JPH1180517A - 樹脂組成物 - Google Patents

樹脂組成物

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JPH1180517A
JPH1180517A JP26271297A JP26271297A JPH1180517A JP H1180517 A JPH1180517 A JP H1180517A JP 26271297 A JP26271297 A JP 26271297A JP 26271297 A JP26271297 A JP 26271297A JP H1180517 A JPH1180517 A JP H1180517A
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JP
Japan
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liquid crystal
crystal polymer
resin composition
aluminum borate
resin
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JP26271297A
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English (en)
Inventor
Yukitatsu Shirakawa
往立 白川
Shogo Ogawa
省吾 小川
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Shikoku Chemicals Corp
Original Assignee
Shikoku Chemicals Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 樹脂組成物の内部損失と弾性率を飛躍的に向
上させ、高性能な電気的絶縁性を付与することにより、
光学式ピックアップ等の精密機器部材として有用な樹脂
組成物を提供する。 【解決手段】 液晶ポリマーとホウ酸アルミニウムウイ
スカを必須成分として含み、液晶ポリマー100重量部
に対しホウ酸アルミニウムウイスカを40〜400重量
部の割合で配合する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ビデオディスクプ
レーヤー、デジタルオーディオプレーヤー等の光ディス
ク装置に装着される光学式ピックアップのアクチュエー
ター、あるいはプリンタのインクジェットノズル等の精
密機器部材として有用な樹脂組成物に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】光ディスク装置等における光学式ピック
アップは、一般に発光素子、受光素子、ミラー等の光学
素子等を固定する光フレームと、対物レンズ、対物レン
ズホルダーを光ディスクの動きに追従させるためのアク
チュエーター部と、このアクチュエーター部を保持し光
フレームとの光学路を形成するベースフレームとから構
成されている。〔例えば、実開平1−45315号公
報〕
【0003】特にアクチュエーター部は、寸法安定性が
要求されるほか常に20kHzまでの音に曝されている
ため、音による高次共振、即ちビビリによって、光ディ
スク上のデータを読み誤る虞が多分にある。この原因に
ついてはアクチュエーター部を構成する材料の内部損失
と比弾性率の不足と考えられており、その対策としてア
ルミニウムなどの金属ダイカスト製品を用い、アクチュ
エーター部を一体成形することにより、音による高次共
振を未然に防いでいた。
【0004】近年、光学式ピックアップの軽量化、低コ
スト化が進み、金属を合成樹脂に代替する試みがなされ
ている。従来、これらの精密部品に応用されている樹脂
組成物として、ポリフェニレンサルファイド樹脂(以下
PPS樹脂という)を用い、これに結晶質繊維状充填剤
を配合したものであり(例えば、特開平5−26298
2号公報)、PPS樹脂に充填剤を添加、混合すること
により高弾性化し、共振周波数帯域の高い成形品が得ら
れるものである。しかしながら、光ピックアップを高性
能化するに伴って、共振周波数をさらに高周波側にシフ
トさせる場合、PPS樹脂では内部損失の改善が期待で
きないため、高性能光ピックアップ部品の材料としては
不十分なものであった。
【0005】
【発明の解決しようとする課題】この発明は、内部損失
の高い樹脂を用い且つその弾性率を向上させ、従来の熱
可塑性樹脂組成物では為し得なかったより高性能な電気
絶縁性を有し、光ディスク装置の光学式ピックアップ等
の精密機械部材として利用可能な樹脂組成物を提供する
ことにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、所期の目
的を達成するため鋭意試験研究を重ねた結果、液晶ポリ
マーとホウ酸アルミニウムウイスカを必須成分として含
み、液晶ポリマー100重量部に対しホウ酸アルミニウ
ムウイスカを40〜400重量部の割合で配合したこと
により、本発明を完遂するに至った。
【0007】
【発明の実施の形態】本発明の実施に適する液晶ポリマ
ーの代表的なものとしては、はサーモトロピック液晶ポ
リマーと呼ばれるポリエステルであり、 (1)芳香族ジカルボン酸と芳香族ジオールと芳香族ヒ
ドロキシカルボン酸との組み合わせからなるもの (2)異種の芳香族ヒドロキシカルボン酸からなるもの (3)芳香族ジカルボン酸と核置換芳香族ジオールとの
組み合わせからなるもの (4)ポリエチレンテレフタレート等のポリエステルに
芳香族ヒドロキシカルボン酸を反応させたもの 等が挙げられ、400℃以下の温度で異方性溶融体を形
成し、高い内部損失を有すると共に、溶融流動性が極め
て優れているため、0.1〜0.3mm程度の薄肉成形
品を容易に得ることができる。なお、これらの芳香族カ
ルボン酸、芳香族ジオール及び芳香族ヒドロキシカルボ
ン酸の代わりにそれらのエステル形成性誘導体が使用さ
れることもある。
【0008】本発明の樹脂組成物に用いられるホウ酸ア
ルミニウムウイスカとしては、9Al2 3 ・2B2
3 あるいは2Al2 3 ・B2 3 の化学組成を持つも
のが代表的であり、これらホウ酸アルミニウムウイスカ
の形状についての特定はないが、繊維径0.05〜5μ
m、繊維長2〜100μmのものが適している。さら
に、ホウ酸アルミニウムウイスカと樹脂との相溶性、接
着性を高めるために、表面をシランカップリング剤等で
表面処理したホウ酸アルミニウムウイスカを用いても差
し支えない。
【0009】本発明における樹脂組成物は、液晶ポリマ
ー100重量部に対し、ホウ酸アルミニウムウイスカを
40〜400重量部の割合で配合すべきであり、好まし
くは液晶ポリマー100重量部に対し、ホウ酸アルミニ
ウムウイスカを重量比で70〜150重量部の範囲に調
整すべきである。両成分の配合割合において、ホウ酸ア
ルミニウムウイスカの使用量が400重量部を上廻ると
樹脂組成物の成形性が悪化すると共に、樹脂組成物が重
くなり実用に適さない。またホウ酸アルミニウムウイス
カの使用量が40重量部を下廻ると樹脂の弾性率が低下
して、光学式ピックアップ部品の場合、音による共振ト
ラブルを回避し難く実用に適さない。
【0010】なお、液晶ポリマーにホウ酸アルミニウム
ウィスカ以外の充填剤、例えば炭素繊維、ガラス繊維等
の長繊維、チタン酸カリウムウィスカ、炭酸カルシウ
ム、塩基性硫酸マグネシウム、炭化珪素、クリソタイ
ル、ワラスナイト等の無機質繊維を用いた場合、炭素繊
維を除いて何れも高剛性化を図るために多量に配合する
ことを余儀なくされ、成形性の悪化並びに成形品の機械
的強度を低下させる要因となる。なお、炭素繊維を用い
た場合、弾性率は高いけれども樹脂組成物の電気的導電
性が高くなるため、微小電流のリークによって電気的な
誤動作が生じることから機構上絶縁性が要求される光ピ
ックアップ部品等には適さないものであった。
【0011】本発明の樹脂組成物には、その性能を低下
させず、樹脂組成物の2重量%を超えない範囲で酸化防
止剤、紫外線吸収剤、滑剤、可塑剤等の安定化剤を配合
することができる。
【0012】液晶ポリマーとホウ酸アルミニウムウイス
カを混練りするには、公知の方法を用いて行うことがで
きる。例えば、リボンブレンダー、タンブラーミキサ、
ヘンシェルミキサ等の混合機を使用して均一に混合した
後に溶融混練するか、あるいはバンバリミキサ、スクリ
ュー混練機等を用いて混合、混練を同時に行うこともで
きる。混練によりペレットを成形し、このペレットを使
用して各種の成形法、通常は射出成形法によって成形品
を造ることができる。
【0013】
【実施例】以下、本発明を実施例及び比較例に基づいて
具体的に説明する。なお、実施例及び比較例において使
用する原材料は次のとおりである。 (1)液晶ポリマー(ユニチカ製、商品名〔ロッドラン
LC−5000〕) (2)カーボン繊維(東邦レーヨン社製、商品名〔ベス
ファイトHTA−C6−SR〕) (3)ホウ酸アルミニウムウイスカ(四国化成工業製、
商品名〔アルボレックスYS3A〕) (4)チタン酸カリウムウイスカ(大塚化学製、商品名
〔ティスモ〕)
【0014】〔実施例1〜3〕液晶ポリマーと二軸押出
機〔東芝機械(株)製、TEM35−B〕を用いて混練
し、サイドフィードによりホウ酸アルミニウムウイスカ
を投入し、290℃で溶融押し出ししてペレット化し
た。このようにして得られたペレットを型締め圧30ト
ンの射出成形機を用いて試験片およびピックアップ部品
をそれぞれ作製した。試験片については、曲げ試験(A
STM D−790に準拠)と体積固有抵抗値(AST
M D−257準拠)を行い、弾性率及び電気絶縁性の
評価試験を行った。ピックアップ部品については、ピッ
クアップのアクチュエーターを実際にCDプレーヤーに
組み込み、長期作動試験と共に共振周波数測定器にて共
振周波数及び共振ピークを計測し、さらに高周波環境の
変化において作動させる性能試験を行った。これらの試
験結果は表1に示したとおりであり、何れの実施例にお
いても良好な電気的絶縁性、共振特性及び成形性を有す
るものであった。
【0015】〔比較例1〜3〕液晶ポリマーにカーボン
繊維またはチタン酸カリウムウイスカを配合し、実施例
1〜3と同様に押出ペレット化し、夫々の試験片とピッ
クアップ部品を作製して評価したところ、その結果は表
1に示したとおりであった。比較例中、カーボン繊維を
配合したものは弾性率が高く、共振周波数や共振ピーク
も良好な値を示しているが、体積固有抵抗値が小さく、
導電性を示しているため、長期信頼性試験時にピックア
ップ部品としての誤動作が頻繁に発生した。また、チタ
ン酸カリウムウイスカを配合したものは弾性率が小さ
く、共振周波数値や共振ピーク値が最も悪い結果を示し
た。
【0016】
【表1】
【0017】〔実施例4〜5〕液晶ポリマーとホウ酸ア
ルミニウムウイスカを表2に示した割合で配合し、実施
例1〜3と同様に押出ペレット化し、夫々の試験片とピ
ックアップ部品を作製して評価したところ、その結果は
表2に示したとおりであり、何れも良好な電気的絶縁
性、共振特性及び成形性を有するものであった。
【0018】〔比較例4〜5〕液晶ポリマーとホウ酸ア
ルミニウムウイスカを表2に示した割合で配合し、実施
例1〜3と同様に押出ペレット化し、夫々の試験片とピ
ックアップ部品を作製して評価したところ、その結果は
表2に示したとおりであり、液晶ポリマーに対するホウ
酸アルミニウムウィスカの配合量が多過ぎると、成形性
が悪化し、逆に少な過ぎると、共振特性が悪化する等、
共に長期作動試験に悪い結果を残すものであった。
【0019】
【表2】
【0020】
【発明の効果】本発明の樹脂組成物によると、電気的絶
縁性、成形時の樹脂の流動性並びに共振特性に優れてい
るので、光ディスク装置の光学式ピックアップ部品やプ
リンタのインクジェットノズル等の精密部品用として、
信頼性の高い樹脂組成物を提供することができる。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 液晶ポリマーとホウ酸アルミニウムウイ
    スカを必須成分として含み、液晶ポリマー100重量部
    に対しホウ酸アルミニウムウイスカを40〜400重量
    部の割合で配合したことを特徴とする樹脂組成物。
JP26271297A 1997-09-09 1997-09-09 樹脂組成物 Abandoned JPH1180517A (ja)

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