JPH1190598A - ステンレス鋼の連続鋳造方法 - Google Patents

ステンレス鋼の連続鋳造方法

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JPH1190598A
JPH1190598A JP27530997A JP27530997A JPH1190598A JP H1190598 A JPH1190598 A JP H1190598A JP 27530997 A JP27530997 A JP 27530997A JP 27530997 A JP27530997 A JP 27530997A JP H1190598 A JPH1190598 A JP H1190598A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高速鋳造条件下で問題となる鋳片の表面欠
陥、及び内部欠陥の発生を抑制して、生産性の高い操業
を行うことのできるステンレス鋼の連続鋳造方法を提供
する。 【解決手段】 タンディッシュ13から浸漬ノズル13
a及び/又はタンディッシュノズル33を介して鋳型1
4内へ不活性ガスを20L/min以下の流量で吹き込
むと共に、オッシレーション振動させる鋳型14のTN
値を0.25以下とし、且つ鋳型14内の湯面レベルの
変動幅を10mm以内として、グリッド及び/又はサポ
ートロール30を用いて鋳型14の下端から連続して
0.6〜2mとなる範囲の鋳片18の短辺側を支持し、
鋳型14の下端から鋳片18の完全凝固位置までの少な
くとも一部領域において鋳片18の板厚を1.3〜5%
の縮小率で狭めながら溶鋼を0.8〜1.6m/min
の鋳造速度で連続鋳造する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、割れ感受性の高い
ステンレス鋼の連続鋳造方法に係り、更に詳しくは、鋳
片の表面欠陥及び内部欠陥を低減して、鋳片の無手入れ
化を促進することができると共に、普通鋼並みの高い生
産性を得ることができるステンレス鋼の連続鋳造方法に
関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、製鉄所では一基の連鋳機を用い
て普通鋼や高炭素鋼、ステンレス鋼など種々の鋼材を混
在生産している。ところが、ステンレス鋼は割れ感受性
の高い鋼材であるため、低速鋳造を余儀なくされ、この
結果、大量生産する際の連鋳機の生産能力を低下させて
いる。また、低速鋳造をしても鋳片の表層に表面割れや
表面疵などの表面欠陥が発生し、グラインダー等による
研削処理が必要であるなど、手入れ負荷率が高くなっ
て、更に連鋳機の生産能力を低下させている。
【0003】そして、このような鋳片の表面欠陥あるい
は内部欠陥の発生を抑制するための方法として、例えば
以下の(1) 〜(3) に示すような方法が知られている。 (1) 特開平7−88597号公報には、150℃以上の
温度で加熱炉に投入するステンレスであって、垂直曲げ
連鋳機を用いて鋳片を未凝固状態で曲げ、未凝固状態あ
るいは完全凝固状態以後で矯正加圧を行う方法が記載さ
れている。 (2) 特開昭59−191547号公報には、鋳型振動の
ストロークが4〜9mm、鋳型振動数が80〜150c
pmとなる鋳造条件で、1300℃における粘度が1.
9〜2.7ポイズのパウダーを鋳型内の溶鋼面に投入し
て鋳片を鋳造するフェライト系ステンレス鋼の連続鋳造
法が記載されている。 (3) 特開平6−262302号公報には、浸漬ノズルの
吐出孔の角度を上向き5゜から下向き35゜の範囲にし
て、吐出孔をメニスカスから150〜300mm下方の
位置に設定して鋳造する方法が記載されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記
(1) 〜(3) の方法では以下のような問題点があった。 (1) 特開平7−88597号公報の方法では、垂直曲げ
型の連鋳機を使用するので介在物の浮上が促進されるも
のの、鋳片を未凝固状態あるいは完全凝固状態以後で矯
正加圧を行うために内部割れ等の欠陥が増加するという
課題があった。また、連続鋳造初期における凝固殻の生
成に伴うパウダーの巻き込みの発生や鋳型壁と凝固殻と
の相互運動に伴う表面疵の発生を効果的に抑制する手段
がなく、凝固後の鋳片の手入れ負荷が大きくなる。 (2) 特開昭59−191547号公報の鋳型振動のスト
ローク、鋳型振動数、及びパウダー粘度を特定範囲に調
整する方法では、パウダーの鋳型壁近傍部分への巻き込
みによる表面疵に対しては有効となるが、高速鋳造化に
伴って生成する溶鋼中介在物の浮上を促進させる効果は
なく、同様な条件下では鋳片の表面割れ欠陥の発生や鋳
片の内部欠陥の発生を抑制することが困難である。 (3) 特開平6−262302号公報の浸漬ノズルの吐出
孔の角度、及び吐出孔の位置を規定することにより介在
物の浮上を促進して内部欠陥を防ぐ方法では、特に鋳造
後期の鋳片の曲げあるいは曲げ戻し等の矯正操作を調整
する手段がないために、この矯正操作に伴って生じる表
面割れ欠陥と内部割れの発生を効果的に防止することが
できない。ここで、図18〜図23を参照して、連続鋳
造される鋳片に発生する表面欠陥及び内部欠陥との関係
について詳細に説明する。図18に示すように、図示し
ないタンディッシュから浸漬ノズル101を介して鋳型
100内へ溶鋼107を注湯する際、この鋳型100中
に、図中、矢印で示すような上、下向きの溶鋼流10
3、104が発生する。
【0005】上向きの溶鋼流103に注目すると、低速
鋳造ならば、図19に示すように鋳片108の凝固シェ
ル105の内面にアルミナなどの酸化物系非鉄介在物1
02が付着して、いわゆる表層介在物と称される表面欠
陥が発生し、一方、高速鋳造であれば、浸漬ノズル10
1から吐出される溶鋼量の増加に伴う上向きの溶鋼流1
03の流速増加によって、この酸化物系非鉄介在物10
2がシェルウォッシングされて、上方へ押し流される。
【0006】ところが、この上向きの溶鋼流103の流
速が速過ぎると、この除去された酸化物系非鉄介在物1
02が溶鋼107の中央部に深く沈み込んで、この酸化
物系非鉄介在物102の比重が、溶鋼107の比重より
小さくても、湯面近傍に浮上することができず、そのま
ま、溶鋼107の凝固に巻き込まれて、いわゆる内部介
在物と称される内部欠陥が発生するという問題がある。
また、前記と同様、この流速の速い上向きの溶鋼流10
3によって、湯面に浮遊するパウダー106が、溶鋼1
07の中央部に深く沈み込んで、そのまま溶鋼107の
凝固時に巻き込まれて、内部介在物が発生するという問
題がある。
【0007】一方、下向きの溶鋼流104に着目する
と、前記と同様、浸漬ノズル101から吐出される溶鋼
量の増加に伴う下向きの溶鋼流104の流速増加によっ
て、溶鋼107中の酸化物系非鉄介在物102が、溶鋼
107中に深く沈み込んで、そのまま溶鋼107の凝固
に巻き込まれて、内部介在物が発生するという問題があ
る。また、通常、連続鋳造では、浸漬ノズル101の内
面に付着する酸化物系非鉄介在物102を除去するた
め、この浸漬ノズル101やタンディッシュノズルから
Arガスなどの不活性ガスを吹き込んでいる(図18参
照)。
【0008】ところが、この不活性ガス(又はその気
泡)も、前記と同様、上、下向きの溶鋼流103、10
4によって、低速鋳造であれば、鋳片108の表層にい
わゆるArガス気泡と称される空孔からなる表面欠陥を
発生し、高速鋳造であれば、鋳片108の内部にやはり
Arガス気泡と称される内部欠陥を発生するという問題
がある。また、連鋳機の二次冷却帯では、通常、図20
に示すように、鋳片108の引き抜き方向に沿って、剛
性の高い大径ロール112を複数配設すると共に、この
鋳片108の引き抜き方向に沿って隣り合う大径ロール
112の間から鋳片108に向かって冷却水を噴射する
図示しないスプレーノズルを配設している。
【0009】このため、図示するように、鋳片108の
引き抜き方向に沿って隣り合う大径ロール112の間
で、鋳片108の凝固シェル105が、溶鋼107の静
圧によって外側に膨らむ、いわゆるバルジングが発生す
ると共に、このバルジングに伴って鋳片108の凝固シ
ェル105に、図20中、矢印で示すような引張応力が
かかって内部割れ109と称される内部欠陥が発生する
という問題がある。
【0010】また、通常、鋳片108の短辺側の鋳片支
持が短過ぎる場合、図21に示すように、鋳片108の
短辺側が丸く膨らむバルジングが生じると共に、鋳片1
08のコーナー部が、放熱が激しく過冷却されているこ
とによって、このバルジングに伴って、鋳片108の凝
固シェル105に、図21に示すようなコーナー縦割れ
110と称される表面欠陥が発生するという問題があ
る。更に、鋳片108のコーナー部が過冷却された後、
延びの小さい凝固組織となるため、連鋳機の二次冷却帯
の矯正部における引張応力によって、図21に示すよう
なエッジ割れ113と称される表面欠陥が発生するとい
う問題がある。
【0011】また、連鋳機の二次冷却帯の矯正部では、
図22に示すように上、下一対のピンチロール114に
よって、鋳片108を直線状に矯正している。ところ
が、この矯正によって、図22中、矢印で示すような引
張応力が生じて内部割れ115と称される内部欠陥が発
生するという問題がある。更に、ステンレス鋼は普通鋼
に比べて凝固収縮率が大きいため、図23に示すよう
に、鋳片108と鋳型100間にエアーギャップ111
を生じ易い。このため凝固シェル105の形成速度が遅
くなって、前述したバルジングやこのバルジングに伴う
表面欠陥、内部欠陥等を引き起こすという問題がある。
【0012】本発明はこのような事情に鑑みてなされた
もので、高速鋳造条件下で問題となる鋳片の表面欠陥、
及び内部欠陥の発生を抑制して、生産性の高い操業を行
うことのできるステンレス鋼の連続鋳造方法を提供する
ことを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】前記目的に沿う請求項1
記載のステンレス鋼の連続鋳造方法は、溶鋼を冷却する
鋳型と該鋳型から引き抜かれる鋳片を冷却する二次冷却
帯とを備えた連鋳機を用いてステンレス鋼を製造するス
テンレス鋼の連続鋳造方法において、タンディッシュか
ら浸漬ノズルを介して前記鋳型内へ前記溶鋼を注湯しつ
つ、該浸漬ノズル及び/又はタンディッシュノズルを介
して該鋳型内へ不活性ガスを20L/min以下の流量
で吹き込むと共に、オッシレーション振動させる前記鋳
型のTN値を0.25以下とし、且つ該鋳型内の湯面レ
ベルの変動幅を10mm以内として、グリッド及び/又
はサポートロールを用いて該鋳型の下端から連続して
0.6〜2mとなる範囲の前記鋳片の短辺側を支持し、
前記鋳型の下端から前記鋳片の完全凝固位置までの少な
くとも一部領域において前記鋳片の板厚を1.3〜5%
の縮小率で狭めながら、前記溶鋼を0.8〜1.6m/
minの鋳造速度で連続鋳造する。
【0014】請求項2記載のステンレス鋼の連続鋳造方
法は、請求項1記載のステンレス鋼の連続鋳造方法にお
いて、前記二次冷却帯の少なくとも1つの冷却ゾーンで
前記鋳片の板幅方向両端部への注水を停止状態に維持す
る。請求項3記載のステンレス鋼の連続鋳造方法は、請
求項1又は2記載のステンレス鋼の連続鋳造方法におい
て、前記鋳型の鋳造壁面に深さ1m当たり1.1〜1.
4%の割合で縮小するテーパーを設けている。
【0015】請求項4記載のステンレス鋼の連続鋳造方
法は、請求項1〜3のいずれか1項に記載のステンレス
鋼の連続鋳造方法において、前記二次冷却帯に沿って前
記鋳型の下端から4m以内を通過する前記鋳片に、前記
二次冷却帯の全冷却水量の40%以上の冷却水を吹き付
ける。請求項5記載のステンレス鋼の連続鋳造方法は、
請求項1〜4のいずれか1項に記載のステンレス鋼の連
続鋳造方法において、前記二次冷却帯を通過する前記鋳
片の板幅方向両端部にエアーを吹き付ける。請求項6記
載のステンレス鋼の連続鋳造方法は、請求項1〜5のい
ずれか1項に記載のステンレス鋼の連続鋳造方法におい
て、前記二次冷却帯の矯正部及び/又はその近傍を通過
する前記鋳片の圧縮鋳造を行う。
【0016】請求項7記載のステンレス鋼の連続鋳造方
法は、請求項1〜6のいずれか1項に記載のステンレス
鋼の連続鋳造方法において、前記二次冷却帯の湾曲部を
通過する未凝固状態の前記鋳片の少なくとも一カ所を電
磁攪拌する。請求項8記載のステンレス鋼の連続鋳造方
法は、請求項1〜7のいずれか1項に記載のステンレス
鋼の連続鋳造方法において、前記二次冷却帯の水平部に
おける少なくとも1つの冷却ゾーンの注水を停止状態に
維持する。請求項9記載のステンレス鋼の連続鋳造方法
は、請求項1〜8のいずれか1項に記載のステンレス鋼
の連続鋳造方法において、前記鋳片の板幅方向両端部を
保温及び/又は加熱する。請求項10記載のステンレス
鋼の連続鋳造方法は、請求項1〜9のいずれか1項に記
載のステンレス鋼の連続鋳造方法において、前記鋳型内
に供給される溶鋼の鋳造量が2.0T/min以上であ
る。請求項11記載のステンレス鋼の連続鋳造方法は、
請求項1〜10のいずれか1項に記載のステンレス鋼の
連続鋳造方法において、前記連鋳機が湾曲型連鋳機であ
る。
【0017】ステンレス鋼には、オーステナイト系、フ
ェライト系、マルテンサイト系等のステンレスを挙げる
ことができる。二次冷却帯を備えた連鋳機として具体的
には、図8に示すような垂直曲げ型連鋳機Bや、図9に
示すような湾曲型連鋳機Aを挙げることができる。不活
性ガスとしてはArガスなどを挙げることができる。そ
の流量(吹き込み量ともいう)は20L/min以下と
し、好ましくは2〜20L/min、さらに好ましくは
3〜10L/minとするのが望ましい。これは、不活
性ガスの流量が3L/min未満になると、即ち、不活
性ガスの流量が少な過ぎると、不活性ガスによる酸化物
系非鉄介在物の浮上促進を図ることができなくなった
り、浸漬ノズル内に酸化物系非鉄介在物が付着し易くな
ったり、或いは、この付着物の断続的な剥離等が生じて
連鋳操業が不安定になったりする傾向が現れ、特に2L
/min未満になるとその傾向が著しくなるからであ
る。逆に、不活性ガスの流量が20L/minを超える
と、即ち、不活性ガスの流量が多過ぎると、鋳型内の湯
面で不活性ガスが破泡する、いわゆるボイルが生じ易く
なって、溶鋼の湯面に浮遊するパウダーの巻き込み又は
不活性ガス気泡が鋳片の表層にトラップされて表面疵の
原因となる傾向が現れるからである(図10〜図12参
照)。
【0018】TN値とは、オッシレーション振動する鋳
型と溶鋼との相互運動を評価するための評価指数であ
り、鋳造速度V(m/分)、鋳型の振動幅s(mm)及
び鋳型の振動数f(サイクル/分)の値を用いて下式か
ら求められ、正の範囲で定義される値である。 TN=(60/(π・f))・cos-1(V/(π・s
・f)) このTN値が0.25を超えると、鋳型壁と初期凝固殻
との相対運動が不適性な状態となって、鋳片の面状に生
じるオッシレーションマークの深さ(つめの深さ)が増
して表面疵に起因する表面欠陥の発生率が増えるので好
ましくない(図10、11参照)。
【0019】ステンレス鋼の連続鋳造方法において、湯
面レベルの変動幅を10mm以内に制御することが以下
の理由から望ましい。湯面レベルの変動幅が10mm
(±5mm)より大きくなると、パウダーの巻き込みや
初期凝固のつめの形成が不安定となり、鋳片表層への介
在物の噛み込みや介在物のトラップが発生し、表面欠陥
が増加する。更に鋳造速度、振動数、振動幅等の鋳造因
子の制御範囲が大きくなるために前記鋳型壁と初期凝固
殻との相対運動の適正化を図ることが困難になる(図1
0〜12参照)。
【0020】図2に示すように鋳片の短辺側を支持する
サポートロールやグリッドを配置する場合、二次冷却帯
に沿って鋳型の下端から下方に向かって連続して0.6
〜2mの範囲内、好ましくは鋳型の下端から0.8〜
1.2mとなる範囲に配置する、即ち最下端に配置され
るサポートロール又はグリッドの位置と鋳型の下端位置
との間の距離Lの範囲を0.6〜2m好ましくは0.8
〜1.2mとなるように設定することが好ましい。これ
は、鋳型の下端から0.6m未満の範囲内にだけサポー
トロールやグリッドを配置すると、鋳片の短辺側の支持
が短過ぎて、バルジングやこのバルジングに起因するコ
ーナー縦割れやエッジ割れが発生する傾向が現れるから
である。逆に鋳型の下端から2mを超えてサポートロー
ルやグリッドを配置すると、例えばサポートロールを配
置していた場合、このサポートロールが熱変形を生じ
て、強冷却された鋳片を強く押圧し、この結果、コーナ
ー縦割れやエッジ割れ等の表面欠陥が生じる傾向が現れ
る。
【0021】ステンレス鋼の鋳造速度は0.8m/mi
n〜1.6m/minとするのが望ましい。これは、鋳
造速度が0.8m/min未満になると不活性ガスの流
量等にも依るが、鋳片に表面欠陥が発生する傾向が現れ
るからである(図10〜図15参照)。逆に、鋳造速度
が1.6m/minを超えると、鋳片に内部欠陥が発生
する傾向が顕著になるからである。
【0022】圧縮鋳造とは、鋳片を冷却ゾーンの矯正部
に配置された矯正ロールで矯正する際、この矯正ロール
より上流側の駆動ロールと、この矯正ロールより下流側
の駆動ロールの回転速度を変更させることで、矯正部付
近の鋳片に圧縮力を付与させるような鋳造操作をいう。
これにより、内部割れを発生する鋳片の部分に圧縮力を
付与することにより内部割れの発生及び拡大等を防止す
ることができる。
【0023】ステンレス鋼の鋳造量は2.0〜4.5T
/min、好ましくは2.5〜4.5T/minとする
のが望ましい。これは、鋳造量が2.0T/min未満
になると、不活性ガスの流量等にも依るが、酸化物系非
鉄介在物や、ピンホール(又は不活性ガス気泡とい
う)、表面割れ等の表面欠陥が発生する傾向が現れるか
らである。逆に、鋳造量が4.5T/minを超える
と、内部の介在物や内部割れ等の内部欠陥が発生する傾
向が現れ著しくなるからである(図11参照)。
【0024】鋳型の鋳型壁のテーパーの縮小率は、この
鋳型の深さ1m当たり1.1〜1.4%、好ましくは
1.2〜1.4%とするのが望ましい。これは、鋳型壁
のテーパーの縮小率(又は鋳型のテーパー率という)が
1.2%未満になると鋳型壁と鋳片との間にエアーギャ
ップが発生し易くなって、コーナー縦割れが発生する傾
向が現れ、特に1.1%未満になるとその傾向が著しく
なるからである。逆に、鋳型のテーパー率が1.4%を
超えると鋳片を押圧し過ぎて、凝固シェルが破れてブレ
ークアウトが発生する傾向が現れるからである。
【0025】また、二次冷却帯の湾曲部において、該二
次冷却帯に沿って鋳型の下端(0m)から4m(好まし
くは0〜3.5m)の範囲内の冷却水量は、二次冷却帯
の全冷却水量の40〜65%、好ましくは50〜65%
とするのが望ましい。これは、この部位の冷却水量が全
冷却水量の50%未満になると、鋳片を強冷却すること
ができず、鋳片の凝固シェルの厚さが薄くなってバルジ
ングが発生する傾向が現れ、特に40%未満になるとそ
の傾向が著しくなるからである。逆に、この部位の冷却
水量が全冷却水量の65%を超えると、鋳片が過冷却さ
れて、矯正部でのエッジ割れなどが発生する傾向が現れ
る。
【0026】凝固する鋳片の等軸晶の比率を60%以上
とすることで製品のリジング欠陥の発生を防止できる
が、このために少なくとも1カ所以上の領域で電磁攪拌
を行いデンドライトの先端を溶かしたような等軸晶結晶
組織とする。特に湾曲型連鋳機では2段階の電磁攪拌を
行うことが好ましい(図9参照)。
【0027】本願発明者等はステンレス鋼を連続鋳造す
る方法について、鋭意検討した結果、以下のような知見
を得た。以下、その結果について説明する。 (1)表層介在物指数と鋳造速度との関係について 図10に示すように、特別の対策をしない場合
(×)、Arガスを適正量(20L/min以下)吹
き込んだ場合(☆)、TN値を0.25以下とした場
合(○)、湯面レベルの変動幅を10mm以内とした
場合(●)について検討した結果、いずれも鋳造速度が
上昇するにつれてシェルウォッシング効果が大きくな
り、その結果、表層介在物指数が減少することが確認さ
れた。なお、前記は、従来の操業条件により得られる
結果を示すものであり、〜はそれぞれ従来の操業条
件に上記した操業条件を付加したものである。例えば、
に示す例では従来の操業条件に加えて、湯面レベルの
変動幅を10mm以内とした例を示している。
【0028】ところが、前記の場合のように、鋳片表
層における酸化物系非鉄介在物やパウダー等を主体とす
る表層介在物指数が高く、また、過剰なArガス吹き込
みでは、鋳型内でボイルが多発し、これによって、パウ
ダーを巻き込み易くなって、鋳片表層におけるパウダー
を主体とする表層介在物指数が高くなることが確認され
た。従って、表層介在物に対して、前記の如くArガ
スを適正量吹き込むことが有効で、特に、鋳造速度0.
8m/min以上のとき、その効果は大きくなって、表
層介在物指数は大幅に減少することが確認された。
【0029】また、前記のようにTN値を0.25以
下にすることで初期凝固シェルのたおれ込みを浅くで
き、Ar気泡や介在物の補足による表面欠陥が防止さ
れ、前記と同様に鋳造速度0.8m/min以上でそ
の効果が大きくなる。これは、TN値が適正範囲を外れ
るとオッシレーションマーク(つめ)深さが深くなっ
て、図19に示すように鋳片の内側に介在物や気泡が補
足され易くなるためであり、オッシレーションマーク
(つめ)深さを浅くすることで抑制できる。一方、鋳造
中の湯面レベルの変動が大きいと、つめの外側に溶鋼と
パウダーのオーバーフローが生じ、これが凝固して表層
にCタイプ疵を形成する。従って、前記のようにつめの
深さを浅くし、かつ湯面レベルを安定させると共に、適
正量のArガスを吹き込むことによる介在物の浮上除去
効果により鋳片の品質を大幅に向上できる。
【0030】(2)鋳片の全体欠陥指数と鋳造量との関
係について 図11に示すように、従来例のように対策をしない場
合(×)、Arガスを適正量吹き込んだ場合(☆)、
TN値を0.25以下とし、且つ湯面レベルの変動幅
を10mm以内とした場合(●)について検討した結
果、いずれも鋳造量が上昇するにつれてシェルウォッシ
ング効果が大きくなり、その結果、鋳片の全体欠陥指数
は減少する傾向にあることが確認された。
【0031】ところが、前記の場合、不活性ガスによ
る介在物の浮上促進を図ることができないこと、及び凝
固シェルのたおれ込みや湯面レベルの変動等から、鋳片
表層における酸化物系非鉄介在物やパウダー等を主体と
する表層介在物指数が高いことが確認された。従って、
表層介在物に対して、前記の如くArガスを適正量吹
き込むこと、及びのようにTN値を0.25以下と
し、且つ湯面レベルの変動幅を10mm以内にすること
が有効で、特に、鋳造量2.0T/min以上のとき、
溶鋼のノズル吐出流によるシェルウォッシング等によ
り、その効果が大きくなって、表層介在物指数(鋳片の
全体欠陥指数)も大幅に減少することが確認された。こ
の結果、前記(1)、(2)より、浸漬ノズル等を介し
て鋳型内にArガス等の不活性ガスを20L/min以
下の流量で吹き込むと共に、TN値を0.25以下と
し、且つ湯面レベルの変動幅を10mm以内として、鋳
造速度0.8m/min以上、また鋳造量2.0T/m
in以上好ましくは2.5T/min以上で連続鋳造を
行うことによって、鋳片の表層介在物指数を大幅に低減
することが可能となることが確認された。
【0032】(3)内部介在物指数と鋳造速度との関係
について 図12に示すように、従来で特に対策のない場合
(×)、Arガスを適正量吹き込んだ場合(●)、
湯面レベルの変動幅を10mm以内とした場合(○)に
ついて検討した結果、いずれも鋳造速度が上昇するにつ
れて溶鋼中の酸化物系非鉄介在物の侵入深さが深くなっ
て、内部介在物指数が高くなることが確認された。
【0033】特に、前記の場合、鋳型の湯面の近傍を
流動する上向きの溶鋼流の流速の増大や湯面レベルの変
動等から、パウダーを巻き込み易くなると共に、その侵
入深さも深くなって、酸化物系非鉄介在物が浮上するこ
とができず、その結果、鋳片にトラップされて、また、
鋳型内でボイルが多発し、これによってパウダーを巻き
込み易くなって、内部介在物指数が高くなることが確認
された。従って、内部介在物に対して、前記の如くA
rガスの適正量を吹き込むことが有効で、特に、鋳造速
度1.6m/min以下のとき、その効果は大きくなっ
て、内部介在物指数の増加を最小限に抑制できることが
確認された。このように、浸漬ノズル等を介して鋳型内
にArガス等の不活性ガスを20L/min以下の流量
で吹き込むと共に、湯面レベルの変動幅を10mm以内
として鋳造速度1.6m/min以下で連続鋳造を行う
ことにより、鋳片の内部介在物指数を大幅に低減するこ
とができ、生産性を向上できることが確認された。
【0034】(4)コーナー縦割れ指数と鋳造速度との
関係について 図13に示すように、何も対策をしなかった場合
(×)、鋳型の鋳型壁のテーパーを最適化(鋳型1m
当たり1.1〜1.4%縮幅)した場合(○)、鋳片
の短辺側にサポートロールを設置(二次冷却帯に沿って
鋳型の下端から0.6m以上の範囲内)した場合(●)
について検討した結果、いずれも、鋳造速度が速くなる
につれて、コーナー縦割れ指数が増加することが確認さ
れた。
【0035】ところが、前記の場合、鋳造速度が速く
なるほど、鋳型内での凝固シェルの不均一性が増大し、
特に、鋳造速度が0.8m/minを超えると、急激に
コーナー縦割れ指数が増加する。また、前記の場合、
鋳型のテーパーの最適化により、シェルの不均一性が改
善され、コーナー縦割れ指数が低下するが、軽微なもの
であったことが確認された。従って、コーナー縦割れに
対して、前記の如く鋳片の短辺側にサポートロールを
設置することが有効で、特に、鋳造速度1.6m/mi
n以下のとき、その効果は大きくなって、コーナー縦割
れ指数は大幅に減少する。
【0036】(5)エッジ割れ指数及び置き割れ指数と
鋳造速度との関係について 図14に示すように、何も対策をしなかった場合
(×)、注水幅切り(スプレー幅切り)を行った場合
(○)、鋳片の長辺側に分割ロールを配置した場合
(●)、エッジエアーブロー設備を配置した場合
(▲)について検討した結果、いずれも、鋳造速度が速
くなるほど、エッジ割れ指数及び置き割れ指数が低減す
ることが確認された。ここで、分割ロールとは、図3
(a)に示すような鋳片の板幅方向に複数に分割形成さ
れたロールをいい、更に、鋳片の板厚を狭める方法とし
ては、鋳片を挟んで対向するロールの間隔を絞る方法な
どを挙げることができる。
【0037】前記の場合、鋳造速度が速くなるほど鋳
片温度が高くなって、割れ感受性が低下するため、エッ
ジ割れ指数は減少傾向にあるが全体としては高い水準に
ある。従って、エッジ割れに対して、前記の如く鋳片
の長辺側に分割ロールを配置することがエッジ割れ指数
を低減するために有効であり、特に、鋳造速度0.8m
/min以上のとき、その効果は大きくなって、エッジ
割れ指数を大幅に減少できる。そして、前記の如くエ
ッジエアーブロー設備を配置すると、ロールに沿って流
れる冷却水の垂れ水による鋳片コーナー部の冷却水が軽
減され、エッジ部の鋳片温度が上昇し、エッジ割れ指数
は更に低減することも確認された。この結果、前記
(4)、(5)より、鋳片の短辺側をサポートロール等
で支持すると共に、鋳片の長辺側を分割ロールで支持す
ることにより、鋳片のコーナー縦割れ及びエッジ割れを
防止することができることが確認された。また、鋳片の
冷却過程の鋳片端部と中央部の温度偏差による収縮量の
差による熱応力によって切断終了後の鋳片に置き割れが
発生する。この置き割れは前記のエッジ割れと同様であ
り、前記の〜の対策によって鋳片温度差を150℃
以下とすることで防止できる。
【0038】(6)内部割れ指数と鋳造速度との関係に
ついて 図15に示すように、何も対策をしなかった場合
(×)、鋳片の長辺側に分割ロールを配置した場合
(●)について検討した結果、いずれも、鋳造速度が速
くなるほど、内部割れ指数が増加することが確認され
た。そして、前記の場合、鋳造速度が速くなるほど、
鋳片温度が高くなって、凝固シェルの形成速度が遅くな
って、割れ感受性が上昇するため、内部割れ指数の全体
レベルが増加し、発生率が極めて高くなることが確認さ
れた。従って、内部割れに対して、前記(2) の如く鋳片
の長辺側に分割ロールを配置することが有効で、特に鋳
造速度1.6m/min以下のとき、その効果は大きく
なって、内部割れ指数は大幅に減少することが分かる。
【0039】(7)中心割れ発生指数とロール間隔絞り
率について 図16に示すように、鋳型下端から鋳片の完全凝固位置
までのロール間隔を1.3%以上狭くすることにより、
即ち鋳片の縮小率を1.3%以上として、内部割れ(中
心割れ)の発生を防止することができることが確認され
た。なお、鋳片の縮小率が5%を超える場合には、変形
量が大きくなりすぎるために逆に内部割れが増える要因
となるので好ましくない。前記(1)〜(7)に説明し
たように、ステンレス鋼の表面欠陥及び内部欠陥を低減
できることが確認された。そして、この結果、図17
中、斜線枠内で示すように、ステンレス鋼の手入れ負荷
軽減率を約65%以上と高くすることができると共に、
生産性指数を約11以上と高くすることができ、高品質
なステンレス鋼を普通鋼並みの高い生産性でかつ高い製
品歩留りで製造することができる。
【0040】なお、前述した表層介在物指数とは、鋳造
速度0.5m/minで連続鋳造を行ったときの鋳片の
表層直下10mm以内の表層介在物を基準8として指数
化したもの、内部介在物指数とは、鋳造速度1.4m/
minで連続鋳造を行ったときの鋳片の中心部の内部介
在物を基準8として指数化したものである。ここで、コ
ーナー縦割れ指数、中心割れ指数及び置き割れ指数と
は、鋳造速度1.6m/minで連続鋳造を行ったとき
の鋳片のコーナー縦割れ、中心割れ及び置き割れのそれ
ぞれを基準値8として指数化したもの、エッジ割れ指数
とは、鋳造速度0.5m/minで連続鋳造を行ったと
きの鋳片のエッジ割れを基準値8として指数化したもの
である。内部割れ指数とは、鋳造速度1.4m/min
で連続鋳造を行ったときの鋳片の内部割れを基準8とし
て指数化したものであり、手入れ負荷軽減率とは、普通
鋼で手入れがなかった場合を100%として指数化した
もの、生産性指数とは、所定の連鋳機で普通鋼を大量生
産するときの最大生産能力を24として指数化したもの
である。全体欠陥指数とは前記表層介在物指数、内部介
在物指数、コーナー縦割れ指数、中心割れ指数及び置き
割れ指数及び内部割れ指数等を用いて総合的に評価して
得られる評価値である。
【0041】
【発明の実施の形態】続いて、添付した図面を参照しつ
つ、本発明を具体化した実施の形態につき説明し、本発
明の理解に供する。まず、図1〜図4を参照して、本発
明の一実施の形態に係るステンレス鋼の連続鋳造方法に
好適に用いることができる湾曲型連鋳機Aの全体構成に
ついて説明する。図1及び図2に示すように、図示しな
い建屋内には、図示しない鋳床が立設されており、この
鋳床上には、回転可能なレードルターレット11が配設
され、更に、このレードルターレット11上に、取鍋1
2が載置されている。また、上述した鋳床上には、一対
のレール(図示せず)が敷設されており、この一対のレ
ール上には、図示しない移動可能な走行台車が配設さ
れ、更に、この走行台車上に、タンディッシュ13が配
設されている。
【0042】また、上述した建屋の床面上には、図示し
ない架台が立設されており、この架台上には、鋳型を上
下方向に振動させるための図示しないオッシレーション
装置が配設され、更に、このオッシレーション装置の先
部に配設された支持台上に、鋳型14が上、下動可能に
支持されている。また、上述した床面上には、図示しな
い複数のローラエプロン架台が適宜角度を変えて配設さ
れており、このローラエプロン架台上に、複数(本実施
の形態では25)のロールセグメント15A〜15ZZ
が配設されることによって、二次冷却帯19が構成され
ている。なお、ロールセグメント15ZZの下流側(図
では右下側)には、上記した鋳型14からこの二次冷却
帯19を介して鋳片18を引き抜くための上、下一対の
ピンチロール28が配設されており、このピンチロール
28の下流側には、鋳片18を所望の長さで切断する図
示しないカッティング装置が配設されている。
【0043】次に、上記した湾曲型連鋳機Aに使用する
鋳型14の具体的構成を、図2を参照しながら説明す
る。図示するように、オッシレーション装置の支持台上
には、一対の鋳型長辺21a、21bが平行間隔を開け
て配設されており、この一対の鋳型長辺21a、21b
間に、一対の鋳型短辺22a、22bが、各鋳型長辺2
1a、21bの長手方向に沿って進退可能に配設されて
いる。なお、各鋳型長辺21a、21bの鋳型壁は、二
次冷却帯19の湾曲半径Rに合わせた曲面になってい
る。そして、これに合わせて、各鋳型短辺22a、22
bは、それぞれ正面視弧字状に形成されている。
【0044】また、一対の鋳型長辺21a、21bの下
部間の幅(即ち、一方の鋳型長辺21aの鋳型壁下端か
ら、他方の鋳型長辺21bの鋳型壁迄の法線方向の幅)
bは、一対の鋳型長辺21a、21bの深さ、1m当た
り、各鋳型長辺21a、21bの上端間の幅aより、
1.1〜1.4%縮幅されている。同様に、一対の鋳型
短辺22a、22bの下端間の幅dは、この一対の鋳型
短辺22a、22bをそれぞれ上、下1対(又は2対)
の駆動手段によって鋳型長辺21a、21bの長手方向
に沿って駆動することにより、一対の鋳型短辺22a、
22bの深さ1m当たり、各鋳型短辺22a、22bの
上端間の幅cより、1.1〜1.4%の縮小率で縮幅さ
れたテーパーを有している。従って、鋳型14の鋳型壁
と鋳片18との間にエアーギャップが発生するのを防止
することができるので、常に強固な(厚さの厚い)凝固
シェルを形成することができ、鋳片18のバルジング及
び、このバルジングに伴う表面欠陥と内部欠陥とを防止
できるようになっている。
【0045】次に、図1〜図3を参照して、二次冷却帯
19について説明する。まず、ロールセグメント15A
の具体的構成について説明する。図1、図2及び図3
(a)に示すように、鋳片18を挟んで対向する一対の
小径の分割ロール25が、湾曲半径Rに沿って平行間隔
を開けて3組配設されている。また、この分割ロール2
5間には、鋳片18の板幅方向に沿って、適当間隔を開
けて、複数のスプレーノズル26が配設されている(図
3(a)参照)。また、短辺22a、22bの下端から
連続した少なくとも0.6m以上の領域に短辺を支持す
るサポートロール30が設けてある。
【0046】なお、この分割ロール25が小径ロールか
らなると共に、分割ロール25間の間隔を、スプレーノ
ズル26が収まるだけの狭い隙間を開けて配設している
ため、鋳片18のバルジング、及び、このバルジングに
伴う表面欠陥及び内部欠陥を防止することができる構造
となっている。また、鋳片18の板幅方向に配設された
スプレーノズル26は、幅切り注水(注水幅切り、スプ
レー幅切り)が可能となっている(図3(b)参照)と
共に、鋳片18の引き抜き方向に隣り合う分割ロール2
5間でかつ鋳片18の板幅方向の両端部近傍には、鋳片
18の両端部に向かって(即ち両端部から外側に向かっ
て)エアーを吹き付けるエアーノズル27を備えた図示
しないエッジエアーブロー装置が配設されている。
【0047】従って、鋳片18のコーナー部が過冷却さ
れてコーナー縦割れやエッジ割れが発生するのを防止す
ることができると共に、図3(c)に示すように、鋳片
18の上面を伝って冷却水が鋳片18の両端部へ流れて
いって、鋳片18の両端部が過冷却されてコーナー縦割
れやエッジ割れが発生するのを確実に防止できる。そし
て、上記した構成を有するロールセグメント15Aの下
流側には、ロールセグメント15Bが配設されている。
次に、このロールセグメント15Bの具体的構成につい
て説明する。図1に示すように、鋳片18を挟んで対向
する一対の小径の分割ロール25が、湾曲半径Rに沿っ
て平行間隔を開けて3組配設されていると共に、その下
流側に、鋳片18を挟んで対向する一対の分割ロール2
5a(分割ロール25より大径)が、4組配設されてい
る。また、このロールセグメント15Bには、上記した
ロールセグメント15Aと同様、分割ロール25、25
a間に、図示しない複数のスプレーノズルが配設されて
いると共に、鋳片18の板幅方向の両端部近傍に、エア
ーを吹き付ける図示しないエッジエアーブロー装置が配
設されている。
【0048】次に、上記した構成を有するロールセグメ
ント15Bの下流側に配設されたロールセグメント15
C〜15Jの具体的構成について、その中のロールセグ
メント15Cの場合を例に取って説明する。図1に示す
ように、このロールセグメント15Cには、鋳片18を
挟んで対向する一対の小径の分割ロール25aが、湾曲
半径Rに沿って平行間隔を開けて6組配設されていると
共に、この分割ロール25a間に、複数のスプレーノズ
ル(図示せず)、及び、鋳片18の板幅方向の両端部近
傍に、エアーを吹き付けるエッジエアーブロー装置(図
示せず)が必要に応じて配設されている。そして、上記
した構成を有するロールセグメント15Jの下流側に、
ロールセグメント15Kが配設されているが、このロー
ルセグメント15Kは、鋳片18の引き抜き方向中央部
に位置する下方のロール25eが大径のバックアップロ
ール17によって押圧支持されている(このため、ロー
ルセグメント15Kの鋳片18の引き抜き方向中央部に
位置する一対のロール25eを矯正ロールともいう)以
外、上記したロールセグメント15Jと同様なものなの
で、その説明を省略する。
【0049】次に、上記した構成を有するロールセグメ
ント15Kの下流側に配設されたロールセグメント15
L〜15ZZの具体的構成について説明する。図1に示
すように、このロールセグメント15L〜15ZZは、
それぞれ、鋳片18を挟んで対向する上、下一対の大径
のロール25eが、平行間隔を開けて3組配設されてい
ると共に、このロール25e間には、複数のスプレーノ
ズル(図示せず)、及びエッジエアーブロー装置(図示
せず)が必要に応じて配設されている。そして、ロール
セグメント15Aにより第1の冷却ゾーン16A、ロー
ルセグメント15Bにより第2の冷却ゾーン16B、ロ
ールセグメント15Cにより第3の冷却ゾーン16C、
ロールセグメント15Dにより第4の冷却ゾーン16
D、ロールセグメント15E、15Fにより第5の冷却
ゾーン16Eが構成されている。
【0050】また、ロールセグメント15G、15Hに
より第6の冷却ゾーン16F、ロールセグメント15J
〜15Lにより第7の冷却ゾーン16G、ロールセグメ
ント15M〜15Pにより第8の冷却ゾーン16H、ロ
ールセグメント15Q〜15Tにより第9の冷却ゾーン
16J、ロールセグメント15U〜15ZZにより第1
0の冷却ゾーン16Kが構成されている。更に、ロール
セグメント15A〜15Kにより湾曲部19A、ロール
セグメント15L〜15ZZにより水平部19Bが構成
されている。なお、上記した湾曲部19Aにおいて、鋳
片18を挟んで対向する分割ロール25〜25d及びロ
ール25eの間隔は、この二次冷却帯19の上流側から
下流側に向かって縮幅されていると共に、この湾曲部1
9Aトータルで1.3〜5%に縮幅されている。即ち、
鋳型14の下端から鋳片18の完全凝固位置までの少な
くとも一部領域において、鋳片18の板厚が1.3〜5
%の縮小率で狭められている。
【0051】従って、通常、ステンレス鋼を連続鋳造す
る際、鋳片18内溶鋼が完全に凝固するまでのロール間
隔絞り率は約1%程度であるが、それより更に約0.3
%程度多く絞り込むので、鋳片18を効果的に押圧する
ことができ、この結果、内部割れを防止することができ
る。また、冷却ゾーン16Gより上流側の冷却ゾーン1
6E、16Fを構成する分割ロール25c、25d、及
び、冷却ゾーン16Gより下流側の冷却ゾーン16H〜
16Kを構成するロール25eは駆動ロールとなってい
る。なお、図1中ではこのような駆動可能なロールを他
と区別する記号◎で示している。この駆動ロールを駆動
することによって、鋳片18を円滑に引き抜くことがで
きると共に、冷却ゾーン16Gの矯正ロールより上流側
の駆動ロールと、下流側の駆動ロールの回転速度を適宜
変更することにより、従来、鋳片の矯正部に発生するよ
うな内部割れを防止することができる。
【0052】実施の形態におけるその他の構成は以下の
通りである。図4(a)、(b)に示すように、タンデ
ィッシュ13の吐出口13bには、図示しない円筒状の
通気性耐火物が内側に配置されたタンディッシュノズル
33が配設され、このタンディッシュノズル33には図
示しないArガス送給手段に連通するArガス供給管3
4が接続されている。浸漬ノズル13aの内壁の所定部
には、薄肉円筒状のスリット36が配設され、スリット
の内孔側に配置された通気性耐火物35又は通気孔を介
してArガスが吹き込まれるようになっている。そし
て、このスリット36には図示しないArガス送給手段
に連通するArガス供給管37が接続されている。更
に、タンディッシュ13のストッパー38の軸心部に
は、ストッパーノズル38aが形成され、このストッパ
ーノズル38aには図示しないArガス送給手段に連通
するArガス供給管(図示せず)が接続されている。従
って、タンディッシュノズル33、ストッパーノズル3
8a及び浸漬ノズル13aを介して、必要に応じて鋳型
14内へArガスを吹き込むことができ、浸漬ノズル1
3aの内壁に酸化物系非鉄介在物が付着するのを防止で
きる構造となっている。
【0053】ここで、浸漬ノズルの吐出口の傾き角度
は、水平面(又は湯面レベル)に対し上向き角度(α)
15°以下、水平面に対し下向き角度(β)35°以下
とするのが望ましい(図4(a)、(b)参照)。これ
は、吐出口の上向き角度(α)が15°を超えると、パ
ウダー直下の溶鋼流速が早くなり、パウダーの巻き込み
による表層介在物や内部介在物が増加する傾向が現れる
からである。吐出口の下向き角度(β)が35°を超え
ると、溶鋼流の侵入深さが深くなり、その結果、介在物
の浮上除去が阻害され、内部欠陥(介在物)が発生する
傾向が現れる。こうして、浸漬ノズル13aの吐出口1
3cの傾き角度は、図4(a)、(b)に示すように、
水平面に対し上向き角度(α)が15°以下、水平面に
対し下向き角度(β)が35°以下になっている。従っ
て、表層介在物や内部介在物が発生するのを防止するこ
とができる。
【0054】次に、上記構成を有する湾曲型連鋳機Aを
用いる本実施の形態に係るステンレス鋼の連続鋳造方法
について説明する。まずレードルターレット11に支持
された取鍋12からロングノズル12aを介してタンデ
ィッシュ13にC濃度0.05〜0.3wt%、Cr濃
度13〜18wt%、Ni濃度0.20〜0.5wt%
の溶鋼を注湯すると共に、このタンディッシュ13から
浸漬ノズル13aを介して鋳型14内に溶鋼を鋳造量
2.0〜4.5T/minで注湯する。この際、タンデ
ィッシュノズル33、ストッパーノズル38a及び浸漬
ノズル13aを介して鋳型14内へ20L/min以下
の流量でArガスを吹き込みながら、鋳型14内で冷却
凝固された鋳片18を、二次冷却帯19を介して鋳造速
度0.8m/min〜1.6m/minで引き抜きなが
ら鋳造する。
【0055】この場合、鋳造条件として前記のTN値を
0.20とし、鋳型14内の湯面レベルの変動幅を10
mm以内にすることで、オッシレーションや湯面変動に
伴う表面欠陥を防止することができる。この際、二次冷
却帯19に沿って鋳型14の下端から4m内の冷却水量
を、全冷却水量の40〜65%とすることにより、鋳片
18を強冷却することができ、鋳片18のバルジング、
及びこのバルジングに起因する内部割れを防止すること
ができる。また、湾曲部19Aの少なくとも1つの冷却
ゾーン16A〜16Gで鋳片18の板幅方向の両端部へ
の注水を停止すると共に、この鋳片18の板幅方向の両
端部へエアーを吹き付けることにより、この鋳片18の
板幅方向の両端部の過冷却を防止することができ、矯正
部におけるエッジ割れ、及び鋳片18の切断後の置き割
れを防止することができる。
【0056】そして、冷却ゾーン16A〜16Fを経た
鋳片18は冷却ゾーン16Gの矯正ロールで矯正され
る。この際、この矯正ロールより上流側の図示しない駆
動ロールと、この矯正ロールより下流側の駆動ロールの
回転速度を変更させることで、矯正部付近の鋳片18に
圧縮力を付与させる圧縮鋳造を行うことにより、鋳片1
8の内部割れを防止することができる。また、鋳造され
るステンレス鋼の鋳型14内への鋳造量を2.0T/m
in以上とし、且つ湾曲部に2基の電磁攪拌装置を配置
して未凝固状態の鋳片18の電磁攪拌を行った。
【0057】本実施の形態に係るステンレス鋼の連続鋳
造方法によれば、以下の効果を奏することができる。 (1) 浸漬ノズル13aを介して鋳型14内へArガスを
20L/min以下の流量で吹き込むことにより、浸漬
ノズル13a内に酸化物系非鉄介在物が付着するのを防
止することができる。 (2) 鋳片18の短辺側を二次冷却帯19に沿って鋳型1
4の下端から0.6〜2mの範囲内をサポートロール3
0で支持することにより、鋳片18の短辺側バルジン
グ、及びこのバルジングに起因するコーナー縦割れやエ
ッジ割れ等の表面欠陥を防止することができる。
【0058】(3) 鋳片18の板厚を、鋳型14の下端か
らこの鋳片18の完全凝固位置まで1.3〜5%狭めな
がら、この鋳片18を引き抜くことにより、鋳片18の
内部割れを防止することができる。 (4) 鋳造に際し、TN値を0.25以内で且つ湯面変動
幅を10mm以内としてあるために、オッシレーション
振動に伴うつめ深さの改善及び湯面変動に伴うCタイプ
疵を防止できる。 (5) 湾曲部19Aの少なくとも1つの冷却ゾーン16A
〜16Gで幅切り注水を行うことにより、鋳片18のコ
ーナー部の過冷却を防止することができ、エッジ割れ及
び鋳片端部の過冷却を防止することができる。 (6) 鋳型14の鋳型壁に、鋳型14の深さ1m当たり
1.1〜1.4%のテーパーを設けることにより、エア
ーギャップの発生を防止して、強固な初期凝固シェルを
形成することができ、バルジング、及びこのバルジング
に起因する表面欠陥及び内部欠陥を防止できる。
【0059】(7) 鋳型14の下端から4m以内を通過す
る鋳片18に、二次冷却帯19の全冷却水量の40%以
上の冷却水を吹き付けることにより、鋳片18の強冷却
を行って、強固な初期凝固シェルを形成することがで
き、バルジング、及びこのバルジングに起因する表面欠
陥及び内部欠陥を防止できる。 (8) 二次冷却帯19を通過する鋳片18の板幅方向の両
端部にエアーを吹き付けることにより、たとえ、鋳片1
8を伝った冷却水があっても、鋳片18の両端部が過冷
却されるのを防止でき、エッジ割れ及び置き割れを防止
できる。 (9) 二次冷却帯19の矯正部(又は矯正ロール)を通過
する鋳片18を圧縮鋳造することにより、矯正に伴う内
部割れ及びエッジ割れの発生を防止することができる。
【0060】(10) 凝固しつつある鋳片18に少なくと
も1段の電磁攪拌を行うことでデンドライトの生成を抑
制して60%以上の等軸晶率を確保してリジングの発生
を防止することができる。この理由からも湾曲型では2
段で電磁攪拌を行うことが望ましい。 (11) 湾曲型連鋳機Aを使用すること及び鋳片を未凝固
の状態で矯正するために、垂直曲げ型の連鋳機では、曲
げ部を有することに起因する表面割れや内部割れが発生
していたが、これを防止することができる。
【0061】上記説明したように、オーステナイト系、
フェライト系、マルテンサイト系等の割れ感受性の高い
ステンレス鋼を連続鋳造する際、表面欠陥及び内部欠陥
の無い高品質なステンレス鋼を、鋳造速度0.8m/m
in以上、かつ鋳造量2.0T/min以上で連続鋳造
することができ、この結果、鋳片18の無手入れ化を促
進することができると共に、普通鋼並みの高い生産性を
得ることができる。
【0062】
【実施例】続いて、本発明の一実施の形態に係るステン
レス鋼の連続鋳造方法の確認試験を行った結果について
説明する。 (実施例1〜3、従来例1)実施例1〜3、従来例1に
おいては、表1にそれぞれ示す操業条件でステンレス鋼
の連続鋳造を行い表2に示す品質結果を得た。なお、鋳
片18の短辺側を支持するサポートロール30はサポー
トロール30の上端を鋳型14の下端に配置して、サポ
ートロール30の下端位置が鋳型14の下端から1mを
超えた所に設置した。鋳片18の長辺側を支持する分割
ロール25は、ロールセグメント15E〜15Hに設置
するものとした(図1参照)。
【0063】
【表1】
【0064】
【表2】
【0065】ここで、例えば、実施例1は、Cr濃度が
13wt%となるステンレスの溶鋼を鋳型テーパー率
(縮小率)が1.30%の鋳型に注入して、鋳型内に吹
き込まれるArガスの吹込量(Arガス吹込量)を10
L/minとして、鋳造速度及び鋳造量をそれぞれ1.
40m/min、2.0T/minとした例である。こ
こでは、鋳型下部の所定位置に設けた鋳片短辺側サポー
トロールにより鋳片を支持し(表1中では有として表示
している)、鋳型下端から完全凝固位置までのロール間
隔絞り率を1.3%にして、鋳型下端から4.0m以内
の二次冷却水量を全冷却水量に対して52%としてい
る。さらに、鋳造時における湯面変動の条件を規定する
TN値と湯面レベルとを所定の範囲に制御した(表1中
では有として表示)。なお、実施例1においては、エッ
ジエアーブロー設備を用いる鋳片板幅方向両端部へのエ
アーの吹きつけ、及び鋳片の電磁攪拌についてはこれを
省略した(表1中では無として表示)。
【0066】この結果、表2の実施例1に示されるよう
に、表層介在物指数、コーナー縦割れ指数、エッ
ジ割れ指数、内部介在物指数、内部割れ指数、手
入れ負荷軽減比率、及び生産性指数はそれぞれ0.
4、0.8、1.1、1.2、1.2、70
%、14.1となっている。このように、これらの各
指数を従来例と比較すれば明らかなように、実施例1〜
実施例3は従来例より優れる結果であることが分かる。
なお、実施例2はスプレー幅切りを実施した例であり、
実施例3はこれに加えて鋳片長辺側のロールを分割ロー
ルとした点、電磁攪拌及びエッジエアーブローを実施し
た点で実施例1と構成が異なっている。表2の評価の欄
における記号○、◎、×はそれぞれは良好、さらに良
好、不良をあらわしている。
【0067】以上、本発明の実施の形態を説明したが、
本発明はこれらの実施の形態に限定されるものではな
く、要旨を逸脱しない条件の変更等は全て本発明の適用
範囲である。例えば、本実施の形態では、2分割状の分
割ロール25を使用したが、3分割又はそれ以上の数に
分割されたものを使用することもできる。また、本実施
の形態では、鋳片18の短辺側を支持するため、サポー
トロール30を使用したが、その他一般に用いられてい
るグリッドやシュープレートを使用してもよい。
【0068】また、図5(a)、(b)に示すように、
鋳型14内に電磁力を付与し、鋳型14内の溶鋼流動を
制御し、下向きの溶鋼流並びに上向きの溶鋼流の適正化
を図ることにより表面及び内部介在物の増加を防止する
ことができる。さらに、二次冷却帯の水平部を通過する
鋳片18に対し、該水平部の少なくとも1つの冷却ゾー
ンで冷却水の注水を停止状態に維持してロールの過度の
変形を防止することも可能である。
【0069】なお、ロール冷却とは、図6に示すよう
に、内部に冷却水通路45aを有するロール45によっ
て、鋳片18を引き抜きながら冷却することであり、こ
のようなロール冷却を必要に応じて用いることにより、
さらに効果的にロールの過度の変形が防止できる。ま
た、図7(a)、(b)に示すように、連鋳機を経た鋳
片18の板幅方向の両端部を保温及び/又は加熱しても
よい。即ち、図7(a)に示すように、鋳片18の板幅
方向の両端部を覆う断面視コ字状の保温装置の一例であ
る筐体46を設けることによって、鋳片18の板幅方向
の両端部を保温してもよい。また、図7(b)に示すよ
うに、鋳片18の板幅方向の両端部に向かって炎を吹き
付ける加熱装置の一例であるバーナー47を設けること
によって、鋳片18の板幅方向の両端部を加熱してもよ
い。
【0070】
【発明の効果】請求項1〜11記載のステンレス鋼の連
続鋳造方法は、タンディッシュから浸漬ノズルを介して
鋳型内へ溶鋼を注湯する連続鋳造に際して、浸漬ノズ
ル及び/又はタンディッシュノズルを介して該鋳型内へ
吹き込む不活性ガスの流量、オッシレーション振動さ
せる前記鋳型のTN値、鋳型内の湯面レベルの変動
幅、グリッド及び/又はサポートロールにより支持さ
れる短辺側鋳片の支持範囲、鋳型の下端から鋳片の完
全凝固位置までの少なくとも一部領域における鋳片の板
厚の縮小率、及び溶鋼の鋳造速度をそれぞれ特定範囲
に設定するので、特にCr濃度13wt%以上となるよ
うな割れ感受性の高いステンレス鋼を連続鋳造するに際
して、鋳片の表面欠陥及び内部欠陥を低減した手入れ化
の少ない高品質なステンレス鋼を普通鋼並みの高い生産
性でかつ高い製品歩留りで製造することができる。
【0071】特に、請求項2記載のステンレス鋼の連続
鋳造方法は、二次冷却帯の少なくとも1つの冷却ゾーン
で前記鋳片の板幅方向両端部への注水を停止状態に維持
するので、鋳片のコーナー部の過冷却を防止することが
でき、製品歩留りを高くすることができる。特に、二次
冷却帯の湾曲部を通過する鋳片に対し、該湾曲部の少な
くとも1つの冷却ゾーンで鋳片の板幅方向両端部への注
水を停止すると、鋳片を強冷却して、バルジング及びバ
ルジングに伴う表面欠陥や内部欠陥を防止することがで
きる。また、請求項3記載のステンレス鋼の連続鋳造方
法は、鋳型の鋳造壁面に特定割合で縮小するテーパーを
設けているので、エアーギャップの発生を防止して、強
固な初期凝固シェルを形成することができ、バルジング
及びこのバルジングに起因する表面欠陥や内部欠陥を防
止できる。
【0072】請求項4記載のステンレス鋼の連続鋳造方
法は、二次冷却帯に沿って鋳型の下端から4m以内を通
過する鋳片に、前記二次冷却帯の全冷却水量に対する特
定比率の範囲の冷却水を吹き付けるので、鋳片の強冷却
を行って強固な初期凝固シェルを形成することができ、
バルジング及びこのバルジングに起因する表面欠陥や内
部欠陥を防止できる。
【0073】請求項5記載のステンレス鋼の連続鋳造方
法は、二次冷却帯を通過する鋳片の板幅方向両端部にエ
アーを吹き付けるので、鋳片を伝った冷却水によって鋳
片の両端部が過冷却されるのを防止でき、コーナー縦割
れを防止できる。この結果、鋳片表層で発生するコーナ
ー縦割れに起因するブレークアウトを防止することがで
き、このブレークアウトに起因する地金処理及び復旧作
業による生産性の低下を防止することができる。請求項
6記載のステンレス鋼の連続鋳造方法は、二次冷却帯の
矯正部及び/又はその近傍を通過する鋳片の圧縮鋳造を
行うので、鋳片に圧縮力を付与して矯正に伴う内部割れ
の発生を防止することができる。
【0074】請求項7記載のステンレス鋼の連続鋳造方
法は、二次冷却帯の湾曲部を通過する未凝固状態の鋳片
の少なくとも一カ所、好適には2カ所を電磁攪拌するの
で、鋳片の未凝固部分を攪拌して鋳片の中心部に不純物
が偏析するのを防止することができると共に、柱状晶の
生成を防いで均質な結晶粒を有する鋳片を製造すること
ができる。請求項8記載のステンレス鋼の連続鋳造方法
は、二次冷却帯の水平部における少なくとも1つの冷却
ゾーンの注水を停止状態に維持するので、鋳片の輻熱を
利用して、鋳片の板幅方向及び板厚方向の温度差を小さ
くすることができ、この結果、コーナー縦割れやエッジ
割れ等の表面欠陥等を防止することができる。
【0075】請求項9記載のステンレス鋼の連続鋳造方
法は、鋳片の板幅方向両端部を保温及び/又は加熱する
ので、鋳片の板幅方向の温度差を少なくすることがで
き、この結果、表面割れなどを防止することができる。
請求項10記載のステンレス鋼の連続鋳造方法は、鋳型
内に供給される溶鋼の鋳造量を特定値以上としているの
で、介在物や気泡性の欠陥等の全体欠陥を減少し、且つ
鋳造生産性を向上できる。請求項11記載のステンレス
鋼の連続鋳造方法は、連鋳機が湾曲型連鋳機であるの
で、垂直曲げ型の連鋳機の曲げ部で発生していたような
表面欠陥や内部割れを抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態に係るステンレス鋼の連
続鋳造方法に好適に用いる湾曲型連鋳機の説明図であ
る。
【図2】鋳型近辺の要部斜視図である。
【図3】(a)は二次冷却帯の一冷却ゾーンの要部斜視
図である。(b)は二次冷却帯の一冷却ゾーンの幅切り
注水の要部説明図である。(c)は従来例の二次冷却帯
の要部説明図である。
【図4】(a)はタンディッシュの要部断面図である。
(b)は他のタンディッシュの要部断面図である。
【図5】(a)、(b)は電磁攪拌の説明図である。
【図6】ロール冷却の説明図である。
【図7】(a)、(b)はそれぞれ鋳片の保温装置及び
加熱装置の説明図である。
【図8】垂直曲げ型連鋳機の説明図である。
【図9】湾曲型連鋳機の説明図である。
【図10】鋳造速度と表層介在物指数との関係を示す特
性図である。
【図11】鋳造量と鋳片の全体欠陥指数との関係を示す
特性図である。
【図12】鋳造速度と内部介在物指数との関係を示す特
性図である。
【図13】鋳造速度とコーナー縦割れ指数との関係を示
す特性図である。
【図14】鋳造速度とエッジ割れ指数との関係を示す特
性図である。
【図15】鋳造速度と内部割れ指数との関係を示す特性
図である。
【図16】ロール間隔絞り率と中心割れ発生指数との関
係を示す特性図である。
【図17】生産性指数と手入れ負荷軽減率との関係を示
す特性図である。
【図18】従来の垂直曲げ型連鋳機の鋳型近辺の要部説
明図である。
【図19】図18におけるA部拡大図である。
【図20】従来の垂直曲げ型連鋳機の二次冷却帯の要部
説明図である。
【図21】鋳片のバルジング、コーナー縦割れ及びエッ
ジ割れの説明図である。
【図22】鋳片の内部割れの説明図である。
【図23】鋳型と凝固シェルとの間に形成されるエアー
ギャップの説明図である。
【符号の説明】
A 湾曲型連鋳機 11 レードル
ターレット 12 取鍋 12a ロング
ノズル 13 タンディッシュ 13a 浸漬ノ
ズル 13b 吐出口 13c 吐出口 14 鋳型 15A ロール
セグメント 15B ロールセグメント 15C ロール
セグメント 15D ロールセグメント 15E ロール
セグメント 15F ロールセグメント 15G ロール
セグメント 15H ロールセグメント 15J ロール
セグメント 15K ロールセグメント 15L ロール
セグメント 15M ロールセグメント 15N ロール
セグメント 15P ロールセグメント 15Q ロール
セグメント 15R ロールセグメント 15S ロール
セグメント 15T ロールセグメント 15U ロール
セグメント 15V ロールセグメント 15W ロール
セグメント 15X ロールセグメント 15Y ロール
セグメント 15Z ロールセグメント 15ZZ ロー
ルセグメント 16A 第1の冷却ゾーン 16B 第2の
冷却ゾーン 16C 第3の冷却ゾーン 16D 第4の
冷却ゾーン 16E 第5の冷却ゾーン 16F 第6の
冷却ゾーン 16G 第7の冷却ゾーン 16H 第8の
冷却ゾーン 16J 第9の冷却ゾーン 16K 第10
の冷却ゾーン 17 バックアップロール 18 鋳片 19 二次冷却帯 19A 湾曲部
(湾曲冷却帯) 19B 水平部(水平冷却帯) 21a 鋳型長
辺 21b 鋳型長辺 22a 鋳型短
辺 22b 鋳型短辺 25 分割ロー
ル 25a 分割ロール 25b 分割ロ
ール 25c 分割ロール 25c 分割ロ
ール 25d 分割ロール 25e ロール 26 スプレーノズル 27 エアーノ
ズル 28 ピンチロール 30 サポート
ロール 33 タンディッシュノズル 34 Arガス
供給管 35 通気性耐火物 36 スリット 37 Arガス供給管 38 ストッパ
ー 38a ストッパーノズル 45 ロール 45a 冷却水通路 46 筐体(保
温装置) 47 バーナー(加熱装置)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI B22D 11/12 B22D 11/12 F 11/124 11/124 N

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 溶鋼を冷却する鋳型と該鋳型から引き抜
    かれる鋳片を冷却する二次冷却帯とを備えた連鋳機を用
    いてステンレス鋼を製造するステンレス鋼の連続鋳造方
    法において、 タンディッシュから浸漬ノズルを介して前記鋳型内へ前
    記溶鋼を注湯しつつ、該浸漬ノズル及び/又はタンディ
    ッシュノズルを介して該鋳型内へ不活性ガスを20L/
    min以下の流量で吹き込むと共に、 オッシレーション振動させる前記鋳型のTN値を0.2
    5以下とし、且つ該鋳型内の湯面レベルの変動幅を10
    mm以内として、 グリッド及び/又はサポートロールを用いて該鋳型の下
    端から連続して0.6〜2mとなる範囲の前記鋳片の短
    辺側を支持し、 前記鋳型の下端から前記鋳片の完全凝固位置までの少な
    くとも一部領域において前記鋳片の板厚を1.3〜5%
    の縮小率で狭めながら、 前記溶鋼を0.8〜1.6m/minの鋳造速度で連続
    鋳造することを特徴とするステンレス鋼の連続鋳造方
    法。
  2. 【請求項2】 前記二次冷却帯の少なくとも1つの冷却
    ゾーンで前記鋳片の板幅方向両端部への注水を停止状態
    に維持することを特徴とする請求項1記載のステンレス
    鋼の連続鋳造方法。
  3. 【請求項3】 前記鋳型の鋳造壁面に深さ1m当たり
    1.1〜1.4%の割合で縮小するテーパーを設けるこ
    とを特徴とする請求項1又は2記載のステンレス鋼の連
    続鋳造方法。
  4. 【請求項4】 前記二次冷却帯に沿って前記鋳型の下端
    から4m以内を通過する前記鋳片に、前記二次冷却帯の
    全冷却水量の40%以上の冷却水を吹き付けることを特
    徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のステンレ
    ス鋼の連続鋳造方法。
  5. 【請求項5】 前記二次冷却帯を通過する前記鋳片の板
    幅方向両端部にエアーを吹き付けることを特徴とする請
    求項1〜4のいずれか1項に記載のステンレス鋼の連続
    鋳造方法。
  6. 【請求項6】 前記二次冷却帯の矯正部及び/又はその
    近傍を通過する前記鋳片の圧縮鋳造を行うことを特徴と
    する請求項1〜5のいずれか1項に記載のステンレス鋼
    の連続鋳造方法。
  7. 【請求項7】 前記二次冷却帯の湾曲部を通過する未凝
    固状態の前記鋳片の少なくとも一カ所を電磁攪拌するこ
    とを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載のス
    テンレス鋼の連続鋳造方法。
  8. 【請求項8】 前記二次冷却帯の水平部における少なく
    とも1つの冷却ゾーンの注水を停止状態に維持すること
    を特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載のステ
    ンレス鋼の連続鋳造方法。
  9. 【請求項9】 前記鋳片の板幅方向両端部を保温及び/
    又は加熱することを特徴とする請求項1〜8のいずれか
    1項に記載のステンレス鋼の連続鋳造方法。
  10. 【請求項10】 前記鋳型内に供給される溶鋼の鋳造量
    が2.0T/min以上であることを特徴とする請求項
    1〜9のいずれか1項に記載のステンレス鋼の連続鋳造
    方法。
  11. 【請求項11】 前記連鋳機が湾曲型連鋳機であること
    を特徴とする請求項1〜10のいずれか1項に記載のス
    テンレス鋼の連続鋳造方法。
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