JPH1190389A - 下水汚泥焼却灰固化物の製造方法 - Google Patents
下水汚泥焼却灰固化物の製造方法Info
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- JPH1190389A JPH1190389A JP9261714A JP26171497A JPH1190389A JP H1190389 A JPH1190389 A JP H1190389A JP 9261714 A JP9261714 A JP 9261714A JP 26171497 A JP26171497 A JP 26171497A JP H1190389 A JPH1190389 A JP H1190389A
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Abstract
用を可能とし、且つ曲げ強度が高く、しかも使用する酸
の量も少くて酸溶出量の少い高品質の下水汚泥焼却灰固
化物の製造方法を提供することにある。 【解決手段】 下水汚泥焼却灰の固化物は、高分子系凝
集剤を使用した下水汚泥焼却灰と硫酸との混練物からな
り、その製造方法は、温度管理下で、高分子系凝集剤を
使用した下水汚泥焼却灰と、硫酸溶液を混練り後、乾燥
する。具体的には高分子系凝集剤を使用した下水汚泥焼
却灰100gに対し97%濃硫酸9〜15ccを水25
〜45ccに混合した硫酸溶液を加えて混練する際に、
下水汚泥焼却灰や硫酸溶液を35℃を超えないよう冷却
しながら混練し、型枠に圧入後、加温する。又、脱型
後、自然養生する。
Description
いた下水汚泥焼却灰を処理して固化物を製造する方法に
関するものである。
道の普及に伴って増加し、その主たる処分先である埋立
地の減少などにより埋立処分は益々困難となり、その処
分量の低減のため減量、減容の必要性が要求されてい
る。
利用のための資源化技術の確立が望まれている。
を脱水しコンポスト化し有機質土壌改良材として利用す
る、埋立処分する、脱水ケーキを焼却後埋立処分す
るなどが一般的である。
水汚泥焼却灰を煉瓦状に圧縮成形し、焼成して製品とす
るか、下水汚泥或いは下水汚泥焼却灰を高温溶融し骨材
とするなどの方法が行われている。
製造には、多大の熱量と特別の設備を必要とする。
の分野において下水汚泥や下水汚泥焼却灰とセメントの
混合物は、強度面において一般的な用途に不向きであ
る。
発明者は種々の実験を行い、その結果次の事実が判明し
た。
泥焼却灰は、酸と混練りすれば、反応してその形状がゴ
ム状に変化しやがて粘土状の物質になり、このグリーン
な物質はやがて硬化して強固な固化物が得られ、とりわ
け、硫酸との反応が顕著である。なお、下水汚泥焼却灰
に高分子系凝集剤を用いるのは、通常下水処理過程にお
いては濃縮汚泥の含水率が高く、このままでは脱水工程
にかけることができないので、高分子系凝集剤を加えブ
ロック状にして脱水し、含水率の下降した脱水汚泥を得
るためである。
は異なるが、高分子系の焼却灰の場合、その組成に適し
た量、濃度の硫酸と充分混合、混練りを行い乾燥すれ
ば、高分子系の焼却灰は自己硬化し、その固化物は強固
で安定な固化物となる。その反応、作用は明らかではな
いが種々の硫酸塩を生成し溶液中の水は結晶水などとな
り固化物内において遊離の水はごく少量である。従って
この固化物は水中に放置しても酸の溶出、吸水がごく微
量で長期にわたって安定である。
質ができるものの、強度的には、硫酸使用のものに比べ
てかなり弱く、価格的にも硫酸は安価であるため、硫酸
が好適である。
平7−316392号明細書に示すごとき下水汚泥焼却
灰固化物及びその製造方法について平成7年12月5日
付で特許出願を行った。
のとおりである。
却灰A,Bそれぞれ100gに対し、硫酸97%含有濃
硫酸15〜21cc、水45cc(焼却灰:33〜48
%硫酸=1:0.62〜0.64)の割合で加えよく混
練りすると、褐色の粘土状の物質が得られた。これを型
枠に圧入し室内に放置3時間後脱型、14日間自然養生
することによって、褐色の固化物が得られた。
は開示されていないが、上述の褐色の固化物を得るため
に下水汚泥焼却灰A,Bを含む複数の供試体を用意し
た。その例は表2に示されており、表2中、A,Bは表
1に示す下水汚泥焼却灰A,Bを用いたことを示し、数
字1,2,3は供試体の番号を表わす。
−3,B−1,B−2,B−3を上述のごとく処理して
得られた褐色の固化物の物性を示すと表3のようにな
る。
た供試体(A−1,A−2,A−3)により得られた固
化物(A−1X,A−2X,A−3X)が下水汚泥焼却
灰Bを使用した供試体(B−1,B−2,B−3)によ
り得られた固化物(B−1X,B−2X,B−3X)よ
りも曲げ強度において大きい。これは、曲げ強度に対し
ては五酸化二燐(P2O5)の量が何らかの形で影響して
いるためと思われる。
く、耐酸性、耐火性に富んだ高強度の新素材となる。
6392号明細書に開示された製造方法によって得られ
る褐色の固化物の曲げ強度は表3に示すとおりである
が、斯かる褐色の固化物を新素材として用いる場合、で
きるだけ曲げ強度が高く酸溶出量の少い高品質のもので
あることが望ましい。
に開示された製造方法によって得られる褐色の固化物よ
りも更に曲げ強度の高く酸溶出量の少い高品質の固化物
を得ることのできる下水汚泥焼却灰固化物の製造方法を
提供することを目的としてなしたものである。
2号明細書に開示された方法を実際に適用して固化物を
製造するにあたり、各プロセスの温度管理、製造順序な
どを考慮することにより更に曲げ強度が高く酸溶出量の
少い高品質の固化物が得られることを見出した。
剤を用いた下水汚泥焼却灰と、酸及び水とから下水汚泥
焼却灰固化物を製造する方法において、前記酸と水を混
合して酸溶液を得る工程、得られた酸溶液を保管してお
く工程、前記酸溶液と下水汚泥焼却灰を混練りして粘土
状の物質を得る工程、及び前記各工程から次の工程へ移
行する中間の工程のうち、少くとも前記酸溶液と下水汚
泥焼却灰を混練りして粘土状の物質を得る工程におい
て、酸溶液及び下水汚泥焼却灰並に粘土状の物質の何れ
もが所定の温度を上回らないよう温度調整するものであ
る。
の量が少く、しかも酸溶出量の少い高品質の下水汚泥焼
却灰固化物を製造することができる。
と共に、下水汚泥焼却灰100gに対し97%濃硫酸9
〜15cc、水25〜45ccの割合で加え、或いは所
定の温度を約35℃とし、若しくは粘土状の物質を、成
形後所定の温度に加温するか或いは型枠内に入れて所定
の温度に加温すると、より一層高品質の下水汚泥焼却灰
固化物を製造することができる。
する。
B100gに対し、前もって用意して室内に保管してあ
った、硫酸97%含有濃硫酸9〜15ccと水25〜4
5cCとを混合した硫酸溶液を加えて温度が35℃を越
えないよう冷却しながら混合、混練りし、得られた粘土
状の物質を成形若しくは型枠に圧入した。
を混錬する工程だけでなく、硫酸と水を混合して硫酸溶
液を製造する工程、硫酸溶液を保管する工程、粘土状の
物質を成形し或いは型枠に圧入する工程、及び各工程か
ら次の工程へ移行する中間の工程においても、硫酸溶
液、下水汚泥焼却灰A,B、粘土状の物質の何れもが温
度35℃を超えないよう適宜の手段で冷却を行うのが好
ましい。
昇温した状態で10分間加熱するか、或いは型枠に圧入
した粘土状の物質を型枠とともに100℃に昇温した状
態で10分間加熱し、加熱が終了したら、そのまま或い
は脱型して14日間自然養生し、これにより強固な褐色
の固化物が得られた。
示されており、表4中、A,Bは表1に示す下水汚泥焼
却灰A,Bを用いたことを示し、数字1,2,3は供試
体の番号を表わす。
A−3,B−1,B−2,B−3)を本発明の実施の形
態例に示すごとく処理して得られた強固な褐色の固化物
(A−1X,A−2X,A−3X,B−1X,B−2
X,B−3X)の物性を示すと表5に示すようになる。
本発明の実施の形態における固化物の方が、特願平7−
316392号明細書に開示した方法により得られた固
化物よりも、曲げ強度において著しく高いことが明らか
である。
低温で行うことにより、硫酸と下水汚泥焼却灰の反応速
度を押え、可使時間を延長し、混合、混練りを充分に行
い、結果としてより充分な反応が行われたためと考えら
れる。ここで「可使時間を延長」とは、下水汚泥焼却灰
と酸溶液とを混練りするに際し、温度が35℃以下とな
るよう冷却して硬化時間を遅らせることにより下水汚泥
焼却灰と酸溶液との混練り時間を長くすることをいう。
るのは、反応の速度を早めるためであり、又型枠に圧入
してから型枠及び粘土状の物質を100℃に昇温するの
は、反応の速度を早め、脱型に必要な強度が早く得られ
るためである。
い高分子系の下水汚泥焼却灰は硫酸溶液で改質され、グ
リーンな状態においては膠質の部分が多く、プラスチッ
ク並の成形自由度を有し、種々の成形方法にプラスチッ
ク同様対応できる。繊維補強剤の添加、混合においても
同様に扱い得る。硬化は常温においても自己硬化し自然
放置でも充分である。このようにして得られた固形物は
若干酸性で吸水性においてもセメントモルタルに比較し
て少なく、無機材であるから完全に不燃である。
〜25℃の室内ですべての作業を行った。
泥焼却灰A100gに対して97%濃硫酸9〜15c
c、水25〜45ccを混合し室内に放置した硫酸溶液
を加えた状態で、前もって冷却した厚手の陶器製の鉢の
中で混合し温度が35℃を越えないように冷却し、この
混合物をスクリュー式混練り機によって剪断的混練りを
行い褐色の粘土状の物質を得、これを型枠に圧入し、型
枠とともに100℃で10分間加温し、成形体として型
枠から外せる強度に達したため脱型した。その後14日
間自然養生を行った。これにより、強固な褐色の固化物
を得た。
て固化物の物性を記載した。
間水道水に浸透させても酸の溶出による大幅なpH変化
がおきなかったことが確認できる。
92号明細書で提案した固化物を水道水に浸透させた結
果を示しており、実施例1の固化物の方がpHの変化が
小さいことが明らかである。
却灰100g、97%濃硫酸11cc、水30ccであ
り、点線に示す固化物は、下水汚泥焼却灰100g、9
7%濃硫酸18cc、水45ccである。
泥焼却灰B100gに対して97%濃硫酸9〜15c
c、水25〜45ccを混合し室内に放置した硫酸溶液
を加えた状態で、前もって冷却した厚手の陶器製の鉢の
中で混合し温度が35℃を越えないように冷却し、この
混合物をスクリュー式混練り機によって剪断的混練りを
行い褐色の粘土状の物質を得、これを型枠に圧入し、型
枠とともに100℃で10分間加温し、成形体として型
枠から外せる強度に達したため脱型した。その後14日
間自然養生を行った。これにより、強固な褐色の固化物
を得た。
て固化物の物性を記載した。
法によれば下記のごとき種々の優れた効果を奏し得る。
固化物は、曲げ強度が高く且つ使用する酸の量も少く、
しかも酸溶出量も少いため、高品質の固化物を得ること
ができる。
却灰と酸と水の混合した低濃度の酸液により構成されて
いるため、製造及び取扱いに特別な配慮を必要とする物
質が不要で、又設備についても特別のものは必要ない。
じない。溶融、焼結のように熱を必要としない。従っ
て、装置、操作についてもそのための配慮の必要もな
い。
は、グリーンな状態においてプラスチックのような成形
自由度をもち短時間で硬化するため、いろいろの成形方
法が利用でき、繊維質などの補強剤の混入も可能であ
り、又温度管理を成形方法、目的とする固化物の形状に
応じて行い硬化の速度を適切にすることが可能である。
灰の固化物は、弱酸性で有害な物質の溶出もない。又無
機素材なるがゆえ不燃で通常の温度においてはガスの発
生もない。更に未処理の下水汚泥焼却灰に比し取扱いが
容易で著しい減容になる。
は、セメントと異なり酸性であり、セメントの不得意と
する酸性雰囲気における素材としても有効である。複合
材料としてガラス繊維と併用する場合でも特別なガラス
繊維を必要としない。
ず、硫酸で処理した成形自由度の高い耐酸、耐火、高強
度の新素材とすることができるので、下水汚泥焼却灰の
減量、減容と資源としての有効利用を可能とすることが
できる。
却灰の固化物から酸が溶出してpHが経時的に変化する
状態を示すグラフである。
Claims (4)
- 【請求項1】 高分子系凝集剤を用いた下水汚泥焼却灰
と、酸及び水とから下水汚泥焼却灰固化物を製造する方
法において、前記酸と水を混合して酸溶液を得る工程、
得られた酸溶液を保管しておく工程、前記酸溶液と下水
汚泥焼却灰を混練りして粘土状の物質を得る工程、及び
前記各工程から次の工程へ移行する中間の工程のうち、
少くとも前記酸溶液と下水汚泥焼却灰を混練りして粘土
状の物質を得る工程において、酸溶液及び下水汚泥焼却
灰並に粘土状の物質の何れもが所定の温度を上回らない
よう温度調整することを特徴とする下水汚泥焼却灰固化
物の製造方法。 - 【請求項2】 酸を97%濃硫酸とすると共に、下水汚
泥焼却灰100gに対し97%濃硫酸9〜15cc、水
25〜45ccの割合で加える請求項1に記載の下水汚
泥焼却灰固化物の製造方法。 - 【請求項3】 所定の温度を約35℃とする請求項1又
は2に記載の下水汚泥焼却灰固化物の製造方法。 - 【請求項4】 粘土状の物質を、成形後所定の温度に加
温するか或いは型枠内に入れて所定の温度に加温する請
求項1、2又は3に記載の下水汚泥焼却灰固化物の製造
方法。
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JP26171497A JP3771689B2 (ja) | 1997-09-26 | 1997-09-26 | 下水汚泥焼却灰固化物の製造方法 |
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-
1997
- 1997-09-26 JP JP26171497A patent/JP3771689B2/ja not_active Expired - Fee Related
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