JPH1180118A - 新規スルホニウム塩、カチオン重合性組成物及びその硬化物 - Google Patents

新規スルホニウム塩、カチオン重合性組成物及びその硬化物

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JPH1180118A
JPH1180118A JP25622297A JP25622297A JPH1180118A JP H1180118 A JPH1180118 A JP H1180118A JP 25622297 A JP25622297 A JP 25622297A JP 25622297 A JP25622297 A JP 25622297A JP H1180118 A JPH1180118 A JP H1180118A
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JP
Japan
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meth
formula
acrylate
group
sulfonium salt
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Pending
Application number
JP25622297A
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English (en)
Inventor
Nobuo Taniguchi
信雄 谷口
Toru Ozaki
徹 尾崎
Minoru Yokoshima
実 横島
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Kayaku Co Ltd
Original Assignee
Nippon Kayaku Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】カチオン重合性樹脂との相溶性に優れ、光カチ
オン重合開始剤として機能するスルホニウム塩の開発。 【解決手段】下記式(1) 【化1】 (式中、Xはトリフェニルスルホニウム基または対陰イ
オンを示す)で示されるスルホニウム塩(A)。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、特定の構造を有す
るスルホニウム塩(A)、該スルホニウム塩(A)を有
効成分とする光カチオン重合開始剤、該スルホニウム塩
(A)とカチオン重合性化合物(B)を含有する光カチ
オン重合性組成物及びその硬化物に関する。
【0002】
【従来の技術】光重合性組成物は印刷インキ、塗料、コ
ーティング、液状レジストインキ等の分野において、省
エネルギー、省スペース、有機溶剤を使用しなくてもよ
い等の理由から盛んに研究され、実用化が検討されてき
た。光重合性組成物の研究の大部分は光ラジカル重合開
始剤とアクリル系樹脂等の不飽和結合を有する樹脂を用
いた光ラジカル重合性組成物である。またカチオン重合
性化合物の場合、例えばエポキシ樹脂は、物性的には優
れた材料ではあるが、光重合させることは困難であり、
そのために今まではアクリル変性することによりアクリ
ロイル基を導入した材料が主に使用されている。
【0003】これらアクリル系樹脂等の不飽和結合を有
する樹脂を光ラジカル重合により硬化する場合、照射す
る光エネルギーの絶対量が一定量になるまでの間は硬化
が不十分であり、また空気中の酸素によって硬化が阻害
されるという問題もあるため、特に薄膜の場合には光照
射を窒素気流中で行うことのできる装置か必要になる
等、余分の手間とコストがかかるという問題があった。
さらにこれら不飽和結合を有する樹脂を光ラジカル重合
させた場合は一般的に硬化収縮が大きく、コーティング
する基材が軟らかい場合は硬化後に基材が曲がるなどの
変形が生じる。またアクリル系樹脂等の光ラジカル重合
性樹脂は特有の臭気を有し、皮膚刺激性の高いものが多
く、さらにこれらの樹脂を硬化した場合、一般にこれら
の樹脂の硬化物は紙、ガラス及び金属等に対する密着性
の悪いものが多いという問題がある。一方、光カチオン
重合によりエポキシ樹脂を硬化する場合、例えば米国特
許第3794576号には感光性芳香族ジアゾニウム塩
を光カチオン重合開始剤として使用しており、光照射に
より光カチオン重合開始剤が分解して、ルイス酸を発生
させることによりエポキシ樹脂を重合する方法が提案さ
れている。しかし、芳香族ジアゾニウム塩は光照射によ
り分解した後、ルイス酸と同時に窒素ガスを放出し、そ
のためにエポキシ樹脂の膜厚が15μm以上になると塗
膜が発泡し、平坦できれいなコーティング膜が得られな
い。さらに、この芳香族ジアゾニウム塩とエポキシ樹脂
との混合物は、光を照射しなくても徐々に重合が進行す
る等、保存安定性に問題があり、一液型の組成物として
は実用的でない。以上のような芳香族ジアゾニウム塩系
の光カチオン重合開始剤の欠点を克服すべく種々の検討
がなされ、厚塗り性や保存安定性の改良された開始剤と
して、芳香族スルホニウム塩や芳香族ヨードニウム塩系
開始剤及びそれらを含有する硬化性樹脂組成物が特公昭
52−14277号公報、特公昭52−14278号公
報、特開昭54−53181号公報、特公昭59−19
581号公報等に開示されている。しかしながら、これ
らの芳香族オニウム塩を含有する組成物は芳香族ジアゾ
ニウム塩を含有する組成物と比較して硬化性が乏しいと
いう欠点を有していた。このような欠点を克服するべ
く、特開昭56−55420号公報等に、特定の基を有
する芳香族スルホニウム塩が提案されている。しかし、
上記の欠点はいくらか解消されるものの十分ではない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明者らは、前記従
来技術が有する種々の欠点を解決するため鋭意研究を行
った。
【0005】
【課題を解決するための手段】その結果、新規な光カチ
オン重合開始剤を開発し、これを用いた樹脂組成物は、
保存安定性、相溶性、および硬化性に優れた活性エネル
ギー線硬化性樹脂組成物を開発することに成功した。す
なわち本発明は、(1)下記式(1)
【0006】
【化4】
【0007】(式中、Xは式(2)
【0008】
【化5】
【0009】(式中、R1 、R2 、R3 、R4 及びR5
のうち少なくとも1つはC1 〜C15のアルキル基又はC
1 〜C15のアルコキシ基であって、残りはすべて水素原
子を表す。)で示される基であり、ZはClO4 、CF
3 SO3 、BF4 、B(C6 5 4 または式(3)
【0010】
【化6】 MYq (OH)6-q (3)
【0011】(MはP,AsまたはSb原子を表し、Y
はF、ClまたはBr原子を表し、qは4〜6の整数で
ある。)で示される陰イオンである)で示されるスルホ
ニウム塩、(2)式(1)で示されるスルホニウム塩
(A)を有効成分とする光カチオン重合開始剤、(3)
式(1)で示されるスルホニウム塩(A)とカチオン重
合性化合物(B)を含有することを特徴とする光カチオ
ン重合性樹脂組成物 (4)(3)記載の組成物の硬化物、に関する。
【0012】本発明のスルホニウム塩は上記式(1)で
示される。上記式(1)において、Xは式(2)で示さ
れるジ(置換)フェニルスルホニウム基である。式
(2)の基において、R1 〜R5 のうち少なくとも1つ
もしくは全部がC1 〜C15のアルキル基又はC1 〜C15
のアルコキシ基である。ここで、C1 〜C15のアルキル
基としては、例えばメチル基、エチル基、n−プロピル
基、iso−プロピル基、n−ブチル基、iso−ブチ
ル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、iso−ペンチ
ル基、n−ヘキシル基、iso−ヘキシル基、n−ヘプ
チル基、iso−ヘプチル基、n−オクチル基、iso
−オクチル基、n−ノニル基、iso−ノニル基、n−
デシル基、iso−デシル基、n−ドデシル基、iso
−ドデシル基、n−ステアリル基、iso−ステアリル
基等が挙げられる。
【0013】C1 〜C15のアルコキシ基としては、例え
ばメトキシ基、エトキシ基、n−プロピルオキシ基、i
so−プロピルオキシ基、n−ブチルオキシ基、iso
−ブチルオキシ基、t−ブチルオキシ基、n−ペンチル
オキシ基、iso−ペンチルオキシ基、n−ヘキシルオ
キシ基、iso−ヘキシルオキシ基、n−ヘプチルオキ
シ基、iso−ヘプチルオキシ基、n−オクチルオキシ
基、iso−オクチルオキシ基、n−ノニルオキシ基、
iso−ノニルオキシ基、n−デシルオキシ基、iso
−デシルオキシ基、n−ドデシルオキシ基、iso−ド
デシルオキシ基、n−ステアリルオキシ基、iso−ス
テアリルオキシ基等が挙げられる。
【0014】又、上記式(1)において、Zはスルホニ
ウムカチオンの対イオンであり、ハロゲン原子を含む化
合物の陰イオンである。Zにおける式(3)のアニオン
としては、例えばPF6 アニオン、AsF6 アニオン、
SbF6 アニオン、BF4 アニオン、ClO4 アニオ
ン、CF3 SO3 アニオン、PF5 OHアニオン、PF
4 (OH)2 アニオン、SbF5 OHアニオン、SbF
4 (OH)2 アニオン、PCl6 アニオン、PBr6
ニオン、B(C6 5 4 アニオン等が挙げられる。
【0015】上記式(1)で示されるスルホニウム塩の
うち好ましいものとしては、樹脂との相溶性と硬化速度
を考慮すると、例えばR1 〜R5 のうち少なくとも1つ
ないし3つがC1〜C12の直鎖状のアルキル基やアル
コキシ基で残りが水素原子であり、Zが式(3)のアニ
オン、特にSbF6 アニオンやPF6 アニオンであるス
ルホニウム塩があげられる。次に、上記式(1)で示さ
れるスルホニウム塩の代表例を示す。
【0016】
【表1】 表1 化合物No. R1 2 3 4 5 Z 1 H H CH3 H H SbF6 2 H H CH3 H H PF6 3 CH3 H CH3 H CH3 PF6 4 H C2H5 H C2H5 H SbF6 5 H H CH3O H H SbF6 6 H C2H5O C2H5O C2H5O H SbF6 7 H H n−C4H9 H H PF6 8 H H n−C8H17 H H SbF6 9 H H n−C12H25 H H SbF6 10 H H n-C15H31O H H PF6
【0017】本発明の式(1)で表されるスルホニウム
塩は、ジフェニルスルフィドとアルキル基またはアルコ
キシ基置換ジフェニルスルホキシド化合物を公知のスル
ホニウム塩の生成反応を利用する方法により合成するこ
とができる。ジフェニルスルフィドと反応させるアルキ
ル基置換ジフェニルスルホキシド化合物としては、例え
ば2,2’−ジメチルジフェニルスルホキシド、3,
3’−ジメチルジフェニルスルホキシド、4,4’−ジ
メチルジフェニルスルホキシド、2,2’,4,4’−
テトラメチルジフェニルスルホキシド、3,3’,5,
5’−テトラメチルジフェニルスルホキシド、3,
3’,4,4’,5,5’−ヘキサメチルジフェニルス
ルホキシド、2,2’,4,4’,6,6’−ヘキサメ
チルジフェニルスルホキシド、2,2’−ジエチルジフ
ェニルスルホキシド、3,3’−ジエチルジフェニルス
ルホキシド、4,4’−ジエチルジフェニルスルホキシ
ド、3,3’,5,5’−テトラエチルジフェニルスル
ホキシド、3,3’,4,4’,5,5’−ヘキサエチ
ルジフェニルスルホキシド、4,4’−ジ−n−プロピ
ルジフェニルスルホキシド、4,4’−ジ−iso−プ
ロピルジフェニルスルホキシド、4,4’−ジ−n−ブ
チルジフェニルスルホキシド、4,4’−ジ−iso−
ブチルジフェニルスルホキシド、4,4’−ジ−t−ブ
チルジフェニルスルホキシド、4,4’−ジ−n−ペン
チルジフェニルスルホキシド、4,4’−ジ−iso−
ペンチルジフェニルスルホキシド、4,4’−ジ−n−
ヘキシルジフェニルスルホキシド、4,4’−ジ−is
o−ヘキシルジフェニルスルホキシド、4,4’−ジ−
n−ヘプチルジフェニルスルホキシド、4,4’−ジ−
iso−ヘプチルジフェニルスルホキシド、4,4’−
ジ−n−オクチルジフェニルスルホキシド、4,4’−
ジ−iso−オクチルジフェニルスルホキシド、4,
4’−ジ−n−ノニルジフェニルスルホキシド、4,
4’−ジ−iso−ノニルジフェニルスルホキシド、
4,4’−ジ−n−デシルジフェニルスルホキシド、
4,4’−ジ−iso−デシルジフェニルスルホキシ
ド、4,4’−ジ−n−ドデシルジフェニルスルホキシ
ド、4,4’−ジ−iso−ドデシルジフェニルスルホ
キシド、4,4’−ジ−n−ステアリルジフェニルスル
ホキシド、4,4’−ジ−iso−ステアリルジフェニ
ルスルホキシド等があげられる。
【0018】アルコキシ基置換ジフェニルスルホキシド
化合物の具体例としては、例えば、2,2’−ジメトキ
シジフェニルスルホキシド、3,3’−ジメトキシジフ
ェニルスルホキシド、4,4’−ジメトキシジフェニル
スルホキシド、3,3’,5,5’−テトラメトキシジ
フェニルスルホキシド、3,3’,4,4’,5,5’
−ヘキサメトキシジフェニルスルホキシド、2,2’−
ジエトキシジフェニルスルホキシド、3,3’−ジエト
キシジフェニルスルホキシド、4,4’−ジエトキシジ
フェニルスルホキシド、3,3’,5,5’−テトラエ
トキシジフェニルスルホキシド、3,3’,4,4’,
5,5’−ヘキサエトキシジフェニルスルホキシド、
4,4’−ジ−n−プロピルオキシジフェニルスルホキ
シド、4,4’−ジ−iso−プロピルオキシジフェニ
ルスルホキシド、4,4’−ジ−n−ブチルオキシジフ
ェニルスルホキシド、4,4’−ジ−iso−ブチルオ
キシジフェニルスルホキシド、4,4’−ジ−t−ブチ
ルオキシジフェニルスルホキシド、4,4’−ジ−n−
ペンチルオキシジフェニルスルホキシド、4,4’−ジ
−iso−ペンチルオキシジフェニルスルホキシド、
4,4’−ジ−n−ヘキシルオキシジフェニルスルホキ
シド、4,4’−ジ−iso−ヘキシルオキシジフェニ
ルスルホキシド、4,4’−ジ−n−ヘプチルオキシジ
フェニルスルホキシド、4,4’−ジ−iso−ヘプチ
ルオキシジフェニルスルホキシド、4,4’−ジ−n−
オクチルオキシジフェニルスルホキシド、4,4’−ジ
−iso−オクチルオキシジフェニルスルホキシド、
4,4’−ジ−n−ノニルオキシジフェニルスルホキシ
ド、4,4’−ジ−iso−ノニルオキシジフェニルス
ルホキシド、4,4’−ジ−n−デシルオキシジフェニ
ルスルホキシド、4,4’−ジ−iso−デシルオキシ
ジフェニルスルホキシド、4,4’−ジ−n−ドデシル
オキシジフェニルスルホキシド、4,4’−ジ−iso
−ドデシルオキシジフェニルスルホキシド、4,4’−
ジ−n−ステアリルオキシジフェニルスルホキシド、
4,4’−ジ−iso−ステアリルオキシジフェニルス
ルホキシド等が挙げられる。
【0019】公知のスルホニウム塩の生成反応を利用す
る方法を説明すると、まず上記のアルキル基もしくはア
ルコキシ基置換ジフェニルスルホキシド化合物とジフェ
ニルスルフィドを、例えばメタンスルホン酸やトリフル
オロメタンスルホン酸を溶剤として、五酸化二リン、無
水酢酸、濃硫酸等の脱水剤を用いて10〜100℃で、
好ましくは30〜60℃で縮合させる。次いでこれらの
反応液をClO4 、CF3 SO3 、BF4 または式
(3)をアニオン部分とするアルカリ金属塩もしくはア
ンモニウム塩の水溶液に滴下することにより、本発明の
スルホニウム塩を得る。ClO4 、CF3 SO3 、BF
4 または式(3)をアニオン部分とするアルカリ金属塩
としては、例えば、LiClO4 、NaClO4 、KC
lO4 、LiCF3 SO3 、NaCF3 SO3 、KCF
3 SO3 、LiBF4 、NaBF4 、KBF4 、LiS
b F6 、NaSbF6 、KSbF6 、NaSb F5
H、KSbF5 OH、NaSbF4 (OH)2 、KSb
4 (OH)2 、LiPF6 、NaPF6 、KPF6
KPCl6 、KPBr6 、LiAsF6 、NaAs
6 、KAsF6 、等があり、更にアンモニウム塩とし
てはNH4 BF4 、NH4 SbF6 、NH4 PF6 等を
挙げることができる。
【0020】本発明の光カチオン重合開始剤は式(1)
で示されるスルホニウム塩(A)を有効成分とする。こ
の光カチオン重合開始剤は、単独、又は溶剤類に溶解し
て使用される。溶剤類としては、例えばプロピレンカー
ボネート、エチルカルビトール、カルビトールアセテー
ト、γ−ブチロラクトン等があげられる。溶剤類に溶解
する場合、式(1)で示されるスルホニウム塩(A)の
濃度は20〜80%程度がよい。
【0021】本発明の光カチオン重合性組成物は、式
(1)で示されるスルホニウム塩(A)とカチオン重合
性化合物(B)を含有することを特徴とする。両者の使
用量は、100重量部のカチオン重合性物質(B)に対
して、前記式(1)で示されるスルホニウム塩(A)を
0.1〜20重量部、より好ましくは1〜10重量部程
度であるが、その適当な割合は、カチオン重合性物質や
エネルギー線の種類、照射量、硬化時間、温度、湿度、
塗膜厚など様々な要因を考慮して決定される。
【0022】本発明で用いるカチオン重合性物質(B)
としては、例えば、エポキシ樹脂、ビニルエーテル等の
カチオン重合可能な化合物、更にはスピロオルソエステ
ル、ビシクロオルソエステル、スピロオルソカルボナー
トのような環状エーテル類が挙げられる。エポキシ樹脂
としては、例えば芳香族エポキシ樹脂、脂環式エポキシ
樹脂、脂肪族エポキシ樹脂、更にはエポキシド単量体類
が挙げられる。
【0023】ここで、芳香族エポキシ樹脂として例示す
れば、少なくとも1個の芳香族核を有する多価フェノー
ルまたはそのアルキレンオキサイド付加体のポリグリシ
ジルエーテルであって、例えばビスフェノールA、ビス
フェノールF、ビスフェノールS等のビスフェノール化
合物又はビスフェノール化合物のアルキレンオキサイド
(例えば、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイ
ド、ブチレンオキサイド等)付加体とエピクロルヒドリ
ンとの反応によって製造されるグリシジルエーテル類、
ノボラック型エポキシ樹脂類(例えば、フェノール・ノ
ボラック型エポキシ樹脂、クレゾール・ノボラック型エ
ポキシ樹脂、臭素化フェノール・ノボラック型エポキシ
樹脂等)、トリスフェノールメタントリグリシジルエー
テル等が挙げられる。
【0024】又、脂環式エポキシ樹脂として、具体的な
例としては、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−
3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート、ビ
ス−(3,4−エポキシシクロヘキシルメチル)アジペ
ート、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル−5,5
−スピロ−3,4−エポキシ)シクロヘキサノン−メタ
−ジオキサン、ビス(2,3−エポキシシクロペンチ
ル)エーテル、EHPE−3150(ダイセル化学工業
株式会社製、脂環式エポキシ樹脂、軟化点71℃)等が
挙げられる。
【0025】更に脂肪族エポキシ樹脂の例としては、脂
肪族多価アルコール又はそのアルキレンオキサイド付加
物のポリグリシジルエーテルがあり、その代表例として
は、1,4−ブタンジオールのジグリシジルエーテル、
1,6−ヘキサンジオールのジグリシジルエーテル、ポ
リエチレングリコールのジグリシジルエーテル、プロピ
レングリコールのジグリシジルエーテル、グリセリンの
トリグリシジルエーテル、トリメチロールプロパンのト
リグリシジルエーテル、エチレングリコール、プロピレ
ングリコール、グリセリン等の脂肪族多価アルコールに
1種又は2種以上のアルキレンオキサイド(エチレンオ
キサイド、プロピレンオキサイド)を付加することによ
り得られるポリエーテルポリオールのポリグリシジルエ
ーテルが挙げられる。更にエポキシド単量体類の例とし
ては、脂肪族高級アルコールのモノグリシジルエーテル
やフェノール、クレゾール、ブチルフェノール又はこれ
らにアルキレンオキサイドを付加することにより得られ
るポリエーテルアルコールのモノグリシジルエーテル等
が挙げられる。
【0026】カチオン重合性ビニル化合物としては、例
えば、トリエチレングリコールジビニルエーテル、テト
ラエチレングリコールジビニルエーテル、シクロヘキサ
ン−1,4−ジメチロールジビニルエーテル、1,4−
ブタンジオールジビニルエーテル、及び下記式で表され
る化合物等のビニルエーテル化合物が挙げられる。又、
これらカチオン重合性化合物は単独でも2種以上の混合
物として用いてもかまわない。
【0027】
【化7】
【0028】本発明の組成物には、さらにカチオン重合
反応を損なわない範囲で、希釈のための溶剤、硬化物の
改質のために(メタ)アクリレートモノマー、ビニル化
合物、アリル化合物、エポキシ(メタ)アクリレートオ
リゴマー、ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマー等
の他の反応性の樹脂や非反応性の樹脂(例えばポリメタ
クリル酸メチル)を配合することができる。希釈のため
の溶剤としては、例えばプロピレンカーボネート、エチ
ルカルビトール、カルビトールアセテート、γ−ブチロ
ラクトン等があげられる。
【0029】(メタ)アクリレートモノマーとしては
(メタ)アクリレート基を1つ有する単官能性モノマー
と(メタ)アクリレート基を2つ以上有する多官能性モ
ノマーがあげられる。単官能性モノマーとしは、例えば
(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチ
ル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸
n−ブチル、(メタ)アクリル酸ペンチル、(メタ)ア
クリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸n−
ヘキシル、(メタ)アクリル酸ラウリル、(メタ)アク
リル酸アリル、(メタ)アクリル酸グリシジル、(メ
タ)アクリル酸ジブロモプロピル、(メタ)アクリル酸
ポリエチレングリコールモノアルキルエーテル、(メ
タ)アクリル酸ポリプロピレングリコールモノアルキル
エーテル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、
(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシプロピル、(メタ)
アクリル酸4−ヒドロキシブチル、(メタ)アクリル酸
テトラヒドロフルフリル、(メタ)アクリル酸シクロペ
ンチル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、フェニル
(メタ)アクリレート、フェニルオキシエチル(メタ)
アクリレート、3−フェノキシ−2−ヒドロキシプロピ
ル(メタ)アクリレート、2−フェニルフェニル(メ
タ)アクリレート、4−フェニルフェノキシエチル(メ
タ)アクリレート、4−フェニルフェニル−2−ヒドロ
キシオキシプロピル(メタ)アクリレート、ベンジル
(メタ)アクリレート、1−ナフチル(メタ)アクリレ
ート、1−ナフチル−2−ヒドロキシプロピル(メタ)
アクリレート、等のモノ(メタ)アクリレート化合物が
あげられる。
【0030】多官能性モノマーとしは、例えばエチレン
グリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコ
ールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコール
ジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メ
タ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メ
タ)アクリレート、ブチレングリコールジ(メタ)アク
リレート、テトラブチレングリコールジ(メタ)アクリ
レート、ポリブチレングリコールジ(メタ)アクリレー
ト、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、
1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、
1,9−ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオ
ペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、トリシク
ロデカンジメチロールジ(メタ)アクリレート、トリメ
チロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ジトリメ
チロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、ペンタ
エリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエ
リスルトールペンタ及びヘキサ(メタ)アクリレート、
ビス(4−(メタ)アクリロイルオキシフェニル)スル
フィド、ビス(4−(メタ)アクリロイルオキシジエト
キシフェニル)スルフィド、2,4−ジ(メタ)アクリ
ロイルオキシナフタレン等があげられる。
【0031】ビニル化合物としては、例えばスチレン、
ジビニルベンゼン、1−ビニルベンゼン、1−ビニルナ
フタレン、2−ビニルナフタレン等があげられ、アリル
化合物としては、例えばジエチレングリコールビスアリ
ルカーボネート、トリメチロールプロパンジアリル、ジ
アリルフタレート等があげられ、エポキシ(メタ)アク
リレートオリゴマーとしては、例えばビスフェノール型
エポキシ樹脂、ノボラック型エポキシ樹脂等のエポキシ
樹脂と(メタ)アクリル酸の反応物があげられる。
【0032】ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマー
としては、例えば有機ポリイソシアネート(例えばトリ
レンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、
イソホロンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシ
アネート等)と水酸基含有(メタ)アクリレート(例え
ば2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒ
ドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキ
シブチル(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトール
トリ(メタ)アクリレート等)との反応物、あるいは前
記有機ポリイソシアネートと前記水酸基含有(メタ)ア
クリレートとポリオール(例えば2,2−ビス(4−ヒ
ドロオキシジエトキシフェニル)プロパン、2,2−ビ
ス(4−ヒドロオキシジエトキシフェニル)スルフィ
ド、2,2−ビス(4−ヒドロオキシペンタエトキシフ
ェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロオキシジ
エトキシ−3,5−ジブロモフェニル)プロパン、ポリ
テトラメチレングリコール、ネオペンチルグリコール、
ポリエステルポリオール等)の反応物が挙げれる。
【0033】上記の(メタ)アクリレートモノマー、ビ
ニル化合物、アリル化合物、エポキシ(メタ)アクリレ
ートオリゴマー、ウレタン(メタ)アクリレートオリゴ
マー等の他の反応性の樹脂を配合して使用する場合に
は、光ラジカル重合開始剤(例えば、1−ヒドロキシシ
クロヘキシルフェニルケトン、アセトフェノンジメチル
ケタール、ベンゾイルメチルエーテル等)を使用するの
が好ましい。又、電気的な特性を改良する目的等のため
に有機カルボン酸や酸無水物を使用したり、あるいはゴ
ム弾性をもたせるなどの目的で、可とう性プレポリマー
を混合することができる。
【0034】本発明の光カチオン重合性樹脂組成物は、
通常透明な液状として使用されるが、用途によっては不
活性な顔料、染料、充填剤、帯電防止剤、難燃剤、消泡
剤、流動調製剤、増感剤、重合促進剤、光安定剤等の添
加剤を混合して用いることもできる。
【0035】本発明の光カチオン重合性樹脂組成物は、
スルホニウム塩(A)及びカチオン重合性物質(B)、
さらに必要に応じ、他の反応性の樹脂や非反応性の樹脂
さらには添加剤を混合、溶解あるいは混練等の方法によ
り調製することができる。この場合、カチオン重合性物
質(B)へのスルホニウム塩(A)の溶解を容易にする
ため、あらかじめスルホニウム塩(A)を溶剤類、例え
ば、プロピレンカーボネート、エチルカルビトール、カ
ルビトールアセテート、γ−ブチロラクトン等に溶解し
て使用することもできる。
【0036】本発明の光カチオン重合性樹脂組成物の硬
化物は、例えば上記の光カチオン重合性樹脂組成物を基
材上に塗布又は型中に流し込み、次いで紫外線等の活性
エネルギー線を照射することにより0.1秒〜数分後に
得ることができる。適当な活性エネルギー線を照射する
光源としては、スルホニウム塩の分解を誘発するエネル
ギーを有する限り如何なるものでもよいが、好ましく
は、高圧水銀ランプ、低圧水銀ランプ、キセノンラン
プ、殺菌灯、レーザー光等から得られる紫外線や、電子
線、X線、放射線等の高エネルギー線を使用する。活性
エネルギー線の照射は、エネルギー線の強度にもよる
が、通常0.1秒〜10秒程度で十分である。しかし比
較的厚い塗膜についてはそれ以上の時間をかけて活性エ
ネルギー線を照射するのが好ましい。活性エネルギー線
照射後、0.1秒〜数分後には本発明の樹脂組成物は光
カチオン重合により硬化するが、カチオン重合反応を促
進するために、場合によっては加熱を併用することもで
きる。なお硬化の確認は、指触もしくはアセトン、メチ
ルエチルケトン等の溶剤を含ませたガーゼで硬化物の表
面を摩擦する等の方法で行うことができる。本発明の硬
化物は厚さが0.1〜100μm程度の膜状のものが好
ましい。
【0037】本発明の組成物は、金属、木材、ゴム、プ
ラスチック、ガラス、セラミック製品等の基材表面のコ
ーティング剤として使用することができる。さらに本発
明の具体的な用途としては、塗料、インキ、レジスト、
接着剤、成形材料、注型材料、パテ、ガラス繊維含浸
剤、目止め剤等が挙げられる。
【0038】
【実施例】以下、本発明を実施例により具体的に説明す
る。なお、実施例中の部は重量部である。
【0039】(式(1)で表されるスルホニウム塩の合
成例) 実施例1 4,4’−ジメチルジフェニルスルホキシド11.4部
およびジフェニルスルフィド4.6部を仕込み、よく練
り混ぜた後メタンスルホン酸60.0部を仕込む。次い
で氷冷しながら撹拌し、無水酢酸12.0部を滴下す
る。無水酢酸滴下後、50℃に加熱して約5時間反応を
行い、次いでこの反応液を氷冷しながら水300部に注
いで希釈し、25%水酸化ナトリウム水溶液120部で
中和する。しばらく静置した後、上ずみの水層をデカン
テーションで除き、これに水500部および活性炭(I
P−W50:二村化学株式会社製)2.6部を仕込んで
60℃で1時間撹拌した後、活性炭をろ別してろ液を回
収する。さらにこのろ液を、あらかじめKSb F6
4.6部を溶解した水溶液200部に室温で強く撹拌し
ながら滴下し、析出した白色の固体をろ別し、水600
部で洗浄して40℃で風乾した。白色の析出物を溶剤
(メタノール 80部とアセトン 20部の混合溶剤)
100部に溶解して強く撹拌し、次いでこれに水400
部を加えて析出した白色の粉末をろ別した後、水200
部で洗浄して乾燥し、化合物No.1のスルホニウム塩
(A−1)17.6部を白色の粉末固体として得た。こ
の化合物の融点は94〜100℃であり、元素分析の結
果は次のとおりであった。
【0040】
【表2】 表2 元素 実測値(重量%) 計算値(重量%) C 44.26 44.31 H 3.37 3.35 S 8.88 8.87 Sb 22.43 22.45 F 21.06 21.02
【0041】実施例2 実施例1中、KSb F6 14.6部をKPF6 9.8部
に変更した以外は、実施例1と同様にして化合物No.
2のスルホニウム塩(A−2)16.3部を白色の粉末
固体として得た。この化合物の融点は108〜113℃
であり、元素分析の結果は次のとおりであった。
【0042】
【表3】 表3 元素 実測値(重量%) 計算値(重量%) C 53.24 53.20 H 4.01 4.03 S 10.67 10.66 P 6.87 6.86 F 25.21 25.25
【0043】実施例3 実施例1中、4,4' −ジメチルジフェニルスルホキシ
ド11.4部を4,4' −ジ−n−ブチルオキシジフェ
ニルスルホキシド17.2部に、KSb F6 14.6部
をKPF6 9.8部にそれぞれ変更した以外は、実施例
1と同様にして化合物No.7のスルホニウム塩(A−
3)20.3部を白色の粉末固体として得た。この反応
生成物の融点は86〜92℃であり、元素分析の結果は
次のとおりであった。
【0044】
【表4】 表4 元素 実測値(重量%) 計算値(重量%) C 54.98 55.01 H 5.32 5.34 S 8.41 8.47 P 5.52 5.46 F 20.13 20.08
【0045】実施例4 4,4’−ジ−n−ドデシルジフェニルスルホキシド2
6.7部およびジフェニルスルフィド4.6部を仕込
み、よく練り混ぜた後メタンスルホン酸90.0部を仕
込む。次いで氷冷しながら撹拌し、無水酢酸21.0部
を滴下する。無水酢酸滴下後、室温で3時間撹拌し、さ
らに90℃に加熱して約5時間反応を行い、次いでこの
反応液を氷冷しながら水300部に注いで希釈し、25
%水酸化ナトリウム水溶液200部で中和する。しばら
く静置した後、上ずみの水層をデカンテーションで除
き、これに水300部およびトルエン600部を仕込ん
で室温で撹拌し、オイル分を溶解する。さらにこの溶液
にKSb F6 14.6部を室温で強く撹拌しながら仕込
み、2時間撹拌した後、分液ロート中で1時間静置す
る。2層に分離した混合液の下層の無色半透明な水層を
除去し、さらに上層のトルエン層を10%塩化ナトリウ
ム水溶液100部で洗浄した後、トルエン層をナス型フ
ラスコに入れ、ロータリーエバポレーターで減圧下にて
加熱してトルエンを480部留出して除去した。析出し
た白色の結晶をろ過した後、ろ液をさらにナス型フラス
コに入れてロータリーエバポレーターに設置し、トルエ
ンの回収を続けた。トルエンを完全に除去して化合物N
o.9のスルホニウム塩(A−4)30.2部を淡褐色
のワックス状固体として得た。このワックス状のスルホ
ニウム塩の元素分析を行ったところ、結果は次のとおり
であった。
【0046】
【表5】 表5 元素 実測値(重量%) 計算値(重量%) C 59.53 59.28 H 7.56 7.36 S 5.57 5.65 Sb 14.15 14.31 F 13.19 13.40
【0047】この淡褐色のワックス状固体30.2部に
γ−ブチロラクトン30.0部を加えて60℃で加熱溶
解し、本発明の淡褐色オイル状光カチオン重合開始剤6
0.2部を得た。スルホニウム塩の収量が30.2部で
あることから、このオイル状光カチオン重合開始剤中の
スルホニウム塩含有量は50.2重量%であると推定し
た。
【0048】(組成物の実施例) 実施例5〜8 表6に示す配合組成にしたがって光カチオン重合性樹脂
組成物を調製した。なお、表6中の数値は重量部であ
る。これら調製した組成物をアルミテストパネル上に5
μmの厚さに塗布し、高圧水銀灯(80w/cm)で塗
布面より8cmの距離から紫外線を照射し、硬化させ
た。組成物の評価は、硬化前の組成物においては透明
性、保存安定性を、硬化後については指触による乾燥
性、硬化塗膜の光沢について試験した。それらの結果を
表6に示す。
【0049】
【表6】 表6 実施例 5 6 7 8 (A)成分 実施例1のスルホニウム塩(A−1) 1.5 実施例2のスルホニウム塩(A−2) 1.5 実施例3のスルホニウム塩(A−3) 1.5 実施例4のスルホニウム塩(A−4) 3.0 (B)成分 セロキサイド2021 *1 80 80 EHPE−3150 *2 20 20 ビニルエーテル化合物1 *3 50 50 ビニルエーテル化合物2 *4 50 50 ──────────────────────────────── 透明性 ○ ○ ○ ○ 保存安定性 ○ ○ ○ ○ 指触による乾燥性(mJ/cm2 ) 10 30 25 30 光沢 ○ ○ ○ ○
【0050】注)*1:セロキサイド2021(ダイセ
ル化学工業(株)製、脂環式エポキシ樹脂) *2:EHPE−3150(ダイセル化学工業(株)
製、脂環式固形エポキシ樹脂) *3:ビニルエーテル化合物1(米国アライドシグナル
社製)、構造式
【0051】
【化8】
【0052】*4:ビニルエーテル化合物2(米国アラ
イドシグナル社製)、構造式
【0053】
【化9】
【0054】・透明性:目視により判定した。 ○ ・・・ 完全に透明である。 △ ・・・ わずかに濁りあり。 × ・・・ 白濁、分離する。 ・保存安定性:組成物を40℃で3カ月間保存して判定
した。 ○ ・・・ 変化しない。 △ ・・・ やや増粘した。 × ・・・ ゲル化した。 ・指触による乾燥性:硬化塗膜を指触し、タックフリー
になるまでの紫外線の照射量(mJ/cm2 )を測定し
た。 ・硬化塗膜の光沢:指触により完全に硬化したと判断さ
れるまで紫外線を照射した後、硬化塗膜の表面を観察し
て判定した。 ○ ・・・ 光沢があり、くもり感がない。 △ ・・・ ややくもり感がある。 × ・・・ 光沢がなく、くもっている。
【0055】表6の結果から明らかなように、本発明の
スルホニウム塩を含有した組成物は、透明性、保存安定
性が良好で、硬化速度が優れ、また硬化塗膜の表面の光
沢がよい。
【0056】
【発明の効果】本発明のスルホニウム塩はカチオン重合
性樹脂との相溶性に優れ、それゆえその組成物は透明性
がよい。また本発明の組成物は保存安定性がよく、硬化
性に優れ、硬化塗膜の光沢が良好な優れた性能の硬化物
をあたえる。又、本発明の光カチオン重合性樹脂組成物
は、紫外線、電子線、X線等の活性エネルギー線を照射
し、また必要に応じて加熱を併用することにより、極め
て薄い膜から厚手の膜まで硬化することが可能であり、
ガスの発生や大気中の酸素に起因した硬化不良を引き起
こすこともなく、優れた物性の硬化物を得ることができ
るため、成型樹脂、注型樹脂、塗料、コーティング、接
着剤、インキ、レジスト等へ好適に用いることができ
る。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】下記式(1) 【化1】 (式中、Xは下記式(2) 【化2】 (式中、R1 、R2 、R3 、R4 及びR5 のうち少なく
    とも1つはC1 〜C15のアルキル基又はC1 〜C15のア
    ルコキシ基であって、残りはすべて水素原子を表す。)
    で示される基であり、ZはClO4 、CF3 SO3 、B
    4 、B(C6 5 4 または式(3) 【化3】 MYq (OH)6-q (3) (MはP,AsまたはSb原子を表し、YはF、Clま
    たはBr原子を表し、qは4〜6の整数である。)で示
    される陰イオンである)で示されるスルホニウム塩
    (A)。
  2. 【請求項2】請求項1記載の式(1)で示されるスルホ
    ニウム塩(A)を有効成分とする光カチオン重合開始
    剤。
  3. 【請求項3】請求項1記載の式(1)で示されるスルホ
    ニウム塩(A)とカチオン重合性化合物(B)を含有す
    ることを特徴とする光カチオン重合性樹脂組成物。
  4. 【請求項4】請求項3記載の組成物の硬化物。
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