JPH1180957A - 液体原料の気化装置 - Google Patents

液体原料の気化装置

Info

Publication number
JPH1180957A
JPH1180957A JP24302397A JP24302397A JPH1180957A JP H1180957 A JPH1180957 A JP H1180957A JP 24302397 A JP24302397 A JP 24302397A JP 24302397 A JP24302397 A JP 24302397A JP H1180957 A JPH1180957 A JP H1180957A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
vaporizer
flow rate
raw material
temperature
liquid
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP24302397A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3808985B2 (ja
Inventor
Yoshihisa Sudo
良久 須藤
Minoru Ito
稔 伊藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
CKD Corp
Original Assignee
CKD Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by CKD Corp filed Critical CKD Corp
Priority to JP24302397A priority Critical patent/JP3808985B2/ja
Publication of JPH1180957A publication Critical patent/JPH1180957A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3808985B2 publication Critical patent/JP3808985B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Chemical Vapour Deposition (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 気化温度の高い液体原料を気化させ、その気
化流量を特別な流量計を使用することなく安定的に制御
すること。 【解決手段】 気化装置は気化器2に供給される液体原
料を電気ヒータ12により加熱し気化させて排出し、そ
の排出流量を制御するものである。気化装置は気化器2
の他に、流量コントローラ3、温度コントローラ4及び
レギュレータ14を備える。気化器2は電気ヒータ12
の他に、熱電対13及び調節バルブ10を有する。電気
ヒータ12及び熱電対13は気化器2の内部に配置され
る。調節バルブ10は気化器2に供給される液状BST
Oを調節する。レギュレータ14は調節バルブ10の開
度を調節する。温度コントローラ4は、熱電対13によ
る検出温度が一定となるように電気ヒータ12に供給さ
れる電気量を制御する。流量コントローラ3は、電気ヒ
ータ12に供給される電気量を、気化器2からのガス流
量に相関する値とし、その相関値に基づきレギュレータ
14を制御する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、特定のガスを得
るために特定の液体原料を気化するようにした気化装置
に係り、特に気化温度の高い液体原料に好適な気化装置
に関する。この発明は、例えば、半導体製造装置で使用
される反応ガスを得るために気化温度の高い液体原料を
気化するようにした気化装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、特定のガスを得るために特定
の液体原料を加熱して気化するようにした気化装置があ
る。例えば、半導体の製造装置において、半導体基板は
その上面に絶縁膜を形成する過程で反応ガスの供給を受
ける。ここで、製造装置に対して反応ガスを供給する装
置は、上記のような気化装置を含む。
【0003】特開平6−291040号公報は上記のよ
うな気化装置の一例(以下、「第1の従来技術」とい
う。)を開示する。この気化装置は、気化器、マスフロ
ーコントローラ及び液体用質量流量調節器を備える。気
化器は外周にヒータを有する。気化器には、液体原料と
キャリアガスとがそれぞれ供給される。気化器に供給さ
れる液体原料はヒータにより加熱されて気化され、その
気化ガスがキャリアガスと共に気化器から外部へ排出さ
れ、反応炉へ送り込まれる。マスフローコントローラ等
は気化器に供給されるキャリアガスを調節する。液体用
質量流量制御器は気化器に供給される液体原料を制御す
る。つまり、この気化装置は、気化器に供給される液体
原料の流量が所定値となるように制御することにより、
気化器から排出されるガス流量を制御するものである。
【0004】一方、特開平5−228361号公報は上
記のような気化装置の別の一例(以下、「第2の従来技
術」という。)を開示する。この気化装置は、ヒータブ
ロック、質量流量コントローラ、液体流量制御器、質量
流量計及びコンピュータを備える。ヒータブロックは内
部に気化室を、外周にヒータをそれぞれ有する。気化室
には、液体原料とキャリアガスとが供給される。気化室
に供給された液体原料はヒータにより加熱されて気化さ
れ、その気化ガスがキャリアガスと共に気化室の外部へ
排出され、反応炉等へ送り込まれる。質量流量コントロ
ーラは気化室に供給されるキャリアガスを調節する。液
体流量制御器は気化室に供給される液体原料を調節す
る。質量流量計は気化室から排出されるガスの質量流量
を計測する。コンピュータは質量流量計の出力、又は、
質量流量計の出力と質量流量コントローラの出力との差
に基づいて液体流量制御器を制御する。つまり、この気
化装置は、気化室から排出されるガス流量を実際に計測
し、その計測結果が所定値となるように気化室に供給さ
れる液体原料を制御するものである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところが、前記第1の
従来技術の気化装置では、気化器に供給された液体原料
が全て気化されればよいのであるが、気化器内で気液界
面を一定に保つことが困難である。このため、気化器か
ら排出されるガス流量が変動し、不安定になる場合があ
る。特に、この気化器では、その外周にヒータが設けら
れることから、ヒータの熱が気化室の中の液体原料に直
接的に伝わり難く、開始時の気化の立ち上がりや、終了
時の気化の立ち下がりの応答性があまりよくない傾向に
ある。
【0006】これに対し、前記第2の従来技術の気化装
置では、気化室から排出されるガス流量を質量流量計に
より計測し、その計測結果を気化室に供給される液体原
料の供給量に即座に反映させている。このため、気化室
から排出されるガス流量を安定的、かつ、応答性良く制
御することが可能になる。ここで使用される流量計は、
55℃程度の気化温度を有する有機シラン(TEOS)
等を対象とするものであり、一般的な流量計の耐用温度
を超えるものではない。しかしながら、流量計、例えば
マスフローコントローラの耐用温度は90℃程度が上限
であることから、それ以上、例えば100℃以上の高温
下で流量計を使用することはできない。
【0007】近時、半導体製造装置においては、半導体
基板上にバリウム・ストロンチウム・チタン酸化膜を成
形することがあり、このため、100℃以上の気化温度
を有する液体原料としてバリウム、ストロンチウム、チ
タンをそれぞれ溶剤に溶かしたもの(以下、BSTOと
いう)を使用することがある。例えば、このBSTOの
場合、その気化温度は約250℃である。このような高
温下で使用できる流量計は現在知られていない。このた
め、気化温度の高い液体原料につき、そのガス流量を制
御するためには、前記第1の従来技術のようなタイプの
気化装置を使わざるを得ず、ガス流量を安定的、かつ、
応答性良く制御することが困難である。
【0008】この発明は上記の事情に鑑みてなされたも
のであって、その目的は、気化温度の高い液体原料を気
化させると共に、その気化流量を、特別な流量計を使用
することなく安定的に制御することを可能にした液体原
料の気化装置を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに請求項1に記載の発明は、気化器に供給される液体
原料を電気ヒータにより加熱し気化させて排出すると共
に、その排出流量を制御するようにした気化装置であっ
て、気化器に対する液体原料の供給量を調節するための
原料調節手段と、気化器内の温度を検出するための温度
検出手段と、その検出される温度が一定となるように電
気ヒータに供給される電気量を制御するための電気量制
御手段と、電気ヒータに供給される電気量を排出流量に
相関する値とし、その相関値に基づいて原料調節手段を
制御するための原料制御手段とを備えたことを趣旨とす
る。
【0010】上記の構成によれば、気化器に供給される
液体原料は、電気ヒータにより加熱され気化されて気化
器から排出される。このとき、気化器内では液体原料の
気化に伴い温度が変動しようとするが、温度検出手段に
よる検出温度が一定となるように、電気ヒータに供給さ
れる電気量が電気量制御手段により制御されることか
ら、気化器内の温度変動が抑えられる。ここで、原料制
御手段は、電気ヒータに供給される電気量を、気化器か
らの排出流量に相関する値とし、その相関値に基づいて
原料調節手段を制御する。即ち、気化器に対する液体原
料の供給量と電気ヒータへ供給される電気量とが互いに
相関し、この電気量と気化器からの排出流量とが互いに
相関するものとして、原料制御手段が原料調節手段を制
御する。従って、気化器への液体原料の供給量が気化器
からの気体の排出流量に基づいて制御されることにな
り、その排出流量が所要の値に収束し易くなる。更に、
気体の排出流量を得るのに特別の流量計を使用しないこ
とから、気化温度の高い液体原料にも気化装置が適用可
能である。
【0011】上記の目的を達成するために請求項2に記
載の発明は、請求項1の発明の構成において、電気ヒー
タ及び温度検出手段を互いに一体的に設け、それらを気
化器の内部に配置したことを趣旨とする。
【0012】上記の構成によれば、請求項1の発明の作
用に加え、電気ヒータが気化器の内部に配置されること
から、気化器に供給される液体原料が少ない熱損失で効
率良く電気ヒータにより加熱され、気化される。更に、
温度検出手段が気化器の内部に配置されることから、気
化に伴い変動しようとする気化器内部の温度が少ない温
度損失をもって温度検出手段により検出される。従っ
て、温度検出手段により検出される温度変化が液体原料
の気化量を良好に反映し、電気ヒータに供給される電気
量が気化器からの気体の排出流量を良好に反映すること
になり、気化器に対する液体原料の供給量が精度良く制
御されることになる。
【0013】上記の目的を達成するために請求項3に記
載の発明は、請求項1又は請求項2の発明の構成におい
て、気化器は液体原料を気化させるための気化室と、そ
の気化室に液体原料を導入するための導入口とを有し、
温度検出手段は気化室において導入口に接近して配置さ
れることを趣旨とする。
【0014】上記の構成によれば、請求項1又は請求項
2の発明の作用に加え、導入口から気化室に液体原料が
流れ始めると、温度検出手段が即座にその液体原料の温
度を検出できる。このため、温度検出の精度が高まり、
気体の排出流量の変化を応答性良く検出することが可能
となる。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、請求項1〜請求項3の発明
に係る液体原料の気化装置の一実施の形態を図面を参照
して詳細に説明する。この実施の形態では、半導体の製
造装置に反応ガスを供給するためのガス供給装置に本発
明の気化装置が具体化される。
【0016】図1はガス供給装置の概略構成を示す。一
般に、半導体の製造装置では、半導体基板の上に絶縁膜
を気層成膜する過程で、特定の反応ガスを供給する必要
がある。この実施の形態では、絶縁膜として、化学蒸着
成膜法(CVD)により気相成膜されるバリウム・スト
ロンチウム・チタン酸化膜が適用される。この膜を得る
ための特定ガスとして、常温常圧の下で液状をなす液体
原料としてのBSTOが使用される。このBSTOは約
250℃という高い気化温度を有する。
【0017】ガス供給装置はタンク1及び気化装置を備
える。気化装置は気化器2、流量コントローラ3及び温
度コントローラ4を含む。タンク1は液状のBSTOを
液体原料として貯留するものである。液状のBSTOを
気化するために、気化器2にはタンク1から液状のBS
TOが供給される。気化器2により気化されたBSTO
のガスは、高温対応分岐バルブ5を介して半導体製造装
置のプロセスチャンバ6に導入され、更にポンプ7から
吐出される。或いは、気化ガスは高温対応分岐バルブ5
からベント8に分岐される。タンク1には、窒素ガスが
所定の圧力をもって供給される。窒素ガスの圧力は、レ
ギュレータ9により所定の値に調整される。
【0018】気化器2は調節バルブ10及び熱電対付ヒ
ータ11を有する。調節バルブ10は気化器2に供給さ
れる液状のBSTOの量を調節するものである。熱電対
付ヒータ11は本発明の電気ヒータ12と、本発明の温
度検出手段としての熱電対13とを併せ持つものであ
る。熱電対付ヒータ11は気化器2の内部に配置され
る。電気ヒータ12は気化器2の内部に導入された液状
のBSTOを直接的に加熱するものである。熱電対13
は銅及びコンスタンタンより形成され、気化器2の内部
温度、或いはその内部のBSTOの温度を検出するもの
である。調節バルブ10を作動させるために、このバル
ブ10には、電空レギュレータ14を介して圧縮空気が
供給される。調節バルブ10及び電空レギュレータ14
は本発明の原料調節手段を構成するものである。
【0019】温度コントローラ4には、熱電対13によ
る検出温度の値が入力される。このコントローラ4に
は、作業者により任意に設定される温度に係る信号(設
定温度信号)が入力される。このコントローラ4は、熱
電対13による検出温度が設定された温度となるように
電気ヒータ12を制御するものである。
【0020】温度コントローラ4は比較器15、パルス
幅変換回路16、駆動回路17及び温度変換回路18を
備える。温度変換回路18は熱電対13による検出値を
入力し、温度に相当する値に変換して比較器15へ出力
するものである。比較器15は温度変換回路18からの
温度相当値と、作業者による設定温度信号とを比較し、
設定温度からの温度相当値の偏差を算出するものであ
る。パルス変換回路16は、上記算出された偏差を所定
周期(200msec)を有するDC12Vのパルス信
号として駆動回路17へ出力すると共に、そのパルス信
号をフィルタ19を介して流量コントローラ3へ出力す
るものである。駆動回路17はパルス変換回路16から
出力されるパルス信号を増幅し、AC100Vのパルス
信号として電気ヒータ12へ出力するものである。
【0021】即ち、温度コントローラ4は本発明の電気
量制御手段に相当し、熱電対13により検出される温度
が一定となるように電気ヒータ12に供給される電気量
を制御するものである。このような温度一定制御におい
て、図3に示すように、気化器2への液体原料の供給流
量に比例して、パルス信号のON(オン)時間が増加す
る。ここで、図4に示すように、気化器2への液体原料
の供給流量に対して、気化器2で気化されるガスの流量
は比例する。このため、図5に示すように、パルス信号
のオン時間に対してガス流量が比例することになる。
【0022】フィルタ19は流量コントローラ3に入力
されるパルス信号をなますものであり、このなましによ
って定電圧信号が得られる。図6はそのパルス信号のオ
ン時間に対する定電圧信号の関係を示す。この定電圧信
号は電気ヒータ12に供給される電気量を反映した信号
であり、気化器2から排出されるBSTOのガス流量に
相関するものである。流量コントローラ3は、入力され
る定電圧信号に応じたガス流量を算出する。図7はその
算出のために参照される関数データを示し、定電圧信号
に対するガス流量の関係を示す。一方、コントローラ3
には、作業者により任意に設定されるガス流量に係る信
号(流量設定信号)が入力される。コントローラ3は、
上記算出されたガス流量を自身にフィードバックさせ、
そのガス流量が所定の設定流量となるように電空レギュ
レータ14を制御し、もって調節バルブ10の開度を調
節するのである。この流量コントローラ3は本発明の原
料制御手段を構成する。
【0023】図2は気化器2の構造を示す断面図であ
る。調節バルブ10は気化器2に一体的に組み付けられ
る。気化器2は有底状のハウジング21と、そのハウジ
ング21の一端を塞ぐ蓋体22とを有する。ハウジング
21はその内部に気化室23を有する。気化室23は、
そこに導入される液状のBSTOを気化するものであ
る。蓋体22は供給ポート24を、ハウジング21は排
出ポート25をそれぞれ有する。供給ポート24には、
気化室23に供給される液状のBSTOが導入される。
気化室23で気化されたBSTOのガスは排出ポート2
5を通じて外部へ排出される。気化室23には金属製の
粉体の集合物よりなる焼結体26が設けられる。この粉
体は、熱伝導性と耐食性を兼ね備えたステンレスよりな
る。焼結体26はステンレス製粉体の集合物を所定の気
孔率を有する状態で圧縮し、その上で焼結することによ
り得られる。焼結体26は柱状をなし、その一端に小径
の突部26aを有する。焼結体26の外周面とハウジン
グ21の内周面との間には、所定の隙間27が形成され
る。
【0024】調節バルブ10はケーシング28を有す
る。ケーシング28は中心に孔29aを有する胴体29
と、その胴体29の一端に配置されたキャップ30と、
胴体29の他端に配置された蓋体22とから形成され
る。蓋体22はハウジング21とケーシング28とに兼
用される。ケーシング28はその内部に、孔29aを境
に区画された第1の室31と、第2の室32とを有す
る。孔29aには、弁ロッド33が摺動可能に設けられ
る。弁ロッド33の一端には、押え金34を介して第1
のダイアフラム35が取り付けられる。第1の室31
は、このダイアフラム35により大気室36と、加圧室
37とに区画される。大気室36には、キャップ30に
設けられた大気ポート38を通じて大気が導入される。
加圧室37には、胴体29に設けられた加圧ポート39
を通じて圧縮空気が供給される。加圧室37には、電空
レギュレータ14により調節される圧縮空気が供給され
る。
【0025】弁ロッド33の他端には、弁体40が取り
付けられる。弁体40の外周には第2のダイアフラム4
1が取り付けられる。第2の室32は、このダイアフラ
ム41により大気室42と、液室43とに区画される。
このダイアフラム41の外周縁にはダイアフラム41と
一体をなすテフロンリング44が設けられる。これを胴
体29と蓋体22とで挟み込むことにより、両者29,
22の間がシールされる。大気室42には、胴体29に
設けられた大気ポート45を通じて大気が導入される。
液室43には、蓋体22に設けられた供給ポート24を
通じて液状のBSTOが供給される。
【0026】調節バルブ10は弁体40の他に、蓋体2
2に設けられた弁座46を有する。弁座46はその中心
に、本発明の導入口としての弁孔46aを有する。弁座
46の部位に対応する蓋体22の肉厚は比較的小さい。
このため、弁孔46aの軸線方向の長さは比較的短い。
気化室23に配置された焼結体26の突部26aは弁孔
46aに隣接して配置される。
【0027】弁体40が弁座46に接することにより、
弁孔46aが閉じられる。弁体40が弁座46から離れ
ることにより、弁孔46aが開かれる。弁孔46aが開
かれることにより、液室43に供給される液状のBST
Oが、その弁孔46aを通じて気化室23に導入され
る。
【0028】第1の室31の大気室36には、圧縮スプ
リング47が設けられる。このスプリング47は、弁体
40が弁座46に圧接するように弁ロッド33を付勢す
るものである。従って、加圧室37に圧縮空気が供給さ
れることにより、第1のダイアフラム35が弁ロッド3
3と共にスプリング47の付勢力に抗して大気室36の
側へ変位する。この変位に伴い、弁体40が弁座46か
ら離れ、弁孔46aが開かれる。この弁孔46aの開度
は、加圧室37に供給される圧縮空気の量に応じて変え
られる。弁孔46aの開度が変わることにより、液室4
3から気化室23に導入される液状のBSTOの量が調
節される。
【0029】熱電対付ヒータ11は焼結体26の中心に
配置され組み付けられる。電気ヒータ12は熱線等を含
むものである。このヒータ12が温度コントローラ4か
らのパルス信号に基づいて作動することにより、ハウジ
ング21の内部、即ち焼結体26を流れるBSTOが加
熱される。この実施の形態では、熱電対13が電気ヒー
タ12の非発熱部に配置され、弁孔46aに隣接して配
置される。これにより、弁孔46aから気化室23に液
状のBSTOが流れ始めると、熱電対13が即座にその
BSTOによって変化した焼結体26の温度を検出する
ようになっている。
【0030】次に、上記のように構成したガス供給装置
における気化装置の動作を説明する。この実施の形態で
は、気化器2の弁孔46aを通じて気化室23に供給さ
れる液状のBSTOが粉体の焼結体26の中で毛管現象
により拡散される。このとき、焼結体26を流れる液状
のBSTOは、電気ヒータ12により直接的に加熱さ
れ、速やかに、かつ、安定的に気化される。
【0031】気化されたBSTOガスは、隙間27を流
れ、排出ポート25から気化室23の外へ排出される。
排出されたBSTOガスは、高温対応分岐バルブ5を介
してプロセスチャンバ6に供給され、半導体の成膜に共
される。
【0032】この実施の形態では、気化室23で液状の
BSTOが気化されるに伴い、その気化室23の温度、
焼結体26の温度が変動しようとする。このとき、熱電
対13で検出される温度が一定となるように、電気ヒー
タ12に供給される電気量、即ちパルス信号が温度コン
トローラ4により制御されることから、気化室23或い
は焼結体26の温度変動が抑えられる。ここで、流量コ
ントローラ3は、電気ヒータ12に供給されるパルス信
号のオン時間の長さを、気化器2で気化されて排出され
るガス流量に相関する定電圧信号に置き換える。そし
て、コントローラ3は、その定電圧信号に基づいて電空
レギュレータ14を制御し、調節バルブ10の開度を制
御する。即ち、気化器2に対する液状のBSTOの供給
量と、電気ヒータ12へ供給される電気量とが互いに相
関し、この電気量と気化器2から排出されるガス流量と
が互いに相関するものとして、流量コントローラ3は電
空レギュレータ14を制御する。従って、気化器2へ供
給される液状のBSTOの量が、気化器2から実際に排
出されるガス流量に基づいて制御されることになり、そ
のガス流量が所要の設定流量に収束し易くなる。
【0033】ここで、従来ならば、気化されたガス流量
を特別な流量計を使用して計測し、そのガス流量の制御
に反映させるところである。しかし、この実施の形態で
は、液体原料として使用されるBSTOの気化温度が極
めて高いことから、従来の流量計では使用に耐えられな
い。これに対し、この実施の形態では、熱電対13によ
る検出温度から得られるパルス信号、即ち電気ヒータ1
2に供給されるべき電気量を、気化されたガス流量に相
関する値として利用している。このため、気化温度の極
めて高い液状のBSTOを気化させる場合でも、その気
化されたガス流量を、特別な流量計を使用することなく
安定的に制御することができる。
【0034】この実施の形態では、熱電対付ヒータ11
が気化室23の焼結体26の中心に配置される。このた
め、気化室23に導入される液状のBSTOが少ない熱
損失で効率良く電気ヒータ12により加熱され、気化さ
れる。更に、その気化に伴い変動しようとする気化室2
3、或いは焼結体26の温度が、少ない温度損失をもっ
て熱電対13により検出される。従って、熱電対13に
より検出される温度変化が、液状のBSTOの気化量を
良好に反映し、電気ヒータ12に供給される電気量、即
ちパルス信号が気化器2で気化されて排出されるガス流
量を良好に反映することになる。これにより、気化器2
に対する液状のBSTOの供給量が精度良く調整される
ことになる。この意味で、BSTOのガス流量を安定
的、かつ、応答性良く制御することができる。
【0035】この実施の形態では、弁孔46aから気化
室23に液状のBSTOが流れ始めると、熱電対13が
即座にそのBSTOの温度を検出することができる。こ
のため、熱電対13による温度検出の精度が高まり、気
化されるガス流量の変化を応答性良く検出することが可
能になる。この意味でも、この気化装置は、BSTOの
ガス流量を安定的、かつ、応答性良く制御することがで
きる。
【0036】図8は気化器2から排出されるBSTOの
ガス流量の変化と、気化器2の内部温度の変化とを示
す。このグラフは、気化器2から排出されるガス流量が
所定の設定流量TFとなるように、気化器2に液状のB
STOが供給されたときのガス流量の変化を示す。この
グラフからも明らかなように、ガス流量は、時刻t1で
の立ち上がり、時刻t2での立ち下がりが共に速やか
で、両時刻t1,t2の間では脈動がなく状態が安定し
ていることが分かる。
【0037】この実施の形態では、気化器2から排出さ
れるBSTOのガス流量が安定的、かつ、応答性良く制
御されることから、プロセスチャンバ6に対してBST
Oガスを応答性良く、安定的に供給することができる。
この意味で、半導体上の成膜の品質を確保することがで
きる。
【0038】この実施の形態では、調節バルブ10の加
圧室37に対する圧縮空気の供給が停止されると、弁体
40がスプリング52により直ちに弁座46に押し付け
られ、弁孔46aが閉じられる。従って、気化室23に
対する液状のBSTOの供給が速やかに遮断され、気化
器2でのBSTOガスの生成が速やかに止められる。こ
のため、気化器2からプロセスチャンバ6へのBSTO
ガスの供給を応答性良く、かつ速やかに停止させること
ができる。
【0039】この実施の形態では、電気ヒータ12が作
動すると、焼結体26が直に加熱され、BSTOが直接
的に加熱されることから、ガス供給装置に別途にヒータ
を設けて気化器2を加熱する必要がない。又、気化器2
を熱電対付ヒータ11と共に単独で取り扱うことができ
る。この意味で、気化器2の取り扱い上の自由度が増
し、ガス供給装置の製造が容易になる。
【0040】尚、この発明は上記実施の形態に限定され
るものではなく、発明の趣旨を逸脱しない範囲で以下の
ように実施することができる。 (1)前記実施の形態では、電空レギュレータ14で調
節される圧縮空気により開度が調節される調節バルブ1
0を用いて、気化器2に供給される液状のBSTOを調
節するようにした。これに対し、電気的に駆動される電
磁バルブを調節バルブとして、気化器に供給される液体
原料を調節するようにしてもよい。
【0041】(2)前記実施の形態では、電気ヒータ1
2と、熱電対13とを互いに一体化した熱電対付ヒータ
11を気化室23に設けたが、電気ヒータと、熱電対と
を互いに分離させて気化室に設けてもよい。
【0042】(3)前記実施の形態では、電気ヒータ1
2をAC100Vのパルス信号により駆動し、そのパル
ス信号のオン時間を変えることにより、電気ヒータ12
に供給される電気量を調節するようにした。これに対
し、電気ヒータに供給される電圧をリニアに変えること
により、電気ヒータに供給される電気量を調節するよう
にしてもよい。
【0043】(4)前記実施の形態では、半導体製造装
置のプロセスチャンバ6にBSTOガスを供給するため
に、液体原料として気化温度の極めて高い(約250
℃)液状のBSTOを使用した。これに対し、別の目的
に使用される気化ガスを発生させるために、液体原料と
してBSTO以外の原料を使用しても良い。本発明の装
置は、特に、気化温度の高い液体原料に好適ではある
が、これに限られるものではなく、気化温度の比較的低
い(約55℃)液状のTEOSを液体原料として使用し
てもよい。
【0044】
【発明の効果】上記請求項1に記載の発明では、気化器
内の検出温度が一定となるように電気ヒータに供給され
る電気量を制御し、その電気量を、気化器からの気体の
排出流量に相関する値とし、その相関値に基づいて気化
器に供給される液体原料を制御するようにしている。従
って、気化器からの気体の排出流量が所要の値に収束し
易くなり、その排出流量を得るために特別な流量計の使
用が不要となり、気化温度の高い液体原料にも適用可能
となる。この結果、気化温度の高い液体原料を気化させ
ることができ、その気化流量を安定的に制御することが
できるという効果を発揮する。
【0045】上記請求項2に記載の発明では、第1の発
明の構成において、電気ヒータ及び温度検出手段を互い
に一体的に設け、それらを気化器の内部に配置してい
る。従って、請求項1の発明の作用及び効果に加え、温
度検出手段による検出温度の変化が気化量を良好に反映
し、電気ヒータへの電気量が気体の排出流量を良好に反
映することになり、気化器に対する液体原料の供給量が
精度良く制御される。この結果、液体原料の気化流量を
応答性良く制御することができるという効果を発揮す
る。
【0046】上記請求項3に記載の発明では、請求項1
又は請求項2の発明の構成において、温度検出手段を気
化室の導入口に接近して配置している。従って、請求項
1又は請求項2の発明の作用及び効果に加え、導入口か
ら気化室に導入される液体原料の温度が温度検出手段に
より即座に検出されることから、温度検出の精度が高ま
り、気体の排出流量の変化を応答性良く検出することが
可能となる。この意味でも、液体原料の気化流量を安定
的、かつ、応答性良く制御することができるという効果
を発揮する。
【図面の簡単な説明】
【図1】一実施の形態に係り、液体原料の気化装置を含
むガス供給装置の概略構成図である。
【図2】同実施の形態に係り、気化器の構造を示す断面
図である。
【図3】同実施の形態に係り、液体供給流量とパルス信
号オン時間との関係を示すグラフである。
【図4】同実施の形態に係り、液体供給流量とガス流量
との関係を示すグラフである。
【図5】同実施の形態に係り、ガス流量とパルス信号オ
ン時間との関係を示すグラフである。
【図6】同実施の形態に係り、パルス信号オン時間と定
電圧信号との関係を示すグラフである。
【図7】同実施の形態に係り、定電圧信号とガス流量と
の関係を示すグラフである。
【図8】同実施の形態に係り、ガス流量と気化器推定温
度との関係を示すタイムチャートである。
【符号の説明】
2 気化器 3 流量コントローラ(原料制御手段を構成す
る。) 4 温度コントローラ(電気量制御手段を構成す
る。) 10 調節バルブ 12 電気ヒータ 13 熱電対(温度検出手段を構成する。) 14 電空レギュレータ(10,14は原料調節手段
を構成する。) 23 気化室 46a 弁孔(導入口を構成する。)

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 気化器に供給される液体原料を電気ヒー
    タにより加熱し気化させて排出すると共に、その排出流
    量を制御するようにした気化装置であって、 前記気化器に対する前記液体原料の供給量を調節するた
    めの原料調節手段と、 前記気化器内の温度を検出するための温度検出手段と、 前記検出される温度が一定となるように前記電気ヒータ
    に供給される電気量を制御するための電気量制御手段
    と、 前記電気ヒータに供給される電気量を前記排出流量に相
    関する値とし、その相関値に基づいて前記原料調節手段
    を制御するための原料制御手段とを備えたことを特徴と
    する液体原料の気化装置。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の気化装置において、 前記電気ヒータ及び前記温度検出手段を互いに一体的に
    設け、それらを前記気化器の内部に配置したことを特徴
    とする液体原料の気化装置。
  3. 【請求項3】 請求項1又は請求項2に記載の気化装置
    において、 前記気化器は前記液体原料を気化させるための気化室
    と、その気化室に前記液体原料を導入するための導入口
    とを有し、前記温度検出手段は前記気化室において前記
    導入口に接近して配置されることを特徴とする液体原料
    の気化装置。
JP24302397A 1997-09-08 1997-09-08 液体原料の気化装置 Expired - Fee Related JP3808985B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP24302397A JP3808985B2 (ja) 1997-09-08 1997-09-08 液体原料の気化装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP24302397A JP3808985B2 (ja) 1997-09-08 1997-09-08 液体原料の気化装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH1180957A true JPH1180957A (ja) 1999-03-26
JP3808985B2 JP3808985B2 (ja) 2006-08-16

Family

ID=17097730

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP24302397A Expired - Fee Related JP3808985B2 (ja) 1997-09-08 1997-09-08 液体原料の気化装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3808985B2 (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN111928224A (zh) * 2020-08-14 2020-11-13 西安建筑科技大学 一种可控流控温液体蒸发机
KR20220143511A (ko) * 2021-04-16 2022-10-25 주식회사 케이티앤지 에어로졸 생성 장치 및 그 제어방법

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN111928224A (zh) * 2020-08-14 2020-11-13 西安建筑科技大学 一种可控流控温液体蒸发机
KR20220143511A (ko) * 2021-04-16 2022-10-25 주식회사 케이티앤지 에어로졸 생성 장치 및 그 제어방법

Also Published As

Publication number Publication date
JP3808985B2 (ja) 2006-08-16

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR100392712B1 (ko) 화학처리 반응기의 정량 증기공급 시스템
JP4605790B2 (ja) 原料の気化供給装置及びこれに用いる圧力自動調整装置。
TWI294792B (en) Liquid flow controller and precision dispense apparatus and system
JP7132631B2 (ja) 流体制御装置
KR100729975B1 (ko) 증착 챔버로의 공정 재료의 흐름을 제어하기 위한 장치 및방법
CN103493181B (zh) 原料的汽化供给装置
JP5350824B2 (ja) 液体材料の気化供給システム
JPH0784662B2 (ja) 化学的気相成長方法とその装置
US11390951B2 (en) Fluid control device
JP3828821B2 (ja) 液体材料気化供給装置
JP3938391B2 (ja) 液体原料の気化装置
US5399200A (en) Module in an integrated delivery system for chemical vapors from liquid sources
JP3808985B2 (ja) 液体原料の気化装置
JP2005501214A (ja) 蒸気送出システム
JP3409910B2 (ja) 液体材料気化供給装置
JP3370173B2 (ja) 気化流量制御器
JP3280507B2 (ja) 液体材料気化供給装置
JP2006083441A (ja) 原料ガス供給系の圧力計測方法及びメンテナンス方法、成膜装置の圧力計測方法及びメンテナンス方法、気化器、並びに、成膜装置
JP3370174B2 (ja) 液体材料気化供給装置
JPS60244332A (ja) 凝縮性材料のガス化供給装置
KR0145188B1 (ko) 액체재료기화공급장치
KR20230085685A (ko) 질량 유량 제어 장치 및 이를 포함하는 기판 처리 장치
JPH04260436A (ja) 原料供給装置
WO2002086631A1 (en) Control method and control apparatus
JPH07227536A (ja) 液体材料気化供給装置

Legal Events

Date Code Title Description
A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20051117

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20060104

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20060302

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20060516

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20060519

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090526

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100526

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110526

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120526

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120526

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130526

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130526

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140526

Year of fee payment: 8

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees