる。
【0067】次に、ヘッド駆動制御部の他の実施例につ
いて図14以降をも参照して説明する。この実施例にお
いては、上記実施例の波形生成回路の駆動波形生成部と
して図14に示す駆動波形生成部を用いる。この駆動波
形生成部にはダイオードD1と直列に接続する充電抵抗
Raを変化させることで立ち上がり時定数trを変化さ
せるtr制御回路75を備えている。
【0068】このtr制御回路75は、ダイオードD1
と直列に充電抵抗Ra1,Ra2,Ra3の並列回路を
接続して、これらの充電抵抗Ra1,Ra2,Ra3と
電源電圧Vppとの間にそれぞれスイッチング用のトラ
ンジスタTr11,Tr12,Tr13を接続してい
る。
【0069】そして、トランジスタTr11,Tr1
2,Tr13のベースにはそれぞれバッファB1,B
2,B3を接続し、これらのバッファB1,B2,B3
にゲート回路G1,G2,G3を介して駆動タイミング
信号MMを入力する。これらのゲート回路G1,G2,
G3はそれぞれ主制御部101からのtr制御信号St
r1〜Str3が「H」のときに開状態になって駆動タ
イミング信号MMをバッファB1,B2,B3に出力す
る。
【0070】したがって、主制御部101は駆動タイミ
ング信号MMを「H」にすると共に、3ビットのtr制
御信号Str1,Str2,Str3のいずれかを
「H」にすることで、このtr制御信号Str1,St
r2,Str3で選択されたバッファB1,B2,B3
は電源電圧Vppよりも低い電圧レベルを出力し、それ
ぞれに対応したトランジスタTr11,Tr12,Tr
13のいずれかがオン状態になり、選択された抵抗Ra
1〜Ra3のいずれかとコンデンサCkで決まる立ち上
げ時定数trでコンデンサCkが充電される。
【0071】このようにtr制御信号によって最大8種
類の立ち上げ時定数trでコンデンサCkを充電するこ
とができるので、立ち上げ時定数trがそれぞれtr
1,tr2,tr3の3種類の駆動波形を選択して生成
出力することができる。
【0072】なお、この場合、駆動波形の駆動電圧Vp
を規定する電圧Voutは固定でもよいが、ここでは前述
した図10に示すようなVp制御回路を用いて可変し、
立ち上げ時定数tr及び駆動電圧Vpが異なる駆動波形
を生成して出力するようにしている。
【0073】この実施例の作用について図15以降をも
参照して説明すると、同図(a)に示すように駆動電圧
Vpを高くするに従ってインク吐出量Mjは増加する
(ただし、立ち上げ時定数tr=tr2一定とする。)
ので、大きなドット径を形成するためには駆動波形の電
圧値Vpを高く設定し、小さなドット径を形成するため
には電圧値Vpを低く設定する。
【0074】一方、同図(b)に示すように駆動電圧V
pを高くするとインク吐出速度(インク滴吐出速度)V
jは速くなるが、Vj>Vjhの領域ではサテライトが
発生したり、ノズルから気泡を混入し易くなるので、不
安定な吐出状況になる。また、駆動電圧Vpを低くくす
るとインク吐出速度Vjは遅くなるが、Vj<VjLの
領域ではインク噴射方向が不安定になったり、インク吐
出速度Vjが速いときとインク滴着弾位置がずれてしま
う。
【0075】そのため、このような不安定領域での粒子
化状態で紙面上に印字(1ドット毎)を行うと、同図
(c)に示すようになる。すなわち、駆動電圧Vpが高
いときにはドット径は大きくなるが、サテライトが紙面
上に付着して画像品質が低下し、駆動電圧Vpが低いと
きにはドット径は小さくなるが、ドット着弾位置がずれ
てドット位置精度が低下する。
【0076】そこで、この実施例では、駆動電圧Vpに
応じて立ち上げ時定数trを変化させて、駆動電圧Vp
を変化させてもインク吐出速度Vjが安定領域に入るよ
うに設定する。すなわち、立ち上げ時定数trをtr=
tr2で固定した場合に駆動電圧Vp=Vp1及びVp
=Vp3の場合にはいずれも粒子化状態は非安定領域に
あるが、同図(d)に示すように立ち上げ時定数trを
長く設定するとインク吐出速度Vjは遅くなり、立ち上
げ時定数trを短く設定するとインク吐出速度Vjは速
くなるので、それぞれの駆動電圧Vpで立ち上げ時定数
trを選択することによってインク吐出速度Vjを安定
領域に設定することができる。
【0077】例えば、図16に示すように駆動電圧Vp
=Vp1のときには立ち上げ時定数tr=tr1に、同
様にVp=Vp2のときにはtr=tr2に、Vp=V
p3のときにはtr=tr3に設定する(Vp1<Vp
2<Vp3、tr1<tr2<tr3)。これらの駆動
波形の一例を図17に示している。
【0078】したがって、ヘッド駆動部から出力する駆
動波形SAi及び駆動波形SBiとして、駆動電圧Vp
及び立ち上げ時定数trの異なる駆動波形を生成出力し
て、これを上記実施例と同様に駆動波形選択回路で選択
することによって、安定した粒子化状態でインク滴を吐
出してドット径のことなるドットを形成し、階調画像を
得ることができる。また、インク吐出量Mjやインク吐
出速度Vjのバラツキを補正する場合も、駆動電圧Vp
及び立ち上げ時定数trの組合せを選択することで高画
像品質の画像が得られる。
【0079】なお、ヘッド構造や使用するエネルギー発
生素子(電気機械変換素子や電気熱変換素子)に応じ
て、図18に示すように上述した駆動電圧Vp、立ち上
げ時定数trの他、立ち下げ時定数tf及びパルス幅P
wを制御することによって、インク吐出量Mjや吐出速
度Vjを制御して異なるドット径のドットを形成させる
ことができる。
【0080】例えば、インクジェットヘッドのエネルギ
ー発生手段として圧電素子のd31方向の変位を利用す
る場合のように駆動波形の立ち下げ時(圧電素子の分極
方向を正電圧)でインク滴を吐出させるヘッド構造の場
合には、立ち上げ時定数trの代わりに立ち下げ時定数
tfを制御するようにすればよい。
【0081】また、ヘッド駆動部の構成や駆動波形は、
上記実施例のものに限られず、インク滴を安定に吐出で
きればよく、駆動波形としては三角波形やSin(サイ
ン)波形等いずれの形状であってもよい。さらに、複数
の異なる駆動波形としては上記実施例で説明した2種類
以外に3種類以上にすることもできる。
【0082】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1のヘッド
駆動装置によれば、エネルギー発生素子を駆動する複数
の駆動波形を生成し、この複数の駆動波形の内の1つの
駆動波形を画像情報に応じて選択するようにしたので、
簡単な回路構成でインク滴を安定して噴射して高品質記
録を行うことができる。それによって、ドット径変調に
よる階調記録やドット径のバラツキ補正も容易になる。
【0083】請求項2のヘッド駆動装置によれば、上記
請求項1のヘッド駆動装置において、画像情報を駆動波
形毎に駆動ノズルを選択するシリアルデータであるノズ
ルデータに変換し、このノズルデータに応じて駆動波形
を選択するようにしたので、駆動波形選択手段をIC化
してヘッドに実装する場合にも画像情報処理手段を必要
とせず、簡単な回路構成で実現することができて、ま
た、ヘッドが有するノズル数が増加しても信号線が増加
することがなくなる。
【0084】請求項3のヘッド駆動装置によれば、上記
請求項2のヘッド駆動装置において、ノズルデータは駆
動波形の数と同数以下のシリアルデータで構成するよう
にしたので、シリアルデータの信号線の数を低減するこ
とができて、信号電送部の低コスト化を図れる。
【0085】請求項4のヘッド駆動装置によれば、上記
請求項1乃至3のいずれかのヘッド駆動装置において、
複数の駆動波形は、駆動電圧、時定数及びパルス幅の少
なくともいずれかが異なる構成としたので、より安定し
たインク滴噴射が可能になってドット位置精度を確保す
ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るインクジェット記録装置の機構部
の概略図
【図2】図1の要部概略斜視図
【図3】図1の記録ヘッドを構成するインクジェットヘ
ッドの分解斜視図
【図4】同ヘッドのチャンネル方向と直交する方向の要
部拡大断面図
【図5】同ヘッドのチャンネル方向の要部拡大断面図
【図6】制御部の概略ブロック図
【図7】同制御部のヘッド駆動制御に係る部分のブロッ
ク図
【図8】図7の波形生成回路の一例を示すブロック図
【図9】図8の駆動波形生成部及び低インピーダンス出
力回路の一例を示す回路図
【図10】図8のVp制御部の一例を示すブロック図
【図11】図7の駆動波形選択回路の一例を示すブロッ
ク図
【図12】同ヘッド駆動装置の作用説明に供する説明図
【図13】駆動電圧とドット径の関係を説明する説明図
【図14】本発明の他の実施例の説明に供する駆動波形
生成部及び低インピーダンス出力回路の他の示す回路図
【図15】駆動電圧Vp、インク吐出量Mj、インク吐
出速度Vj、立ち上げ時定数tr及びドットの関係の説
明に供する説明図
【図16】駆動波形の駆動電圧Vp及び立ち上げ時定数
trを説明する説明図
【図17】駆動電圧Vp及び立ち上げ時定数trの異な
る駆動波形の一例を示す波形図
【図18】複数の異なる駆動波形の説明に供する説明図
【図19】カスケード接続の例を説明する説明図
【符号の説明】
5…キャリッジ、6…記録ヘッド、15…主走査モー
タ、21…プラテン、28…副走査モータ、45,PZ
T…圧電素子、54,Com…共通電極、55,SEL
…選択電極、61…加圧液室(インク液室)、64…ノ
ズル、87…ヘッド駆動回路、101…主制御部、10
2…ヘッド駆動部、103A,103B…波形生成回
路、104A,104B…低インピーダンス出力回路、
105…駆動波形選択回路、106…駆動波形生成部、
107…Vp制御回路。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 インク滴を吐出する複数のノズルと、各
    ノズルが連通する複数の加圧液室と、各加圧液室内のイ
    ンクを加圧して前記ノズルからインク滴を吐出させるた
    めのエネルギーを発生する複数のエネルギー発生素子と
    を有し、各エネルギー発生素子の一方の電極を共通化し
    たインクジェットヘッドを備えたインクジェット記録装
    置において、前記エネルギー発生素子を駆動する複数の
    駆動波形を生成する駆動波形生成手段と、この駆動波形
    生成手段で生成された複数の駆動波形の内の1つの駆動
    波形を画像情報に応じて選択する駆動波形選択手段とを
    備えたことを特徴とするインクジェット記録装置。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載のインクジェット記録装
    置において、前記画像情報は駆動波形毎に駆動ノズルを
    選択するシリアルのノズルデータに変換し、このノズル
    データを前記駆動波形選択手段に与えることを特徴とす
    るインクジェット記録装置。
  3. 【請求項3】 請求項2に記載のインクジェット記録装
    置において、前記ノズルデータは前記駆動波形の数と同
    数以下のシリアルデータからなることを特徴とするイン
    クジェット記録装置。
  4. 【請求項4】 請求項1乃至3のいずれかに記載のイン
    クジェット記録装置において、前記複数の駆動波形は、
    駆動電圧、時定数及びパルス幅の少なくともいずれかが
    異なることを特徴とするインクジェット記録装置。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7084996B2 (en) 2000-07-04 2006-08-01 Brother Kogyo Kabushiki Kaisha Recording device
US7726759B2 (en) 2005-02-21 2010-06-01 Fujifilm Corporation Image forming apparatus
WO2018016764A1 (ko) * 2016-07-18 2018-01-25 에스프린팅솔루션주식회사 잉크젯 헤드 및 이를 포함하는 화상형성장치

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WO2018016764A1 (ko) * 2016-07-18 2018-01-25 에스프린팅솔루션주식회사 잉크젯 헤드 및 이를 포함하는 화상형성장치

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